過去ログ [ 85 ] HTML版

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債務超過の預金差押

シマウマ No.9412

徴税を担当しております。
税滞納者の預金差押する場合、債務(借入)の方が預金よりも大きい場合、金融機関は差押えするなら相殺できる、とありますよね?
いつもそこでこちらも引き下がってしまいますが、「借入の返済を毎月滞りなく行っている」場合、債務(借入)が大きい場合でも預金差押ができる、とききました。
ある銀行窓口で(実際には行わなかったですが)債務(借入)が大きい場合でも差押できるはずですが?と聞いてみたところ、たしかにそのような判例が出ているとの回答でした。
そこで判例等を調べてみましたが見つかりませんでした。
判例の内容がわかる方、また通達等どこに明記されている場所(本等)等わかる方、教えて下さい。(その前にこの考え間違いですか?)
ちなみに差押をして滞納者と有利に折衝したいだけであって、取立てまでは考えてません。相殺まではしたくありませんので。
長くなりましたがよろしくお願いします。

Re: 債務超過の預金差押

あお No.9417

国税庁のホームページに超過差押えと無益な差押えの禁止が掲載されています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/chosyu/05/01/01/048/01.htm

Re: 債務超過の預金差押

元帳 No.9432

「借入の返済を毎月滞りなく行っている」ならば、何らかの収入があると思われますので、そちらを調査し、差し押さえることとしたらどうですか?

Re: 債務超過の預金差押

シマウマ No.9437

給与がある場合はそうしてますが、扶養家族がいて給与を差押できない場合があります・・・。

Re: 債務超過の預金差押

ぺんのすけ No.9445

釈迦に説法かもしれませんが、給与の差押可能範囲は国税徴収法第76条で計算した額になり、

支給額から@所得税、A住民税、B社会保険料とC最低生活維持費(100,000円+45,000円×(本人を除く家族数)、体面維持費(給与支給額−上記@〜Cの額)×0.2又はCの2倍のいずれか低い額)を控除した額までは差押可能です。

確かに扶養が多ければ差押可能額はなくなる可能性が高いですね。

Re: 債務超過の預金差押

元帳 No.9446

そのような場合にはしかたないかも知れませんね。
相殺するかどうかは相手次第で、しない可能性があるので、差押え自体適法でしょう。
ただ、取り立てる時には、必ず相殺してくるでしょうから、確実に換価できるものを押さえた方が良いと思います。
金融機関が預金額以上に貸しているとしたら、何か担保があるのではないでしょうか?

Re: 債務超過の預金差押

クルクル曹長 No.9447

よけいなツッコミかもしれませんが・・・

最低生活維持費の計算は「生計を一にする親族数」から計算します。
税でいう「扶養親族」ではありませんので念のため。

結構間違えやすいです。差押禁止額が大きく変わるので要注意です。
(扶養から外れる息子がいても、同居していると・・・トホホ)

Re: 債務超過の預金差押

シマウマ No.9458

元帳さんへ
究極をいうと「差押できるかどうか」です。相殺されるから「無用な差押」で禁止条項に
あたるのでしょうか?
本音をいいますと、差押をして滞納者からの連絡を待って少しでも「前進」できないものか、と考えてます。
預金差押は基本、即時取立をしてないので、1週間程度凍結しています。
「1週間差押して滞納者と折衝するから差押させてくれ。1週間後に相殺するしないは考えましょう。」と金融機関にいいたいのですが。やはり難しいでしょうか。

Re: 債務超過の預金差押

元帳 No.9464

相殺しないで、かつ、弁済が進む可能性があるので無益であるとは言い切れず、したがって、差押えできると考えます。
ただし、金融機関と滞納者が交渉に応じなければ、滞納額は減りませんので、ほかの手段を考えるべきと思います。
時効中断には使えるでしょうが。
 お尋ねします。
 公の施設を設置するために当初予算に計上され、議会の議決を経ているのですが、事業の実施段階になって一部の議員をはじめ「つくる必要がないのでは」という声があがってきました。
 ここで議会がそんな予算の執行はするなということを公に議決等することはできるのでしょうか?
 私が思いつく限りでは、予算化された市長の執行権を侵すものであり、議会が後から何でも覆せることとなるのでそのような事態は想定されていない(できない)と考えるのです。

 私の考えたのは次の2点です。
 @予算の提案権は首長に専属し、議会に予算の提案権は無いということでできない。(自治法の97条2項や112条1項)
 A予算には触れずに、国に対する意見書提出(自治法99条に根拠あり)のように「●●事業を中止する決議(意見書)」という決議(根拠は無し?)をする。
 ⇒根拠が無ければただのお願いに過ぎないのでは。

 この2点に対するご意見やそれ以外の考えが有りましたらどうかご教授ください。
 パッと思いついた限りです。

 公の施設であれば設置条例が必要であるため、
(1)条例を定めているのであれば、廃止する(又は改正する)条例を議員提案し、可決する。
(2)条例を定めていないのであれば、長側から条例案の上程があったとしても否決する、あるいはその旨を議会の意見書(99条)として長側へ通知しておく。
 
 とはいえ可決された予算については、長側の専権事項なので、いかんともしがたく、政治的責任を追及できるのみでしょう。ただし、その追求は、その予算の成立に賛成した議会自らへの政治的責任を追及していることと同義です(反対していたのなら別ですが)。
 何となくさんありがとうございました。

 (2)のとおり まだ施設の建築に入ってませんので、公の施設の設置条例は定めていません。
 元々請願により施設の設置が提起され(請願ですので議員の紹介も当然ありました。)てきた経緯があり、請願が採択されて設置が予算化されてきたものです。
 それが今になって反対してきた勢力(紹介議員も含めて)があるため (-_-メ) という感じでおります。

 いろんなパワーがせめぎあっていて結界でも張ってしまいたいぐらいです。
 
 

指定管理者を公募する際の資格条件について

漁師兼公務員 No.9456

指定管理者を公募する際の資格条件の一つとして、「市内に事業所を有する団体」というような制限を設けることはそもそも可能なのでしょうか?
これには法的にどのような問題があるのでしょうか?
漁師兼公務員様

自治法上、指定管理者とする団体の資格についての制限はありませんので、公募の際の条件に「市内に事業所を有する団体」と加えることは可能と思われます。
ただし、公の施設の管理を幅広く民間事業者まで広げた制度の趣旨からして、制限を加えることの是非については検討する必要があると思います。(緊急時の対応が迅速に行われるなどの理由があれば可能かと。)

口座振替と納期限について

水道屋 No.9441

 過去ログを探しましたが、見つからなかったので、質問します。
 当団体の下水道使用料は、市内を5ブロックに分けて検針を行い、検針結果に基づき、納付書を発付しているため、毎月1日、8日、17日、19日、25日というように、発付日がことなり、納期限を20日以内としていることから、納期限もそれぞれとなる状況です。こうした状況におきまして、口座振替を毎月2日と18日に設定しているため、一部のブロックでは、納期限後に振替を行っているところであります。
 滞納処分など地方税と同様な扱いを行う使用料で、納期限後に口座振替を設定することに問題はないのでしょうか。また、問題があるとすれば、口座振替の納期限を延長することが必要なのかなと考えますが、一部の方のみ納期限を延ばすことは問題がないのか。
 本来は、それぞれの納期限ごとに口座振替を行えばいいのですが、事務の都合上、2回より増やすことなく解決する方法を検討しているところです。
 ご指導の程よろしくお願いいたします。

Re: 口座振替と納期限について

市という村の法担 No.9443

>納期限後に口座振替を設定することに問題はないのでしょうか。

 納期限内に納入されるように改めるべきであると思います。

>一部の方のみ納期限を延ばすことは問題がないのか。

 具体的にどのようにするのかが不明ですが,公平性の観点から一部の方のみに利益又は不利益になるようなことは,避けなければならないと思います。事務の都合であれば,なおさらです。

Re: 口座振替と納期限について

元帳 No.9444

逆に、納付書の発布を月二回に減らしたらどうでしょうか?

