過去ログ [ 117 ] HTML版

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指定管理者の行う事業について

何となく No.12999

 皆様
 以下の点についてご教示ください。

 ある公の施設の指定管理者が、その公の施設において次の事業等を行う場合、それから得られる収益をその指定管理者に帰属させるための方法(ただし、指定管理者が目的外使用許可を得る方法を除く。)について、及び、公の施設の設置条例に規定すべきことについて。
(1)自動販売機の設置
(2)カフェ・レストラン
(3)お土産販売

 一言で言うと、公の施設内で行う事業等に係る収益について、いわゆる「利用料金」として条例で定められている料金以外の料金を指定管理者に帰属させることが、目的外使用許可以外の方法で、できるか否か。

 よろしくお願いします。

Re: 指定管理者の行う事業について

玄冬 No.13013

公の施設は行政財産ですあり、自治法に規定する一定の例外には該当しないでしょうから、目的外使用許可以外でその一部をストレートに使用させることは困難でしょう。
とすると、ストレートに使用するということではなく、自治体から委託された事務を行うために使用するという理屈をひねり出さなければならないでしょう。

たとえば、指定管理者の指定に伴う協定書で、自治体が、当該公の施設の機能を強化するために、「(1)自動販売機の設置 (2)カフェ・レストラン (3)お土産販売」を指定管理者が行うことを委託するとか。

自販機の設置ぐらいは社会通念上許容できるような気もしますが、後の2件は微妙でしょうか。では、その社会通念の内容すなわちそのメルクマールはというと、規模、収益額、当該公の施設の性格・規模・利用者数等を総合的に判断するという抽象的なことになってくるのでしょうね。

なお、限定されたスレのテーマからはずれますが、目的外使用許可によらないメリットと上記便法によった場合の“どこからかの突っ込めれリスク”の利益比較衡量の問題かなと思いました。

Re: 指定管理者の行う事業について

何となく No.13015

 玄冬様
 ご返答ありがとうございます。
 個人的には、例として挙げた3事業について、それが公の施設設置の目的に資するものであれば、指定管理者の自主事業として実施できると思います。
 自動販売機については、ご指摘のとおり、社会通念上、許容されるでしょう。
 また、カフェ・レストランについても、例えば食育関係の公の施設であれば許容されえますし、お土産販売についても、例えば郷土品展示施設であれば許容されえるのではと思います(許容される場合は、もはや目的外使用許可ではなくなります)。
 ただ、とても気になるのは、それらの自主事業から生じる収益は、団体側に帰属するのか、指定管理者側に帰属するのか、です。
 指定管理者側に帰属する収益は、自治法にいうところの「利用料金」ですが、利用料金は条例に規定しなければならないところ、カフェ・レストランやお土産販売についても条例で利用料金として規定する必要はあるのでしょうか。

Re: 指定管理者の行う事業について

わたぼうし No.13016

 過去ログ 6701 8715 での議論が多少参考になるかと思います。

 本市では、条例で指定管理者が実施しても良い業務として
 ●利用者の利便性向上に資する業務  という項を加えています。

 これに基づき、自販機などの設置は指定管理者の裁量に委ねています(自主事業としての届出及び許可は必要ですが、行政財産の使用許可は不要です。)。収益(損害を含む。)は、当然指定管理者のものです。
 カフェや郷土品は、無条件に良いとは言えませんが、特に問題がなければ認めることとなります。判断基準は、次ぎのようなものになると考えられます。
 ●施設の設置目的から逸脱していないこと
 ●一般の利用を妨げないこと
 ●利用者の利便性が向上すること
 ●民業を圧迫しないこと        など

 参考となったでしょうか。

Re: 指定管理者の行う事業について

何となく No.13018

 わたぼうし様
 ご返信ありがとうございます。
 判断基準、参考にさせていただきます。
 ところで、「収益(損害を含む。)は、当然指定管理者のもの」とありますが、当然とされている根拠についてご教示いただけませんでしょうか?
 「自主事業としての届出及び許可は必要ですが」とされている箇所の許可が公の施設の利用許可であり、つまり、指定管理者である法人自身が公の施設設置条例上の利用許可を得ているという考え方でしょうか?

Re: 指定管理者の行う事業について

わたぼうし No.13019

 根拠?

