過去ログ [ 92 ] HTML版

※ ページ内検索は Ctrl + F で行ってください。
※ 各記事への直リンク用のURLは、記事のタイトルをクリックするとブラウザのURL欄に表示されます。  

特別職の地方公務員とふるさと納税

ダジャレイ夫人 No.10238

 特別職の地方公務員が自己の住所地の市区町村に寄附する場合、何らかの法的な問題が生ずるでしょうか?

 公職選挙法199条の2で公職の候補者が選挙区内にある者に対する寄附が禁止されていますが、特別職の地方公務員であっても公職の候補者でない副市長とか審議会の委員などであれば、この制限の対象とはなりません。その他の法令で何らかの規制があるでしょうか?

中学校の補助教材

夢クラブ No.10235

本市では中1で大体ドリルなど補助教材は7千円くらいかかります。補助教材は就学援助の対象ではありませんよね?この補助教材はあくまで任意だとは思うんですが、それを保護者に負担させるのは酷だと思うんですが?
平成19年度住民税を滞納した者につき(3期までは納税済で4期が未納の者)、減額措置の適用を受け還付金が生じ、滞納繰越額の調定減の処理を行う予定ですが、滞納税について普通に考えると納期が過ぎているので督促手数料が発生すると思うのですが、調定の減額をしても督促手数料はいただくべきものなのか?督促手数料はないものとすべきものなのか?ご教示宜しくお願いします。

督促手数料の還付については、税額更正で調定が0円になった場合は課税庁側に帰責事由があり還付するとのことですが、今回の減額措置の場合はいかがなものか疑問です。

年度途中(8月)から税務課住民税の担当になったのですが、税務事務について初めてつきましたので初歩的なことかもしれませんがよろしくお願いします。
 本市では、現在、ひとつの建物に市民センター(市長所管)と公民館(教育委員会所管)の2つを公の施設として管理・運営しています。(管理のメインは市長部局であり部屋などの明確な区分はしていません。)
 来年度より、公民館条例を廃止し、市民センター1本としてこれまで公民館が行っていた社会教育事業(各教室や図書の貸し出し業務など)を引き続き行う検討をしています。
 そこで、市民センター条例に市民センターの行う事業として「社会教育事業に関すること」等を明記して教育委員会についても共同で市民センターを運営していくように規定したいと思っています。
 この場合に規則を定めるとしたら、「市民センター条例施行規則(規則第○号)」と「市民センターの教育委員会の所掌事業に係る施行規則(教育委員会規則第○号)」というように1つの条例に対して、それぞれの規則を定めることになると思うのですが、この考えでよいのでしょうか。また、このようなひとつの公の施設で市長と教育委員会が共同で管理・運営している事例がありましたら、ご教授願います。
施設の管理にかかわる条例・規則と
そこで行われる事業にかかわる条例・規則とが、
混在しているように思います。

市民センターの事業として「図書の貸出」もできますし、逆に、社会教育のための事業の開催場所を市民センターの会議室で行う、こともできます。

Re: 市民センター(公の施設)の規則について

市という村の法担 No.10135

「市民センターの教育委員会の所掌事業に係る施行規則(教育委員会規則第○号)」というのが,どのような内容のものを想定しているか不明ですが,条例の委任規定は,「この条例の施行について必要な事項は,市規則で定める。」と定められているのではないでしょうか。規則と教育委員会規則の両方が「条例の施行規則」というのは,おかしいと思います。
Gさんへ
 確かに市民センター設置条例のなかで、設置のほかにそこで行う事業まで規定してしまっているものです。分けたほうがよいのでしょうか。また、分けたときでも市民センターで行う事業としては、市長、教育委員会でそれぞれの所掌により要綱等で定めなければならないと思いますがいかがでしょうか。

市という村の法担さんへ
 過去ログNo.6347に公の施設ではありませんが参考にさせていただいた例があったものです。教育委員会規則の方には、市民センターでの図書の貸し出しに関することを規定したいと思っています。(あくまでも社会教育事業としての位置づけとしたいものです。)そのとき、社会教育事業に関することを市の規則で定めていいのでしょうか。 
よこからすみません。

規則委任の方法ですが、条例補則に規定する委任については市の規則に委任して、図書の貸し出しについては、条例本則で貸し出し事務に触れて、その条で教育委員会規則に委任する方法はどうでしょうか?
 社会教育については地教行法第23条で教育委員会の権限に属することとされている一方、旧市民センターでの業務が文面からではわかりませんが、おそらく会議室などの貸出し(使用許可など)等のため、市長部局で所管していたものと思います。

 複数の執行機関で同一の公の施設を所管するのは、結局どちらの部局で市民センターを管理するべきものなのかがハッキリしない状態になり、かえって混乱を招くのではないかと思います。

 そのため、市という村の法担さんのいうとおり、「市民センター条例」という1つの条例に対して、市規則と教育委員会規則による2つの条例施行規則が存在するのは、全く不可能とは言い切れる自信はありませんが、望ましい姿ではないのではないでしょうか。

 それよりであれば、地方自治法第180条の2(長→委員会)か第180条の7(委員会→長)の規定を使って、どちらかの執行機関に事務の委任をして、所管の一元化を図った上で、所管する側の規則(市規則又は教育委員会規則)を制定するのが良いではないかと思います。

 「公の施設を管理するため」ということに関しては、1つの条例に対して市規則のみで定めるということについては理解ができました。ありがとうございます。
 しかし、市民センターで行う事業については、あぽろさんがおっしゃるように第180条の7(委員会→長の職員)の規定を使って補助執行なり委任なりを行うにしても、例えば、まちづくり事業については市長の規則・要綱等で、社会教育事業については教育委員会の規則・要綱等で定めるなどそれぞれの執行機関で定めなくてはならないのではないでしょうか。その後に補助執行、委任という話が出てくるのではないでしょうか。

Re: 市民センター(公の施設)の規則について

えんどう たかし No.10151

 以前私(民間人)が委託で2年ほど駐在していた施設(○○文化センター)が、複合施設でした。

 施設設置条例については1本でしたが、規則はというと、文化センターとして使用する場合(芸術文化・有料催事・営利宣伝・政治・宗教等で使用)の規則は長が、社会教育として使用する場合には教育委員会規則といった具合で、なお且つ施設のほぼすべて(舞台・客席・ホワイエ・楽屋・リハーサル室等々)が文化施設(市長部局)・社会教育施設(教育委員会)の相乗りであったと記憶しております。

 度々利用者のほうで混乱し、担当者が頭を悩ませておりました。
 確か、その時の担当者は1人で、市長部局○○課文化振興担当、教育委員会の権限は代理〈補助執行?)という兼務状態であったと思います。

 設置条例は1本、規則は2本(長と、教委の2本立て)と記憶しております。・・・ありなのでしょうね、きっと。
 ただ、使用許可を求める側(利用者)には大変解りにくいことだけは確かだと思います。
 

Re: 市民センター(公の施設)の規則について

市という村の法担 No.10154

 そもそも,なぜ,公民館条例を廃止するのでしょうか。そのねらいが分かりません。公民館条例廃止後も,市長の事務と教育委員会の事務の両方があるとすれば,どうして,公民館条例を廃止するのでしょうか。二つの条例がある方が整理がしやすいと思うのですが。
 仮に,一つの建物なのに長部局と教育委員会とが関わるため,複雑で分かりにくいからであるとすると,例えば,図書の貸出しも長部局が行うようにするなど,教育委員会の事務をなくす方向(又はその逆)で検討をすべきだと思います。今回のそもそもの目的は何でしょうか。

Re: 市民センター(公の施設)の規則について

えんどう たかし No.10156

 私の事例(前掲)は、矛盾すると思っています。

 そもそも、住民の権利義務を定めこれを法形式で告示するには「条例(議会の直接のコントロール)」による他ないと考えているからです(その上で規則に委任できるものについては規則にする)。

 つまり、同一施設であっても社会教育に関する事務であって住民の権利義務を定めるものは条例で定め、長の部局(例えば、街づくりを含めた生活文化・芸術振興と商工インフラ・自主的事業等)の事務について住民の権利義務を定めるものはまた別の条例で、・・・ということが正しいのではないかと考えます。住民にとっての“法”は条例ですから。

 そのような意味で、市という村の法担さんに1票です。
 そもそもの主旨としては、「市民センターを設置して、協働を進める核としよう」というものです。これまでの各地区に設置されていた公民館を廃止して、市長所管の市民センターを設置して地域との協働をメインとして進めようというものです。そこで、困ったのが「従来の公民館事業も引き続き市民センターの事業として継続したい。」というものです。
 施設の管理・運営、協働に関する部分は市長部局で行うことになっていますが、それぞれの事業の運営(サポート)は、これまでの各教室運営などノウハウをもっている社会教育担当課(教育委員会)が行うことになるものです。
 最終的には、各地区ごとに地域住民で組織する「地域自治組織」により、市民センターを指定管理してもらおうというもので、相談を受けているものです。
公民館は廃止しても社会教育担当課の職員の身分まで変更することではないということを前提に、

「従来の公民館事業も引き続き市民センターの事業として継続したい。」
のではなくて、
「従来の(社会教育法にもとづく)公民館事業は引き続き(本庁)社会教育課の事業として継続したい。」
と整理されてはどうでしょうか。
社会教育課の事業の実施場所が、たまたま市長部局の管理するところの市民センターの会議室であるということで。市民センターの管理運営、場合によっては指定管理者制度云々は、あくまで市長部局の責任で行う。
連投スマソ。
予算で考えると、事業分については、これまでどおり総務費と教育費で執行し、会館運営分については総務費で一本化ということでしょうか。
 この市民センターを指定管理にしようとしたときに、社会教育事業や図書の貸し出し業務なども「市民センターで行う業務であり、指定管理を受けたあなたたちの業務なんだよ。」と位置付けたい場合は、どのように規定すればよいのでしょう。単に仕様書や協定書に記載するだけでよいのでしょうか。例規には位置づけは必要ないのでしょうか。
市民センター条例で、「市民センターは、以下の事業を行う。1市民の生涯学習に資する事業 2、図書の貸し出し業務」などと規定すればよいでのはないかと思います。図書の貸し出し冊数や期限などは規則でしょう。「本来事業」はあくまで条例事項だと考えます。ただ、市民センターですから、「社会教育法にもとづく社会教育事業」は行えないでしょう。