Re: 口座振替と納期限について

クルクル曹長 No.9450

いっそ、納付書を月1回発布・月1回の口座振替とかどうですか?
当村は田舎なので5ブロックもある自治体様は想像を超えてしまいますが・・・
できなくは無い。かな?(間違ってたらごめんなさい)

あと、納期限後の口座振替は所得税で行われています。
所得税では、確定申告の申告期限までに納付する。となっていますが
3月15日の申告で振替納税を申し込むと4月20日(だったかな?)に引き落としになります。
手元に資料がないので、断言はできませんが参考までに。

Re: 口座振替と納期限について

水道屋 No.9452

早速の回答ありがとうございます。
やっぱり、公平性の観点から難しいように考えますので、
いろいろと検討してみます。
早速ですがご質問させていただきます。

 本市の「○○市行政区に関する条例」第1条で「市行政の円滑なる運営と市民の自治意識の高揚を図るため、行政区を設置する。」となっており、第3条で「各行政区に、区長及び副区長を1人を置く。」となっており、区長及び副区長は非常勤特別職となっています。
 また、区長の職務としては、
  ・市長が委託した調査、行政資料の配布及び募金等の事務に関すること
  ・市長が住民に発する文書等の伝達に関すること
  ・住民から市への連絡及び要請等の伝達に関すること
  ・まちづくり等地区自治意識高揚及び実践活動に関すること
  ・その他市長が必要と認める事項
と規定されています。

 請願については、憲法で「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人もかかる請願をしたためにいかなる差別待遇を受けない。」とされておりますが、「市の執行機関は行政執行上の希望については、執行機関内において解決すれば足りることから、当該地方公共団体の議会に対し請願することはできないとされている(昭和27年12月1日、昭和33年2月26日行政実例)」との行政実例があり、執行機関の要請により設置された附属機関も請願することはできないことと解されます。

 今回の行政区が市の附属機関に属するのかどうかで判断に苦慮しているところです。
 附属機関は「行政執行の前提として、必要な調停、審査、審議又は調査等を行うため、普通地方公共団体に法律又は条例の定めるところにより設置される」ものであることから、今回の行政区が条例に基づき設置されているとはいえ、その職務内容からして附属機関には該当しないものと考えますがいかかでしょうか。

 長文になりましたが、よろしくお願いします。
abuさまのご質問の背景は、行政区長から議会に対し、自治法124条にもとづく請願があった際、どのように処理すればよいか? ということでしょうか。
 条例だけ見れば、たしかに「附属機関」には該当しないという理解を私をします。少なくても、区長なり行政区から行政への「意見具申」のルートが定められてませんから。ですから、議会への請願そのものは有効です。もっとも「その他市長が必要と認める事項」で、「○○地域の開発についての地元意見を聞く」などがはいってきて、当該案件についての議会請願であれば別でしょうけれど。

なお、自治法上の議会に対する「請願」と、請願法にもとづく「請願」はまったく別物だと私は考えておりますので、附属機関であっても請願法にもとづく請願は受理すべきだと思います。
また、議会への請願であっても、議員であっても個人としての資格で請願できる(昭和28、4、6行実)や、学校長も個人としての資格で請願できる(昭和33、5、7行実)ようですね(後段は、今回調べてはじめて知りました。ありがとうございました)。
 ご回答ありがとうございました。
 Gさまのご推測どおり、行政区長から自治法124条に基づく請願があったため、その対応をどうするか検討しているところです(請願なので議会なのか、それともまずは市当局で処理するのか)。
 内部でも検討した結果、附属機関には該当しないだろうってことで、請願書として受理する方向でまとまりそうです。

 Gさんの最後の部分で説明のありました議員や学校長も個人としての資格で請願できるとありますが、例えば学校長が請願する場合、「○○学校長 ○○○○」と校長の肩書きを記載してあった場合、学校長として請願することとなってしまうのでしょうか。それとも、学校長なのか個人なのかを本人に確認した方がよいのでしょうか。

 
abuさん、こんにちは。

後段の例は私は初めて知ったのでよくわかりません。公務員は自分の関係する議会への請願はできないと思い込んでましたので。abuさんご紹介の行実とあわせて考えると、「個人の資格」とは、学校長の場合だと学校管理等以外にかかわること、ではないかと考えました。卒業式で日の丸を強制するのはおかしいという請願はダメよ、ということであって、自分の住んでいる地域は雨が降ったら水があふれるので早急な洪水対策を、という請願は当然ということです。後者の場合、学校の所在する地域だったらどうしましょう? 結構悩ましいのではないかと思います。(こういう思考実験は大好きなんです)

ときに、自治法124条にもとづく請願でしたら、まずは議会での処理でしょう。請願の内容を議会ではかる前に解決するということはありでしょうけれど。
>今回の行政区が条例に基づき設置されているとはいえ、その職務内容からして附属機関には該当しないものと考えますがいかかでしょうか。
行政区の職務内容とは,何でしょうか。

>自治法124条に基づく請願があったため、その対応をどうするか検討しているところです。
地方自治法第124条の請願である場合は,議会が採択又は不採択を決定することになります。

以下余談ですが・・・(疑問点ばかりです。)。
1 地方公共団体である市が条例にて設置する行政区とは,一体何なのでしょうか。
2 「行政区」は,一体何をするのでしょうか。
3 区長の職務に「市長が委託した調査」とありますが,市長はだれに調査を委託するのでしょうか。
abu様

不躾ながら、ご教示ください。

件の「行政区」というものですが、附属機関でないとしたら、一体なんでしょうか?
 Gさん、市という村の法担さん、アウガさんご意見ありがとうございます。

 Gさんの「個人の資格」の考えには私も賛同しますが、内部では、請願が憲法で何人にも認められている権利である以上、個人の資格で請願できる範囲に制限は無い(今回の例だと、学校長が個人の資格で請願するならば、その学校に関することでも請願できる)との意見もあります。「個人の資格」の判断基準とはいかなるものなのでしょうか(本人に伺うしかないのでしょうか)。

 市という村の法担さんの疑問点ですが、「行政区」とは「町内会」と思っていただければよいと思います。地域柄なのか田舎だからなのか、行政が地区を区割りして区長を置き、行政の円滑なる運営と市民の自治意識の高揚を図る目的で設置されています。
 「行政区」は何をするのかという疑問ですが、「行政区」としてこれをやらなくてはならないという職務はありません。あるとすれば、地区で奉仕活動をしたり、各種スポーツ大会に出たり、地区の要望を出したりするぐらいです。
 区長の職務にある「市長が委託した調査」ですが、その行政区の住民の意見をとりまとめたりするのを行政区長に委託するものです(区長には年額で報酬を支払っていますので、この委託による委託料は発生しません)。

 アウガさんの疑問点ですが、「行政区」が附属機関でなければなんなのかという件ですが、附属機関として整理する場合に、条例に基づき設置された機関は、執行機関の要請により設置された附属機関と、そうでない附属機関とに分けられるのではないかと思います(後者の場合だと、附属機関という名称はなじまないですが、あえて今回は使いましたが)。「行政区」は前述しましたとおり、町内会的な団体であるため、附属機関には該当しないと判断しました。
請願ができない附属機関は、前者の附属機関であり、それ以外の機関は条例に基づき設置されているとはいえ、本来の附属機関ではないため、請願できるものと解しました。

上手く説明できたか分かりませんが上記のとおりです。
 地域住民の任意で設置される「町内会」と、自治体が条例により区域を定めて区長を置く「行政区」は違います。当市でも、以前「行政区」を定めていましたが、「町内会」(当市では「自治会」と称していますが。)制度へと移行しました。
 もちろん自治会の設置に当たっては行政がサポートをし、その機能の維持向上についても補助金の交付や業務の協力など、引き続き支援を続けていますが、自治会はあくまでも地域住民が組織する任意団体であり、それに対し行政区は、市が設置する機関です。

 また、附属機関についてですが、条例でその設置を定め、市長の指揮監督のもとで職務を遂行することとされている以上、それは附属機関ではないでしょうか。その条例の制定経緯や、現実として大した仕事をしていないとかは、全く別問題だと思います。
abuさん

憲法上や請願法の「請願」と、自治法124条の議会に対する請願は、私は分けて考えております。行政実例も後者に関するものですね。前者は、特段書式が定められてはいないですし、普通の日本語だと、「要望」とか「提案」みたいなものでしょうか。時代劇の世界では、お上への「嘆願」は命がけでしたから、そうではなく誰でも自由に要望してよいよ、という規定だと解釈してます。
「個人の資格」の判断を本人の意思ではなく、案件の内容で判断するものでしょう。「機関委任事務」のように個人の意思がはたらかないもの以外のすべてと言っていいかもしれません。先の思考実験の続きでは、学校長が職員会議にもPTAにも地元町内会にも合議せずに、洪水対策要望をだすのは「個人の資格」。会議では「そうはいっても自治体には金ないし」と反対意見を述べながら、衆議一決請願をだすようなケースは、公人なりお行政組織の一員でしょうか(反対意見を述べなくてもいいですが)。議会なり首長なり、受け止め方が違いますよね。