 「指定管理者が実施してもよい業務」  として条例に記述していますが、あくまでも、自主事業・・・つまりは、自販機、カフェ等の業務に関しては、民間事業という位置づけで、実施主体は指定管理者(民間事業者)です。

 民間の事業ですから、当然、それに伴う全責任(利益を含めて)は指定管理者のものと考えています。

 地方自治法から直接的に「自販機やカフェを設置して良い。」とする条文はないと思いますが、逆に、これらを直接的に禁止する条文もないと思います。
 指定管理者制度なるものが創設された意義をより積極的に捉え、社会通念に反しない範囲で利用者の利便性などが向上するのなら、実施可能と判断しています。

>つまり、指定管理者である法人自身が公の施設設置条例上の利用許可を得ているという考え方でしょうか?

 違います。
 利用許可などは一切しておりません。
 利用者の利便性が向上するような業務は、指定管理者が自由(届出をさせておいて自由と言うのは変ですが)に実施させているということです。

 公の施設ですから、指定管理者が何をやっても良いということではありませんが、指定管理者制度の創設目的の一つであるサービス水準の向上を達成するためには、指定管理者に管理運営に関する自由度を与える必要があると判断しました。
 あれも駄目、これも駄目では、どんな優良な指定管理者でもサービス水準を向上させることは不可能と思います。

Re: 指定管理者の行う事業について

tihoujiti No.13021

 難しい問題と思います。
 『職員研修』の臨時増刊号である『指定管理者再選定のポイント』が参考になると思います。
 これについては「http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20081106#p3」で触れましたので、よろしければご参照ください。

Re: 指定管理者の行う事業について

G No.13026

実は私もだいぶ、>わたぼうしさまに感化されておりますです。

でも、いわゆる教科書的な理解からは「命がけの飛躍」をされていることは、わたぼうしさまはご自覚されているでしょうが、ほかのみなさまには、ご留意ください(いらぬおせっかいだよなあ)

事務室のなかで、指定管理者がその業務の遂行のためにコピー機をおいていることは、目的外利用にあたるか? 会館にそのコピー機しかないとして、利用者が「コピーのために外のコンビニにいくのはたいへんだから使わせよ」といって10円おいていったケースをどう考えるか(電話でも同様)? あるいは、指定管理者自身も「公の施設」を利用できますから、公の施設を利用して自主事業として有料の講座等を行うことをどう考えるか?

利用者の利便性向上のため、>>あれも駄目、これも駄目を、あれは駄目だけれどこれは良い、と変えていくことは、私は必要だと思います。それでも、指定管理者だからよいのではなく、直営であっても、「これは良い」と判断できるかどうかなのかなと、私は考えます。

Re: 指定管理者の行う事業について

玄冬 No.13029

このようなテーマを考えるとき、どうしても“どこからかの突っ込まれリスク”から考えてしまうくせがついています。

第一に、当該自治体の現在の状況の中で、そのような取扱いをして、現実に住民の誰かがおかしいと考え、かつ、法律上の制度を使って追求してくる可能性は高いか? どちらかというと邪道。

第二に、自治法上の住民訴訟が提起されたとき、自治体としてどのような説得力ある主張ができるか? こちらは正道。
次のような住民側の主張にどう反論するかですね。
1 行政財産を私人に使用させる手法として、自治法は一定の例外を除き、目的外使用許可しか許していない。
2 当該公の施設の事例で、指定管理者は、行政財産である公の施設の一部を使用して、管理を行うこととされた事務以外の自己の事務を行っている。
3 しかるに、指定管理者は、その使用について目的外使用許可を得ていない。
4 したがって、指定管理者の当該使用は使用権限のない使用で使用料相当額の不当利得を得ていることになるから、首長はそれを請求せよ。

使用していないとはまず言えないし、目的外使用許可を得た上でレストランを経営することは当然できるわけですから、社会通念の代表者である裁判官を納得させることのできる主張はけっこう難しいような気がしますよ。

ただ、公の施設を含めた自治法の制度設計自体がどうもなあ、という思いが強いので、エイ、ヤー! でやってもいいんじゃない? と思ってしまうところがありますという蛇足。

【追記】第一と第二の間のリスク、即ち、最終的に裁判所が自治体の主張を支持することになったとしても、訴訟を誘発するような運用を行うこと自体をリスクととらえて政策判断することも重要かもしれません。この掲示板がそのシミュレーションにもなっていますね。