社会教育課の委任をうけて市民センターが行っている事業であるなら、指定管理に伴って自動的に指定管理者の事業として引き継がれるものではないと思います。

※後段については、他の方にも見解があると思います。
 Gさんと同じ考えです。となると、市長、教育委員会で事業によってその所掌が異なることから「市民センター規則」を別々に制定するのかなと思った次第です。
 施設の管理・運営及び市長所管の事業に関することは、「市民センター条例規則(規則第○号)」で、社会教育事業等の教育委員会の所掌事務に関することは、「市民センターの教育委員会の所掌事業に係る規則(教育委員会規則第○号)」という風に制定してよいのでしょうか。
>>社会教育事業等の教育委員会の所掌事務に関することは、「市民センターの教育委員会の所掌事業に係る規則(教育委員会規則第○号)」という風

これが理解できないのですが。

あくまで社会教育として行うのであれば、公民館条例の廃止そのものに無理があります。>>10154で、市という村の法担さまも主張されています。

市民センターの事業としておこなうのであれば、これまでの「社会教育法」上の事業のようであっても、社会教育法にもどつくものではないわけで、教育委員会規則は不要です。市長部局が、住民の学習を支援したり、図書を貸し出したりすることを禁止する法はありません。>>10175でいえば、予算上は総務費に一本化です。もちろん、公民館に一本化といこともありえます。

>>10174で、2本立てもありかな、と提案しましたが、「教育委員会の所掌事務に関する規則」のうち「○条 図書貸し出し事業は市民センターで行う」(市民センター「が」行うのではないですよ。為念)というような場所借りますよくらいの意味で、あえて「市民センターを開催場所として行う教育委員会の所掌事業に係る規則」はつくりませんよね。
 >>10194に、市民センターですから、「社会教育法にもとづく社会教育事業」は行えないでしょう。とありますが、ほんとにそうなのでしょうか。市民センターは、地方公共団体である市という団体が設置した施設(所掌は関係なく市全体としての施設)ですから、管理運営が市長所管なだけであり、市民センター本来の業務として社会教育法にもとづく社会教育事業事業は行えるのではないでしょうか。
 また、図書の貸し出しについては、ビデオ等の視聴覚教材もあり、社会教育法または図書館法によらないと著作権の問題があると本市の司書から聞きましたがいかがなものでしょうか。
地教行法
第23条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。
12.青少年教育、女性教育及び公民館の事業その他社会教育に関すること。

第30条 地方公共団体は、法律で定めるところにより、学校、図書館、博物館、公民館その他の教育機関を設置するほか、条例で、教育に関する専門的、技術的事項の研究又は教育関係職員の研修、保健若しくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる。

ウブさまのところで従来は2本立て条例でしたので、市民センターは公民館という教育機関でもあったので、社会教育法にもとづく事業を行うことができました。公民館条例を廃止すると、市民センターが社会教育事業を行うためには教育委員会の管理下になければなりません。同法23条に違反することになります。
市民センターという場所で、教育委員会が社会教育活動を行うことはできますが、それはあくまで場所かしです。


なお、著作権については、たしかに著作権法31条で図書館における、また35条で学校その他の教育機関が、複製を行えるという例外があります。それは、施設の性格によるもので、「社会教育活動」一般にはいえないと考えます。複製以外に「貸し出し」とか「上映」の規定があるかどうかは、よくわかりません。
それに、今ウブさまのところで行われている図書の貸し出しって、図書館法にもとづくものだったんですね。館長さんがいて、司書さんがいて。

追記=連投スマソ

そんなに社会教育事業を継続されたいのに、なぜ公民館条例を廃止なさるのか、市という村の法担さまと同様、やはり私には理解ができません。
むしろ、市民センターを社会教育法にもとづく公民館なり地教行法にもとづく教育機関として条例で定めて、そこが市民協働事業も行う、という整理をされたほうがぴったりくると思うのですが。

雨が続いていたので何度もカキコしました。明日以降、秋晴れみたいで、またごぶさたしちゃいますが、あらかじめお詫びしておきます。
ウブさまは、事業の内容をみて、これこれは社会教育事業なんだ、と判断されているように思いました。社会教育法や地教行法で規定されているように、公民館その他の教育機関が行い教育委員会が所管するのが社会教育であって、市長部局も、見た目としては同じ事業はできますし、現に行っていますが、それは社会教育法にもとづく社会教育ではない、というのが私の考え方です。
そして、社会教育法にもとづかない「社会教育」事業であっても、どこにも不都合はないと思っています。
なお、私自身は教育委員会廃止論者ではないので、これを積極的に薦めるものではありません。為念。

追記の追記
 これから台風がせめてくるところのみなさまには、>>10208は、たいへん失礼な物言いでした。これもお詫び。

Re: 市民センター(公の施設)の規則について

市という村の法担 No.10219

 目的(内容)をきっちりと定め,その目的を実現する手段として,公の施設を設置したり,廃止したりというのがスジです。
 市民センターの設置と公民館の廃止という手段を先に決定し,目的(内容)を後から決めるというのは,いただけない(というよりも,避けなければならない)と思います。
 旅行に行く場合に,どこに行くか目的地は分からないけど,電車で行こうと手段だけ先に決めても,目的地が海外だったとしたら,その手段(電車)では,目的が達成されません。
 たくさんのご意見をいただき感謝申し上げます。実のところ市という村の法担さんのおっしゃるとおり、「市民協働を強力に推進するため、市民センターを設置して、将来的には地域自治組織に指定管理していただく。同センターに併設していた公民館を廃止するが、事業は継続して市民センターで行う。」という方針だけが先走ったものであり、苦労していた次第です。
 本市の生涯学習課は、教育委員会部局であり、市民センター(市長部局)で社会教育事業を行う場合にどう関連(市長部局の事業だから、関係ないよといわれないように)づけようかと思っていたものです。
「事業は継続して市民センターで行う」という方針が決まっているのでしたら、市民センター(市長部局)で「社会教育」事業を行う場合に、「市長部局の事業だから、関係ないよ」ということはありえないですね。
その事業が同じことをやっていても、現状は社会教育法にもとづくものであり、廃止後は、単なる市民の学習支援活動です。後者であっても、私は不具合がないと考えています。

住民税税額控除の順序

税務課法制担当 No.10180

平成20年4月30日に公布された地方税法の一部を改正する法律で、今話題のふるさと納税制度(寄附金控除)が規定されました。これについて、従前からある配当控除(地方税法附則第5条)との控除の順序がわかりません。(どちらを先に控除するのでしょうか?)
 改正後の地方税法の規定を読んでみましたがわかりません。控除順序の根拠規定をご存知の方、教えてください。

Re: 住民税税額控除の順序

ぺんのすけ No.10189

こんにちは。直接の答えになるか分かりませんが、年金特徴のQ&A集(第2版)をお持ちでしたら、そこに今回の納税通知書の案が出ています。
その計算順序によると、調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除、「寄附金税額控除」、外国税額控除、配当割・譲渡割控除の順番に引くこととなっています。

Re: 住民税税額控除の順序

税務課法制担当 No.10197

べんのすけさん、ありがとうございます。

確かに納税通知書案では、その順序になっていますよね。
改正後の地方税法の規定では、本則規定の「寄附金税額控除」も附則規定の「配当控除」も「(所得割の税率)及び(調整控除)の規定を適用した場合の所得割の額から控除するものとする。」と同じ規定振りになっていて、納税通知書案の通りの控除順序になる根拠規定がどこかにあるはずだと思うのですが、見付けられません。

Re: 住民税税額控除の順序

ぺんのすけ No.10200

改正後の地方税法附則第5条第4項でいかがでしょうか。

Re: 住民税税額控除の順序

税務課法制担当 No.10203

べんのすけさん、何度もすみません。

 改正後の地方税法附則第5条第4項では、改正後の法第314条の8(外国税額控除)とか法第314条の9(配当割額、株式等譲渡所得割額の控除)を適用する場合に、配当控除に該当する金額があれば、当該配当控除を控除した後に外国税額控除とか配当割額、株式等譲渡所得割額を控除する旨規定されていると理解します。
 つまり、ここでも改正後の法第314条の7(寄附金税額控除)について書かれていませんので、配当控除と寄附金税額控除の順序がわかりません。

Re: 住民税税額控除の順序

ぺんのすけ No.10220

配当控除は「その者の第314条の3及び第314条の6の規定を適用した場合の所得割の額から控除するものとする。」ですので、調整控除の次となりますが、その考えで行くと、住宅借入金等特別税額控除も同様に並列になる書き振りですよね。

本則の附則は特則だと考えると、順番としては特別法が一般法に優先するというのと同じような考えで、第314条の3及び第314条の6の適用後、特則である附則の規定を適用させるのが自然な気がしています。

となると、調整控除の次に適用させるのが特則である「配当控除、住宅借入金等特別税額控除」となり、本則に戻って寄附金税額控除、外国税額控除、配当割・譲渡割控除となる、と読んだのですがいかがでしょうか。

Re: 住民税税額控除の順序

税務課法制担当 No.10222

ぺんのすけさん、ありがとうございました。

わかりやすい解説ありがとうございます。
納得です。

土砂採取規制するには,条例が必要か?