アウガさん
abuさんの答えと同様ですが、「町内会条例」はけっこうあります。条例に基づくものだからこれを附属機関としてしまえば、下請機関ですね。もちろん、「自治基本条例」「まちづくり条例」のいくつかであるように、町内会等に当該地域のまちづくりの「先決権みたいなもの」を委任しているようなケースでは、その事務にかぎり附属機関といっていいかもしれません。
abu 様

ご教示いただきありがとうございます。
以下、感想を述べさせていただきます。

憲法92条において「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」とあり、その法律が地方自治法であり、条例に基づく機関であれば(言い換えれば、非常勤特別職を長として置いているのであれば)、地方自治法に規定する何らかの機関に該当しないといけないのかな、と思います。

「条例に基づき設置された機関は、執行機関の要請により設置された附属機関と、そうでない附属機関とに分けられるのではないか」とのご説明ですが、条例で定めている機関である以上、執行機関から要請がないと整理できるのか、では、何から要請があったのかな、と思いました。執行機関からの要請が無いのに、条例を定めて、機関の長として非常勤特別職を置き、任命行為を行い、報酬を支払うことが、適切なのかな、と思いました。
abu 様

丁寧にお答えいただき,誠にありがとうございます。

条例には,「行政区を設置する」と規定されているようですが,
その意味は,区域を定め,合わせてその区域の名称を定めているに過ぎないのかもしれませんね。

仮に,行政区が団体である場合には,その構成員の定めも必要ですよね。(もっとも,団体を条例で設置するという意味も不明ですが。)
また,仮に行政区が機関である場合には,行政区の構成員は,全員が地方公共団体の職員であることになってしまいますものね。
歴史的な「お荷物」なのでしょうかね。
皆さんご意見ありがとうございます。

条例に基づき設置されている「行政区」は附属機関なのかどうかの判断ですが、最終的には、当市の行政組織規則の中で附属機関についての規定があり、これに規定の無い機関(下記でいう別表に載っていない機関)は条例により設置されているとはいえ、「附属機関」には該当しないものと判断することになりそうです(ではその機関は一体何なのかという疑問は残りますが)。

行政組織規則
 第○章 附属機関
(名称及び担任事務等)
第○条 法(地方自治法)第138条の4第3項の規定及び附属機関の設置に係る条例の定めるところにより置かれた附属機関の名称、担任する事務、庶務担当部課等は、別表第○のとおりとする。

>「行政区」としてこれをやらなくてはならないという職務はありません。

 附属機関は,条例の定めるところにより,その担任する事項について調停,審査,審議又は調査等を行う機関です(地方自治法第202条の3第1項)。したがって,条例にその担任する事項や職務(調停,審査,審議又は調査等)が定められていなければ,附属機関ではないことになります。
 常識的に考えても,職務のない機関というのは,あり得ません。「行政区」は,機関ではないと考えるのが,自然だと思います。
市という村の法担さんの言うとおり、そもそも行政区の設置条例の中に、行政区長の職務規定はあるが、行政区(機関)としての職務が無い時点で附属機関では無いということになりますね。

このような団体からの請願についていろいろ調べてみましたが、事例がなかなか無い(判例も無い)ということは、通常の手続きで処理しているということなのでしょうね。

 実質的に「町内会」であるとすれば,通常の手続きで処理することになると思います。
横から失礼します。

区長が特別職とはいえ公務員であるならば、その権限は組織規則や決裁規程等で規定されている範囲に限られており、個人としてならともかく、区長として請願するのは、本庁課長が自身の判断で請願するようなもので、組織としては認められないと思われます。(議会が受け付けることを差し止める権限はありませんが、区長に対しては処分を課すべきと思います。議会としても、組織としての本来の意思決定権限を有する首長、部長等に確認すべきではないでしょうか)
なお、行政区については、行政区自体に行為能力があるのではなく、区長の権限が及ぶ物理的エリアを定めたものにすぎないと思われますが、そうなると自治法155条に定める支所として住民へのサービスの一部を分掌したとも解されますが・・・
ちなみに、区長への委託料の支払いについては、自治法204条の2に抵触しないよう注意が必要と思われます。(京都地裁H19.12.26では教員への研究委託費の支出を違法としています)
元法務 様

「区長に対しては処分を課すべき」とありますが,区長のどのようなことに関して,何を根拠に,どのような処分を課すべきなのでしょうか。

abu 様

(実質町内会である)行政区からの請願なのでしょうか。(非常勤特別職である)区長からの請願なのでしょうか。
元法務様

区長から請願が出た時点で、行政区としての請願でもあると判断しました。そこで、行政区からの請願は有効なのかどうかを検討した結果、行政区は附属機関では無いとの考えから、請願を受け付けることになりました。


市という村の法担様

今回の請願は、区長からの請願(提出者は、○○区長 ○○○○ となっています)でしたが、請願の内容からして地区住民の意見を代表して出したものと思われます。

実際のところ、今回の請願が区長としてなのか個人としてなのかの判断をする上で、区長名で出してある以上、当然住民総会のようなものを開いて、その中で意見を取りまとめたものと考えています(本人に直接聞くことは信用問題がありますので)。
市という村の法担 様

 議論が横にそれて申し訳ありませんが、処分に関しての私見です。

 区長が単なる任意団体の代表者でなく、自治法154条の補助機関に該当するとの前提に立っての推論ですが、一般的には、自治体の執行機関として「補助機関の一員がその名において勝手に議会に請願すること」を認めることはあり得ず(各団体の事務委任規則や決裁規程等によりますが、議会に関することは、一般的には市長や部長の決裁事項です。)、区長名での請願はいわゆる越権行為であり職務命令違反に当たると思われます(出先機関の長が勝手に請願するようなものです)。

 なお、地方公務員法が適用されない特別職たる区長に対する処分は、同法に縛られず自由にできるとも解されますが、とりあえず現行法上の根拠としては、自治法附則9条と自治規程に基づく「免職、過怠金、譴責」があるようです(逐条自治法附則9条関係参照)。これら以外の処分については、一般職に対する訓告、注意等の懲戒処分でない処分と同様に、組織の内部管理上広範な裁量が認められているのではないでしょうか。

abu 様
 請願の可否については、「附属機関であるかどうか」ではなく、「執行機関の内部組織であるかどうか」で判断されるべきでしょうが、「条例で定められた行政の内部組織たる行政区」ではなく、「当該エリアの住民により構成される任意団体たる行政区(同名だが別組織)」と解せば、請願を受け付けることは可能と思われます。ただし、その場合には、細かい話ですが、請願に関する経費を「特別職たる区長への委託料」でまかなうことの是非が問題になるのではないでしょうか。

Re:

水道屋 No.9451

当市では、
  平成19年度○○市の健全化判断比率について
  平成19年度○○市の資金不足比率について
と2本に分けて報告する予定です。
また、担当部局も財政部門に一本化して説明する予定です。

地方自治法第263条の2について

504 No.9438

地方自治法第263条の2についてお聞きします。

この条の規定中「公益的法人」とあるのは、現行民法34条に定める「公益法人」のことであるようですが、なぜ「的」と入っているのでしょうか?

そして、民法改正後、この「公益的法人」の定義は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律で定義されているように「公益的法人」=「公益法人」=「公益社団法人及び公益財団法人」ということでよいのでしょうか?

