過去ログ [ 56 ] HTML版

※ ページ内検索は Ctrl + F で行ってください。
※ 各記事への直リンク用のURLは、記事のタイトルをクリックするとブラウザのURL欄に表示されます。  

不納欠損処分について

グルグルグル No.6141

ネット上で『不納欠損処分』を検索しますと、以下のような記述が出てまいります。
(A)「調定を行ったものの何らかの理由で徴収ができず、今後も徴収の見込みがたたないため、徴収をあきらめることを不納欠損処分といいます。」(鳥取県HP草の根自治支援室)

(B)「調定を行ったものの、何らかの理由で納めていただくことができず、今後も納めていただける見込みがたたないため、「納めていただくことができない」と決定することを不納欠損処分といいます。」(群馬県HP財政用語の解説)

(C)「不納欠損処分は、将来、収入される可能性がある債権を何らかの理由で放棄する行為である。」(毎日新聞No.161 【平成15年10月 7日発行】地方税の徴収率改善−東京都に学ぶ他自治体−山梨総合研究所 研究員 ○○○○)

(D)市税の不納欠損処分は、単に税逃れを許しているだけと考えられ著しく不当であるので、不納欠損処分の取り消しまたは不納欠損処分金額の補填を求める。[平成14年1月18日請求 埼玉県・北本市 (却下)](全国都市監査委員会−全監情報第58号−)

『不納欠損処分』とは、本来、自治体の調定された債権額のうち、消滅時効の成立や債権放棄などにより債権自体が消滅した分を、減額調定するのではなく、翌会計年度に繰り越さない(繰越調定しない)会計上の処理だと理解しているのですが・・・
消滅時効が成立した場合以外は、『不納欠損処分』の前に、債権放棄などの議会議決を得なければならなかったはずですが・・・
確か、『不納欠損処分』は議会への報告事項だったと思います。
『不納欠損処分』で議会に報告するだけで債権放棄が成り立つような記述と感じるのは私だけでしょうか。
皆様方はどう思われますか。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6149

私法上の債権であっても時効期間経過後は不能欠損処理することが多いようですね。
それはご提示のとおり「翌会計年度に繰り越さない(繰越調定しない)会計上の処理」であり、積極的に債権を放棄する意思とまではいえないと思います。債権を放棄してしまうと、旧債務者が翻意して旧債務を履行しようとしても、寄附とでも構成しなければ自治体として受け入れられなくなってしまうでしょう。
予算には未収金として計上しないけれど、債権としてはなお存続し、仮に履行を受ければ雑収入として受け入れるということになるのでしょうか。
そもそも予算制度における債権とは、一定の評価を経た後のフィクションとしての債権ということなんでしょうね(損害賠償請求権が抽象的に発生していてもその額をそれなりの方式で算定して獲る覚悟が出来てから予算に計上しているのでは)。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6150

不納欠損するには次の2とおりしかないと考えますが。
@ 時効の援用を要しない,時効利益を放棄することができない債権であって,時効期間を経過したもの
A 時効期間を経過しても時効の援用を必要とする債権

@については時効期間を経過すれば自動的に不納欠損できますが,Aについては時効期間を経過しても債務者が時効援用するか,債権者側として権利放棄するしか方法がありません。
権利放棄により不納欠損することは,議会に権利放棄の議決を求めた後に不納欠損を行うことになります。
不納欠損すれば調定はなくなるということですから,不納欠損後に支払われても受け入れできないことになるのではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

しま No.6161

 以前にも同様の話題がありました。概ねあおさんの言うとおりと思いますが,若干補足させてください。
 債権が消滅するための要件は,次のとおりだと思います。
@収入金が納入される。(当然ですね。)
A消滅時効が成立する。(時効の援用が必要なものと不要なものあり。)
B自治法施行令第171条の7による債務の免除をする。(一定の要件と10年の経過が必要。)
C自治法第96条第1項第10号による権利放棄の議決をする。
 上記のA〜Cにより「債権消滅」したものを「会計上の処理」としての不納欠損処理をして,翌年度の決算の承認時に不納欠損した件数や金額について,議会に報告するという順序になるものと思います。
 従いまして,不納欠損処理によって債権が消滅するのではなく,債権が消滅したものを不納欠損処理するものと思います。
 

Re: 不納欠損処分について

あお No.6162

しまさん,補足ありがとうございます。
まとめていただいたとおりで,不納欠損するということは行政の行為であって,時効援用が不要な債権は時効完成後に不納欠損できるのであって,私債権のように時効援用が必要な債権は,しまさんのまとめのB,Cの措置をとった上で不納欠損するしかないことになります。
もっとも,自治体の条例で国の債権管理事務取扱規則30条のみなし消滅と同様に時効期間が到来した私債権について権利放棄する旨定めていれば別ですが。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6168

そのような債権管理をされているところが多いのですね。
次の3つのことを考えると、特に免除をしなくても割と手軽に不能欠損処理をしていると思っていました。各自治体の運用について統計でもあると参考になるのですが。

1 債務の免除は相手方のある単独行為なので、例えば債務者の所在が不明、債務者の死亡による法定相続人多数などのときには免除をするのはなかなか困難である。
2 不能欠損処理なる概念は法律上の概念ではなく慣例的に行われてきた財務上の行為であるので、不能欠損処理にどのような内容を盛り込むのかは、自治体の合理的判断による。
3 時効が完成した債権であっても免除しなければその後収入できるのであるから(”債権”の最小限の効力として不当利得とはならないのであるから)、不能欠損処理と免除を直結させ
てしまうことはなんかもったいない。

Re: 不納欠損処分について

しま No.6174

 揚げ足を取るようで申し訳ございません。確認しましょう。
 
 6168で玄冬さん?が言っている点については,
 1→債務の免除は単独行為であるからこそ,債権者の意思のみでできるのではないでしょうか?
 2→不納欠損処理自体に債権を消滅させる効力は無いし,根拠のない欠損処理はできないものと思います。法律上で債権が消滅したものは長限りで欠損処理する。その他のものは議会の議決により消滅させた後に欠損処理するものと思います。
 3→時効が完成した債権は,絶対的に消滅するものと思います。直ちに不納欠損処理をすべきものですので,時効完成後には収入できないものと思います。

 いずれにしましても,冒頭にグルグルグルさんが引用された文面は誤解を招き易いものと思いますし,長限りの安易な不納欠損処理は後々住民訴訟の対象になりかねませんので,慎重にすべきと思います。(かく言う私の方も,各部署を調べれば怪しいものですが・・・。)

Re: 不納欠損処分について

あお No.6178

確認ですが,
3については,
@時効援用が不要な債権(税,保険料等の公債権)は時効期間を経過すると債権は消滅するから不納欠損できる。
A時効援用が必要な債権(私債権)は時効期間を経過しても消滅せず,債務者の援用があって消滅する。
不納欠損しない限りは債務者が弁済すれば受け入れ可能であり,債権者たる市が権利放棄すれば不納欠損できる。

なお,共通して不納欠損後は債務者が弁済しても受け入れできない。
といったところでしょうか。

しまさんがいうように不納欠損は慎重にすべきものと思います。
住民訴訟でなくても決算委員会で調べられれば安易な不納欠損はできません。

Re: 不納欠損処分について

アトム No.6180

補足ですが、「不納欠損後は債務者が弁済しても受け入れできない。」のは、対象となった税,保険料等の費目での受け入れが出来ないだけです。
不能欠損後でも、雑入の費目で受け入れ出来ます。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6181

現在、私法上の債権について、私法の領域において次のような認識が一般であろうという前提に立った記述です。
したがって、この前提がなくなれば、また違った結論になると思いますよ。
また、収入可能性のない債権を収入原因としていつまでも予算措置しておくことは適当ではないと考えます。
もっとも、気軽に(無責任ということではなく)議会に債権の放棄を提案できる雰囲気がないということも問題なのかもしれません。

1 相手方のある単独行為も意思表示として構成されている結果、相手方に到達してその法的効果が生ずる。
2 地方議会の「債権の放棄」の議決が独自の法律上の債権消滅原因としているとは考え難い。
3 時効については実益に乏しい議論が民法学上行われているようですが、裁判における防御方法として機能するというのが実態に即している。即ち、請求されて払いたくないときに主張される制度である。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6184

不納欠損の説明については,大阪府総務部市町村課行政グループの相談室Q&Aがよくまとまっていますので,ご参考までに。

http://www.masse.or.jp/~jichiosaka/backnumber/pdf17-2/20052p39_40.pdf

Re: 不納欠損処分について

しま No.6185

 投稿した方の返事がなく,場外の議論になってきましたが。
 6180アトムさんの意見に根拠はあるのでしょうか?
 債権が消滅して不納欠損処理したものは徴収する根拠を失っているものであり,万が一収入した場合であっても不当利得として返還しなければならないのではないでしょうか?また,名目を変えれば収入できる。というのもいささか疑問です。
 どうなんでしょう?

Re: 不納欠損処分について

あお No.6188

まったく,しまさんの意見に同感です。
徴収根拠を失った債権は,弁済してもいわゆる非債弁済となり不当利得になります。
不納欠損するということは調定をなくすことでもありますが。
先に紹介した大阪府の説明は不納欠損処分のところで丁寧に説明されています。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6189

今年も突然スミマセン。

>弁済してもいわゆる非債弁済となり不当利得になります。

必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか?

確かに,時効により債権が消滅して不納欠損した場合は,債権が消滅しているので,玄冬さんが6149でも触れられているように寄附金と構成しない限り(広義の)非債弁済となり不当利得となると考えます。

しかし,私法上の債権について,消滅時効の期間経過前に(又は当該期間経過後に時効の援用を得ることなく)権利の放棄の議決を経て不納欠損した場合は,債権の免除の意思表示が相手方に到達しない限りは当該債権は消滅しないと考えられる(参考民法第519条)ので,この場合は,諸収入で受け入れる余地があるのではないでしょうか?

そもそも,不納欠損は単なる決算上の取扱いなので,不納欠損=債権の消滅とは,必ずしもならないと考えるのですが…。あおさんが6184で紹介されていた大阪府の説明の解説の4において「当該債権に係る権利の放棄に係る議会の議決を得て債権を消滅させ」とありますが,権利の放棄の議決が債権の消滅原因であるということについて,一地方自治体の独自の見解ではなく,何か判例,通達,行政実例等の明確な根拠があるのでしょうか?

ところで,グルグルグルさんが6141で引用されていた(A)から(D)までにおける「不納欠損処分」は,いずれについても,厳密な意味での不納欠損処分のことを指しているのではなく,地方税法第15条の7第4項及び第5項の規定による処分と混同している部分が大きいのではないかな,と考えますがいかがでしょうか?