法務マスターもどき No.10162

 本県では,一定以上の土砂採取について,

県が指導要綱で承認,届出等の規制(表現が適当ではないかもしれません。)をしております。ただし,県要綱では,市町村の条例で土砂採取規制している場合は,県要綱は適用除外となります。当然,土砂採取の基準も市町村の任意になり,県内の市町村では,条例で罰則をもって規制している例もあります。

 私が疑問なのは,

条例,罰則,規制の必要性も分かるのですが,市町村では,県要綱と同一の目的で条例を制定するのか,それとも,県と同様に要綱で規制をした方がいいのか,仮に市町村が条例を制定した場合,県が要綱で規制している意味は何なのか,県要綱の存在意義は薄いのではないかと感じる次第ですが,皆さんはいかが思いますか。
私が疑問なのは、県が指導要綱で承認、届出等の規制しているところです。
なぜ、要綱で規制できるのでしょうか?
要綱に基づく指導は、あくまでも任意の協力を求めることしかできないのではないでしょうか。
要綱では実効性のある規制はできませんので、条例を制定することが適切と思われます。

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

JAKE No.10164

土砂採取に限らず、何らかの規制を行う際に、広域自治体である県では要綱などの任意的縛りをかけておいて、各地域の具体的必要性に合わせて基礎的自治体である市町村が罰則付きの条例を定めるというのは、普通のことだと思うのですが。

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

えんどう たかし No.10176

 悪文・失礼な点は前もってお詫びいたします。
 
 さて、そもそも論で恐縮ですが、民間人として納得がいくのは、例えば、国レベルの法令で任意規定があり、この授権のもと条例を作るのであれば「法任意」→「条例(特別法)」というやり方で自由の制限・新たな義務を課すことは、手続きとして納得できます。

 しかし、県の要綱(知事が定めた内規?マニュアル?)によって“任意規定がある”という想定が納得いきません。
 行政指導にせよ、法令の解釈に基づき、且つ公益上妥当な方法と言えるのでしょうか。

 他の行政行為であれば、行政指導という方法もあると思いますが、「土砂採取規制」は明らかに侵害的行政行為です。
 これを直接規制・指導する場合には『法律に類するとされる条例(通説)』でやるしかないのではないでしょうか。

 また、知事が作った“要綱”による外部に影響を及ぼす行政行為(=外部行為)は、そもそも無理なのではないでしょうか。
 それとも、土砂採取規制に関し、このような外部行為を予定した上位法による知事への授権があるのでしょうか(例:公物/所有権・管理権的には「公有公物」且つ「公用公物」等)。

 追伸・・・県レベルで土砂採取条例を定め、罰則や知事による指導・勧告・命令を定めている例はあるようです。
 山梨県・・http://www.pref.yamanashi.jp/somu/shigaku/reiki/reiki_honbun/aa50002611.html
 福井県
http://www.mitene.or.jp/~ryuzo/gyousei/sub1/9sub/9jorei/tuchijore.html

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

JAKE No.10181

>「土砂採取規制」は明らかに侵害的行政行為です。

まさにそうであるが故に、広域自治体である県は「実効性のある規制」でも「直接規制」でも無い、要綱による行政指導(非権力的行政)を行っているのです。

なお、行政指導は非権力的であるため、法による授権を必要としません。その代わり、私人はそれに従う義務を負いません。

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

えんどう たかし No.10182

 JAKE様

 お言葉を返すようで恐縮ですが、行政指導では・・>私人はそれに従う義務を負わない<・・という建前になっていることは存じております。

 ところが、行政機関は度々法による授権を必要としない、しかし事実上強制力のある行政指導を行っているのではないでしょうか。
 寧ろ、事実上の強制力(指導に従わない場合、次なる行政指導や、関連する許認可を与えないなど、事実上の不利益が予定されることの暗示)があるからこそ、条例化しないでも実効性があることになっている場合があると考えられます。

 採掘・工事・店舗出店・等、環境負荷を伴う事業者に対するような行政指導は、非権力的行政とは言えない場合が多く、ご案内の>行政指導は非権力的である<というような一般化は出来ないと考えます。
 このような行政指導は、事前の法形式による告示の義務付けも無く、デュープロセス(適正手続きの保障)からいっても問題があると思っております。

 従って、本スレッドで問題となっている市町村による、条例制定以前の広域行政が作成した要綱〈ないし指針)による任意規制についても、本来は、県条例によるべきであろうと思っております。なお、県条例で任意規定とした場合には、これを実態に即して市町村により条例で強行規定とすることもありうるだろうと思います。

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

JAKE No.10183

>えんどう たかし 様

行政指導全般について、ご指摘のような批判が存在することは、それこそ私も存じております。その点について今更議論の必要は無いと思います。

私が申し上げているのは、あくまで県という“広域自治体”が、おっしゃるところの侵害的行政行為に当たる規制をする際に、条例という形式をとるか、要綱(行政指導)という形式をとるか、その行政目的(規制のレベル)に応じて適宜使い分けるべきであるということです。

要綱(行政指導)による規制は、あくまで罰則や不利益処分を前提としません。土砂採取をしようとする私人が、この要綱(行政指導)に従う必要はありません。つまり、条例を制定せずに要綱のみを置いている県は、県域全体についてその程度の規制で充分と考えているのであり、罰則付きの条例制定は市町村に任せているのです。

なるほど、県レベルで条例を制定している県もありますが、その県は罰則付きの条例で規制する任務を県で一律にやるべきだと考えているのです。

両者の違いは、まさに実際の規制の必要性、普遍性に基づいて決定されるべきものであり、要綱で規制することが直ちに違法ということにはなりません。

Re: 土砂採取規制するには,条例が必要か?

えんどう たかし No.10184

 JAKE 様

 ご指摘、誠にありがとうございます。

 >両者の違いは、まさに実際の規制の必要性、普遍性に基づいて決定されるべきものであり、要綱で規制することが直ちに違法ということにはなりません<
 
 ・・・なるほど、大変勉強になります。

 私の抱く若干の懸念は、要綱・指針などの直接の相手は、その行政機関内部(補助機関・ないし下位機関)に向けられているものであって、規制手段ではないだろう、という疑問から発想したものです。
 『要綱』は指導の方針であって規制手段ではない。従って、これにより行い得る外部行為としては、これにより拘束される行政機関(担当吏員)が、利害関係人に対し協力を求めるという機関意思の表示である、という考え方です。
>『要綱』は指導の方針であって規制手段ではない。
えんどうさんのおっしゃるとおりです。
しかし、現場の公務員には忘れられがちでもあります。「要綱に定められているから」というのを、相手方へ協力を求める理由に使ったりします。
そのために、(確認的に)行政手続法ができたり、地方自治法第14条第2項が追加されたりしたのですが、意外と昔ながらの発想で行政指導をしている公務員は多いと思います。
現在の議論はパスさせていただきまして、スレ主さんの問題提起についてですが、

1 県は、広域的観点から「要綱に基づく行政指導」という手法で一定の事項を規制(or誘導)している。
2 しかし、同一事項について、市町村が関心を持ち、「条例」という強力な手法により規制することとなった場合には、県は、その判断を尊重して、その市町村域においては、「要綱に基づく行政指導」を行うことは控える。

ということは極めて常識に適することのような気がしますが(そうしないと住民が混乱するだけ)。
 なお、パターンとして、市町村も同一事項について「要綱に基づく行政指導」という手法で県と異なる内容の規制(or誘導)をしようとする場合も想定できるわけですが、住民の混乱を回避するために当然県と市町村で協議することになるでしょう(協議が決裂した場合には、県と市町村がそれぞれ信念をもって住民を説得するしかない。行政指導には自治法2条16項のような規定はないので)。

 また、市町村が条例と要綱に基づく行政指導のどちらの手法を選択するかは、住民福祉の観点から市町村が責任をもって判断すべきことであり、一般化にはなじまないと思えますが。
適用除外の定め方からして、県は、本来は市町村が条例で定めるべきものと考え、定めない時のため、やむを得ず要綱を定めているのだと感じます。
だとすると、県が条例化しないのもうなづけるものがあります。行政指導もやめてしまえとは思いますが。
育児休業中の者に対する扶養手当支給要件について教えてください。

子の1歳になる前日まで育児休業を取得予定で、すでに承認されています。この間、12月の期末勤勉手当(約30万円)および共済組合から育児休業手当金(約8万円/月)の支給がある予定の者を扶養にとることはできるのでしょうか?

この場合、扶養手当の要件となる収入額算定(年額130万円)の考え方は、
@育休中に支給される給与および育児休業手当金のみで算定?
A育休開始日から1年間の給与および育児休業手当金の見込み額で算定?

ちなみに、夫婦とも地方公務員(異なる市町村)、育児休業については延長の可能性があります。

 諸手当質疑応答集(学陽書房)によると、「育児休業開始時における妻の向こう1年間の所得見込額が、扶養親族の認定の基準としての所得限度額である年額130万円未満の場合で、かつ、当該期間中主として夫に扶養されると認められる場合には、その妻を夫の扶養親族として認定して差し支えない。なお、この育児休業中の取扱いは、当該妻が地方公務員、民間従業員等である場合にも同様である。」とあります。

 今回の場合は、Aで算定すべきと考えますが如何でしょうか。
 育児休業手当金は、共済組合からの給付であって、所得ではないと思うのですが…。
 人事院規則9−80第2条第2号に定める所得(年額130万円以上の恒常的な所得)は、給実甲第580号給与法第11条及び規則第2条関係6に規定されており、「所得の金額の算定は、課税上の所得の金額の計算に関係なく、扶養親族として認定しようとする者の年間における総収入金額によるものとする。ただし、事業所得、不動産所得等で、当該所得を得るために人件費、修理費、管理費等の経費の支出を要するものについては、社会通念上明らかに当該所得を得るために必要と認められる経費の実額を控除した額によるものとする。」とあります。

 したがって、今回の場合、Aで算出してよいと考えます。

地方自治法第100条第12項について

くらら No.10192

 いつも参考にさせて頂いております。
地方自治法第100条第12項について質問させて下さい。テクニカルなことなのですけれども、「議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場」について、(議案の審査又は議会の運営)に関し(協議又は調整)を行うための場なのか、(議案の審査又は{議会の運営に関し(協議又は調整)}を行うための場なのか、よくわからなくなってしまいまして、皆さんからのアドバイスを頂きたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
 総務省自治行政局行政課長通知をよむ限りでは、前者の解釈なのかなと思っております。

Re: 地方自治法第100条第12項について

TT No.10198

この場合、読み方としては前者となります。

法制執務のルール上「又は」「若しくは」の使い方が決められているので、
もし後者の意味で書くならば、
「議案の審査若しくは議会の運営に関する協議又は調整を行うための場」
と書くこととなります。

Re: 地方自治法第100条第12項について

くらら No.10210

ありがとうございます。
超基本的なことでしたね。

行政がマンションを建設?