Re: 地方自治法第263条の2について

市という村の法担 No.9449

 松本英昭著新版逐条地方自治法第4次改訂版には,「民法上の公益法人(一般社団・財団法人法の施行後の一般社団法人及び一般財団法人)を含むほか,公益を目的とする法人であれば,これに含まれるものともいいうる」とあります。
 ただし,この条文では,「(地方公共団体)の利益を代表する全国的な公益的法人」と規定されていることから,この条文において,単に「公益的法人」かどうかを判断することは,ほとんどないものと予想されます。

行政手続条例の適用除外について

みきお No.9418

最近、行政手続法及び行政手続条例の勉強をしているのですが、わからないことが多く悩んでおります。例えば「印鑑登録証明に関する条例」では、次のとおり行政手続条例の適用除外が規定してありますが、なぜ「印鑑登録証明」に関する処分が行政手続条例の適用除外になるかわかりません。どなたかご教示ください。


(○○町行政手続条例の適用除外)
第18条 この条例の規定による処分については、○○町行政手続条例(平成8年条例第13号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。

Re: 行政手続条例の適用除外について

あお No.9428

以前に関わったことなので正確かどうか分かりませんが,確か,印鑑登録は要件が整っていれば受けざるを得ないため,処分性がなく,したがって行政手続条例から除外されていたと記憶しています。

Re: 行政手続条例の適用除外について

元帳 No.9430

まさに印鑑登録条例に適用除外をうたっているからではないですか。
仮に行政手続条例でいう処分でないとしたら、印鑑登録条例には記述する必要がありません。

Re: 行政手続条例の適用除外について

元帳 No.9431

補足

適用除外にした理由として考えられるのは、
1 行政手続条例と同等以上の申請者保護の規定がすでに個別条例にある。
2 事務の性質上、行政手続条例の申請者保護規定を適用すると、支障が生じる。
3 行政手続条例の申請者保護規定を適用するほどの価値がない。処分性が極めてゼロに近い。

というところでしょうか。
あおさんのご意見は3だと理解しています。

Re: 行政手続条例の適用除外について

ぷよぷよ No.9434

 条例の規定は住民基本台帳法に準じているのではないですかね。

-------------------------------------------------
【住民基本台帳法】
(行政手続法の適用除外)
第三十一条の二 この法律の規定により市町村長がする処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
-------------------------------------------------

 同法における適用除外について、先般参加させて頂いた第一法規主催のセミナーで、講師でいらした横須賀市の室井二三夫主査が以下のように述べられていました。

-------------------------------------------------
 総務省監修の住民基本台帳法の解説書を見ると、適用除外にしてある理由のうち第三者による請求については、「拒否理由を申請者に示すとなると、住民のプライバシーを侵害するおそれがあること、また、拒否理由を個別に示すこととなれば市町村の事務の負担の大きな増加につながること」という理由があげられています。
「自治体法務NAVI」vol.23 第一法規(23頁)
-------------------------------------------------

 現課に行けば一次資料に当たれると思いますが、孫引きですいません。

 話しは逸れますが、上記のご講義で、室井主査は、適用除外であっても処分行為であることは変わりがなく、窓口で大声を出されるようなトラブルを回避するためにも、任意の取扱基準が検討されてよかろうと指摘されており、興味深い指摘だと思います。

Re: 行政手続条例の適用除外について

あお No.9439

なるほど,ぷよぷよさんの説明では住民基本台帳法に準じているとされています。
印鑑登録の本題と少しはずれますが,
参考判例として,住民票に対する市町村の行為に対して富山地裁平成16年6月30日判決では,処分性について次のような判断をしています。

【判決要旨】
1 取消訴訟の対象となる行政処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められるものをいう。
2 本件行為は、市町村長が住民基本台帳法第7条に基づき住民票に住民票コードを記載する行為は公証行為の延長上にあるというべきであるから、その性質上国民の権利義務に直接具体的な影響を及ぼすものではなく、また、他に処分性を認める事情も存しないことから、行政処分とは解されず、本件訴えは不適法である。

単純に印鑑登録の事務は,
印鑑の登録及び証明事務が形式的審査に基づいて処理する事務であるという観点から説明できないものでしょうか。
行政手続のそもそもの成り立ちは,事前手続を明らかにするという処分の透明性,処分があってからでは回復できないものを救う発想ではなかったでしょうか。

Re: 行政手続条例の適用除外について

みきお No.9440

みなさんありがとうございました。

公益的法人等の「公益的」の意味は

あお No.9409

公益的法人等への職員の派遣等に関する条例を9月議会に提案される自治体もあるかと思います。
ところで,素朴な質問で恐縮ですが,タイトルを含めて「公益法人等」が「公益的法人等」に改められた理由は何でしょうか。
民法34条の公益法人は公益法人か一般法人に移行しなければなりませんが,一般法人を選択しても従来の公益部分は公益目的支出計画を定めて0(ゼロ)になるまでの公益支出するようになっています。
また,一般法人でも公益部分に関して全くできないという訳ではありません。
したがって,従来は公益部分のみを考えて「公益法人」と規定すればよかったものが,このような制度改正によって一般法人でも公益部分が出てきたことによる改正と考えてよいのでしょうか。
それとも他の理由によるものでしょうか,法案の審議過程にも出てきませんので投稿させていただきました。
鰍ャょうせいさんの資料によると「公益法人認定法の規定による「公益法人」と区別する必要があるため」と書いてあります。

このことについて、法律の規定を見てみますと・・・

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律では、「公益法人」=「公益社団法人及び公益財団法人」と定義されています。

一方、改正派遣法では、「公益的法人」の定義を「・・・次に掲げる団体のうち、その業務の全部又は一部が当該地方公共団体の事務又は事業と密接な関連を有するものであり、かつ、当該地方公共団体がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例で定めるもの」と定義し、その「次に掲げる団体」に、一般社団法人及び一般財団法人を規定しています。

この二つの法において、同一の文言を違う意味で定義づけることを避け、両者が違うことについて明確にするため、「的」を付けたものと考えられます。

Re: 公益的法人等の「公益的」の意味は

あお No.9421

早速のご回答ありがとうございます。
二つの法律の定義が違うことは分かりますが,公益法人のみであれば「公益法人等」でよかったものが,一般社団法人,一般財団法人も加えられたものであるためと理解してよろしいでしょうか。

Re: 公益的法人等の「公益的」の意味は

半鐘 No.9435

maekoさんのレスにあるように、紛れのなさ、というのが根本にあると思います。
その上で、若干付言。

現制度の公益法人には、新制度でいう一般社団・財団も含んでいますが、
新制度の公益法人には、一般社団・財団は含まれず、改正前後で範囲が変わります。

派遣法第2条第1項第1号に、新制度の4種類を当てはめてみると、
改正前が4種類、
改正後も4種類(公益社団・財団は当然解釈で含む。)と、変わりません。
(一般社団・財団は、加わったというより、もともといると思います。)

ただ、前記のとおり、公益法人の意味の範囲が変わるという事情から、
改正前なら、略称を「公益法人+等」としていて差し支えなかったものが、
改正後では、略称に「公益法人」を用いるのが適さなくなってしまいます。

じゃあ、略称として何が適当か、となりますが、
列記の先頭をとって、「一般社団法人+等」とでもすればよさそうですが、
一般社団・財団も、制度改正前と同様、公益性がないわけではないことから、
最終的に「公益的法人+等」で落ち着いたのかな、と想像します。
また、この方が、題名・条文において、法律の趣旨を端的に表せますし。

…まあ、私見もいいところですが、何かしらヒントになりましたら。

Re: 公益的法人等の「公益的」の意味は

あお No.9436

私も半鐘さんの考えのとおり,確かなことが言えずもどかしいのですが,
『一般社団・財団も,制度改正前と同様,公益性がないわけではないことから,最終的に「公益的法人+等」で落ち着いた』と考えています。

給与費明細書について

No.9433

今年度初めて予算にかかわる仕事をしています。

年度途中での人事異動により、9月で人件費の補正をすることになりました。
補正をするにあたって給与費明細書を作成しなければならないと思いますが、補正前の「職員1人当りの給与」と「級別職員数」は昨年の9月現在を記入するのしょうか?
それとも予算を作成したときの予算書の数値でよいのでしょうか?

過去の補正を見てみましたが、今までは12月での補正しかなく、12月補正では1年前の12月現在のを記入していました。
個人的には予算書の数値を持ってくるものと思っていますが・・・

初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
市町村の収入される収入についていろいろな予算科目にわたって未収となっています。いろいろと調べましたが、税収入は5年と記載されていました。そのほかにも、収入未済が多々あります。不能欠損処分で対応する方法もありますがあまりしたくありません。平成17年に合併した地点でも旧町村での未収が多々ありました。時効の到来期限と時効の中断方法について教えていただきたくよろしくお願いします。合併前の収入未済の対応と、時効到来の根拠法令などもあわせてお願いしたいのですが。
 税収の他に、保育料、町営住宅使用料、公営住宅使用料、改良住宅使用料、学校給食徴収金、施設使用料、無利子で貸し付けている貸付金収入、介護保険料などがあります。また、今後、後期高齢者保険料なども考えられます。私が見る限りでは、一覧になったようなものがなく、いったい時効期限はいつになるとか、時効の中断方法についていろいろと議論されているところです。たとえば、本人に、催促する請求書を送っていますが、内容証明とか、受け取り確認などの行為はおこなっていません。よろしくお願いします。について自治体法務Wikiのトップページは出るのですが、「自治体法務Wiki」の「2007-09-16・練習」で検索してだすとブログセキュリティに係ってしまいます。自宅パソコンから見て参考にしましたが、市営住宅使用料は10年となっていますが、5年ではないでしょうか。なお、時効完成後2年経過して不能欠損していないものについて一部収入されましたがその収入金の取り扱いはどうしたらよいのでしょうか。還付しなければならないのでしょうか。国税などは時効完成後の収納は還付されているようですが。なお、学校給食費の時効は2年と解釈してよろしいでしょうか。それも収納されました。時効完成後に請求したら。よろしくご教授をお願いします。
時効の援用を要する債権で債権放棄していないものは収入としてよいと思いますが、援用を要しない税金は、還付するしかないと思います。
あと、不納欠損については、やりたくないという話ではないと思います。不納欠損自体は権利義務関係を変更するものでなく、事実を帳簿に反映するだけの手続です。
少なくとも、時効の援用を要しないものについては自動的に決まります。