Re: 指定管理者の行う事業について

玄冬 No.13034

何となくさまの(広い意味での)目下の関心事についても、日ごろから奇妙に感じていたので、別レスで。
これも住民訴訟の住民側主張ということにしたほうがわかりやすいかも。

1 レストラン部分は設計当初から公の施設の一部としてレストラン機能を発揮することを前提として設置されている。
2 したがって、レストランは自治体が設置する住民の利用に供する施設としてそれ自体公の施設であり、その料金は使用料となるから、その額(利用料金制度を採択する場合は、その料金の上限)は、条例で定める必要がある。
3 自治体は、レストランの設置は当該公の施設の設置目的を効果的に発揮するための付随的なものであり、その料金は公の施設の使用料とは言えないと主張するが、失当である。
4 なんとなれば、たとえばスポーツ施設である公の施設においてシャワー室の利用は使用料として構成することが自然であるところ、そのシャワー室の利用の対価は、当該公の施設の使用料と考えることが適当である。
5 レストランの場合はシャワー室以上に、当該公の施設の本来の利用者以外の住民が一般に利用する可能性が高く、自治法の公の施設制度の目的(差別的取扱いの禁止等)に照らし、厳格に考える必要がある。
6 したがって、首長は、条例で定めていれば設定されていたであろうレストランの料金と現実の料金の差額に相当する金額(法的論理の操作に長けた住民団体さんなので、一応もっともと考えざるを得ない合理的な差額まで自分で算定してしまう!)を、不当利得として指定管理者に請求せよ。

どのあたりから反論していくかを考えるのもおもしろいのですが、このような構図が想定されてしまう公の施設制度の設計そのものがバカらしく思えてくるのを禁じえません。

Re: 指定管理者の行う事業について

G No.13036

スレ主さまのご意向とずれてくることを承知で(来週は、おそらくカキコできないでしょうからご容赦)
>玄冬さま(23034)の例でいれば、
そもそもの1から、ズレが始まっていたのではないかと思料するようになりました。
公の施設の一角を利用者の利便性といって、売店なり飲食スペースなり自動販売機置き場にしたりしたときに、目的外利用ではなく、そのスペースそのものを「公の施設」からはずして「普通財産」なり「収益施設」にでもしたらよかったのではないかと(出入り口の設置や、壁で囲むなど明瞭に区分されている必要があります)。

一番最初は、空きスペース等を利用しても、目的外利用にふさわしく、いつでも撤去可能だったのでしょう。
それが、改築等の際に、はじめからそのような目的として使うことで設計され、水道やガス管、厨房施設などを用意したにもかからわず、レストランだと一般利用者も見込めるにもかかわらず、あえて当該公の施設の利用者の利便性ということを強調してしまった。そこから「強弁」しなければならない事態が始まっており、さらに指定管理者制度が輪をかけてしまったのではないか。

ハコ全体は公の施設であっても、事務スペースや清掃用具倉庫等は住民の利用を想定していないわけで、新たにつくる利用者の利便性増進スペースも、「公の施設」からはずせば、何でもできたのに。>>13026で、>わたぼうしさまに感化されている、と記したのはそんなことを考えるようになったからです。
もちろん、「強弁」は、起債や補助条件とのかかわりが理由だと思いますが、一般財源を若干増額すればよろしいわけで(ひょっとして、昭和の時代は、がちがちだったのかもしれませんが)。また、なにも自治体がレストランを経営することは禁止されていないわけですし(じっさいは、市有地や市の施設の一部でレストラン営業を認めその対価をちょうだいする)。

>>このような構図が想定されてしまう公の施設制度の設計そのものがバカらしく思えてくる
のではなく、公の施設の制度設計に、レストランなどを無理に入れ込もうとしたことが問題なのではないかと思えてきます。

Re: 指定管理者の行う事業について

玄冬 No.13037

Gさま

ほとんど同感です。明確に区分して、当該スペースを公の施設とは別個の普通財産にすればいいのではと考え、担当セクションに(無駄とは思いつつ?)アドバイスしたこともあります。
この業界に入って公の施設内レストランの位置づけ(目的外使用許可)を知り、そんなばかな! と最初考えたのですが、面倒くさいので思考停止したままでした。今回のスレのテーマはその意味で(確信的深読み?)とても刺激的です。