カプセル No.10190

教えてください。
行政がマンションを建設して分譲 なんて事を行っている自治体って有るんでしょうか?その辺りとは疎遠な部署におりまして情報がございません。。。
何らかのヒントが頂けたら喜びます。
よろしくお願いします。

Re: 行政がマンションを建設?

DON No.10191

たとえば、市施行の再開発事業で、建築物の保留床を住宅として販売するケース。
実際に当市ではやったことがありません。

Re: 行政がマンションを建設?

TT No.10199

地方住宅供給公社法に基づき自治体が住宅供給公社に出資してる例はたくさんあると思いますが、それとは違うのでしょうか?

Re: 行政がマンションを建設?

南の国 No.10201

 行政で建てたのではありませんが,2004年にわが町では町有地を利用して,定期借地権を60年と設定し民間活力で建設しました。完売したようです。

水道使用料に係る督促について

雑草 No.10095

レスNo.10013は完結したようですので、関連して別レスとしてみます。

地方自治法第231条の3第1項では、「普通地方公共団体の歳入」としか記述が無く、公法上とか私法上とかの区別も無く、この規定中の「使用料」とは水道使用料のような私法上の債権を含むと考えるのが自然ではないでしょうか。
これとは別に、同条第3項で「法律で定める使用料」とし、公法上の使用料についてのみ地方税の滞納処分の例により処分することができると規定してあります。
したがいまして、自治大阪2008・9 P23 5.まとめ
http://www.masse.or.jp/~jichiosaka/issue/issue20_8/200808_p21.pdf
>>水道料金と下水道使用料については、督促に関する規定には特段の差異はなく、いずれも法第231の3第1項の規定に基づいて行うことになります。
との記述で合っていると考えます。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10096

事務要覧財務,ぎょうせいP2916には次の記述があります。

私法上の収入に係る督促手数料
問 自治令第171条の規定により督促し,その債務不履行による遅延損害金を法定利率によって徴収する場合,督促手数料も徴収できるか。

答 地方公共団体が督促手数料を徴収することができるのは,自治法231条の3に規定する分担金,使用料,加入金,手数料及び過料その他の地方公共団体の歳入で,これらの歳入について納期限をすぎても納入されない場合に,条例の定めるところにより督促手数料を徴収することができるものです。したがって,質問のように自治令171条の規定に基づいて行う私法上の収入に係る督促については,督促手数料を徴収することができないものと解されます。

また,水道料金が私債権であることが確定した最高裁決定の原審東京高裁(H13.5.22)で未払い水道料金は商事法定利率の年6分の割合の遅延損害金が認められています。

私債権扱いされたものは督促状は出せても,督促手数料,延滞金は徴収できず,遅延損害金として(年5分か年6分)徴収できるものと考えています。
水道料金について延滞金(税と同様な利率)を徴収するには無理があるのではないでしょうか。

Re: 水道使用料に係る督促について

1147 No.10097

雑草 様

ありがとうございます。
ご指摘いただいた点はそのとおりだと私も思っています。
すると、地方自治法第231条の3第1項の対象となる債権と地方自治法施行令第171条の対象となる債権との区別は、具体的にどう考えればいいのでしょうか?すなわち、地方自治法第231条の3第1項の「分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入」の範囲、特に「その他の普通地方公共団体の歳入」の範囲がよくわからなくなると思うのですが・・・

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10098

あお 様

地方自治法第231条の3
分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入を納期限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。

ここでいう、「普通地方公共団体の歳入」はすべて公法上のものという理解でよろしいのでしょうか。
また、すべてを公法上の歳入とするその根拠は何なのでしょうか。
条文を読む限り、そのような記述も無く、何を根拠にこの条文の歳入すべてが公法上の歳入になってしまうのかよく分からないのですが。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10101

3年ほど前ですが,うちの水道で,総務省および水道協会に督促手数料等の徴収の関係で問い合わせた際には,
水道料金については,地方自治法第231条の3第1項に規定する債権であり,最高裁判決については,時効について
民法が適用されるとの判断から,督促手数料の徴収は問題ないとの回答であったそうです。
個人的には,延滞金や督促手数料の関係で全国的に影響が大きいことによる,逃げの解釈と思ってしまいますが,
少なくとも国レベルの判断としては,231条の3の第1項に規定する「公法上の債権」であるとの立場は崩していないようです。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10102

平成16年11月18日付け総務省通知では
水道料金の消滅時効ですが,地方自治法236条による5年を改め,民法173条1号により2年とする解釈の変更を行ったのではなかったでしょうか。
督促,延滞金だけ地方自治法231条の3を使うのは一貫していませんが。

Re: 水道使用料に係る督促について

白秋 No.10103

>たっく様
なるほど納得です。

・素直な文言解釈
・行政実例
・判例
・判例の考え方を敷衍する論理解釈

すべてを踏まえ、リスク管理なども考慮した「政策判断」として、当該自治体にとって最適と思われる解釈をとるということなんでしょうね。
それにつけても自治法の文言は…という思いは強いです。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10104

個人的には,あおさん同様,一貫していないと感じますが,判決については,時効の適用が地方自治法第236条ではなく,民法の短期消滅時効が適用されるとの判事であり,債権の性質としては,従前通り231条の3第1項の公法上の債権であるとの解釈のようです。
債権の性質としては,231条の3第1項で,時効に関しては,236条でいうところの,「時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか」の他の法律に定めがあるもの(=民法の短期消滅時効)ということなのだと思います。
まあ,現実的な判断というか,全国的に水道料金に関して延滞金なり督促手数料なりを徴収している自治体が多い中,この部分での判断の変更は多大な影響が出ることから,こうした判断になっているのかとは思いますが・・・
いずれにせよ,以前にもこのフォーラムで書かれていたと思いますが,債権管理に関する自治法の規定があいまいであることから発生する問題なので,根本的に条文を整理していかないことには,今後同種のなやみが次々とでてくるのではないかと思います。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10105

雑草 様

自治体のための債権管理マニュアル,ぎょうせい,では次のように整理されています。

普通地方公共団体の長は、債権(について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。(地方自治法施行令171条)
同条は,地方自治法第231条の3第1項 に規定する歳入に係る債権は除外している。
これは,同条同項に規定する歳入,即ち,分担金,使用料,加入金,手数料及び過料その他の地方公共団体の歳入については,同条同項により地方公共団体の長は督促しなければならない旨明らかにされているためである。ここで「普通地方公共団体の歳入」はすべて「公法上の歳入」をいうと解されている。それゆえ,同条同項の適用があるのは公債権である。したがって,自治令171条の適用があるのは,公債権以外の債権,即ち,私債権ということになる。(同書P42)

また,同書P3には公債権と私債権の区分として次のように整理されています。

公債権は行政庁の処分によって発生し,相手方の同意を要しない。
行政処分に対しては不服申立てが用意されているなど(同書P258以降)
区分の基準として
@行政と相手方が対等関係であることを前提とした法律関係かどうか。
A私法的な法律関係かどうか,当事者の関係を規律する法律による。
B私法的な関係であっても,法律,政令,条例などに特別な定めがあって,それが行政庁に特別な権限を付与している場合(補助金等)
C「申請」,「許可」などの文言が使用されても,立入検査などの実体的権限を与えているかどうか。

ただし,このように書かれていても,実際には滞納処分規定をはじめ法的根拠,債権の性格を考慮しながら区分することになり大変煩雑です。

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10106

あお 様
では、地方自治法第231条の3第3項では、同第1項のように「使用料」とはせず、「法律で定める使用料」とあえて文言を変えている理由は何でしょうか。

「法律で定める使用料」=公法上の使用料 ということではないのでしょうか。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10107

少し長いですが参考になる記述を上げておきます。

昭和38年法律99号による改正前の(地方自治)法225条4項は231条の3第3項に相当する規定であるが,それは,「分担金,使用料,加入金,手数料及び過料その他の普通地方公共団体の収入」について滞納処分を行うことができるものとしていた。問題は,そこでいう,「分担金,使用料,加入金,手数料及び過料その他の普通地方公共団体の収入」の範囲いかんであるが,当時の政府の行政解釈および有力な学説は,前述のとおり,その範囲に含まれるのは公法上の収入のみであり,私法上の収入はその範囲に含まれないという解釈をとっていた。しかし,公法上の収入と私法上の収入の区別はあいまいであって,滞納処分の適用対象に紛議が生じたため,231条の3第3項は「法律で定める使用料その他の普通公共団体の収入」という文言を用いたのである。これに該当する歳入を掲げる法律としては,(地方自治)法附則6条,国民健康保険法79条の2等がある。なお,これらとは別に,特別の法律によって滞納処分の対象とされる歳入としては,道路法73条1項にいう「負担金等」,河川法74条にいう「負担金等」がある。
(注釈地方自治法,第一法規,P4404)

要するに雑草さんのいうように「法律で定める使用料」=公法上の使用料ですが,3項は1項の督促を受けて滞納処分できると規定しているところが重要と考えます。

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10109

あお 様
第231条の3第3項までは下水道使用料が適用になるということですね。

>公法上の収入と私法上の収入の区別はあいまいであって で、

同第1項の「使用料」>同第3項の「法律で定める使用料」=公法上の使用料

ではないのですか。
水道使用料、住宅使用料などは私法上の使用料で、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない義務があり、同第2項の規定までは適用ということにはなりませんか。