土地開発公社が所有する土地の売却方法について

ダジャレイ夫人 No.9366

 土地開発公社が、塩漬けになっている土地のうちで自治体が買い戻さず、直接売却することを認められたものを売却する場合は、競争入札するのが一般だと思いますが、いわゆるプロポーザル方式を採ることは可能でしょうか?つまり、応募者から購入価額だけでなく土地の活用方法などについても提案をしてもらい、それを総合的に評価した上で売却先を決めるということです。

 自治体とは独立した法人である土地開発公社が売却するわけですから、単純に競争入札で最も高い価額で入札した者に売却すればいいはずです。しかし、土地開発公社といえども自治体が出資する公法人なので、良好な住環境を維持するという自治体の方針や住民の意向なども踏まえてその土地に最もふさわしい利用形態を想定し、それにそぐわないものを提案してきた応募者には、たとえ提示された価額が最高額であったとしても売却しないで、価額はそれより低くてもより想定に近い利用形態を提案してきた応募者に売却するということが可能かどうかということです。
 久々に・・・。
 一般的に、土地開発公社の定款には、「地域の秩序ある整備」・「市民福祉の増進」といった目的規定がありますよね。
 したがって、土地開発公社が、設立の目的に沿ってプロポーザル方式を採用すること自体には問題はないと思いますが、より高い額で売却することも「市民福祉の増進」に寄与することは確かですから、残るはバランスの問題だけでしょうね。

Re: 土地開発公社が所有する土地の売却方法について

ダジャレイ夫人 No.9397

 Rえもんさん、ご回答ありがとうございます。

 そうですね、そもそも土地開発公社自体の設立目的が公共目的ですから、それに沿った内容である限りは可能と考えていいでしょうね。

 価格面も考慮するということで検討してみたら、条件付き一般競争入札という方法があることに気づきました。つまり、指定用途・建築義務など詳細な条件を設定した上で一般競争入札を実施するという方式です。これなら一般競争入札ですから、より高い価格で入札した人が落札することになります。
この場合、買い戻し特約をつけることで条件が守られることを担保すると思うのですが、期間の制限がありますし、資金的に買い戻しができないこともありますので、建築協定などの活用も検討されたらいかがでしょうか?

時効の援用、債権放棄について

北部の住人 No.9393

 このサイトを最近知って、参考にさせていただいております。

 さて、最近の投稿で債権についての投稿が多いのでとても参考になるのですが、大変幼稚な質問なのですが、強制徴収債権以外の債権について教えてください。
 時効の援用を債務者が主張する場合って、口頭でいいんでしょうか?それとも、なにか文章にする必要があるのでしょうか?
 それと、債権放棄には議会の承認が必要とありましたが、議会の承認=不能欠損ということなんでしょうか?
 また、債権放棄したあとに債務者が納付をした場合は、これはどのような取扱いになるのでしょうか?強制徴収債権であれば、時効成立以降に納付があった場合は、その債権としての収納をしてはいけないのですが、それ以外はどうなるんでしょうか?

 税金みたいに時効がきたら不能欠損して終りという債権と違って、取扱いが複雑でよくわかりません。
 よろしくお願いいたします。 

Re: 時効の援用、債権放棄について

あお No.9395

全てにお答えできるかどうか分かりませんが,おおむねご質問には次のようにお答えできるかと思います。
時効の援用は口頭でも差し支えありません。
私債権は時効期間が経過しても債務者が時効を援用するか債権者が権利放棄する必要があります。
債権者が債権放棄した後で債務者から納付があれば還付しなければなりません。
時効援用する前か権利放棄する前であれば債務者は時効の利益を放棄した訳ですから受け取っても差し支えありません。
税などの公債権は時効期間が経過すれば消滅し,時効の援用は不要とされていますので,債権の消滅後に不納欠損できます。(地方税法18条2項,地方自治法236条2項など)

Re: 時効の援用、債権放棄について

北部の住人 No.9416

 あお様、ありがとうございます。

 なるほど、わかりました。

 重ねての質問をさせてください。
 債権放棄には議会の承認がいると、別な投稿でみましたが、たとえば時効の援用がなされた場合は議会への報告はどうなるんでしょうか?
 

Re: 時効の援用、債権放棄について

あお No.9419

時効の援用がなされた場合は,債権は消滅し,不納欠損できます。
この場合,議会への議決を求めることもありませんし,法的な義務はありません。
もっとも,決算の際,時効援用された債権について議会へ任意に報告するかどうかは,自治体側で決めることと思います。
 いつも参考にさせて頂いております。

 今回、多くの自治体で公益法人制度改革法に関係し、条例を上程されることと思います。当方でも同様に検討してきたわけですが、例規上「寄附行為」という文言があり、今回削る必要があるのではないかという疑問が生じました。

下水道条例等を筆頭に、多くの条例に「寄附行為」が見つけることができます。

 ただ、思案した結果、当方の見解では、公益法人関連整備法でみなし規定があり、直ちに改正する必要はないと考えております。
 この件について、上程・改正予定の自治体がございましたら、状況等ご教授ください。
新制度下においては、財団法人の「寄附行為」は無くなってしまうため、削る(定款に変える)べきと考えます。現に、整備法においても、各法中から削られております。
これは、財団法人が一般財団法人として存続する以上、一般財団法人を前提に「定款」とすればよい、ということでもあるでしょう。
なお、例規から削る際は、新制度未移行の財団法人に「定款」がないことをフォローする必要が出てきますが、これは、整備法にみなし規定が置かれていることから、重ねて書かなくてよいものと考えます。

余談ですが、この返信を書くにあたり整備法を見直していたところ、
学校法人、医療法人等に関しては、「寄附行為」はそのまま残るようですね。
(財団法人ではないのだから、当然と言えば当然ですが。)
勢いで、寄附行為なら何でも削ってしまわないよう、気をつけないといけないと思いました。
よい機会となりました、ありがとうございます。
半鐘さま、ありがとうございます。
確かに、例規で言う「寄附行為」がどのような法人格によるものかで変わりますね。

ところで、「(○年○月○日に財団法人○○○○という名称で設立された法人をいう。)」を付加するかどうかという議論がなりましたが、付加しない自治体が大半なのではないか考えています。

 同趣旨で考えていけば、新制度未移行である法人には依然として「寄附行為」は存在しいる点(みなし規定はありますが)、そして学校法人、医療法人等には「寄附行為」が継続される点から、今回は改正しないという方法もあるのではないかという気もします。

皆様、どのようにお考えでしょうか。
 キューネル@法制2年生さん、こんにちは。

 公益法人制度改革法の施行に関して、「(○年○月○日に財団法人○○○○という名称で設立された法人をいう。)」を付加するかどうかということについてですが、内閣府の公益認定等委員会事務局から「法令等における民法第34条法人に関する規定の整備について」という文書が平成20年3月に各都道府県公益法人行政担当へ出ているようです。

 この文書によると、政令の整備方針では、公益法人の名称の後ろに「(○年○月○日に財団法人○○○○という名称で設立された法人をいう。)」を付するとしているようです。

 実際、政令は、未改正のものが多いようで(法律も租税特別措置法のみ未改正ですね)・・・

 この趣旨からすると、この改正はすべきかと・・・

 
ちゃーり様、ありがとうございます。

 今回、わが社ではこの件に関し関係整備条例という形で上程予定でないため、今からの上程は、難しい状態です。

 ほかに、標題の件について、今回改正する又は改正しない等の状況をお教えいただければ、幸いです。



 機会があると,このフォーラムを参考にさせていただいています。
皆様にお伺いしたいことがあります。 某社のインターネット利用料金について,従来は先方から送られてくる納付書をもとに納付書払いの取扱いをしてきました。
 ところが平成20年10月請求分からはインターネット料金案内にするとの通知があり(事前の相談等は一切ありません。) 従来どおり紙ベースでの納付書や請求書を希望するのであれば105円の手数料を支払うようにとのことです。 また納付書を要求しない場合は口座からの引落しかクレジットカード決裁しか認めないとのことであり,個人利用以外でも例外は認めないとの電話での回答でした。
 公金の支払について,当方の口座から引き落とすのは難しく,支払をするためには請求書等の発行手数料を支払うしかないのかとも考えますが,同じような事案を抱えてる方で何か良い方法があればご指導いただきたく思います。 よろしくお願いします。