Re: 不納欠損処分について

あお No.6191

権利放棄について議決を求めることは,例えば債務者が行方不明で知ることができなかったとしても,対外的には権利放棄したということが明確になるものです。
したがって,債務者が寄附金として明確な意思表示を行った場合はともかくとして受け入れができないと考えるべきではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6192

債権の発生・消滅・変更の問題と、特定の業界で行われている会計慣行の問題を明確に区別して考えることが有益でしょう。
債権は、一般の法原理に従って発生し、変更し、消滅する。
不能欠損も調停も特定の業界で行われている内部的な手続(一応合理的と思われる予算制度とリンクする手続ですね)にすぎませんね。その内部手続においてどのような運用が合理的かという問題と債権の発生・消滅・変更の問題は自ずと別のこととなります。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6193

皆様いろいろご意見ありがとうございます。
不納欠損処分につきましては、しまさんがNo.6161で述べられているとおりだと考えます。
不納欠損処分後の納付につきましては、以下3つに分けて述べてみます。
(1)消滅時効の完成
消滅時効の完成は絶対的なもので、消滅時効完成後納付された分は、不納欠損処分前であっても(調定が残っていても)還付しなければならないはずです。
ただし、消滅時効完成としたこと自体が誤りであったと判明した場合(どこかの時点で、時効の中断等により消滅時効が完成していないと判明した場合)は、納付ということになるものと考えます。
しかしながら、消滅時効完成後に納付が生じるというのは、自治体の徴収システムそのものに問題があるのではないでしょうか。
(2)債権の放棄
@納入義務者、連帯保証人の破産、免責により徴収不能となった場合
A納入義務者、連帯保証人が死亡し、いずれにも相続人が無く徴収不能となった場合
(今のところこの2つぐらいしか思い浮かびません。)
ここで私債権につきましては、例えば破産した者が、不納欠損処分後、当時の納付書なり督促状や催告書(年度、収入区分、金額等が分かる資料があればよいと考えます。)とともに持参し、納付したいということであれば、受け入れるべきではないでしょうか。
(3)債権の免除
まだ考察できていません。
とりあえず返信といたします。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6194

グルグルグルさん,確認ですが,
(2)の私債権の破産免責決定を受けた場合は,法的処理が済んだわけですから不納欠損できるのではないでしょうか。
破産債権のうち租税等請求権は免責されませんが(破産法253条1項1号)。

Re: 不納欠損処分について

アトム No.6201

説明不足で申し訳ありませんでした。
私の言いたかったことは、ぷーたろさんの回答のとおりです。
債権の消滅時効完成後に、債権は消滅しているのですから同じ費目で収納できないという意味です。
元債権者が「どうしても未納分と同じ金額を何らかの形で収めたい」ということであれば、その元債権者の道義面やその意思の尊重という点で、公法上・私法上の違いはあっても他の歳入費目で収入とすることができるという意味でした。
最後に補足いたしますが、不納欠損処分によって調定がなくなることはありません。
ここで言う「不納欠損によって調定がなくなる」とは、「調定の根拠となった債権が消滅する」ということです。なぜなら不能欠損(額)は、調定したものについて生ずるものです。
歳入決算上は、収入済額、不納欠損額及び収入未済額の合計が、調定額と一致することから明らかなことです。
このフォーラムをご覧の皆様が、「調定がなくなる」ということが、「調定を減額する」ことではないことを確認するために補足させて頂きました。
今後とも宜しくお願いいたします。

Re: 不納欠損処分について

しま No.6202

 今回の件で調べていたら,私の考え方を覆すような記述を見つけましたので,この機会に紹介します。
 鰍ャょうせい「新地方自治法講座=9 財務(2)」のP201。
「時効の援用の法的性質を停止条件説の立場をとって考えることとすると,私法上の債権で既に時効期間の経過した債権についても,債権者が消滅時効の援用をしない限り,それが納入される見込みのないことが明らかな場合であっても,地方公共団体はこの管理を継続しなければならないものである。しかし,これを無期限に管理しなければならないということになると問題でもある。そこで事務処理としては,権利放棄に係る議会の議決を経てこの債権を不納欠損として整理することが適当である。しかし,実務上,例えば,内部的に会計処理上明らかに納入される見込みのない債権については,事実上不納欠損としての扱いをすることもやむを得ないものと考える。」
 これによれば,権利放棄の議決をして不納欠損することが望ましいとしながら,議決なしの不納欠損も容認する内容となっています。
 私は,前の書き込みのとおり「債権の消滅=不納欠損」と思っておりましたが,この説を採用すると「内部事務上の不納欠損処理」も可能となる感じです。
 この説を通すと,このフォーラムでたびたび議論になり,なお疑問に思っていたのですが,水道料金について日本水道協会の見解である「時効期間が経過し,時効の援用のない私法上の債権は,不納欠損処理して簿外管理する。」という「会計上は消えるけど法的には消えない債権」を存在させてもやむを得ないようですね。
 でも,簿外管理を続けて不納欠損後の収入も許すみたいなのは,個人的には採用したくはないのですが・・・。
 このように分かりにくく不安定な取扱いをさけるために,東京都各区の「債権管理条例」や,債権放棄の内容を盛り込んだ「専決処分事項の議決」などが最近注目されているようですので,私も現在研究中です。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6204

あお さんへ
裁判所は破産者に対し免責を許可するわけで、債務者に対してどうこういうことではないと考えます。
例えば、免責許可を受けた破産者が、あおさんには恩義があり、迷惑をかけるわけにはいかないので、あおさんの債権はどうしても支払いたいという場合が考えられます。
要は、債務者が破産免責決定後、資力の回復を待って、本人の意思で弁済することはかまわないわけで、債権者が債務者に対し、支払ってくださいと言えないだけではないでしょうか。
破産免責で債権は消滅するのではなく、債権者が破産免責を受けて、債権放棄するかしないか判断することになり、自治体は議会の議決により債権放棄となった場合、その議決を受けて、不納欠損処分することになるのではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6206

しま さんへ
鰍ャょうせい「新地方自治法講座=9財務(2)」のP201は手元にございませんが、前半部分の記述と「しかし,実務上,例えば,内部的に会計処理上(以下省略)」とは全く関連がありません。
あまりにも唐突で、理解ができませんね。
判断あるいは解釈の根拠を示さず、いきなりの結論になっています。
地方自治法第96条はなくなってしまったのでしょうか。
また、「債権の消滅=不納欠損」ではなく、「=」が誤解の元で、債権の消滅は不納欠損処分の前提条件というべきものではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6212

グルグルグルさんへ
債権債務を誤解されていないでしょうか。破産免責決定があれば法的に債権債務が解かれてしまうことです。
破産免責決定は債権者が権利放棄することではありません。
とすると,税,保険料等の滞納処分規定を有する債権は免責されませんから,免責決定後でも少額ずつ支払う必要がありますが,私債権は債務が法的に免除されたことになります。
私債権で,どうしても支払いたい場合は,寄附としては受けられますが,元の債務としては受けられないのではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6215

>あおさんへ

自分は,グルグルグルさんの見解に賛同します。

1 破産法第253条第1項においては「破産債権について,その責任を免れる」と規定されており,「破産債権について,消滅する」とは規定されていない。
2 従来の判例・通説は「債務消滅説」ではなく「自然債務説」を採っていること。

以上を理由に,免責の効果は,グルグルグルさんが述べられているように,債権者が債権の請求ができなくなるだけにすぎず,債権の消滅までは発生しないと考えます。
したがって,権利放棄の議決を経ることなく,あおさんが6194でおっしゃっている「私債権の破産免責決定を受けた場合は,法的処理が済んだわけですから不納欠損できる」という見解には抵抗があります。

蛇足ですが,自分は,権利放棄の議決は,債権の消滅という効果を形成するわけではないが,当該議決後は,債権が消滅した場合と同様に不納欠損することができ,その結果として,債権はなお存在し続けるものの,地方公共団体は,当該債権について,会計上翌年度に繰り越し管理する義務がなくなる,と現在のところは考えていますので,私債権の破産免責決定を受けた場合は,「権利放棄の議決→不納欠損の手続き」の有無にかかわらず,寄附金と構成しなくても受け入れられると考えます。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6216

[6215]のぷーたろさんの見解に賛成です。
なお、細かいようですが、不能欠損は確立した法的概念ではなく自治体財政の慣行として行われている手続という点についてはある程度共通理解に達しているようですので、「債権が消滅した場合と同様に不納欠損することができ」というよりも「議会によりオーソライズされたことにより不能欠損しても不適当とはいえず」ということなのでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6217

[6202]のしまさん引用の見解のちょっと困るのは次の点でしょう。

1 「この管理を継続」の具体的意味が不明。いわんとしていることは、「予算上未収金として計上することを継続」という趣旨なのでしょうが。
2 「事実上不納欠損としての扱い」なる言葉は、”確立した不能欠損という概念”が一方で存在していることを前提とし、それには当たらないけれども”事実上”それと同じ扱いをするとしか理解できないのですが、”確立した不能欠損という概念”の明示がないと意味をなさないでしょう。強いて読めば、「権利放棄に係る議会の議決を経て行う行為」が”確立した不能欠損という概念”ということなのでしょうか。仮にそうだとして、その根拠が明示されないのでなんとも評価しようがないですね。

この見解、言葉足らずというより、この筆者自身論理的に詰めて考えていないような印象を受けます。

Re: 不納欠損処分について

しま No.6218

 そうですか・・・。私自身よく解釈できていなかったのですね。おかげで今回、債権に関して別の部分が少し分かったような気がして、大変参考になりました。
 何か余計な書き込みをして混乱させたみたいで申し訳ございませんでした。また皆さんに教わります。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6219

どうも目にする文献ではしっくりする説明がみつからないので自分なりに定義してみました(ウィキですね)。皆さんだったらどのように定義されるでしょうか。

【不能欠損】自治体財政実務において翌年度の予算に未収金を繰り越さないとする取扱いをしたい場合に広く行われている手続。特に手続をしないと未収金が翌年度に繰り越されるという原則の下で、不適当な結果を回避する目的で行われてきたと推察される。
即ち、地方自治法の規定により時効期間が経過すると確定的に消滅すると一般に解されているいわゆる公法上の債権の場合は、そもそも債権が消滅するわけであるから、不能欠損は事実状態に予算を合わせるという当然の措置といえる(もっとも、なぜ不能欠損なる手続で行う必要があるのかという疑問は生ずるかも知れない。債権消滅ということで繰り越さないという会計処理が端的ではないか)。
また、議会で”権利の放棄”の議決の対象となった債権について不能欠損を行うことは一般に適当と考えられている。この場合、徴収の現実的可能性が乏しい債権が議案として提案されることが多いであろうが、論理的にそうなるものではない。あくまで、(理由はともあれ)議会が放棄適当と判断した債権が対象となる。
適否の見解が分かれるのは、現実的に債権徴収の可能性が乏しい債権(例えば、時効期間経過後の私法上の債権)について、議会の議決を経ないで不能欠損することである。徴収の努力をしないで安易に執行部のみの判断で未収金として繰り越さない
(=今後は積極的な徴収の努力をしない)ことは一応不適当とはいえる。他方、時効期間が経過した債権徴収の事実上の困難性を考慮すれば、議会に図らずに不能欠損したとしても必ずしも不適当とはいえないという考えも成り立つ余地があるであろう。
さらに、議会に議案として計上すると時効期間が経過するまで徴収しなかった執行部の責任を追及されることを恐れて、不能欠損が広く行われているものの明確な概念が確立されているとはいえないことを幸い、執行部限りでこっそりと不能欠損することもあり? と考えることはうがちすぎであろうか。
なお、不能欠損と私法上の債権の存否とは法的には関係しないことに注意する必要がある。自治体であろうと私法関係においては、法的根拠があれば格別、一般私人と同じ法主体として取り扱うとする現代行政の下では、自治体の有する私法上の債権も法の一般原則にしたがって消滅することは当然である。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6221

スミマセン!