なお、似たような理屈で気になっているのが、住民もよく利用する庁舎内の職員食堂。これは福利厚生とかもからんでややこしい事態(目的外使用許可+福利厚生なる理由で使用料免除+運営主体が…)になっているようなので、思考停止継続と。

Re: 指定管理者の行う事業について

何となく No.13039

 皆様

 いろいろとご教示いただきありがとうございました。
 貴重な御意見、参考にさせていただきます。
 やはり最も怖いのは、住民訴訟であると考えております。
 したがって、事業ができるか否か、ということと、その事業から生じた収益がどちらに帰属するか、ということとは、別に考える必要があると思っております。
 
 本当にありがとうございました。

補正予算の審査順序

行政初心者 No.13023

はじめまして、いつも参考にさせていただいております。
さて、本日ご教示いただきたい事例は、補正予算の審査順序についてです。
具体的に申し上げますと、議会に上程すべく補正予算(第3号)の予算書を作成させていただきました。しかし、その後急きょ補正を組まなければならない事項が発生しまして、第4号補正として議会に上程することになりました。ただ、この補正予算第4号は支払期日があり、早急に議決を願わなければなりません。
通常、議案番号は議事整理上の便宜上つけられた整理番号でありますので、議案番号順に必ずしも審議しなければならないものではありません。ただ、補正予算の番号につきましては、補正予算第3号が議決しない中で、補正予算第4号を議決することができるのでしょうか?それともやはり、補正予算第3号を議決いただいたのちに補正予算第4号を議決する形をとるべきなのでしょうか?皆様、どうぞ教えてください。

Re: 補正予算の審査順序

G No.13025

議会事務局の実務書をひっぱってくることができないので、感覚的なレスです。
>>補正予算の番号につきましては、補正予算第3号が議決しない中で、補正予算第4号を議決することができるのでしょうか?
できないように思います。

そこで、
1、補正予算3号の修正案として、4号を議員にだしていただいて審議いただく。
2、補正予算3号を撤回し、4号とあわせて再度、補正予算案を上程し(この場合は、補正予算3号でいいですよね)、審議いただく。
支払期日の関係で、4号を先に議決する必要がどうしてもあるのでしたら、開会中に専決はだめでしょうから、3号の審議を急いでもらうのではなく、
3、補正予算3号を撤回し、4号を3号として先議し、再度補正予算4号として旧3号を上程し、審議いただく。

Re: 補正予算の審査順序

行政初心者 No.13030

ご回答ありがとうございます。参考にさせていただきます。

町有地に個人邸宅が建設されている場合の取扱い

悩み多き管財担当 No.12875

皆様のお知恵を拝借したいのです。

うちの町では、旧地域改善事業を進めていた関係で、区画事業を行っていたんですが、今回公有財産の調査を実施したところ、町有地に個人邸宅が建築されていて、固定資産税が非課税扱いとなっているものが数件判明しました。
担当課に確認したところ、「当時は事業を進めるのが最優先で、個人から土地の購入代金が入金される前に個人邸宅が建築されていた。」という回答が…
地域改善事業と言えば昭和50年代後半から60年代前半がピークで民法上の取得時効の20年を既に経過しています。
現在も担当課が土地購入代金を支払うよう交渉を重ねているらしいのですが、現時点で既にうちの町のものではなくなっている気がしてなりません。

現状は住んでいる人が所有権移転登記や訴訟を提起していないのでそのままですが、訴えられれば間違いなく敗訴→住民監査請求のコンボが確定してしまいそうです。

何かいいお知恵はありませんでしょうか?

正直、大昔の担当が放って置いたものの尻拭いをやらされているようで納得がいかない部分もありますが…
裁判上の請求や相手方の承認など、取得時効が中断する事由は発生していませんか?

もはや、任意の請求だけでは解決できない状況のようですね。

当市でも同様の事案があります。
当市の場合、土地の明け渡しをお願いしているのですが、相手方は、土地の所有権が当市にあることを承認した上で、明け渡しができない場合の損害賠償の額を定めた書面(契約書だったかどうかは忘れてしまいました。)を取り交わしており、毎年これを更新しています。
所有権の移転時期は、建前としては意思主義(民法176条)、現実には売買契約書に明記されることが多いわけですが、土地の売買契約書で所有権の移転時期についてはどうなっていますか? 念のため。いずれにしても所有権の取得時効(民法162条)は成立していそうなケースですが。
なお、代金支払債務は一般債権ですから10年時効。債務の承認等の時効の中断事由を立証できる書証等はありますか?