Re: 某社からのインターネット利用料金案内について

三色ボールペン No.9407

 当方では、資金前受者の口座から引き落としています。資金前受者の口座へは、資金前渡で入金しています。従来から、電気料金、ガス料金、電話料金等は、この方法をとっているので、同じように取り扱っています。財政逼迫の折、請求書に105円も払うわけにもいかないし、監査等での説明も困難では?
 「当方の口座から引き落とすのは難しく」というのは、特段の事情がおありなのでしょうか。
最近の環境問題から、いくつもの自治体で取り組まれている「緑のカーテン」事業があります。
ゴーヤやアサガオ、ヘチマ、フウセンカズラなどを、庁舎の壁にネット等で這わせるというものです。

今年度、公費で支出したプランターや種苗などを利用し、庁舎の水道を利用して栽培しています。
そろそろ、ゴーヤが実をつけ始めていますが、これの取扱いについて悩んでいます。

他の自治体の事例を見れば、来庁者に無料で配布したりしていますが、公費でつくったものですので、「生産品」となると思います。当市の規定に、生産品の販売の規定はあるのですが、無償で譲与できるという規定がありません。(備品に関しては規定があります。)

職員が持ち帰るわけにはいかず、無駄に廃棄するよりは、来庁者に配布するほうがいいとは思うもの、手続きをどうしたものかと・・・。

みなさんの お知恵をください。
温暖化防止対策の啓発のための配布、という考えは成り立ちませんでしょうか?
選挙や暴追など、啓発物品を購入して街頭配布したり、ロビーに備え付けて無償配布することはよくあることだと思います。
これら同様に考え、「温暖化対策によってこうした副産物もできます。」的な文言とともに、ロビー等で展示・配布することは適法だと思うのですが。
そのゴーヤは、結果的に公費で作ったものになるのかもわかりませんが、販売して利益を得ることを目的としたものではないと思われますし、事業を始めるときに想定していなかったと思います。
ゴーヤそのものは、事業目的から見ると「副産物」的なものですよね。副産物をどのように取り扱うかは、当該自治体の裁量の範囲で決定して問題ないと考えます。
例えば、ごみを焼却処理したときに取れる金属などは、それなりの量が発生することや売却後にビジネスに活用されることから、入札により相手方を選定し、売却代金を収入するべきものと考えます。
しかしながら、ゴーヤのできる量(そんなに大量でないのでは?)や後の使われ方(食用でしょう)を考えると、売却代金を徴収しなかったことをもって、そのゴーヤの栽培にかかる経費が不当支出とは言われないでしょう。ちなみに収入するとすれば、雑収入になると思います。
配付する際は事前にその方法と配付場所を周知し、場合によっては抽選方式をとるなど、公平性を担保しておくことの方が大切だと思います。その際に、緑のカーテン事業の効果を周知されることにより、事業の啓発効果を持たれてはいかがでしょうか?

Re: 緑のカーテンで生まれた物の取り扱いについて

出納員その他の会計職員及び徴税吏員 No.9390

ギリギリやると...

生産品についても、団体の所有であるということであれば、地方自治法第239条第1項に規定する「物品」に当たるのではと思います。物品の分類(備品、消耗品等)については、その団体の規則によりますが、少なくとも「物品」として取り扱うことになると思われます。

そうだとすると、
@生産品としての受入れ。
A無償譲与するのであれば、交換、譲与に関する条例(備品に関してあるということです が、だいたい物品という定義になっていると思われます)に該当するのであれば議決は
 不要、そうでなければ議決が必要。
B売払うということであれば、地方自治法施行令第170条の4の規定により、不用決定が必 要な場合がある
といった手続きが必要かな、と思います。

まあ、ここまでの手続きがそもそも必要かどうかというところはありますが、
ギリギリやるとこんな感じかなと思います。
横やりですいません。

本市でも近年緑のカーテンをやっていて、ゴーヤなどの植物の種を収穫して、それを翌年市民に無償配布してきたのですが、今年、市民の方から種苗法などの知的財産法関係はクリアしているのかと問い合わせがあったそうです。
私はこれらの知的財産法関係は全くわからないのですが、特定の品種の権利者の許諾なくその種などを頒布することは権利侵害にあたるのではないかということでした。
少し前に、日本で品種改良された優良種が、中国で勝手に収穫した種が流通され、それが同じ品種名で逆輸入されていることが問題となった事件があるそうです。
そもそも、収穫した種を翌年自ら栽培すること自体も法に抵触するのではないかとも議論されていました。これはちょっと違和感ありますけどね。

本市では結果として収穫した種は配布しないことになりましたが、法に抵触するかどうかは不明なままです。

この点についての検討は必要なのではないでしょうか。
皆様はどうお考えになりますか?
返信が遅れました。

無償譲与の規定、そうですね 「物品」で規定していました。
したがって、この条例で対応は可能ですね。

ただし、規定上は「公益上の必要に基づき」とあります。
ですので、やはり啓発ということを目的とすべきなのでしょうね。

この場合、公平性ということは、どこまで配慮すべきなのでしょうか。
選挙の際の、投票率UPのためのポケットティッシュと同じように、”ご自由にお持ち帰りください”とすることは問題ないでしょうか。
収穫するまで、事前に数が読めないので、きちんとした形での、事前の周知も難しいとは思いますが。

種苗法等については、知識ありませんので、他の方のご意見を参考にさせてください。
 滞納処分をする際であれば、地方自治法231条の3に規定により、国税徴収法に当てはめて調査を行うことが出来ますが、督促状等が届かない場合に、地方税であれば地方税法第20条の1により官公署又は政府関係機関に調査することが出来ますが、下水道の場合は何か根拠法令により調査することが出来るのでしょうか?若しくは公示送達するしかないのでしょうか?
下水道使用料は地方自治法附則6条3号により地方自治法231条の3第3項に規定する地方税の滞納処分の例により処分できます。
地方税の滞納処分の例により処分できるということは,地方税の手続を包括的に準用できます。
したがって,行方不明者の債務者に対して地方税法20条の2の規定にならって公示送達ができます。
また,地方税の滞納処分は,国税徴収法に規定する滞納処分の例によることとされています(地方税法373条7項など)
強制調査は国税徴収法141条に基づいて行うことができます。
お尋ねの地方税法20条の11にいう官公署照会ですが,「お願いベースの規定」(市町村事務要覧税務1総則T、P347参照)であり、滞納処分の範囲とまではいえず、他の債権において地方税、国税の滞納処分の例というには無理があり、使えないのではないかと考えています。
やはり公示送達するしかなく、滞納処分前の督促や納付書が届かないことへの調査は出来ないのですね。ありがとうございました。
根拠として使えないということであって,照会に応じてくれれば良いのですが,昨今このような規定(官公署照会)があっても応じてくれないことが多いもので,特に滞納処分規定を有する債権の根拠法には官公署照会条項を整備して欲しいものです。

Re: 下水道使用者の行方不明者に対する実態調査について。

メジャークラフト No.9388

転出や居所不明等その他いかなる原因にしても、使用料の滞納は許されません。最終的に居所がつかめずに執行停止処分をする際でも、徹底的に調査をした結果として処分を執行するべきだと思います。
確かに地方税法第20条の1を根拠とした調査は難しいのではと私も考えます。しかし国税徴収法の第146条の2に、滞納処分の際の官公署等への協力要請として以下のように定められています。

(官公署等への協力要請)
第百四十六条の二  徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該調査に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。

この条文と同法第141条の質問検査権を根拠とすれば、住民票や課税情報等の調査ができると考えますがいかがでしょうか。ただこれも協力要請規定ですが…。
国税徴収法146条の2についても滞納処分前提です。
督促も滞納処分の前提で行う行為ですから,メジャークラフトさんのいうように滞納処分前提で調査することであれば認められるものと考えます。
ただし,官公庁が応じてくれればの話ですが。

特例延長保育の負担金の滞納について

atuinokirai No.9129

いつもみなさんのお話にすごいなと思いながら参考にさせていただいております。

さて、当市では通常保育時間を延長した場合、その時間によって負担金を徴収しております。
この特例延長保育は多くの自治体でされていらっしゃると思いますが、滞納が生じた場合、督促等の手続きはみなさんは、どのようにされていらっしゃいますでしょうか?