先に6215で述べた自分の見解中「「権利放棄の議決→不納欠損の手続き」の有無にかかわらず」の次に「,権利放棄の議決後,権利放棄をした旨の意思表示(免除の意思表示)を債務者に対して行い,当該意思表示が当該債務者に到達した場合を除き」を加えてください。

訂正の理由:権利放棄の議決後,わざわざその旨の意思表示をしたような場合で,当該意思表示が債務者に到達した場合は,当該議決に係る債権は,消滅するため。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6222

ぷーたろさんへ
破産免責決定されても,任意に支払う旨の申出があれば,当該債権として受け入れられることについては考えを改めます。
破産免責の効果として,判例,通説では免責された債務は自然債務となることは分かりました。(債務は消滅すると解するものもある。破産法概説,有斐閣P229)
国の債権管理事務取扱規則30条4号において債権の消滅ではなく,みなし消滅として次のように挙げられていることからも自然債務として扱っているものと思われます。
(4) 破産法 (平成16年法律第75号)第253条第1項 、会社更生法 (平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免かれたこと。

次に確認ですが,免責決定が債権の消滅ではなく,自然債務とすると不納欠損については,地方自治法施行令171条の7の免除規定と同様に議会の議決を経ずに不納欠損できることについてはどのようにお考えでしょうか。
@地方自治法関係の規定がないため議決を経る必要あり。
A破産法により免責決定(この場合債務の免除と考えて)されたので,議会の議決を経るまでもなく,地方自治法施行令171の7と同様に免除する。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6223

あおさん

割り込みで失礼します。確認させてください。
「不能欠損できる」の意味ですが、「不能欠損することは適当とされている」ということですね。「できる・できない」というと通常違法性のレベルの問題になってしまいますが、不能欠損は何度も書いてきましたが、慣例的に行われている財務処理の手続であり、あくまで(違法性の問題ではなく)妥当性の問題であるという点については、この議題参加者の(唯一の?)共通認識となっていると思われますが。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6224

不納欠損処分は以下の3つの過程を経る以外無いものと考えます。
(1)消滅時効の完成による債権の消滅(民法その他)⇒不納欠損処分
》債権消滅後は納入不可で、還付と考えます。

(2)債権放棄の議会議決(自治法第96条)⇒不納欠損処分
》放棄は一方の意思なので、債務者が自ら支払えば納入可と考えます。
具体例としては、
@納入義務者、連帯保証人の破産、免責により徴収不能となった場合
A納入義務者、連帯保証人が死亡し、いずれにも相続人が無く徴収不能となった場合

(3)債権の免除(自治法第240条、同施行令第171条の7−議会の議決不要)⇒不納欠損処分
》免除後の納入については、免除は債権者の意思により債権を消滅させるので、納入不可、還付と考えます。

なお、消滅時効経過後の私債権については、提訴の議会議決を経た後、支払いの訴えにより債務者が支払うのか、時効の援用をするのかはっきりさせる必要があると考えます。
または、債権放棄の議会議決によることも可能かと考えます。
いずれにせよ、議会の議決を要することに変わりは無いと考えます。

>ぷーたろ さんへ
ところで、No.6221について質問です。
債権放棄=債権免除ということがよく理解できないのですが、債権放棄後その事実を債務者に伝えると債権免除となるのですか。
その根拠法令等は何でしょうか。
個人的には、
債権消滅=無くなること
債権放棄=行使しないこと
債権免除=債権者の意思によって消滅させること
と理解しているのですが・・・

Re: 不納欠損処分について

あお No.6225

妥当性といっても差し支えないと考えます。
債権が消滅した場合は,不納欠損は「すべき」ものですが,時効援用が必要な債権では,行政側の手続としてどのような場合に不納欠損することが「できる」のか,不納欠損したことの妥当性が問われることになるからと考えています。
禅問答的ですが,妥当性を追及すると違法性を考えざるを得ないと思いますが。
どこから突かれても問題ない処理手続にしたいことは当然ですが。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6227

>あおさん

同感です。このての議論は、現実的に自分が所属している自治体で行われている慣行を前提として、それが適法であり、かつ、妥当であるということを、住民に、監査委員に、裁判所に説明するとすればどのような理屈が考えられるのかというシミュレーションに近いですね。
もっとも、個人的見解と所属団体の見解の乖離がはなはだしい場合が往々にしてありますが。

蛇足ですが、東京都各区で制定されている債権管理条例も通常の民法学者の債権の特喪変更の考え方とどうやって整合性がとれるのか疑問に感じています。これは批判ではありません。格
別違法でもなく、それなりに説得力があり、住民・議会・執行部が納得していれば無理に一般的な法律理論レベルでの精緻化を図る必要はないと考えています。学者から褒められたいから
仕事をしているわけではないですからね。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6230

玄冬さんへ
国の債権管理事務取扱規則は昭和31年に制定され,同規則30条で債権のみなし消滅が規定されています。
なぜ,同じような債権を扱う自治体において施行令なり,施行規則が整備されていないのかが問題です。
各自治体の債権管理条例については,個人的に検討していますが,今回のような議論を踏まえて制定されているのか疑問に感じています。
制約が多い中で債権管理をあくせく考えているのが実状です。
今回の議論は自分が整理できていないものも含めて参考になりました。
玄冬さんのおっしゃるとおり,個人的見解と所属団体の見解の離れていることも度々です。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6237

>グルグルグルさんへ

グルグルグルさんがおっしゃるように,債権を行使しないことである債権放棄と債権(債務?)を債権者の意思によって消滅させることである債権(債務?)免除とは,本来は,区別されるものだと考えます。

しかしながら,

1 地方自治法施行令第171条の7第3項において,「免除をする場合については,普通地方公共団体の議会の議決は,これを要しない」と規定されており,このことは,免除をする場合は,原則議決を必要としていることを前提としていると考えられるところ,このことを規定していると思われる箇所は,地方自治法第96条第1項第10号以外に見あたらないこと。
2 個人の独自の見解ではあるが,一応地方自治法を解釈する上で通説レベルであろうと自分は思っている「新版逐条地方自治法第4次改訂版」(松本英昭著,学陽書房刊)の第96条の[解釈]十五(P.337)の説明中「権利の「放棄」とは,権利者の意思行為により権利を消滅させることであるから,単に権利を行使しない場合は,ここにいう権利の放棄には含まれない」とあること。

以上の理由により,地方自治法第96条第1項第10号に規定する「権利を放棄する」とは「債権を免除する」の意と考えられ,権利放棄の議決とは,地方公共団体が,債権を免除するという内部の意思決定を行うのに法律上必要な手続きである,と考えているものです。

>あおさんへ

免責決定が,地方自治法第96条第1項第10号に規定する「法律…(略)…に特別の定めがある場合」に該当すると考えられるので,権利放棄の議決を経ることなく,不納欠損できるのでは?という確認と理解しました。

個人的には,@です。理由は,「消滅する」又は「免除する」と規定されている場合は,同号に規定する「法律…(略)…に特別の定めがある場合」に該当すると考えますが,債権の請求ができなくなることと債務を債権者の意思によって消滅させることである債務の免除とは,やはり区別されるものと考えているところ,免責決定が,債務の免除の一種であるとの確信が得られないためです。

自分も今回の議論は,大変参考になりました。皆様,ありがとうございます。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6248

>ぷーたろ さんへ(No.6237)
「権利の放棄とは、権利者の意思行為により権利を消滅させることであるから云々」は本当にそう書いてあるのでしょうか。
なにぶん現物を所持していないものですから。
放棄とは消滅との意があるとは初めて聞きました。
本当に書いてあるすると、現世のことではなく、本の中だけの話だとしか言いようがございません。
ひょっとして、SF小説? とは言いすぎでしょうか。
それとも私が物事を知らなさすぎなのか。

放棄(Yahoo!辞書より)
[名]スル1 投げ捨ててかえりみないこと。「責任を―する」2 自分の権利・資格などを捨てて行使しないこと。「権利を―する」


>松○英○さま並びに学○書房さま
日本国民には、少なくとも、「権利の放棄とは、権利者の意思行為により権利を消滅させることであるから云々」の部分は読んで欲しくありませんね。
解釈を講じる以前に、国語の学習をお願いしたい。
本を出版する前に、小学校の国語の先生に校正を依頼してみてはいかがでしょう。

戦争の放棄とは、戦争を消滅させること なのですね。
育児の放棄とは、育児を消滅させること なのですね。(←怖い!)
責任の放棄とは、責任を消滅させること なのですね。
職場の放棄とは、職場を消滅させること なのですね。
相続の放棄とは、相続を消滅させること なのですね。
限が無いのでこのくらいで止めます。
なんだか、とても情けなく、悲しくなってしまいました。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6250

>グルグルグルさん

割り込みで失礼します。

日常用語は別として、現在の私法の領域において一般的に考えられている債権の消滅の問題でしょうか。
民法の教科書の最初の方に、「人とは権利義務の統一的な帰属主体である」趣旨のことが書いてあるように、近代法は権利義務の概念を中心として制度を設計しているようです。したがっ
て、特に私経済領域においては、取引の安全の要請もあり、債権の発生、変更、消滅のメルクマールは明確でなければならない(即ち明文の法律の規定に基づくことを基本とする)という
考え方が支配的だと思っています。
法律学の教科書で、抽象的なカテゴリーとして「権利の放棄」を立てて、その具体例として個々の法律の制度を列挙することはあっても、抽象的な”権利の放棄”が即債権消滅の法的効果
をもたらすとは一般に考えられていないと認識しています。
その意味で、地方自治法の議会の議決事項として「権利の放棄」と挙げているのは、奇妙さを通り越して異様さを感じてしまいます。
もっとも、地方自治法で採用している法律用語が一般的な私法で使用されている用語とずいぶん違っている例は散見されるのですが。
いくつか存在する債権管理条例が、「議会の議決があったとみなす」という規定ぶりであればまだ理解可能なのですが、「放棄することができる」という規定ぶりであったりすると、その意味するところがよくわからなくなってきます。
法律の授権があれば格別、条例により債権の発生、変更、消滅を規定することはできない(表現の自由がありますから、事実上規定することはできるでしょうが、法的効果は生じない)と行政法学で一般に考えられているのは、取引の安全(取引は自治体の行政区画を超える!)から当然のことでしょう。

無粋ながら、あえて馬鹿真面目にコメントさせていただきました。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6255

玄冬さんへ
実は私も大変気になっているのが,国が債権管理事務取扱規則30条において「みなし消滅」と規定しているのに対して,自治体の債権管理条例は地方自治法96条10項の権利放棄があるため,「放棄することができる」と規定せざるを得ないようです。
本来,地方自治法なり,施行令なりで「みなし消滅」を規定すれば,債権管理事務取扱規則と平仄が合うと考えているのですが。
権利放棄を例え限定的に条例に規定しても,どこまでが条例の領域なのか考えてしまうところです。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6256