それとも、

同第1項「使用料」=同第3項「法律で定める使用料」=公法上の使用料

となるのでしょうか。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10110

 横レスになりますが・・・
 まずは,用語の整理からと思いますが,解説等を見ても本によって,いろいろな表現がされているので,異論もあるかと思いますが,便宜上,第1項で規定されている債権を「公法上の債権」第3項で規定されている債権を「公債権」と呼ばせていただきます。
 公法上の債権については,第1項で督促,第2項で延滞金,督促手数料について規定されており,公債権については,第3項で滞納処分について規定しております。
 公債権については,その性格上全て公法上の債権となりますが,公法上の債権については,公債権であるとは限りません。
 上であおさんが記載されているように,自治法附則や個別法で「地方税の滞納処分の例による」等,特別の規程のある公法上の債権ということになります。イメージ的には公法上の債権>公債権のような感じになります。
 問題の水道料金,病院の診察料,住宅使用料に関しましては,解釈や判断の問題であり,上に書かせていただいたとおり,総務省や水道協会の言うように,債権の性格としては公法上の債権という立場を取れば,督促は,第1項に基づいて行い,第2項に基づき延滞金等を徴収できることになるが,公法上の債権でなく,私法上の債権であるとの考えにたてば,地方自治法施行令第171条に基づいて督促を行うが,延滞金等の徴収はできないこととなります。
 

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10111

231条の3の構成について解説書と条文構成を考えると雑草さんへのお答えは
同第1項「使用料」=同第3項「法律で定める使用料」=公法上の使用料
になります。
たっくさんがうまくまとめてくれたように水道料金を従来は公の施設の使用料として位置付けていましたが,判決で私債権とされた訳ですから,私法上の債権であるとの考えにたてば,地方自治法施行令第171条に基づいて督促を行うので延滞金等の徴収はできないこととなります。
各自治体によっては従来の督促手数料,延滞金を徴収しているところも聴きますが,延滞金の率を遅延損害金に合わせていれば問題ないですが,税と同じ率では債務者が法的に対応されれば苦しいのではないでしょうか。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10112

あおさんのおっしゃるとおり,総務省等の回答では,公法上との解釈ですが,訴訟等の際には時効の時同様,自治体側が負けることになりそうな気がします。というか,十中八九負けるものと思われます。
小手先の解釈で交わしていくのではなく,根本的に自治法等のあいまいな規程を見直してもらいたいところです。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10113

全く賛成です。サンザン悩まされました。
地方自治法231条の3はあいまいというか,分かりにくい条文です。
また,240条で突然,債権という見出しが出てきて,解説によると私債権に関する規定になっています。
このあたりバラバラなのを整理してもらいたいところです。

Re: 水道使用料に係る督促について

けい No.10116

どなたか訴訟してみてください

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10117

あお 様

住宅使用料も水道使用料と同じと考えてよろしいのでしょうか。

最高裁の判決以後、第231条の3第3項にあえて「法律に定めのある使用料」という文言を、それも使用料にだけ「法律に定めのある」としているのであれば、同第1項の「使用料」という用語の整理(解釈)が変化しているという考え方は成り立たないのでしょうか。

−−−−−−−−−−
たっく 様

総務省は水道使用料が公法上の使用料と言っているのでしょうか。
となると最高裁の判決に真っ向勝負を挑んでいるような・・・猛者ですね。
水道使用料は地方自治法第231条の3第1項に規定の「使用料」といっているのではないですか。
第1項にいう使用料が公法上の使用料との解釈上から、「水道使用料が公法上の使用料と言っている」と言葉を変えて述べているのではないのですよね。
加えて、公法上の債権=公債権 ではないのですね。
となると、何が公法上の債権で、何が公債権なのか、具体例が分かっていらっしゃるのでしょうから、この際ご教授願えれば幸いです。

−−−−−−−−−−
あと、地方自治法施行令第171条に基づく督促を行ったことのある実務者はいらっしゃいますか。
いらっしゃいましたら、事例を挙げていただけましたら勉強になるのですが。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10122

少し長くなりますが,住宅使用料の性格として,昭59.12.13の最高裁判決では,住宅使用料の時効関係を正面から争った事例ではありませんが,公営住宅法の性格について次のように示されています。

「公営住宅の使用関係は,公の営造物の利用関係として公法的な一面があることは否定しえない。入居者の募集は公募の方法によるべきこと(公営住宅法16条)が規定されている。公営住宅の使用関係は,入居者が右使用許可を受けて事業主体と入居者との間に公営住宅の使用関係が設定されれば,法律関係は、私人間の家屋賃貸借関係と異なるところはない。」

従来,公営住宅の使用料の時効については,行政実例では公の施設の使用料として地方自治法236条1項により時効期間は5年として位置付けていましたが,判決では民法169条の定期給付債権の短期消滅時効が適用されることが示されています。
時効期間は,地方自治法236条1項と同じ5年ですが,民法上の時効では債務者から時効の援用を要するかどうかに違いがあり,自治体の債権としては,債務者からの時効の援用を受けるか,権利放棄をしなければ不納欠損ができないことになります。

また,平成17年の公立病院の診療債権の最高裁判決が公の施設の使用料であるという理由が採用されませんでしたので,公営住宅使用料についても民間家賃と同様に変わりないと主張されても異論がないと考えています。
行政実例では国土交通省の公営住宅の時効の扱いは民間賃貸と変わりないとしてきたことに対し,総務省は公の施設の使用料として位置付けていました。
東京都では,住宅使用料については,民間の住宅家賃と同様,民法169条における定期給付債権の時効5年の扱いをしていると聞き及んでいます。

不納欠損するには,公の施設として自治法上の時効による方が時効の援用の必要がなく自治体にとっては便利であることはいうまでもありませんが,判決でこのような理由がある以上私債権に近いものと考えています。

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10126

あお 様
詳細にありがとうございます。
住宅使用料は水道使用料と同じく私法上の債権であり、督促は地方自治法施行令第171条に基づき行う。よって、督促手数料は徴収できない。
ということですね。
当方では、住宅使用料については、地方自治法第231条の3第1項の規定により督促をしており、督促手数料を徴収しております。加えて、駐車場使用料も同様です。
滞納が生じた場合は、民法上の債権として対応しています。定番化しているのが「和解」です。(専決処分にて)

さて、住宅使用料の督促を施行令第171条に基づいて行っている自治体がどれほどあるのでしょうか。皆様ご教授願います。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10127

雑草様
 前にも書いておりますが,まず用語の定義の問題で,「公法上の債権」=231条の3第1項に規定する債権=公法上の原因で発生する債権,「公債権」=231条の3第3項に規定する債権=滞納処分のできる債権との前提でお話ししております。
 ですので,「水道使用料は地方自治法第231条の3第1項に規定の「使用料」といっているのではないですか。」との部分については,当然そういうことになります。ただ,水道料金に関しては,使用料との名称を用いていないものもありますので,使用料だからというよりは,「その他普通地方公共団体の歳入」の方と思いますが。
 また,判決については,時効についての判示との解釈ですので,債権の性格を「公法上の債権」=231条の3第1項に規定される債権に分類したからといって,特に判例に反するものではないと思われます。

 ものの本によっては,この第3項の公債権を「強制徴収公債権」,それ以外の公法上の債権を「非強制徴収公債権」といって区別しているものもありますが,いずれにせよ第3項に規定される債権は,当然に第1項に規定される債権としての性格を有しますが,第1項に規定される債権が第3項に規定される債権の性格を有するとは限りません。
 一例をあげますと,「下水道使用料」は,自治法附則第6条第3号の規程により,法律の定めのある使用料という分類をされますので,公債権ですので,231条の3第1項から第3項の全ての性格を有することになります。
 
 ついでになぜか,使用料にこだわりをお持ちのようで,1項の使用料と,3項の法律に定めのある使用料の表現に疑問があるようですが,単純に別のことを規定しておりますので,表現が違うだけであります。
 1項の使用料は,基本的に使用料全てが該当しますが,3項では法律で定めのある資料用や普通地方公共団体の歳入ものについて,強制徴収権を認めるとの内容ですので,法律に定めのある使用料とは,より強い権限をもつ使用料等(例,国民健康保険料,介護保険料,下水道資料用,道路占用料,港湾使用料,下水道の受益者負担金)をそういう表現で記しているというだけの話です。
 公法上の債権(第1項の債権)と公債権(第3項の債権)の正確な分類については,基本的に個別法を見ていく必要があるので,全て把握できてるかといえば不安ですが,大体の所はわかるつもりです。
 

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10128

 追加ですが,施行令171条に基づく督促についてですが,231条の3第1項に基づかない督促は,全てそこに行き着きますので,例えば各種貸付金なんかの督促は施行令171条に基づくものとなります。
 また,水道料金についても,私法上のもの(231条の3第1項に基づかない)と判断した自治体が,そのことから延滞金や督促手数料の徴収をやめた場合には,それ以降の督促は,171に基づくものとなります。

Re: 水道使用料に係る督促について

1147 No.10129

 公営住宅の使用料について、その判例も含め、あお様の言うとおりだと思いますが、雑草様やたっく様のご指摘によれば、公営住宅の使用料についても、地方自治法第231条の3第2項の規定により督促手数料を徴収したり、延滞金を徴収できることになると思いますが、そのような実例(公営住宅の使用料の滞納に督促手数料を徴収する実例)は実際にあるのでしょうか?各自治体の判断によるのでしょうが・・・