当市では、恥ずかしいことに税外収入の徴収に関する条例がなく、また特例延長の負担金徴収については、保育所設管条例に盛り込んでいますが、督促等の手続きの記載がありません。
この場合、地方自治法231条の3により督促状を送っていいんでしょうか?(実は前任者はそのあたりの事務を怠っていたようで、手付かずの滞納がかなりあります。)
督促が送れない場合は、やはり納付誓約がまずはじめの時効中断の方法になるんでしょうか?
皆さんのご教授をどうかよろしくお願いいたします。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

市という村の法担 No.9132

地方公共団体のすべての債権について,履行期限までに履行されないときは,地方自治法第231条の3第1項又は同法施行令第171条の規定に基づき,督促しなければなりません。
また,督促による時効中断は,地方公共団体のすべての債権について適用されます。
横から関連問題で失礼します。
延長保育負担金は保育所保育料が滞納処分規定を有する債権であるところから,自治法231の3第1項で督促すべきものと考えています。
では,督促する前に納付誓約した場合,督促は送付しないものでしょうか。
督促をせず,納付誓約した場合,時効中断は納付誓約の日と考えますが。
そうなると督促状送付日は,ある意味,行政側の任意になってしまうことになりますが。
以前,税を担当していたころ,納税通知後に納付誓約をしていても督促は別途確認の意味で送付していました。
皆さん方はどのように扱われていますか。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

atuinokirai No.9197

ご解答、ありがとうございます。
やはり督促は送るべきですよね。

質問にも書かせてもらいましたが、前任者が全然督促をしていなかったため、過年度分の取扱いをどうしたものかと悩んでおります。
同じ利用者で、督促等をせずに時効が来てしまった債権とまだ時効は来ていない債権と両方ある場合があります。
時効が過ぎてしまった債権は、もちろん督促は送ることはできませんが、時効の援用を用いない限りは支払の催促はできるため、私が担当になってから、時効がまだ来ていない債権と一緒に納付を催促しております。
督促は20日以内に送るのが原則ですが、昭和の判例で、訓示規定なので20日を越えても督促により時効の中断ができるとあるため、過年度分で時効が規定いない債権の督促を考えておりますが、時効が来ている債権とのかねあいがあり、足踏み状態です。
開き直って時効がきた債権は不能欠損にするべきでしょうか?

あおさんのご質問も、私も知りたいです。

よろしくお願いいたします。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

たっく No.9229

ちょっと気になったのですが,保育所入所負担金は,前にあおさんが指摘しているとおり,強制徴収可能な公債権ですので,時効に関しては,地自法236条が適用となるため,単純に時効期間が経過すれば債権は時効により消滅し,それ以降収納することはできませんので,atuinokiraiさんがおっしゃるように時効経過後の債権と時効未経過の債権で悩む必要はないのではないでしょうか。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

atuinokirai No.9277

 たっくさん、ありがとうございます。
 確かに、保育料(保育入所負担金)は強制徴収債権ですので、5年の時効があり、時効を迎えたものは徴収できません。
 ただ、今悩んでいるのは、延長保育負担金で、これは通常保育時間を超えて保育をした場合、市の条例により負担金を徴収しているものです。
 この負担金は児童福祉法にうたわれていない債権のため、公法上の債権とならない、つまり強制徴収債権ではないため、まず時効が2年となり、時効が過ぎても事項の援用を用いられるか債権放棄をしない限りは、徴収できる債権です。
 そのため、前任者からこまめに督促等の事務手続きをしてくれればよかったのですが、それがなされていないため、取扱いに苦慮しているところです。
私も延長保育料の扱いは悩みました。
素朴な疑問で恐縮ですが,延長保育負担金自体が債権として保育料と切り離すことができる性格のものでしょうか。
延長保育料自体は条例で定めたとしても,認められない場合,不服申立ては可能でしょうか。
保育料自体が滞納処分規定まで備えた債権であることを考えると保育料に引き続いた延長保育料を単独の債権と考えることに違和感を持ちますが。
延長保育料は保育料と同様に考えることができないものでしょうか。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

北ァ〜! No.9312

横入りですいません。
延長保育(私的契約保育)も施設使用料として自治法上の債権とする見解が「財団法人地方自治研究機構『自治体法務研究』NO.4 2006年春号」の記事として”自治体法務Wiki”に載っています。債権としての入り口は違いますが、結果としていずれも公法上の債権として時効の適用上は区別はいらないと思われます。

アドレスは、
http://wiki.fdiary.net/jichitaihoumu/?%CE%FD%BD%AC
北ァ〜!さんご紹介の記事では公の施設の使用料として整理していますね。
公の施設の使用料の時効期間については、類似の一般的な債権と同じ扱いとする判例の傾向が認められます。
仮に訴訟の場合の判決予想をするとすれば、延長保育料も同様の判断になるのでは? その場合、民法173条3号は、「学芸又は技能の教育」に関するものを2年の短期消滅時効としていますので、延長保育はこれに当たるかどうか微妙。保育所と幼稚園の建前上の区分は、前者が保育に欠ける幼児に対する福祉上の措置であり、後者が幼児に対する教育ですので。
明確に最高裁の判断が示されるまでは自治体として最も有利な解釈で運用するというスタンスを徹底するとすれば、判例傾向のいいとこ取りして、“延長保育料も実質的に私債権であるから、一般原則により10年の時効と考える”という判断もありでしょうか。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

市という村の法担 No.9319

No.9310(あお様)に関連して
 「市町村の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用」は,市町村の支弁(児童福祉法第51条第3号)とされ,同保育費用を支弁した市町村の長は,本人又はその扶養義務者から,当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の年齢等に応じて定める額を徴収することができます(同法第56条第3項)。
 「保育の実施」とは,同法第24条第1項に規定する児童について保育所における保育を行うことの略称です(同法第24条第2項)。よって,延長保育の実施も「保育の実施」であると思います。
 したがって,延長保育に係る保育の実施に要する保育費用についても,同法第56条第3項の規定により原則徴収することができると考えます。ただし,「家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の年齢等に応じて定める額」でなければなりませんが。
 あお様のお考えに小生の考えも近く,いわゆる保育料といわゆる延長保育料とを,別の根拠に基づく債権であると整理するのは,不自然であり,その必要もないと思います。

No.9312(北ァ〜!様)に関連して
 延長保育と私的契約保育とは,別のものであると考えます。もっとも,私的契約保育である延長保育もあり得ますが,ここで議論している延長保育は,私的契約保育ではない延長保育であると思いますが,atuinokirai様,いかがでしょうか。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

atuinokirai No.9324

市という村の法担様、あお様、北ァ〜!様、朱夏様、いろいろな御意見、ありがとうございました。
 時効については、みなさんの言われるとおり、5年でいくのがいいのかもしれないと思うようになりました。
 そこで、考えてしまうのが、延長保育負担金は通常の保育料と同様の強制徴収債権なのかどうかです。
 通常保育は原則8時間でその地方の状況を考慮して決めるとあるため、どこの保育所も通常保育時間が決まっているはずです。
 そして、その通常保育時間で保育する児童の保護者に対して、家計に応じた保育料を徴収するようになっており、その保育料については、地方税の例により滞納処分ができるようになっております。
 そうした場合、延長保育負担金はどうなるのでしょうか?
 児童福祉法には通常保育時間を超えた部分での保育については、うたってないように見ました。
 となると、延長保育は各自治体によるサービスと考えるようになり、やはり滞納処分が出来ないのではないかと思うのです。
 となると、5年の時効がきた場合、不能欠損できる債権となる・・・ということでしょうか?