>玄冬さんへ(No.6250)
不納欠損処分についての議題から少しずれるかもしれませんが、
「地方自治法の議会の議決事項として「権利の放棄」と挙げているのは、奇妙さを通り越して異様さを感じてしまいます。」についてですが、私は議会制民主主義の国においては、当然のことではないかと考えております。
日本の法律の文章はとてもよく練られていて、すばらしいものが多いと思います。
法文になぜこの言葉を使ってあるのかを考えようとしない、あるいは理解できないで解釈する側(人)に問題があるのです。
特に、導きたい結果のために、専門用語や日常あまり使用しない言葉を用いての解釈が多いようですね。
そして、よく読むと中身が無いものが多い傾向ですね。
解釈も論議も、日常の平易な言葉で、いかに表現するかが大切ではないでしょうか。

また、法律用語も私法で使用されている用語も日本語です。
言葉に新たな意味を加えたいのなら、三省堂その他の一般的辞書に載せるのが先だと考えます。

とにかく、「放棄とは消滅である」には、あ然とさせられました。

Re: 不納欠損処分について

あお No.6257

グルグルグルさんへ
横レスで失礼しますが,正確な表現になるのか分かりませんが,
私債権は時効期間が経過しても債権は消滅せず,債務者が時効の援用を行うか,債権者が権利放棄することで債権が消滅するという意味に捉えています。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6260

>グルグルグルさんへ

ちょっと戸惑っていますが…,

三省堂の大辞林には次のようにあります。

ほうき【放棄・抛棄】(名)スル @投げ捨てること。捨ててかえりみないこと。「任務を─する」A自分の持っている権利・資格・利益などを,あえて喪失させること。「権利を─する」

ここで,地方自治法第96条第1項第10号に規定する「権利の放棄」はAの意味だと考えます。そこで,グルグルグルさんが提示された例が,@又はAのどちらの意味であるのか当てはめてみるに,

戦争の放棄…A(一応交戦権の放棄と考えました。) 育児の放棄…@ 責任の放棄…@ 職場の放棄…@ 相続の放棄…A

ところで,「放棄」の意味のうちAにある「喪失」とはどういうことか?同じく,三省堂の大辞林から,

そうしつ【喪失】(名)スル なくすこと。失うこと。「戦意を─する」「自信を─する」

すると,「放棄」の意味は,「自分の持っている権利・資格・利益などを,あえてなくさせること又はあえて失わせること」と言えると考えます。

同じく,三省堂の大辞林には,「消滅」の意味として,「消えてなくなること」とあることを考えると,6237における,自分が引用した「新版逐条地方自治法第4次改訂版」の記載及びそれを基にした自分の見解は,解釈上許容される範囲だと考えますがいかがでしょうか?

「放棄とは消滅である」とだけ記載した場合,自分もですが,相当な違和感を感じるのは,「放棄」が上記@及びAの2つの意味を有しているためだと考えます。

ところで,グルグルグルさんは,6256において,法令解釈に対するスタンスを述べられておりますが,そうであるならば,6248の投稿をするに当たって,「法文になぜこの言葉を使ってあるのかを考えようとしない、あるいは理解できないで解釈する側(人)」にならないよう,問題となっている部分が,日本語として広く通用するものであるかについて確認されたかと思います。もし,前回及び今回の自分の見解に納得できないとしたら,それは,現在のところ,解釈上の埋めがたい見解の相違であると思いますので,地方自治法第96条第1項第10号に規定する「放棄」は,「消滅」の意であるか,については,ひとまず終わりにしたいと考えるのですが,いかがでしょうか?

なお,自分は,議会の議決に形成力はない,とする見解を,現在のところは採っているので,権利放棄の議決のみでは,債務を免除して消滅させようという意思決定を行ったにすぎず,債権は法律上消滅したとはいえず,単に不納欠損する前提条件を満たしたと考えるものであることを確認させていただきます。議会の議決に形成力がないことは,例えば,地方自治法第96条第1項第5号に規定する議決について,議決があったことで契約が締結されたことにはならないことからも明らかであると考えます。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6263

>ぷーたろ さんへ
確かに、よく確認していませんでした。
申し訳ございませんでした。
皆様にお詫び申し上げます。
となると、議会の議決により債権放棄した場合、債権は消滅し、その後不納欠損処分した後、納入があった場合は、還付ということになりますね。
重ねてお詫びいたします。

Re: 不納欠損処分について

ぷーたろ No.6265

>グルグルグルさんへ

早まらないで!

>議会の議決により債権放棄した場合、債権は消滅し、その後不納欠損処分した後、納入があった場合は、還付ということになりますね。

自分の見解では,議会の議決では,債権は消滅しないんですよ。この点については,6263の投稿をする前のグルグルグルさんの見解と同じです。
では,自分の見解では,債権放棄の議決は,債権消滅の議決なのに,なぜ,債権は消滅しないのか?

この場合の論点は,議会の議決に「形成力」を認めるか,になると思います。
議会の議決に,形成力を認めれば債権は消滅し,認めなければ債権は消滅しません。
「形成力」とは,一定の法律関係に,発生,変更,消滅その他の変動を生じさせる効力といわれています。
法律上,形成力が認められていないならば,たとえ議決結果を広く公表したとしても,当該公表に送達の効力が与えられていない限り,法律関係に変動は生じないことになるものです。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6266

ぷーたろさんの見解に若干(よけいな?)補足をさせていただきたいと思います。どうやら自治法の規定ぶりでなぜ「形成力」が認めれないと解釈するかの見解の違いが当初からあると思いますので。
要は、現在の自治法の文言が形成力を認めたと解釈することは、一般に通有している法解釈の見地から困難であるということになるのではないでしょうか。
一般的には、なぜ自治法の文言が形成力を認めていると解釈できるかを説明するのかなあと思うのですが…

Re: 不納欠損処分について

半鐘 No.6270

権利放棄の議決は、自治体の意思により権利を消滅させようとすることを認可するものである。
この権利には、私法上の債権を含み、この場合の権利放棄とは、民法の免除に相当する。
ただし、免除として債権を“個別具体的に”消滅させるには、相手方への意思表示が必要であることに注意を要する。
すなわち、通知その他による意思表示の到達を欠く場合には、債権はなお存続しているものと解すべきである。
(もっとも、通知を欠いていた場合で、相手方が支払いたいと申し出てきたとき、免除を撤回して収入するか、免除の旨をそこで伝えて消滅を確定させるかは、その選択は自治体の方針次第。)

うーん、こういうことデスか…?

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6279

>半鐘さま

「議会の議決=債権の消滅」とする解釈論、考えてみましたがなかなか難しいですね。
なにしろ「権利」とは、文脈により「人権」や「身分権」など広い概念も含みます。ここでは処分可能な権利ということで、財産権と社員権が一応考えられるでしょう(自治法第二百三十八条第一項に規定する公有財産は?)。
そのうち債権について考えてみると、現代の取引社会では個人の債権債務が第三者にも影響しますので、債権の消滅は明確でなければなりません。「議会の議決=債権の消滅」と構成すると、常に二千を超える地方自治体の議決状況について目を光らせていなければ安心して取り引きできなくなってしまいます。
また、単独行為は一方的に権利を変動させる法的効果を発生させることから、その要件と法的効果は明快であるべきでしょう。
なお、物権や社員権の放棄とは、どういうことになるのでしょうか。
自治法の規定は、「一般に権利を放棄することは不利益なので、それを通常の法律の手続で行う場合であっても事前に議会の議決を要することにした」という程度の意味で、現実的に意義のあるのは債権の免除ぐらいだと思うのですが。
この場合、仮に議会の議決をしないで権利の放棄をしたとしても、一般の法律の原則に従って法的効果が発生し、長の政治的責任が問題になるのかなと。

Re: 不納欠損処分について

半鐘 No.6285

>玄冬さま
反駁のレスか、一応の肯定の上の付言のレスか、判じかねるのですが…

念のため申し上げると、これまでのやりとりを踏まえて、
「議会の議決=債権の消滅」ではないと書いたつもりだったのですが。
自治体も、民法519条によって債権を消滅させるのだ、と言いたかったのですが。
その点に疑義のないように、成立要件には留意すべしとのただし書であり、
「議会の議決=意思表示の到達」でもないよね、と書いたつもりだったのですが。

また、前提として、「この議決は、法人内部の手続にとどまり、外部への法律効果はない。」というのが趨勢だと読んでいたのですが。

何にせよ、こちらの意図が通じていなかったのなら、表現がいたらなかったということです。
逆に、通じていた上でのレスなら、私に読み解く力がないということで、申し訳ありません。

ちなみに、「権利」という文言に関しては、
自治法が、「債権」と言いうるところを「権利」と言うからには、
何かしら債権以外のものを予期していると解しておりますが、
「以外」を論じることは、ここのテーマから離れるので、ひとまず措きたいと考えております。

Re: 不納欠損処分について

玄冬 No.6294

>半鐘さま

舌足らずのレスで失礼しました。
いわゆる”講学上の”概念(今回のケースですとぷーたろさんの使われている「形成力」と半鐘さんの使われている「認可」になるでしょうか)は通常議論を効率的に進める上で有益です。
ところが、今回のように微妙な議論になってくると、端的に、

1 議会の議決に債権の消滅という法的効果が認められる
2 議会の議決に債権の消滅ではない何らかの法的効果が認められる
3 議会の議決自体は債権の消滅には法的効果を及ぼさない

のいずれと考えるかをまず明らかにして、その理由を述べるという論じ方がいいのではないかと考えています。
半鐘さんは上記の分類でいうとたぶん2の考え方をとられていると思うのですが、1と混同してしまいました。頭の中で漠然と、法的効果を認めるか否かの二分法で整理してしまった結果の不注意でした。
もっとも、上記のように分類しても、いわゆる”講学上の”法的効果とは何かということになってきて、きりがないのかもしれませんね。

Re: 不納欠損処分について

グルグルグル No.6297

私の思考が混乱しているのですが、

>通説レベルであろうと自分は思っている「新版逐条地方自治法第4次改訂版」(松本英昭著,学陽書房刊)の第96条の[解釈]十五(P.337)の説明中「権利の「放棄」とは,権利者の意思行為により権利を消滅させることであるから,単に権利を行使しない場合は,ここにいう権利の放棄には含まれない」(ぷーたろさんNo.6237)

ここでは、権利の放棄=権利の消滅ということで、議会の議決のみで、すなわち地方自治法の規定のみで権利を消滅させることができるということでしょうか。
それとも、第96条の権利の放棄は、相手方に放棄の通知をするところまで(民法第519条の免除)を含めたものであるということでしょうか。

ところで、有斐閣法律用語辞典[第2版]によりますと、
>ほうき【放棄〔抛棄〕】
投げ棄(す)てて顧みないこと。法令において、主に権利、利益について、当事者がこれを否定し、又はこれを行使せずに投げ棄てる行為の意味に用いられ、権利、利益の消滅原因となる。例、「入漁権者は、何時でもその権利を放棄することができる」(漁業四六)、「期限ノ利益ハ之(これ)ヲ抛棄スルコトヲ得」(民一三六A)。