ちなみに、予算上は一切出てこない…?

【追記】悲観的な話題で恐縮ですが、個人責任を問われるとすれば、判例では一般的に当該事務の規程上の決裁権者、代々の管財担当の課長さんあたりになるのでしょうか。

【追々記】一般社会的には「代金不払→解除→建物収去土地明渡請求」なのでしょうが、ご提示のケース、仮に解除権が消滅していないという立場をとったとしても、相手方は時効取得を主張してくるわけですね。

Re: 町有地に個人邸宅が建設されている場合の取扱い

悩み多き管財担当 No.12920

DON様

取得時効が中断するような事由は今のところ見当たらないのが現状です。

うちの場合は既に自宅を建築済みという事もあり、土地代金を納めて貰って円満に登記できればそれでいいんですが、代金が徴収できないんですよね…

Re: 町有地に個人邸宅が建設されている場合の取扱い

悩み多き管財担当 No.12921

玄冬様

土地売買契約書には、代金が納入されたときに所有権移転をし登記するとあったようです(倉庫に契約書があるそうで今探してもらっています。)。
残念ながら中断事由を立証できる書証はないようです。口頭で代金を支払うように言っているそうですので。

決算書の財産に関する調書には面積は含まれていますが、総計のみとなっています。

個人責任は当時の町長や決裁権者になろうかと思いますが、どの人も既に故人だったりします...

一応、時効取得のことは伏せていますし、気付くこともないんでしょうが、不動産業者あたりが変に入れ知恵をしそうで困ってるんです。
所有権の取得時効の要件として「自己のためにする意思」(民法162条1項)が必要ですが、たとえば「民法(1)総則[第4版増補版]」(有斐閣双書268頁)で次のように解説されています。

占有者が他人の所有権の存在を認めながら物を支配する占有(他主占有)は、いくら継続しても所有権の取得時効を成立させない。

ご提示の契約内容であれば、占有の開始は他主占有とみられる可能性もあるでしょうから、弁護士さんに相談して“戦略”を練られてはいかがでしょうか。立証(or反証)テクニックの問題になるかもしれませんよ。
うちの場合も、建築物が建っています。
しかも、工場です。
市として総合的に勘案するならば、強制的に工場を除去できたとしても、雇用の場を失ってよいのか、産業振興の観点から工場をつぶしてよいのか、という難しい問題を抱えています。

Re: 町有地に個人邸宅が建設されている場合の取扱い

ダジャレイ夫人 No.12963

 売買契約が有効に成立したのであれば、町には土地の所有権はなく売買代金債権だけが残りますが、10年で消滅時効にかかります(167条1項)。相手方としては、取得時効よりも立証の容易な売買代金債権の消滅時効を先に主張するでしょう。

 また、債務不履行を理由とする解除権も債権と同じ期間(10年)で消滅時効にかかるとするのが判例です。ただ、いずれにせよ、取得時効の方は成立してしまっている可能性が高いですね。弁護士に相談してあらゆる手段を検討しても有利な展開が見込めないのであれば、売買代金債権の回収も土地の所有権も諦めざるを得ません。

 そうなった場合の職員の責任についてですが、地方自治法243条の2が適用されない職員であっても、違法行為等によって地方公共団体に損害が発生した場合は民法上の不法行為責任があるとする裁判例があります(大阪高判S48.7.16)。その場合に職員に故意または重過失が必要かどうかについては、下級審の判例は分かれています。もっとも、民法上の損害賠償請求権が発生しているとしても、20年で消滅します(民法724条)。これは中断のない除斥期間とするのが判例です(最判H1.12.21)。

 結局、売買契約からあまりに時間が経ちすぎているため、町は、売買代金債権を回収することも土地の所有権を主張することもできず、一方で職員の不法行為責任を追及することもできないという結論になりそうです。
>売買契約が有効に成立したのであれば、町には土地の所有権はなく売買代金債権だけが残ります

再説になりますが、現実の不動産の売買契約においては、所有権の移転時期について契約書に明記するのが一般かと思います。常識的には、不動産の引渡(or登記移転)と代金の支払は同時履行で行います(そしてその時点で所有権が移転すると記載する)から、このスレの事例のようなことは、一般社会的にはあまりないような気がしました。
なお、仮に契約締結段階で所有権が移転している場合には、そもそも所有権の時効取得は問題外でしょう(自己の物の時効取得も判例で認められているようですが、その実益がある特殊な場合だったかと思います)。