 またまた皆さんのお知恵をお借りしたいと思いますので、よろしくお願いします。
atuinokirai 様

一点確認させてください。
最初の投稿に「特例延長の負担金徴収については、保育所設管条例に盛り込んでいます」とありますが、具体的にはどのような書きぶりなのでしょうか。
ア “通常保育”負担金も“延長保育”負担金も、ともに具体的な額を条例で規定している。
イ “通常保育”負担金の具体的な額の決定は首長に委任しているが、“延長保育”負担金の具体的な額は条例で規定している。
ウ “通常保育”負担金も“延長保育”負担金も、ともに具体的な額の決定は首長に委任している。
エ その他

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

市という村の法担 No.9328

>ただ、今悩んでいるのは、延長保育負担金で、これは通常保育時間を超えて保育をした場合、市の条例により負担金を徴収しているものです。

 とありますが,この条例による負担金が児童福祉法第56条第3項の規定に基づき徴収するものであるかどうかが判断の分かれ目です。同項の規定に基づき徴収するものの場合は,前述のとおり,「家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の年齢等に応じて定める額」でなければなりません。

>延長保育負担金は通常の保育料と同様の強制徴収債権なのかどうか

 恐らく,延長保育負担金と通常の保育料というような区別をしていることから,atuinokirai様の市においては,別の債権であると整理されたのではないでしょうか。

 結論としては,延長保育に係る分についても,いわゆる保育料として児童福祉法第56条第3項の規定に基づき徴収することは,理論上可能であろうと思います。しかし,atuinokirai様の市における条例・規則の規定が不明のため,atuinokirai様の市の延長保育負担金が児童福祉法第56条第3項の規定に基づき徴収するものであるかどうかは分かりません。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

atuinokirai No.9334

 朱夏 様

  保育料、延長保育負担金のどちらも条例で額が明記してあります。

  また、保育料の負担金徴収については、児童福祉法にうたってありますが、延長保育負担金については平成12年3月29日付けの厚生省児童家庭局保育課長通知の中で「@ 実施要綱の4の(1)の延長保育促進事業のA及び(2)の長時間延長保育促進基盤整備事業の実施をするに当たっては、保護者に費用負担を求めることができることとし、その負担方法及び額等については、実施保育所において定めること。」とあり、それに基づいて徴収しています。
なるほど。とすると、

1 保育所の利用=公の施設の利用
(1) 通常保育=児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→児童福祉法(地方自治法の特則)
(2) 延長保育=児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→児童福祉法(地方自治法の特則)
or
(3) 延長保育≠児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→地方自治法(公の施設の使用料)

→延長保育負担金は公法上の債権

2 保育所の利用≠公の施設の利用
(1) 通常保育=児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→児童福祉法
(2) 延長保育=児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→児童福祉法
or
(3) 延長保育≠児童福祉法上の保育→保育料徴収の根拠→契約

→延長保育負担金は公法上の債権or私法上の債権

仮に上のように整理した場合、「平成12年3月29日付け厚生省児童家庭局保育課長通知」が現行法体系と整合的でかつ意味あるものであるためには、2(3)で延長保育負担金を私法上の債権とする考え方を前提に、その整備に国の負担金(?)が入っている保育所施設を一定の条件で児童福祉法上の保育でない保育に使用してもいいよと言っていると解するしかないのでしょうか。
確かに延長保育負担金を公法上の債権と解した場合の同通知の理解が難しいですね(もちろん、国が整合性も考えないであいまいなことを言っているという理解は可能)。

Re: 特例延長保育の負担金の滞納について

市という村の法担 No.9341

>「@ 実施要綱の4の(1)の延長保育促進事業のA及び(2)の長時間延長保育促進基盤整備事業の実施をするに当たっては、保護者に費用負担を求めることができることとし、その負担方法及び額等については、実施保育所において定めること。」

 この「延長保育促進事業」とは,どのような事業なのでしょうか。「延長保育事業」と「延長保育を促進する事業」とは,別のものであろうと思うのですが,標題の特例延長保育は,「延長保育促進事業」として行っているのでしょうか。
延長保育の負担金が公法上の債権かちょっと気になりましたので書きます。

延長保育促進事業に対する市町村の取組みとして主に次の2方法があるようです。
(1)市町村立の保育所で延長保育を行う
(2)民間の認可保育所が延長保育を実施するのに補助金を交付する。

(2)では、利用者は直接保育所に申込み、保育所は負担金?を徴収し、市町村は不足分を補助金で交付しています。(延長保育と補助金交付要綱でググるとヒットします。)
で、この場合の負担金は私法上の債権になると思われます。
そして、1つの市町村が(1)と(2)の両方を実施している場合は、(1)の負担金も私法上の債権として扱われる可能性が高いと思いますが、どうでしょうか。
また、(1)だけ実施でも多くの市町村が(2)を実施している場合はどうでしょうか。

行政財産の貸付可能範囲について

地黒 No.9352

いつも参考にさせてもらっています。有難うございます。
本市では、近く庁舎敷地内の一部を職員の通勤用自動車駐車場として整地し、地方自治法第238条の4第2項第4号の規定を根拠に、職員に貸し付けをしようと考えているのですが、同号の解釈でこれらのことは可能でしょうか?
また、これが可能だとしたら、現在、行政財産の目的外使用許可で庁舎内に設置させている自動販売機等についても、同号の規定を根拠に、行政財産の貸し付けとすることが可能でしょうか。
どなたかお教えください。よろしくお願いします。

Re: 行政財産の貸付可能範囲について

アウガ No.9357

 行政財産とは、公用又は公共用に供する財産をいいます。
 行政財産の貸付は、公用又は公共用の用途を妨げない限度で行うことができます。
 「通勤用」自動車駐車場は、正に「公用」に供している状態のものなので、そもそも貸し付けの対象にならないと思われます。「通勤用」が「公用」ではないのであれば話は別ですが。
 次に、自動販売機ですが、そのスペースが空きスペースであって、今後も公用又は公共用に供される見込みがないのであれば、業者に対する貸付も可能と思われます。また、その場合は、競争入札により業者を決定することも可能と思われます。

Re: 行政財産の貸付可能範囲について

元法務 No.9369

「公用に供するとは、地方公共団体がその事務事業を執行するために直接使用すること(逐条自治法)」との基準に拠れば、職員の通勤用駐車場は行政財産とはいいがたいのではないでしょうか。むしろ、企業の社員用駐車場と同様、職員の福利厚生のためのものであると思われますが・・・
なお、地裁レベルの却下判決なので射程がどこまで及ぶかは議論の余地がありますが、名古屋地裁H18.11.30では、通勤自動車の駐車は目的外使用に当たるとしています。

Re: 行政財産の貸付可能範囲について

地黒 No.9383

アウガ様、元法務様、ご返信有難うございました。

 今回の質問の背景には、本市の行政財産使用料条例には、例えば「行政財産の使用料の額は、近傍類地の賃料の水準を勘案して、市長が定める。」等の規定がなく、条例改正なしに弾力的な使用料の設定ができないなどの事情がありました。(そもそも、使用料については条例に定めなければならないとされているため、そのような規定に改正するのにも抵抗があります。)
 また、最近、自動販売機の設置に関して行政財産使用料の入札等をされておられる自治体があるとも聞きますが、使用料を入札するのにも何か違和感があります。
 そこで、先般改正された地方自治法の規定を根拠に、これらの問題を解決できないかと考えたところでした。
 ちなみに、地方自治法第238条の4第2項第4号の規定を根拠に、駐車場や自動販売機用に行政財産を貸し付けしておられる団体は、おられるでしょうか?

Re: 行政財産の貸付可能範囲について

T−KIM No.9384

 地方公共団体が職員駐車場を設置するのは,事務事業の円滑な執行を図るための福利厚生の範囲だと思います。庁舎敷地内の一部を職員の通勤用の駐車場として整地するということから,規模も大きく,永久的に庁舎敷地に供さないものであると予想されますので,行政財産の目的外使用許可で行うより,普通財産として分類換えをし,貸付けとして行うべきかと思います。

Re: 行政財産の貸付可能範囲について

のっぽ No.9386

元管財担当ののっぽといいます。

貸付することは可能ではないかと思いますが、ちょっと整理が必要ではないでしょうか?
状況として、

1 庁舎敷地を駐車場として整備し、そのまま駐車場として使用を続ける。
2 駐車場として使用するが、後年になれば他の用途になる可能性がある。

のどちらなのでしょう?

また、契約相手先が職員個人となれば、事務処理が膨大となることが考えられます。この事務処理は、大丈夫なのでしょうか?

ウチの例では、T−KIMさんが述べられているように、福利厚生の一環で庁舎敷地外の普通財産を駐車場として職員厚生会に貸付しています。

また、行政財産の駐車場としての貸付事例は、東京都が行っています。

http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/zaisan/kasituke.pdf

自動販売機の貸付については、確認事例はありません。ただし、自治法改正前に大阪市さんが目的外使用を入札で行った事例は承知しています。

あまり参考にならない意見で申し訳ないです。