ということで、放棄とは、消滅ではなく、「権利、利益の消滅原因となる。」とのことです。
とすると、権利の放棄を議会で議決するということは、権利を行使しないので消滅させて良いですよということになるのではないでしょうか。
その後、民法第519条の規定による免除により消滅させるかどうかは、自治体の判断に依ると考えてよいのではないでしょうか。
したがいまして、不納欠損処分後の納入に対する対応は、納入と還付の2つに分かれることになるのではないでしょうか。

Re: 不納欠損処分について

半鐘 No.6301

>玄冬さま

「認可」が誤解させる元になったようです。不用意でした。
No.6270の1行目は、次のように修正します。
○ 権利放棄の議決は、権利を消滅させようとする自治体の意思を確定するものである。

要は、私が“書きたかった”のは、端的に言うと、3法的効果を及ぼさない、でした。
そのようにご理解ください。
(もっとも、私が“望んでいる”のは、1法的効果が認められる、なのですけどね。)

庁舎間の文書送達の委託について

無法市 No.6198

合併新市 様
以前投稿された庁舎間の文書送達の委託の件ですが、実は本市でも来年度から検討の必要が生じたため、総合通信局に照会したところ、下記のとおり回答がありましたので、参考にしてください。

>ご相談内容の文書等については、信書の送達に該当するものと、該当しないものがあります。

@国・県等の外部から郵便等により配達された文書等は、貴市の文書を管理する「文書担当」部署に到着した時点で
信書の送達は完了したものと判断され、そこから各部署へ送達する行為は、郵便物等を「モノ」として移動させるに過ぎず、
信書の送達には該当しません。

A決裁のために回議された起案文書の送達の他、例えば総務課から○○課あての事務連絡等については、
「特定の受取人に対し、差出人の意志を表示し、又は事実を通知する文書」(郵便法第4条第2項及び信書便法第2条第1項)にあたるため、信書の送達に該当します。

Bその他送付文のない事務的な書類(事務連絡等ではないリーフレット等である場合)を送達する場合は、信書の送達に該当しません。

これらのものを1つのコンテナに入れて、市役所の職員以外の者が送達を行うとなると、
上記Aの内容物が含まれたコンテナ全体が信書便物となりますので、信書の送達に該当し、郵便事業会社又は、特定信書便事業者以外の者が送達することはできません。<

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

えんどう たかし No.6245

 >@国・県等の外部から郵便等により配達された文書等は、貴市の文書を管理する「文書担当」部署に到着した時点で
信書の送達は完了したものと判断され、そこから各部署へ送達する行為は、郵便物等を「モノ」として移動させるに過ぎず、
信書の送達には該当しません。<

 なるほど、そこで線引きですかぁ〜。・・・まあ、外部から見ればそのような理解は妥当と言えますね。
 ただ、この法解釈には、行政庁の内部委任、即ち事務を処理すべき機関の分立主義や補助機関へ事務が内部委任されているという点(文書の処理をすべき権限ある代理機関は何処か)に配慮されていないのではないか、という疑問は残ります。
 結局“違法ではない”ということでしょう。そうすると今度は、行政庁として当か不当か?ということでしょうね。

 >例えば総務課から○○課あての事務連絡等については、(中略)信書の送達に該当します。<・・・←これについては部署内(内部移動)であっても「信書たる保護法益」があるわけですね。これは納得です。

 無法市様 有益な情報ありがとうございます。

 合併新市様 
 そうすると、@の法解釈が妥当だとして、@については「信書の保護法益」が消滅し、代わって「公用文書」としての取扱いになると考えられます。
 そこで、これを所属職員(公務員)ではない第三者に委託して各部署に送達することが公用文書取扱上の問題がないかどうか?が問疑されなければならないと考えます。
 郵便関係法(信書便制度等)以外の問題ですけれど。

 どうなんでしょう・・・?

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

無法市 No.6258

>これを所属職員(公務員)ではない第三者に委託して各部署に送達することが公用文書取扱上の問題がないかどうか?

確かに指摘のとおりだと思います。また、以前投稿したときにも書いたのですが、信書に当たらなくても、個人情報が含まれた文書を紛失されたときは重大な問題になりますので、本市としては委託を見送った経緯があります。ただ、実際問題として正規の職員で対応(係内で交替)していると、通常の仕事の合間に配達しなければならず、しかも毎日のことですから、特に忙しい時期などは負担が大きいのも事実です。そのためだけに信用できる人を選任して臨時職員や非常勤職員を雇用するにも、働く時間が短かすぎて、困難だと思われるため、ない頭を痛めているところです。

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

えんどう たかし No.6262

 >そのためだけに信用できる人を選任して臨時職員や非常勤職員を雇用するにも、働く時間が短かすぎて、困難だと思われるため、ない頭を痛めているところです。<

 なるほど・・・悩ましいところですね。
 短時間だと地公法上の問題もあるでしょうね。
 確か、改正「地公法」では、再任用制度における短時間任用以外の場合には、条例の制定が条件でしたね。しかも、これが可能だとしても、行政の欲する時間にだけ来て働いてもらうには、あらかじめの雇用条件の明示義務(労基法)にも抵触する(いわゆる“飼い殺し”でしょう)し・・・。
 
 さりとて、運送の委託(配送請負)では、文書なのに物=“財物”としての保護法益しか与えられない。・・・と言うことでしょうね。
 もっとも運送業には「個人情報取扱い事業者」としての縛りはありますが、これは主体に関する個人情報を保護するのであって表示された意思までを保護するまでには至らない。では公用文書毀棄罪・公務執行妨害罪、業務妨害罪まで問えるかというと、おそらくは構成要件の故意の成立のところで「認識」・「認容」が阻却されるでしょうね。なんせ“モノ”なんですから。・・・

 う〜む・・・。

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

合併新市 No.6287

おはようございます。
書き込みが遅れまして申し訳ございません。

結局,信書の可否については,いろいろな点で結論まで
もっていきにくそうですね。

ちなみに,当市の場合,庁舎間の送達については,
ひとつのコンテナボックスに入れて,鍵をかけたのち
シルバーに運搬をお願いしていますので,
内容物の漏洩,遺失については万全を期しているつもりです。

すみませんが,【信書】の件はちょっと横において,
通常の公用文書の運搬と仮定しましょう。
この場合,この運搬業務を
運送営業許可【道路運送車両法?かな?】を得ていない
シルバーセンターに委託できるのかどうか?

この件についてご教示できないでしょうか。
こうなってくると、陸運局の正式見解ではないかと。

道路運送法ではなく、貨物自動車運送事業法が根拠になります。同法1条によれば、「貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送する事業」(他人が複数だと「一般」、特定だと「特定」、軽自動車だと「軽自動車」と3種あるようですが)であり、このケースでは、シルバーが自ら(もしくはシルバーセンター所有の車両)で行う場合だと、青ナンバー取得した上で、特定貨物自動車運送事業許可が必要に思われます。自治体への適用除外などがあるかもしれません。
前スレであったような、公用車のドライバーをシルバーに委託するのは、貨物自動車運送事業ではないでしょうけれど、これって業務請負なのか労働者派遣なのかなと新たな疑問。

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

えんどう たかし No.6302

 貨物自動車運送事業法が根拠になるというGさんの見解が妥当だと思います。
 なお、公用車のドライバーをシルバーに委託することは、適正な業務請負とはならないと考えます(職業安定法44条違反・同施行規則4条・労働局配布「請負の適正化のための自主点検表」http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/haken/index.html
 特に、その都度の発注者からの注文への「諾否の自由」が受託事業者に無い場合や、一定の人数(1人でも)のドライバーを発注者の都合で待機させている場合には「偽装請負」として指導の対象となるように思われます。

 ところで、話は前後しますが、「公用文書」の取扱いについて「モノ・荷物」として発注者がいくら安全を徹底しても、文書や信書として刑事罰という威嚇による法益保護が無い場合には、このような文書を含む荷物の配送委託は、先に述べた運送事業関係法上・信書便制度上仮に違法とまでは言えない場合であっても、行政機関の行為としては(適法であっても当・不当の問題で)不当では?という問題が残ると思われます。
 理由は、文書等の取扱い規則(法形式で告示されたもの)により、収受・配布は文書担当者(市の機関・ないし補助機関)のみが取り扱うことを予定しているからです(民事における“契約の自由”が行政規則・規定の告示により修正されていると考えます)。
  第三者に委託することの違法の法源(根拠)があるか否かではなく、行政の法律行為(ないし準法律行為)としての適法たる法源の不存在の問題だと考えます。

 即ち、一言で言うと『公用文書の庁内配布を第三者に委託する行為の「条理不存在」』を、私(えんどう)の意見とします。

・・・・皆さま、如何でしょうか?
 

Re: 庁舎間の文書送達の委託について

合併新市 No.6303

G 様
えんどう 様

ありがとうございます。
根拠法令については,うろ覚えの状況で書いてしまいました。
ご教示ありがとうございます。

確かにえんどう様のおっしゃるとおり,
自分も今のやり方はおかしいと思いつつの投稿でしたので
ある意味で安心した気持ちです。

やはり,職員が自ら運搬するのが理想なのでしょうが
経費節約の面から考えると,
特定の個人を嘱託職員として任命し,
業務に携わってもらうのが一番なのでしょうかねぇ。

法令遵守が言われる昨今,難しい問題です。

ありがとうございました。
合併新市さま

法律名のあげあしとりのつもりではなかったので、まずはお詫びです。

スレ主さまからの収束宣言ですので、議論をふかけるつもりはないのですが、
「公文書の取扱い」にかかる事務は、私は経費節減とか合理化になじまないものだと考えておりますが、ここまでは一般職で、ここからさきは特別職でも取扱い可、その先は非公務員でも。あるいは、コンテナにつめたらどうか、総務課に届いた文書を所管課にもっていく行為は何? ということは楽しい思考実験でした。

有給休暇の時間休の取扱いについて

トシ No.6210

 これまで、午後0時45分から午後5時15分(いわゆる午後の半日休暇)は慣習で4時間の有給休暇で取扱いをしております。しかし、時間的には4時間30分ということになり、5時間の有給休暇が適切と考えられます。
 この場合逆に勤務時間が4時間経過すれば良いと考え、通常午前8時30分から正午までの勤務時間を、午後の半日休暇を取得する場合は、午後0時30分まで勤務すれば良いと特例でも設けてよいのでしょうか。
 このような場合の扱いを明確にしている規則・要綱等があればアドバイスください。

Re: 有給休暇の時間休の取扱いについて

ヒヨちゃん No.6226

 有給休暇の単位は、一日か半日で、やむを得ない場合のみ時間休暇がとれると解釈しています。(規則でそのように定めている)
 半日をどことするかは、それぞれ考え方が違うのでしょうが、昼の休憩時間を区切りとするならば、どちらも「半日」で、わざわざ時間で計算する必要がないような気がします。

Re: 有給休暇の時間休の取扱いについて

kirisima No.6232

勤務時間の方を午前8:30〜12:15、午後13:00〜17:15という風に変える・・・・って訳にはいきませんか^^;
それでも、15分はみ出しちゃうから、ダメでしょうかねぇ・・・