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10130

雑草 様

少し横道にそれますが,公債権(私債権との対比でこのように呼ばせてください。)は
@滞納処分規定があるもの
A滞納処分規定がないもの
に分かれると考えています。

公債権か私債権のメルクマールは,自治体債権管理マニュアル(ぎょうせい)がよくまとめられていますので参考にして,各債権成立の根拠,債権の性格等から判断するしかないと思います。(判例はもとより,行政実例も参考にしてください。ただし,行政実例は判例が出ても住宅使用料のように変えていないケースもあります。)

次に回収手続は,自治法231の3により
@は督促(不服申立て可)→督促手数料,延滞金徴収可能→滞納処分
Aは督促(不服申立て可)→督促手数料,延滞金徴収可能→裁判所による回収

私債権の回収手続は,自治令171条により
督促(不服申立ては不可)→延滞金でなく遅延損害金として徴収→裁判所による回収

住宅使用料が私債権扱いであるなら,督促という行為は可能でも,公債権のような不服申立て,督促手数料,税と同じ率の延滞金徴収はできないと考えています。

もっとも,私債権の督促であっても自治体の債権は地方自治法236条4項により時効中断するとされています。(各種解説,行政実例)

本市の顧問弁護士によると,自治体の私債権の督促が「法令の規定により普通地方公共団体がする納入の通知及び督促は,民法第153条(前項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず,時効中断の効力を有する。」とありますが,自治体の債権だけに時効中断を認めるのはおかしいという議論がありました。

東京都各区は自治令171条に基づく督促をしていると聞き及んでいます。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10132

現状,病院も住宅も督促手数料は徴収しております。(延滞金については,定めがないため徴収しておりませんが・・・)
また,「市営住宅 督促手数料」,「病院 督促手数料」でググってみたのですが,結構多いみたいですね。
ただ,判例との関係で,このまま徴収するのがいいのかというと,また別問題ですので,自治体毎に取り扱いが分かれるような状況を解消するためにも,一定の整理が必要とは思いますが。

Re: 水道使用料に係る督促について

あお No.10134

また横道にそれて恐縮ですが,
私債権の時効処理のため,債権管理条例を各自治体で制定されていますが,本来たっくさんのいうように自治体ごとで取扱いが分かれることが問題と考えています。
督促手数料,延滞金の取扱いもさることながら,不納欠損の仕方も差があるようでは困ります。
基本的には,自治体が私債権の回収手続に疎いこと,自治法,施行令,行政実例が実務に応え切れていないことが,このフォーラムでも時効をはじめ税以外の徴収問題が度々出てくる原因かなと思います。
個人的には10年以上も前から水道料金と下水道使用料を合わせて徴収している自治体が多い中,滞納になれば全く法原理が違うので処理の仕方も違うことを感じていました。
今後,公立の学校授業料においても現在行政実例は公の施設使用料と位置付けて,時効は自治法236条の5年としていますが,争われれば,学校授業料は公立,私立を問わず債権としては同じ性格で,民法173条3号の「学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育,衣食又は寄宿の代価について有する債権」として時効2年とされても理由があるのかなと考えてしまいます。
(もっとも,水道の時効を争った訴訟では水道料金は他の会社に事業を任せるとしても莫大な投資が必要で公益性があると反論しましたが退けられたように記憶しています。)

Re: 水道使用料に係る督促について

雑草 No.10172

たっく 様

解りやすく説明していただきありがとうございます。

>使用料にこだわりをお持ちのようで 
については、別にこだわっているのではなく、単純に「使用料」>「法律に定めのある使用料」と考えただけで、「公法上の債権」には私債権(水道使用料)も含まれるとのかなと考えていたところでした。

Re: 水道使用料に係る督促について

ウブ No.10177

 この問をみたとき、以前過去ログを追って債権管理及び時効について混乱しながら勉強したことを思いだしました。その結果、基本的にはあおさんの考え方と同じに至りました。
 ただし、本市の実務上としては、水道使用料及び住宅使用料については督促手数料を徴収しています(延滞金はナシ)。
 「自治体法務研究」NO.2 2005 秋のP90のQ&Aに「水道料金の未納者に対して、地方自治法231条の3に基づく督促状を発することはできません。」とあり、「徴収していた手数料を返還する必要があるか。」という解説に対し「督促手数料を徴収していた地方公共団体は、(督促手数料を取る旨の)規定を条例で定めていたはずであり、この規定の解釈として、水道供給契約の一部を条例で定めていたと解することができます。」また、「すでに徴収した督促手数料は、契約に従って徴収したものですから、不当利得にはならないと考えることが可能です。」との記述があります。
 あおさんのおっしゃるとおり、本来督促手数料をとれる債権ではないと思っていますが、しかしながら、自治体ごとで取扱いや解釈が分かれる現状を考えると現時点では、当面は、水道使用料及び住宅使用料の督促手数料の徴収について、やむを得ないのかなと思っています。

Re: 水道使用料に係る督促について

たっく No.10185

ウブ様
督促手数料についてですが、地方自治法第231条の3第2項に「2  普通地方公共団体の長は、前項の歳入について同項の規定による督促をした場合においては、条例の定めるところにより、手数料及び延滞金を徴収することができる。」との規定がありますとおり、すくなくとも位置づけとして、同条第1項の債権と位置づけられない限り、督促手数料は徴収出来ないのではないでしょうか。

Re: 水道使用料に係る督促について

ウブ No.10187

 たっくさんのおっしゃるとおりです。私もその認識でいます。
 しかし、これらの債権に関して現状として多くの市町村で督促手数料をいまだに徴収しているということ、また、これまでの議論からもわかるように地方自治法第231条の3の範囲・解釈があいまいな現状、現に今も徴収していることを鑑みたときに、それを説明(いいわけ)する理由になるのかなと思ったところです。(他の理由としては、督促状の郵送料及び事務手数料の実費としての意味合いも含めて100円かな?)
 本市でも住宅使用料等については、督促手数料を徴収しない方向で検討しなければならないと思っており、いずれ整理しよう思っています。

基金の管理保管について

会計初心者 No.10178

初めて投稿させて頂きます。

私が働いてる自治体では、基金の運用方針について協議しており、
現在定期預金として預けている基金が満期になっても方針が固まらないような気配です。

ここで質問させて頂きますが、基金が満期になった場合、次の運用方針が決まるまでどのような保管をすればよろしいでしょうか。

素人なりに考えてみました。

・歳計外現金に保管(歳計現金に入れてしまうと取り崩した事になってしまうから。歳計外現金でも同じならダメですが。。。)

・途中で解約する事を見越してまた定期預金に預ける。

また、他に何かいい方法があればご教授ください。
宜しくお願いします。

Re: 基金の管理保管について

白秋 No.10179

私も基金については素人なので思いつきの域を出ませんが。

基金とは定期預金そのものではなく、現実に保有している財産のうち条例で特定の目的を定めて区分して管理しているものでしょう。したがって、基金は満期になりません。
定期預金とは、その基金の管理or運用の方法に当たるのでしょうね。
仮に、定期預金が満期になってそのままにしておいても、その同一性が維持されていれば、その場合の銀行との契約の内容に応じた預金として(契約がなければ銀行の事務管理により)その基金が管理or運用されているということになるだけだと思います。それが不適切と評価されることはあるかと思いますが。

ご提示の問題については、基金条例の規定(安全or有利な方法で管理or運用する?)に沿った形で、現在の金融情勢に応じた常識的と思われる方法(もっとも自治体によってこれも区々になるのでしょうね)で管理すればよろしいのではないでしょうか。

【追記】条例が“安全or有利な方法で管理or運用しなさい”と命令しているとすれば、常にそうしている必要があります。言い換えれば、どの時点をとっても条例に沿った取扱いをしていると議会及び住民に説明できなければならないと。その場合、仮想説明相手としては最も手強い住民を想定することがリスク管理上適切とは一応言えますが、現実には事務執行の効率性との比較考量となってくるかと思います。

積立金の使用について

悩める職員 No.10173

 公営企業における法定積立金のうち「利益積立金」についてですが、
我が公営企業において10年ほど前から3年間積み立てを行い未だに
それらが残っていますが、お陰様で欠損金を生むような経営状況では
ないことから手つかずの状態で残っています。4条の収支不足は年々
増え内部留保資金は減少傾向にあることからその使用していない利益
積立金を任意積立である建設改良積立金に振替られないかと考えてお
りますが、利益積立金は法定積立金であることから地方公営企業法第
32条第4項の規定によりその使途以外には使用できないこととなっ
ています。何か良い方法はないでしょうか?皆様のお知恵を拝借した
いと思います。

 乱文大変失礼しました。

消防法施行規則第一条

市という村の法担 No.10157

 消防法施行規則(昭和三十六年四月一日自治省令第六号)第一条に、「消防法第五条第三項(・・・又は法第十七条の四第二項において準用する場合を含む。)・・・」とありますが,「法第十七条の四第二項」は,準用規定ではありません。「法第十七条の四第二項」ではなく「法第十七条の四第三項」が正しいと思うのですが,これは単なる誤りなのでしょうか。それとも,法又は省令の改正を小生が見落としているのでしょうか。

Re: 消防法施行規則第一条

ぺんのすけ No.10159

「消防組織法及び消防法の一部を改正する法律(平成15年法律第84号)」で第2項を加える改正を行っています。
http://www.fdma.go.jp/html/new/15hou84taisyou.pdf 参照)
この際に、施行規則の改正を見落としたものと思われます。
http://www.fdma.go.jp/html/public/comment/pdf/040507_2_s1.pdf 参照)

Re: 消防法施行規則第一条

市という村の法担 No.10171

ぺんのすけ 様

どうもありがとうございます。
法律が改正され,それに伴う省令の改正も行われたが,当該箇所については,見落とされ,結果として,法律と省令との間に不整合が生じているということのようですね。お世話になりました。

水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市水道局職員 No.10013

水道料金・下水道使用料の徴収時効についてお尋ねします。

水道料金の時効については民法の適用となる。
しかし下水道使用料の時効については地方自治法の適用となり,時効の援用の必要及び時効の利益の放棄ができない。よって5年の時効となれば徴収不能となり、また時効が完成しているにも係わらず請求して徴収すれば違法である。
また両者とも裁判上でない請求については単なる催告となり6ヶ月以内に差し押さえしなければ時効に中断とはならない。