Re: 有給休暇の時間休の取扱いについて

kinkin No.6268

本市では、国と同様に8時間勤務の場合で午前と午後の勤務時間の差が30分以内であれば、「半日」という取扱いをしております。
したがって、午前中あるいは午後の全部を休んだときは、いずれも「4時間」の年休を申請することとしています。
(「職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について」平6.7.27 職職-328 第10 年次休暇関係 第14項第2号)

なお、本市の正規の勤務時間は8:30〜17:15で、休憩時間は12:15-13:00の45分間です。

余談ですが、1日の勤務時間が7時間45分となった場合、休憩時間が12:00〜13:00の1時間になったとしたら、午後の場合は5時間年休を申請しなければならなくなるので、どうしようかなどと思っています。
昼休みを12:15〜13:15にするか、勤務時間を8:15〜17:00にするか。また、週休日の振替えを半日単位で行なう場合はどうしよう、とか。

Re: 有給休暇の時間休の取扱いについて

ウブ No.6272

 本市の勤務時間は、8:30〜17:15で、休憩時間は、12:00〜12:45の45分間です。
 時間休の取扱いについては、時間に忠実に行っています。基本的に1分でも過ぎたら1時間として処理することになっており、午前中は4時間、午後は5時間で処理しています。
 つまり、午後から休む(5時間)場合は、12:15まで勤務しなさいということにしています。
 個人的な解釈ですが、できるなら1日単位(8時間)で休みなさいということを促しているものであり、また、午前より午後休むほうが、得というか、気持ち的にも楽だから…。しょうがないかなという風に思っています。

Re: 有給休暇の時間休の取扱いについて

やまさん No.6275

国家公務員について、年次休暇の単位として半日単位が認められたのは、昭和24年以降のことで、正午をもって区分して与えるものとされていたようですが、現在では必ずしも正午をもって区分するものとはしていません。
半日付与の実質的な効果は、所定労働時間の半分の労働を免除するところにありますから、国においては3時間30分や4時間30分の勤務時間を勤務しない場合でも、半日単位の休暇として扱うケースがあります。
「規則・要綱等があれば・・・」とのことですが、人事院規則15−14 職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について(通知) を参考にされてはどうでしょうか?

育児短時間勤務承認請求書について

ニンジン No.6273

育児短時間勤務承認請求書の様式で、「5 勤務の形態の内書」で「月・火・水・木・金」と記載されていて、「土・日」はないのですが、変則勤務職場においては、土・日が勤務日になり、様式に記載すべきだと思いますが、いかがでしょうか?
役所に送られてくる職員・職場宛のお年玉付き年賀状ですが、
「お年玉」で当たった切手等は、どのように処理されているでしょうか?
公務として届いた年賀状であるから、切手等は、個人のものではなく、
公の財産とすべきでしょうか??
それとも、自主的に寄付?を求めるべきでしょうか?

切手なら、郵便代にも使えそうですが、テレビとかは困りますが・・・


「公務として届いた年賀状」って、文書収受簿にのせられてます?
「仕事上の付き合い」で住民や業者からいただくのは、虚礼廃止をまず徹底したうえで、あたってしまったものは本人も居心地がわるいでしょうから、ありがたく寄附していただいて。たしかにテレビだと手続き面倒ですが、不要備品扱いで払い下げとか換金処理でしょうかね。
もっとも、このハガキは私物だ、という主張は15日までにしていただいたほうがよいとは思います。
 ありがとうございます。
 やはり自主的に「寄付」いただくということでしょうね。
 テレビ等の場合は、また当たった時に検討します。
Q&A地方公務員の個人責任(ぎょうせい発行)第18章5593ページに考え方が乗せられています。

この解説によれば、お年玉付郵便葉書等に関する法律第3条の規定により、年賀状から金品の交付を受ける権利を取得することになるので、財務上適切な管理をすることを前提にして、年賀状の所有権が、地方公共団体になるのか、あるいは個人になるのかのメルクマールが書かれています。

「〜課長様」のように職名が付されていたり、市が出した団体からの返戻のようなもの(職名がなくても)は、市に帰属するといったように、当たり前のことが書かれていますので、一度、参考にされたらどうでしょうか。

少なくとも、自主的に「寄付」は・・・違うと思います

ホタルさんへ
情報提供、有り難うございました。
ご指摘有り難うございます。
参考にさせていただきます。




港の行政区画の範囲について

北国の千沙 No.6236

基本的な事をお尋ねします。
本町の港内で係留中の漁船で死亡事故があり、船上で死亡が確認されました。そこで、お聞きしたいのですが、死亡地の行政区画をどの様に捉えたらよいのか教えてください。
@港内とはいえ海上であり行政境界以外なので公海上と捉える。
A岸壁に繋留されているので、岸壁の所在地の行政区画に属する。
B港内は内水面なので行政区画内と捉える。
Cその他
宜しくお願いいたします。

Re: 港の行政区画の範囲について

棋士兼公務員 No.6241

 海上だとしても明らかに領海内なので、@はなさそうですね。AかBですが、いずれにしても行政区画内になると思います。
 なお、もし戸籍記載上の疑義であれば、法務局に照会されるのが確実かと思います。

Re: 港の行政区画の範囲について

G No.6242

3だと思います。ただ、通常、内水面とは淡水ですので、港内は「領海」になります(内水面漁港ではないですよね)。行政区域には、内水面も領海も含むとされていますので、周辺自治体との間で境界に争いがなければ、港の所在する町の区域でしょう。係留されていなくても同様だと思います。
「地番」は、「○○地先の港内」とかの表現でしょうね。

Re: 港の行政区画の範囲について

北国の千沙 No.6264

ありがとうございました。早速法務局に照会してみます。

地縁団体の認可について困っています。

蒙古斑 No.6196

 地縁団体の認可について困っています。何卒ご教示いただきますようお願い申し上げます。

○現状
・下記の「○○町区長設置条例」に基づいて、区域(大字小字)ごとにそれぞれで区長、代理(副)区長の選任を受けて、町から区長を委嘱しています。

○ご教示いただきたいこと
・A区から認可地縁団体の申請が提出され、「A区自治会」という組織を予定されていますが、条例で定められた「A区」と新たに認可を受ける「A自治会」とはどういう関係になるのでしょうか?

@併存する。
 町との接点は従来どおり条例に定める「A区」であり、財産を持つ組織として「A自治会」は別途存在している。自治会長が充(あて)職等により区長に就任し、町への要望等は「A区長の印」を使う。両組織の構成員はイコールではない。

A区は自治会(認可地縁団体)に移行されるので存在しないが自治会がその行政区としての役を担う(区になる。)。
 従来の地縁団体(A区)が認可地縁団体(A区自治会)に移行される形である。「A区自治会長」がA区長の委嘱を受けることとし、町への要望等は「A区長の印」を使う。

B区は自治会(認可地縁団体)に移行される。
 従来の地縁団体(A区)が認可された地縁団体(A区自治会)に移行され、「A区」が消える。
「A区自治会長」は区長ではないので、町への要望等は「A区自治会長の印」を使う。
 また、条例を改正し「A区」の存在を削除する。

 ご教示方よろしくお願い申し上げます。

         記

○○町区長設置条例
(目的及び組織)
第1条 町行政の円滑なる運営と行政能率の向上を図るため、町を別表に定める区域に分け、それぞれ区長1名を置く。
(任務)
第2条 区長は、前条の目的を達成するため、次の事項を処理するものとする。
(1) 諸通知の伝達及び諸書類の配布、掲示、収集に関すること。
(2) 町政の普及徹底に関すること。
(3) 世論の取次に関すること。
(4) 墓地管理に関すること。
(5) その他町の発展のため必要なこと。
(委嘱)
第3条 町長は、第1条別表に掲げる区ごとにその区において選出した区長を、それぞれ当該区の区長に委嘱する。
2 当該区の区長が欠けたとき、又は区長に事故があるときは、当該区において選出した代理区長(又は副区長)がその任務を代行する。
(任期)
第4条 区長の任期は、一年とする。ただし、再任することができる。
(報酬)
第5条 区長には、別に定める報酬を支給する。
A区の区長さんがいなくなるので、3はNGですよね。

1は、充て職にしてしまうと、設置条例3条「その区において選出した区長を、区長に委嘱する」に違反します。「A区」がなくなってしまう2は、もっと違反です。
そこで、1番で「A区自治会」での選出を「A区」での選出と町として考えるとうまくいくのではないでしょうか。
ただ、1案の「構成員がイコールではない」がなぜでてくるかはよくわからないのです。ひょっとして、A区の住民の総意ではないA区自治会なのでしょうか?

@だと思います。
 ただし,区長の選任については,条例に規定してあるのでこれまでどおりとして,自治会長の選任について,その自治会の会則等で定める。
 その結果,区長と自治会長が同一になることもありだと思います。
@の並存ではないかと思います。

 区長設置条例と、地縁団体はそもそも別の制度として捉えられるべきですし、地縁団体に法人格があってもなくても関係ないと思います。
 地縁団体への加入は各住民の意思によるので、当然区と自治会との構成員はイコールではないでしょう。
 ただ、自治会の区域が区の全域であるならば、区長の選出に当たって自治会の意見を聴くなり、事実上自治会長を区長に選出するような運用は認められるのではないでしょうか。
Gさん、TTさん、Dさん ありがとうございます。

再度考えて以下のとおり整理してみました。改めまして何卒ご教示方よろしくお願い申し上げます。

○是非ご教示いただきたいこと。

1.以下の考え方でよろしいでしょうか。

@設置条例3条「その区において選出した区長を、区長に委嘱する。」とあることから、母体となる「区」は存在することになります。

A従来「A」という「地縁団体」が、行政区の「A区」を担ってきましたが、財産を所有する目的で認可を受け「認可地縁団体」である「A区自治会」になり、引き続き同様に「A区」を担うことになる。


2.「併存」する「区」の実態とは次のようになるということでしょうか。

B「区」の予算(繰越金等)は「認可地縁団体」にそのまま継続され、消防団等への補助金予算(支出)、条例により定められている墓地の管理業務等は、「認可地縁団体」で予算化し、「認可地縁団体」が墓地清掃を実施することになる。

Cところが、町からの補助金等の申請受領収は、従来どおり「区長名」で行い、町への要望事項の調整等も「認可地縁団体」組織で行うが、要望は「区長名」で行うことになる。


3.申請時に提出される書類の日付等はつぎのとおりでよろしいでしょうか。併せてご教示いただければありがたいです。

D「規約」の施行日は、「総会の開催日」でなく「認可のあった日から施行する。」とする。

E「構成員の名簿」と「保有資産目録」「保有予定資産目録」「(自治会長)就任承諾書」は議決された「総会の開催日」とする。

F現在登記簿上「大字中(おおあざじゅう)」で所有している資産は、「保有予定資産目録」ではなく「保有資産目録」に記載する。


よろしくお願い申し上げます。
Dさんの考えにもあるように、地縁団体の認可と行政区とを結び付けて、整理しすぎのように思います。財産の保全のための地縁団体の認可と、町政サービスの円滑な実施のために町が任意に区画を定め、その設けた区とは、趣旨目的を異にするものではないでしょうか。