お恥ずかしい話ですが某市では単なる請求行為でも時効が中断できると解釈しており、時効が完成した下水道使用料でも、相手が時効を援用しなければ時効が完成しないと解釈しており、誤った事務処理をしていると私は考えているのです。なにぶんにも法律のど素人の私の文章をお許しください。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

りゅう No.10024

あなたの考えがあっていると思います。

水道料金は私債権なので、民法の適用となりますので
例え時効が完成していても相手が時効の援用をしないで
未納料金を支払ったりすれば問題ありません。

しかし、下水道使用料は税金と同じ公債権であり
地方自治法第236条の適用となります。
当初の5年内に督促や差押さえ等の時効中断事由を発生させずに
時効要件が成立してしまえば絶対的に消滅します。
なので、時効が成立してしまったら速やかに
債権の欠損処理をする必要があります。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

C-cha No.10027

水道料金→民法適用
下水道使用料→自治法適用

については異論ありませんが、

>また両者とも裁判上でない請求については単なる催告となり6ヶ月以内に差し押さえしなければ時効に中断とはならない。

この部分に関しては、自治法第236条第4項をご参照ください。
公法上の債権・私法上の債権の別に関わらず、納入通知・督促は時効中断の効力を持ちます。催告後における民法上の所謂「裁判上の請求」は不要です。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市職員 No.10038

>催告後における民法上の所謂「裁判上の請求」は不要です。

すみません。どういうことでしょうか?意味が分からないのです。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市職員 No.10048

・督促
・請求
・催告
は法律上どういう定義なのか、ご教示願います。
 

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

通りすがりのかっぺ No.10050

>公法上の債権・私法上の債権の別に関わらず、納入通知・督促は時効中断の効力を持ちます。
>催告後における民法上の所謂「裁判上の請求」は不要です。

上段の部分は同じ意見です。
ただ,下段については単なる催告では時効は中断しないと思います。
自治法は,納入の通知及び督促は民法153条の規定に関わらず無条件に時効を中断する旨を明記しています。
一方,民法153条の催告は無条件の時効の中断事由ではなく,条件付の時効中断事由です。
この違いについては明確に規定されていると思います。

では,民法153条に規定される催告とは何か。
<催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て・・・・・・又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。>
ということですので,時効を中断するためには,明らかに「裁判上の請求」が必要です。

某市では単なる請求行為でも時効が中断できると解釈・・・というのは明らかに違法だと思うのですが・・・。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市職員 No.10055

法律上、・請求とは裁判上の請求
・督促とは地方自治法や地方税法に基づき納入がないとき期限を指定して納入を督促する行為。すみません。通常は納入の通知を行い、納入期限を一定経過しても納入がない場合、督促状を送付しますが、再度、督促状を発送して時効を中断することが出来るのでしょうか?督促などの法律行為とは通常は1回行うものとするという決め事があるのしょうか?
・催告 請求、督促以外の請求行為。

なのでしょうか、ご教示願います。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

通りすがりのかっぺ No.10056

督促とは,納期限が経過した後,「最初に行われる履行の請求」です。

自治法では,特別法として公債権における時効中断事由として,納付の告知及び督促をあげていますが,これら以外については請求行為のみでは時効は中断しません。

また,督促を行った後に行う2回目以降の履行の請求が「催告」となります。
つまり,督促をしたにもかかわらずその指定期限までに納付がされなかったのでさらに納付を促す請求です。

催告については6ヶ月以内に差押や交付要求,承認をしなければ時効中断の効力を有しません。

※ちなみに,督促は初回のもののみ時効中断の効力を有しており,2回目以降はそれ自体では時効は中断しません。

・・・なんか断定的に書きましたが,うる覚えの知識ですので細かい点は実務提要等で自分で調べてみてください。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市職員 No.10061

通りすがりのかっぺ さん 
うる覚えにしては明快なご回答ありがとうございます。
細かい点を自分で調べていますが見つけられません。

つきましては、どなたでも補足説明していただくことがありましたら、ご教示よろしくお願いします。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

雑草 No.10064

有斐閣 『有斐閣法律用語辞典[第2版]』に

>とくそく【督促】
租税が納期限までに完納されない場合にその納付を催告する行為。
督促状は、国税通則法上その国税の納期限から五〇日以内に発することとされており(三七)、滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して一〇日を経過した日までに完納しないときはその財産につき差押えが行われる(税通四〇、税徴四七)。

>さいこく【催告】
相手方に対して一定の行為をするよう請求すること。
法律上意味があるのは、相手方がこれに応じないと一定の法律効果が生ずる点である。
債務者に対して債権者が履行の催告をする場合のような義務者に対する催告の効果は、時効の中断、債務者の履行遅滞等であり、権利者に対して権利の行使又は申出をするよう催告する場合の効果は、権利の喪失、義務の軽減等である。→請求

>せいきゅう【請求】
相手方に対して、一定の行為をすること、又は一定の行為をしないことを要求すること。
「要求」とほぼ同義。
例、「損害賠償請求」、「差止請求」。また、民事訴訟法上の請求については、→訴訟上の請求

とあります。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

くまさん No.10065

スレ主さんのご質問にそぐうかは定かではありませんが、手続き上の整理は、よくまとめられていると思いますので、既にご存知かとは思いますけどご参考まで・・・。

http://www.masse.or.jp/~jichiosaka/issue/issue20_8/200808_p21.pdf
(月間「自治大阪」より)

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

あお No.10071

横から失礼します。
大阪府がまとめられている自治大阪は以前に拝見しました。
以前もこのフォーラム議論させていただいたのですが,督促について次の点で違和感があります。

自治大阪に記載している23ページ5.まとめのうち,
「水道料金と下水道使用料については,督促に関する規定には特段差異はなく,いずれも法231の3第1項の規定に基づいて行うことになります。また,同条第2項に規定されている手数料,延滞金についても徴収が可能であり(条例で定める必要があります。),時効中断についても同様の効力を有します。」とありますが,
最高裁決定により水道料金は私債権扱いとなった訳ですが,そうすると,地方自治法231条の3第2項に基づく督促,延滞金は公債権に限られ,水道料金は督促,延滞金は徴収できないのではないでしょうか。
もっとも,遅延損害金として5%(民法404条)は請求できますが。

参考
「公法上の債権については,自治法231条の3第1項により,私法上の債権については自治令171条によって督促を行うことになるが,この「督促」の意義はそれぞれについて異なっている。まず,公法上の債権について自治法231条の3第1項の規定による督促をした場合には,条例の定めるところにより手数料及び延滞金を徴収することができるが,私法上の債権による自治令171条による督促については徴収することができない。」岡祐二 地方自治法講座8財務(2) ぎょうせい 303頁

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

雑草 No.10077

あお 様

>公法上の債権については,自治法231条の3第1項により,私法上の債権については自治令171条によって督促を行うことになるが

勉強不足でよくは分からないのですが、地方自治法第231条の3第1項の使用料については、公法上の債権か私法上の債権かは区別されていないように思えるのです。
この条文で定める「普通地方公共団体の歳入」がすべて公法上の債権とは考えにくいのです。
同条第3項に、あえて「法律で定める使用料」ということで公法上の債権となる使用料を、地方税の滞納処分の例により処分することができるように定めてあるのではないでしょうか。
加えて、地方自治法施行令第171条の規定が、私法上の債権についてのものとする根拠がよく分かりません。
よろしければ、そこのところをご教授願えないでしょうか。
横から失礼いたしました。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

あお No.10083

雑草 様

まず,地方自治法施行令171条による督促は,地方自治法231条の3第1項に規定する債権が除かれています。
次に,地方自治法231条の3第1項による督促が除かれているのは,同項で「分担金,使用料,加入金,手数料及び過料その他の普通公共団体の歳入」とされ,2項で督促,延滞金は条例で定め,3項で1項の規定により督促を受けた者が督促,延滞金を納付しないときは地方税の滞納処分の例によることができるとされています。
もし,水道料金がこの条文を根拠とした督促,延滞金が徴収できるとなると督促,延滞金も滞納処分もできることになり,私債権扱いされたことと矛盾することになります。
また,地方自治法231条の3の対象は4項の公示送達,5項から9項までの不服申立てについて規定していることからも地方税に近い債権を対象としており,私債権を視野に入れた規定にはなっていないと考えています。

以上,雑草様の疑問にお答えできたかどうか分かりませんが,各種逐条解説には地方自治法231条の3は公法上の債権に限られる旨記載がありますが,単に受け売りでなく,条文構成から説明してみましたがいかがでしょう。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

通りすがりのかっぺ No.10089

話を元に戻します。
まず法体系を確認します。
債権に関する記述については,まず一般法として民法の規定が採用され,同147条には時効中断の要件として@請求A差押等B承認の3つが挙げられています。
この中で@請求に当たるものがいわゆる督促・催告です。
私債権では,単なる請求行為では時効を中断できず,完全な時効中断には追加の手続き(裁判上の請求)が必要です・・・・これが原則です。

これに対し,公債権では地方自治法,地方税法・国保法・介護法等の特別法により,督促が時効中断の絶対的効力を持つことが規定されています。
(さらに,これら租税公課に対しては私債権に優先する先取り特権が認められるなど,かなり強力な法的効力を付与されています。)

この中で,下水道使用料は後者の債権であることはご存知のとおりです。
これらを整理して今「督促」の効力について考えてみます。

督促・催告については「@請求」の一形態と捕らえて問題ないと思います。
S44/2/6行政実例では,法令の規定により普通公共団体が行う督促は,最初のものに限り時効中断を有するとしていますが,その理由は示されていません。
ただ,督促は民法上の催告と同じものですから,裁判手続きを要せずに時効中断の効力を有する督促と同様の効力を再督促にまで認めることは正当性にかけると考えられ,再督促については催告の範囲にその効力をとどめるべききではないとの判断があったものと推測されます。