私なりの考えを書かさせていただきます。

@設置条例3条「その区において選出した区長を、区長に委嘱する。」とあることから、母体となる「区」は存在することになります。

 町が単に区域を定め、その区域を区として整理し、その区域の範囲の中から非常勤特別職である区長を定めているのか、それとも、区を団体組織としてみているのかが、よくわかりません。ただ、「区は存在するのか」ということなので、団体とみているのでしょうか。

A従来「A」という「地縁団体」が、行政区の「A区」を担ってきましたが、財産を所有する目的で認可を受け「認可地縁団体」である「A区自治会」になり、引き続き同様に「A区」を担うことになる。

何を担うのかがよく分かりませんが、法人格を有する地縁団体と、権利能力なき社団である自治会とを分けて考える必要はないと思います。

2.「併存」する「区」の実態とは次のようになるということでしょうか。

B「区」の予算(繰越金等)は「認可地縁団体」にそのまま継続され、消防団等への補助金予算(支出)、条例により定められている墓地の管理業務等は、「認可地縁団体」で予算化し、「認可地縁団体」が墓地清掃を実施することになる。

Cところが、町からの補助金等の申請受領収は、従来どおり「区長名」で行い、町への要望事項の調整等も「認可地縁団体」組織で行うが、要望は「区長名」で行うことになる。

認可地縁団体が墓地清掃の管理を委託されるのであれば、認可地縁団体の代表者ではないでしょうか。

3.申請時に提出される書類の日付等はつぎのとおりでよろしいでしょうか。併せてご教示いただければありがたいです。

D「規約」の施行日は、「総会の開催日」でなく「認可のあった日から施行する。」とする。

法所定の要件を満たしている規約があれば、認可できるのですから、少なくとも、「総会の開催日」以前の日付けだと思います。

E「構成員の名簿」と「保有資産目録」「保有予定資産目録」「(自治会長)就任承諾書」は議決された「総会の開催日」とする。

就任承諾書の日は、総会の日でいいのではないでしょうか。それ以外は、総会の日以前でもいいと思います。

F現在登記簿上「大字中(おおあざじゅう)」で所有している資産は、「保有予定資産目録」ではなく「保有資産目録」に記載する。

 そのとおりだと思います。
そもそも、団体としての「A区」は、なぜ認可地縁団体の申請をしたのでしょう?これまであったA区自治組織で財産を所有したい、などの理由だと推測しますが・・・
私は、A区の範囲全体を包括する自治組織である「A区」が、認可地縁団体として「A区自治会」となり、活動内容も含めて引き継ぐものと読み取った上で、少し考えてみました。

ご質問に対する直接の答えにはなっていませんが、あしからず。


(1)もともと、条例第1条で規定しているとおり、「区」は物理的なエリアとしての広がりを意味している。区長は、町が決めた一定のエリアである「区」の代表者。

(2)町が委嘱して「区長」を置くということは、「区」を包括するような地縁団体の存在を前提としている。

(3)従来から「A区」の範囲を担ってきた「A団体」という地縁団体が、認可地縁団体である「A区自治会」になり、引き続き「A区」の住民自治を担うことになる。
(「A団体」の名称が、たまたま範囲と同じ「A区」だったと想定した場合。この場合、「A区」という地縁団体は承継により消滅するにしても、A区というエリアそのものが消滅するわけではない。)

(4)これまでは、区長=「A団体の長」としてとらえられていたが、A団体の名称がたまたま範囲と同じ「A区」であったために混同されているにすぎない。
 条例第3条中、「その区において選出した区長」というのは、そもそも「A区」という名称の団体の代表者である必要はなく、「A区」というエリアを包括する団体?が選べば、その人が区長になれる。
 そして、包括する団体が「A区」だろうが「A自治会」だろうが、選任された区長は、町にとって「区長」であることにかわりはない。

(5)「区長」というのは「地区の範囲を代表する」という行政上の「役目」であり、町が委嘱する際の呼称・肩書きにすぎない。


micky_sさんとほぼ同意見なのですが。

設置条例のほうで、
A区については「A区自治会」と読み替える
文言をいれることを考えました。たとえば、3条1項に続けて「ただし、A区については、認可地縁団体・A区自治会において選出した会長を、当該区の区長に委嘱する」などでしょうか。

体育指導委員の委嘱について

新米法務担当 No.6186

 はじめて投稿いたします。私の市では、12月議会において、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第24条の2の規定に基づき教育委員会の職務権限の特例に関する条例を制定いたしました。そこで、タイトルの体育指導委員に関する規則も教育委員会が委嘱するものを市長が委嘱するので、現在の教育委員会規則を廃止し、新たに市長が制定することになります。現在の指導委員の任期は、今年度末までなのですが、これまでどおり3月の教育委員会において、体育指導委員の委嘱(H20.4〜H22.3.31)についての議案をあげ、指導委員を決定しておき、4月からは、規則に基づき市長が指導委員さんを委嘱するといった手続きをとっても問題ないのでしょうか。ご教示ください。

Re: 体育指導委員の委嘱について

G No.6243

3月の教育委員会で、20年度の体育指導委員を「決定」するとは、どういうことでしょうか?

4月1日(以降)に市長が委嘱する委員の候補を、あらかじめ「決定」するのでしょうか。規則のなかに「教育委員会での推薦に基づき」などの記述があるのでしょうか。そういった運用上のことはあったとしても、理論的には、教育委員会で「決定」した委員とは別の委員を、市長が独自に委嘱することも可能です。
それとも、まだ教委規則がいきているうちに(たとえば3月31日付けで)、4月1日以降向こう2年間の委員さんの委嘱が可能か? というご質問でしょうか。

Re: 体育指導委員の委嘱について

新米法務担当 No.6251

ヒントいただきありがとうございました!Gさんのおっしゃるとおり教委規則がその効力を持っているうちにできないものかな。と思っていたのですが、そもそも4月からの任期の(既に市長部局に移管されている。)指導委員さんを3月に教育委員会が4月から委嘱することを決定することは無理がありますよね。表向きは。3月の定例教育委員会で議題としてではなく、内々で候補者を決めておいて、4月に市長が委嘱するというのが、一番自然ですよね。改正規則に「教育委員会の推薦に」といった文言を入れることもしないので。
基本的な質問なのですが教えてくださいませんか。

次年度4月1日に発送する郵便物の作成・封入・封緘・発送業務を委託するにあたり債務負担行為を設定しようと思っています。
設定後、契約は今年度内に行えるとして、実際の業務を行わせてもOKなのでしょうか?
債務負担行為は義務費となるので、実際の委託料の支払いは翌年度の4月1日以降である必要があると思いますが、
契約に基づく作業は今年度内に行うことに問題はないのではと考えています。

この考え方で大丈夫でしょうか?よろしくお願いします。
考え方としては、問題なく可能であると思います。
確かに、業務すべての検収(業務完了確認)は、次年度になることから、次年度の予算で支払うことになります。
そういった意味では、債務負担行為なのでしょうね。

ちょっと面白い案件ですね。
発送も、大変な仕事量があるんでしょうね。
4月1日(次年度)に行う業務は、発送業務のみですよね。
そうすると、ほとんどの作業は、現年度に行われます。
業者の都合で発送だけ、履行できなくなってしまった場合、どのようになってしまうのでしょうか?
@契約不履行なので、支払わない。(場合によっては、違約金まで徴収する)
Aある程度できているので、出来高で支払いする。
など考えられますが、
Aの場合にはどの年度の予算で支払うんでしょうね。(その事実が判明した、日時によって大変なことになりそうですね。)

余談ですから、こんなことにならないよう契約してください。
ありがとうございます。
約4万件ですからそれなりに多いです。
まあ、実際には1日に対象者抽出をする関係で、発送日は微調整が可能で3日でも4日発送でもいいのですが。
問題は債務負担行為が契約行為のみに限定されていると困ってしまうということなのです。
作業の進捗については注意が必要ですね。精査してみます。
参考までにウチの発送(約20万件)を聞いてみましたが、
業務委託は、宛先を管轄する郵便局ごとに区分して納品までとして業務を確認して発送しているとのことです。
あとは市内特別料金を適用できるよう、宛先を管轄する郵便局に連絡し取りに来てもらってるそうです。
なお、特別料金の対象とならない郵便物は、発送する所属を管轄する郵便局に一緒に渡しているとのことです。
たびたびありがとうございます。
うちの場合、郵便局本局が斜め向かいにあるので作業は楽なのですが、やるならいっそ全部委託したほうが人件費もかかりませんし。
やはり今年度中に委託契約に係る作業は行わせているのですね、それを聞いて安心しました。

整備条例と全部改正条例について

たかひろ No.6228

 皆様、お疲れさまです。
 さて、老人保健法の一部改正に伴い、3月定例会に各種条例改正案を提出することとなりますが、改正の対象となる条例が一部改正のものと全部改正のものと両方が考えられます。
 提案理由が同じなので、整備条例により対応を考えていますが、整備条例に一部改正条例と全部改正が混在することは、可能なのでしょうか?
 どなたかご教授ください。

Re: 整備条例と全部改正条例について

maeko No.6229

技術的に難しいと思いますよ。

詳しくは過去ログをどうぞ。
http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/tomita/yyregi-html.cgi?mode=past&pastlog=45&subno=5002

Re: 整備条例と全部改正条例について

Vitz No.6233

整備(整理)条例とする場合は、一定の事実の発生や法令の制定・改廃に伴って2つ以上の条例を改廃する必要が生じた場合とされています。
通常は、一定の改正事由によって、「○○条例等の一部を改正する条例」で改正したり、軽微な部分であれば附則で一部改正を行ったりしますが、整備(整理)としたほうが、当該条例の内容をよく表す場合に使われるものと思います。

全部改正を含めることができるかどうかについては、法制関係の参考書にも具体的に記載はされていないと思いますが、次のような理由で無理があるのではないでしょうか。

全部改正をする場合、新たに条例番号が付されます。
例) A条例(昭和60年○○市条例第1号)
         ↓ (全部改正)
   A条例(平成20年○○市条例第1号)
ですが、整備条例で行った場合に付される条例番号はあくまで整備条例の条例番号であり、整備条例で全部改正を行った条例の条例番号とはならないのではないかと思います。
例) 〜に伴う関係条例の整備に関する条例(平成20年○○市条例第1号)
         ↓ 
   A条例(平成20年○○市条例第1号)・・・×では?

これを踏まえると、整備条例に含めることには無理があるのではないでしょうか?

Re: 整備条例と全部改正条例について

たかひろ No.6235

 maekoさん、Vitzさん ありがとうございます。
 確かに、全部改正は、条例番号が変わるので、不可能ですね。
 ありがとうございました。

仮設配水管の工事費について(水道)

頭痛が・・・ No.6220

地方公営企業の担当者様へお教え頂きたく投稿させていただきます。初心者なもので説明不足な点があるかと思いますがお許しください。


 橋梁の改修工事に伴い、橋梁に添架している水道管を架け替えすることとなりました。架け替え工事の流れは、

@現在添架している水道管を撤去のうえ、橋梁改修工事完了まで仮設配管にて使用

A橋梁改修工事完了後に橋梁へ新しい水道管を架け替え。併せて仮設配管を撤去

@が1年目、Aが2年目の工事となります。

この場合の決算処理はすべて4条支出にて行うべきでしょうか?