それでは再度の督促にはどのような法的効果が生じるのか・・・・これについては「催告」としての効力を有すると解するのが相当です(S35/11/2行政実例)

-------------------------------------------
以上,手元の資料を出してきて抜粋しました。
内容については,地方財務実務提要3巻 P6587付近,某県税務初任者研修テキストから抜粋しているようです。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市水道局職員 No.10090

皆様 貴重なご意見まことにありがとうございます。
とりわけ通りすがりのかっぺさんの見解については頭が下がる思いです。
行政実例を引用なさっての見解ですので反論の余地は皆無だと思います。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

白秋 No.10092

最初の督促→時効中断の絶対効
二回目からの督促→一般的な催告の効力

となると、裁判手続等の煩雑さを避けるためには、時効完成間際に最初の督促(キラー督促!)を行った方が自治体として合理的な行動ということになりませんか。
(相当無理のある文言解釈はさておいても)不合理な行政実例だと思います。

【追記】なお、時効中断の効力は「納入の通知及び督促」に認められますが(自治法236条4項)、督促前に納入の通知はしているわけです。
となると、通常の業務執行では「納入の通知」と「最初の督促」とはそれほど間が空かないと思いますので、「最初の督促」だけに時効中断の絶対効を付与する実益に乏しいと思われます。
 すでに雑草様の疑問は解け、納得されているようですので、よこやりになるかもしれませんが、私もあお様と同様の疑問を持っています。すなわち、水道料金の督促は地方自治法231条の3第1項の「督促」なのか地方自治法施行令第171条の「督促」なのかについてです。
 たしかに自治大阪には、水道料金の督促は地方自治法231条の3第1項の「督促」とされており、督促手数料を徴収することができることになっていますが、みなさまの各自治体では、水道料金の滞納について督促手数料を徴収されているのでしょうか?これは地方自治法231条の3第1項は「・・・使用料その他の普通地方公共団体の歳入」と規定しており、文面からすれば、水道料金も「・・・使用料その他の普通地方公共団体の歳入」にあたると思いますのでなるほどとうなづけます。
 しかし、一方であおさまがご指摘するように地方自治法231条の3第1項の対象となる債権と地方自治法施行令第171条の対象となる債権の違いを公法上の債権と私法上の債権と区別するならば、水道料金債権は判例上私法上の債権とされていることからして、地方自治法施行令第171条の「督促」なのではないかという疑問が沸きます。
地方自治法の規定の仕方と判例との整合性をどのように図ればいいのでしょうか?


Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

C-cha No.10146

少々覗かずにいるうちに話が進行してしまっているので、ぶり返すようで恐縮なのですが…

説明が悪く混乱を招いて申し訳ありません。
「督促」と「催告」は性質上同じもの(請求行為)です。
自治法或いは税法上、納期限後に行う納入に関する催告を「督促」と呼んで区別しているに過ぎないものですので、先日のご説明は、自治体が行う督促行為・納入通知行為(=いずれも「催告」に当たるもの)は、「民法上であればこの後6ヶ月以内に民法第153条に規定する裁判上の請求等を行わない限り時効中断の効力を有しないものであるが」、自治法第236条第4項の規定により、公債権・私債権の別を問わず、それらの行為を行わずとも時効中断の効力を有するものである、とご理解いただければ幸いです。


また、自治法第213条の3第1項の督促と自治令第171条の督促の違いに関してですが、水道料金の消滅時効に関する最高裁判決後に行政解釈が変更された際の資料(出典は不明ですが、恐らく日本水道協会が行政解釈・判例の動向をまとめたものと思われます)によると、

○水道料金は、自治法上の公の施設の使用料が、自治法の特例法である地公企法によって変更され、適正な原価と事業報酬を考慮した料金を意味することとなったものであり、自治法上の使用料の一形態である。
○推論としてではあるが、水道料金は、「公の施設」である水道施設の使用料であるが、(全住民が使用しうるという意味で公的性格を有する。)その使用(利用)関係は、行政処分ではなく、水道供給契約という個々の契約に基づく使用料(料金)であって、実際の使用(利用)は住民の判断によるものであり、個々の契約関係があって初めて債権債務関係が生じるものであるので、水道料金債権は、私法上の債権とされたのではないかと考えられる。

旨の記載があります。
自治大阪の記述は、上記を基に考えると、水道料金はあくまで自治法上の「使用料」であり、その意味において自治法の「使用料」に係る規定が適用されるのであるから、例えば条例で額を定める必要があるし、督促行為は自治法第231条の3第1項に基づいて行うこととなるが、この使用料は行政処分としてではなく契約行為として課されるものであるから、「債権」としての性質は私法上の債権ということになる…という解釈になるでしょうか。つまり、自治法の「使用料」には、公法上の債権たる使用料と、私法上の債権たる使用料の両者が存在するという考え方になります。
判例は、水道料金は契約行為に基づくものであるから私法上の債権だという判断をしたに過ぎないのであって、水道料金そのものの性質には触れていないので、「水道料金という歳入の性質」と「水道料金債権の性質」という別の側面から見たときに、それぞれにおいて適用する条文を考えるとこうなるのだと思います。この視点に立つと、自治法231条の3第1項と自治令171条の差異は、「債権の性質」ではなく「歳入の性質」による区分だということになります。
いずれにしても、督促後の手続は自治令第171条の2以降で包括され同じ流れとなりますが、この考え方によると、水道料金債権は「私法上の債権」であるにも関わらず、時効以外は強制執行の定めのない公法上の債権(それこそ公の施設の使用料など)と同じ扱いをすることになり、債務者にとっては時効利益以外で何ら最高裁判決の恩恵が受けられないわけで…若干、取扱に疑問が残らないわけではないですが。

なお、本市においては現状、上記のような立場をとらず、
行政処分=公法上の債権=法第231条の3による督促
契約行為=私法上の債権=令第171条による督促
という分けをしています…^^;

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市水道局職員 No.10165

C-cha さん

>自治法第236条第4項の規定により、公債権・私債権の別を問わず、それらの行為を行わ ずとも時効中断の効力を有するものである、とご理解いただければ幸いです。

すると水道料金は単なる催告でも時効の中断できるのでしょうか?
それとも最初の1回目の請求行為(たいていは督促状を発布)のみが自治法第236条第4項の規定する督促に該当し、これのみが時効の中断の効力を有し、以後の請求を行っても、「この後6ヶ月以内に民法第153条に規定する裁判上の請求等を行わない限り時効中断の効力を有しない。」と理解すればよろしいのでしょうか。




Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市水道局職員 No.10167

白秋 さま

>となると、裁判手続等の煩雑さを避けるためには、時効完成間際に最初の督促(キラー 督促!)を行った方が自治体として合理的な行動ということになりませんか。

 時効に重点をおけば、たしかに時効完成間際に最初の督促をおこなえば自治体としては合理的です。しかし、それを遅らせれば自治体への収入が遅れ、資金繰りがつかなくなります。また納期を大幅に経過した後に滞納者へ催告すれば,「何を今頃になって督促するのだ。」などと自治体の揚げ足を取られ、トラブルの元になると思われます。ですから納期限から社会通念上の日が経過すれば督促状を発布するもと地方自治法等は想定していると私は考えます。たとえば1年を経過して督促するなんて社会通念上想定できません。
そもそも自治体は収入金が納期に収入される前提で予算が組んであります。ですから納期に収入がないと資金不足に陥り事業を執行できなる恐れがあります。この点からして納入通知をしてから督促までの期間が短くてもおかしくはないと思います。
 また法律上、督促などの行政行為は1度行うことを前提としているのではないでしょうか。ですから督促しても未納なら、次は差押さえするか滞納処分の執行を停止するか徴収の猶予するのかの段階に進まねばならないのではないでしょうか。もう1度督促することは禁じではいませんので可能だとおもいますが,法律に基づかないので時効中断等の法的効力はないと思います。もしすべての請求行為が時効中断の効力があるとするなら,納入の告知を再度行うことは禁じていないので,時効完成間際にもう一度納入の告知をして,これに時効中断の効力をもたすことも可能となるのではないでしょうか。 
 法律に基づく請求行為である督促を督促状,法律に基づかない請求行為を催告書と言うように区別していると考えます。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

某市水道局職員 No.10168

屁理屈かも知れませんが,

督促しなければならない。
 ↓
督促した。(これで法律が求めている義務を履行した。よって差押が可能で時効も中断する)
 ↓
再度督促した。(法律は求めてはいないので,当然、時効中断の法的効力もない。)

たとえば,
自治法,地方税法よる督促ではないとただし書きをして督促。(法律が求めている督促ではないので,当然差押執行や時効中断等の法的効力もない。)
 ↓
督促をした。(ただし書きがないので法律が求めている督促なので,差押が可能で時効も中断する)



Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効

白秋 No.10170

>某市水道局職員さま
議論に水を差すような返信にコメントいただき恐縮です。
私の関心は専ら、地方自治法の規定に多く見られるところですが、常識的な文言解釈からは導き出されないところの条文の解釈が、行政実例とやらで行われている点でした。しかも、一切説明なし!
このような慣行(?)は、この業界に入って一番興味深いことでした。訴訟とかの事例が少なく、かつ、既成事実が重なって影響が多いことから国側で見直しとかの意欲が乏しく、また、学問的意義も少なく(もっとも、行政過程論として政治学的にはおもしろいような気もしますが)学者も論じない。
地方六団体には、大上段の制度改革の意見具申に限らず、自治法の細部の見直しについても目を配ってもらいたいところです。大向こう受けは期待できないでしょうが。

なお、今回の論点について言えば、行政実例が、督促によって何回でも絶対的に時効中断できるとすると、自治体は未来永劫不良債権を抱え続けなければならないという不都合の回避になっているところがちょっとなあ…という感が強いです。