4条支出で処理した場合、1年目に建設仮勘定へ処理し2年目に固定資産へ振り替える方法でよろしいのでしょうか?

仕訳としては・・・

1年目 建設仮勘定(仮配管)10 仮配管工事費   10

2年目 固定資産(新設配管)50 建設仮勘定(仮配管)10
                仮配管撤去工事費 10
                新設配管工事費  30

として処理することは可能でしょうか?
(仮配管の布設撤去費用を新設配管の取得費に含めることはできるのでしょうか?)

説明の仕方が悪くて申し訳ありませんがご指導お願いします。

                 

介護保険条例の準則はでるのでしょうか

クレイモア No.5954

介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令の一部を改正する政令が、12月12日に公布され、平成20年度も介護保険料の激変緩和措置が延長されることになりましたが、介護保険条例の準則が出るかどうかの情報をお持ちの方はいらっしゃいませんでしょうか。

前回の条例改正時(平成18年3月議会:平成18年4月施行)には、2月末近くに準則が示され、政令は3月初旬に出るという、かなり厳しいスケジュールだったことを記憶しています。

今回は、激変緩和の延長だけなので、準則は出ないのではと推測していますが、準則が出れば難しい案文を考えなくても良くなるので、出て欲しいと願っています。

Re: 介護保険条例の準則はでるのでしょうか

ぷよぷよ No.6007

kei-zuさんが記事を掲載されていました。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20071217/p4

Re: 介護保険条例の準則はでるのでしょうか

あおしま No.6017

この準則で示された附則第1条は,一部を改正する条例(H18)の一部を改正する条例の附則(=つまり今回定める条例の附則)だし,附則第2条はこの位置ではなく一部を改正する条例(H18)の最後につけるべき条文ですよね。
大丈夫か,この準則って感じですが。

上スレでkei-zuさんが指摘されている(3)政令名の引用の件ですが,「新平成18年介護保険等改正令」の略称も不要で第4号の「新平成18年介護保険等改正令」も「平成18年介護保険等改正令」と新を不要とのことでよろしいでしょうか?

ちなみに当該第4号の「附則第4条第5号」とあるのは「附則第4条第1項第5号」の誤りです。
ほんとに大丈夫か?この準則?

Re: 介護保険条例の準則はでるのでしょうか

たま@例規3年目 No.6040

あおしまさんに便乗ですが、「『介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令の一部を改正する政令(平成十九年政令第三百六十五号)による改正後の介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令(平成十八年政令第二十八号)』をそっくり『平成十八年介護保険等改正令』に置き換える」趣旨と理解していいんでしょうか。

また、条例参考例を単体で見ると第2条第4号中の「以下この項において」の「項」も誤りのように思います(「条」かな)。
>あおしまさん
>「新」の字
 いらないんじゃないですかね。
 「新」「旧」の表示は、改正前と改正後の、それぞれの規定に係る関係を明白にしようとする意図です。(今回、皆さんがご苦労された給与条例の差額支給とか)
 このたびの「平成20年度における保険料率の特例」に係る規定を、私やあおしまさんが指摘のように、前回の改正条例の附則に追加する場合は、既存の「平成18年度における保険料率の特例」「平成19年度における保険料率の特例」は20年4月1日には終了してしまうので、「新」「旧」の前後関係を意識する必要はないわけです。

>ほんとに大丈夫か?この準則?
 12日に政令公布、その2日後に迅速にご対処いただた点をここは感謝しましょう(^^
 #昔はファクシミリで文字がつぶれた送信がギリギリのタイミングであったと聞きますし、現在では一部のものは加工が可能なファイル形式でメール送信されるなど、準則を巡る自治体の環境は良くなっています。

>たま@例規3年目さん
 置き換えるというよりも、条例施行時の4月1日時点で、「平成十八年介護保険等改正令」の改正内容は溶け込んでしまいますから。

Re: 介護保険条例の準則はでるのでしょうか

要介護者 No.6059

 久しぶりに投稿します。

 このたびの激変緩和措置の延長において、担当として困惑しており、政令改正におけるパブリックコメントとして意見を出しました。(結果も予想どおりの回答で、がっかりしました。)
 結局、政令は公布されたのですが、本町においても結局延長を実施する方向であるため、3月定例議会に向け条例改正案を手がけているところです。
 そこで、また国が示したこのたびの準則例には、もっとがっかりしたところではあり、この掲示板を参考にしているところです。

 さて、改正条例名は「介護保険条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例」というのは、激変緩和措置を平成18年当時の改正条例の附則に規定した場合であると思います。
 
 本町においては、激変緩和措置を条例の制定(原始)附則に規定しております。
 この場合、改正条例名は単に「介護保険条例の一部を改正する条例」でよかったのでしょうか?
 
 単純な質問ですみません。
 
 いつも参考にさせていただいています。

 うちは合併の関係で、平成18年3月に条例を新規制定していますので、本則附則に激変緩和の経過措置を定めています。
 このため、「介護保険条例の一部を改正する条例」としています。

 ところで、政令改正附則の根拠ですが、条例(例)第12条第4号以降ですが、今回追加された政令の5号ではなく、「6号」が該当するのではないかと悩んでいます。(被保険者本人は、条例(例)の第2条で、改正政令の5号及び6号の適用が明記されているので、被保険者を除く世帯主及び世帯員に6号を適用するのではないでしょうか?)

 ちなみに、改正のスタイルは「項の追加」で対応しようかと考えています。
介護保険一組の例規担当です。2月定例議会に向け、条例案の作成真っただ中です。

はるSさま
>「6号」が該当するのではないか
5号でいいと思いますよ。
平成18年度・19年度の第5段階保険料の緩和規定で、地方税法改正附則第6条第2項・第4項を引用しています。
平成19年政令第365号により加えられる附則第4条第1項第5号は、当該引用文の「前年」を「平成19年」に置きかえただけですから。
cubeさま

ありがとうございました。
何とか形にできそうです。
ところで、「条改正」か「項の追加」のどちらで対応されますか?
はるSさま

うちは、平成18年改正附則に「項の追加」での対応を考えています。
といいますのも、当時深く考えずに、参考例の附則(条立てでした)をパクったものでして・・・
よって、改正附則第3条第1項が平成18年度分、第2項が平成19年度分の緩和規定となっており、ならば平成20年度の緩和規定は第3条に第3項として加えるのが妥当、と考えている次第です。
平成18年の改正附則はそもそも3項目しかないのですから、項立てとすべきところ、本来の「附則を条立てとする場合の考え方」を失念しておりました・・・トホホ

地自法180条の専決事項の指定について

コスモ No.6199

いつも参考にさせていただいています。
[5765]において既に議論になっている件につき、おたずねいたします。ご教示くださいますようお願いします。

地方自治法の逐条解説「長においては、委任事項の指定の提案権はもちろん有しない。ただ、議長に対して事件を指定して議決を依頼することができるのみである(行実昭和30年12月17日)。」

多くの自治体では、条例ではなく「議決」として例規集に掲載されています。しかし、いくつかの自治体では、「市長の専決事項に関する条例」といったように「条例」として制定しているところもあります。これら「条例」としている自治体では、首長提案でなく、議員提案として制定したということなのでしょうか?

また、「議決」という形でなく「条例」で制定できる根拠があればお教えいただきたいのです。
行政実例に言うところの「議決を依頼することができるのみである」は、「議決」だけでなく「条例」も想定していいる。という理解でいいのでしょうか。

うちの自治体では、専決事項の指定を「条例」で定めようとする相談が担当課からありました。しかし、逐条解説で示された「長に提案権はない」ことから、議会からの指定としてもらうよう調整中ですが、「議決」とするべきなのか「条例」で定めることができるのか??悩んでいます。担当課は「条例」で定めたいようなのですが、条例で定めることができる根拠がはっきりしなく悩んでいます。

→5777cubeさんの
≪ところで「指定するもの」を行政側が条例で定めるというのは??・・・横レスで恐縮ですが、条例で定めることができる根拠をご教示いただければ幸いです。≫
について、スッキリしないままなのです。



 私の団体では、条例形式で定めています。
 議員提案で当初定められ、改正についても議員提案です。
 なぜ条例形式で定めたのかは古いことなので定かではないですが、長に提案権がないという点は疑義がないようですので、条例形式で定められている団体はどこも議員提案でされているということではないでしょうか。
議決で定めても条例で定めても、効果としては同じなので別にどちらでも可能だと思います。
条例として定めることを積極的に否定する根拠もありませんし。

ただ、自治法第180条においては「議決により特に指定したもの」としており「条例で定めるところにより」としていないこと、内容的に住民に対する義務規定や権利制限に係るものではなく、極論すれば単に自治体内部の事務手続に過ぎないので条例で規定するほどのものでないことから、「議決」の形をとっている自治体が多いのだと思います。

支出負担行為の起案日について

bird No.6200

例えば19年度分の支払について、20年4月10日に支出負担行為を起案するというのは可能でしょうか。

下記のとおり財務省規則には出納整理期間中に支出負担行為を整理できる(起案できる)という規定があり、本市の会計規則にも同様の規定があります。(実際に適用した事例はなく、すべて3月31日付けで処理していますが)
 
財務省支出負担行為等取扱規則
 別表乙号の備考
2 支出決定のとき、請求のあつたとき又は交付決定のときをもつて整理時期とする支出負担行為で、これに基いて出納整理期間中に支出等をすべき経費に係るものについては、当該支出等の出納整理期間中において当該支出等に先立つて別表甲号及び乙号により整理することができるものとする。

Re: 支出負担行為の起案日について

アトム No.6207

「会計年度独立の原則」がありますので、4月10日の日付では起案出来ません。
3月31日までの支出負担行為について、購入物品の納入や委託業務が3月31日までに完了した場合に支払う整理のことです。

新旧対照表

ド素人 No.6138

皆様、教えてください。

12月25日に学校教育法施行規則の一部改正が公布されましたが、この新旧対照表を見られるサイトはありませんか?

ご存知の方、お願いします。

Re: 新旧対照表

アップル No.6140

公布されたものではありませんが、文科省のホームページで法案の段階の新旧対照表は見ることができますよ。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/166.htm

Re: 新旧対照表

ド素人 No.6143

アップル 様

ご返答ありがとうございます。

ただ、閲覧したいものは、学校教育法ではなく学校教育法施行規則の対照表です。

Re: 新旧対照表

ウグイス嬢 No.6157

官報に公布文が掲載されているのですから、新旧対照表はご自分で作成してみてはいかがでしょうか?
これこそ自分の法制執務能力を試す絶好のチャンスだと思いませんか?
内容をみるとほとんど全部改正状態なので、それほど難解ではないと思いますよ。

Re: 新旧対照表

ド素人 No.6159

ウグイス嬢 様

ご返答ありがとうございます。
確かに自分で作成するのが早そうですね。

なお、改正文は全部改正的な手法をとっていますが、
内容はほとんど変わっていないように思えます。

Re: 新旧対照表

通りすがり No.6190

余計なお世話かと思いますが、これでは?
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/kakutei/07051401/004.htm

Re: 新旧対照表

ド素人 No.6195

通りすがり 様

情報提供ありがとうございます。
助かりました。