スレ主さんが現在お探し中の契約書に代金支払後に所有権を移転すると明記されていれば、時効取得は格別、契約上はいまだ自治体に所有権があると考えられるのでしょうね。

Re: 町有地に個人邸宅が建設されている場合の取扱い

ダジャレイ夫人 No.13014

 売買代金の支払いと引き換えに土地の引き渡しと移転登記を行うというのは、当事者双方が同時履行の抗弁権(民法533条)を有しているということです。つまり、当事者の一方が自己の債務を履行しないで相手方に債務の履行を請求してきた場合、相手方はこの権利に基づいて自己の債務の履行を拒否できるということです。

 同時履行の抗弁権を有するということと、売買代金債権が消滅時効にかかるということは別次元の話です。つまり、同時履行の抗弁権を有しているというだけでは権利を行使したことにはなりませんから、売買代金債権の消滅時効はそれにかかわらず進行します。したがって、町が売買代金の支払いを請求して訴訟を提起しても、相手方は消滅時効を援用して履行を拒否することができます。

 逆に、相手方が町に対して移転登記を請求してきたときに、町がこの抗弁を主張して移転登記を拒否できるかどうかが問題となります。「抗弁権自体は消滅時効にかからない。」といういわゆる「抗弁権の永久性」を主張する見解も学説では有力ですが、これを認めた判例はまだありません。判例が見あたらないのは、権利者が長期間権利を行使しないで放置しているということは、もう権利を行使する気がない場合が殆どなので、紛争にはなりにくいからだろうと思われます。

 また、土地の引き渡しが済んでしまっているのも町としてははなはだ不利な状況だと思います。引き渡す前ならまだお互いに債務を履行していないとして、同時履行の抗弁権を主張できるかもしれませんが、引き渡しが済んでいるということは町が自己の債務の一部を履行したことになります。引き渡しには応じながら移転登記には協力しない、などというのは明らかに矛盾した態度であり、一般には容認されないでしょう。すなわち、引き渡しをした時点で同時履行の抗弁権を放棄したと解釈されると思います。

 それから取得時効の主張はいわば最後の手段ですが、判例も他に立証手段がない場合に自己物の時効取得を認めています。本件でも債権の消滅時効や売買を原因とする所有権の移転の主張が認められなかった場合、「奥の手」として相手方が主張してくる可能性があります。「長期間継続した事実状態を尊重する」「権利の上に眠る者は保護しない」というのが時効制度の趣旨ですし、他の立証手段が乏しい場合の救済手段との位置づけもありますから、十分成り立つ主張でしょう。

 さらに上記の主張が認められないとしても、相手方は、「売買代金の支払いを受けずに土地を引き渡して何十年も経ってから、売買代金の支払い未了を理由に移転登記を拒否するのは権利の濫用だ(民法1条3項)。」と主張してくるかもしれません。実際、町が、売買代金の支払いを求めて民事訴訟を提起するなどの手段を長期間にわたって採ってこなかったことからすると、平穏に暮らしてきた相手方の生活を根底から覆すような権利の主張は認められない可能性が高いと思います。

 いずれにしても、長期間継続した事実状態を覆すのはかなり難しいと思います。
取得時効を考える前提として、所有権の移転時期についての一般的な考え方を書いておきます。念のため。
民法176条を額面どおり受け取ると契約締結時に所有権が移転してしまい、不動産についての日本の制度だと社会通念に反してしまうと研究者は考え、当事者の意思の推測として、代金支払、引渡し、あるいは登記移転などを所有権移転の意思のメルクマールとして提示してきました。
そのような議論に冷や水をかけたのがS教授の有名ななし崩し的所有権移転論。通常の契約では所有権の移転時期は契約書に明記するし、その他の場合でも他の原則の適用により所有権の移転時期を確定する必要性はないと。結局、不動産の所有権の移転時期を確定する実益はないけれど、どうしても確定しなければならないとすれば、契約締結、代金支払、引渡し、登記移転等を通じてなし崩し的に移転するという結論で、説得力を感じました。

原則は、“他人の物”を取得時効することになりますから、現在の所有権の帰属をていねいに考えていくことが必要になります。

補助金の交付決定日について

さくら No.13012

 基本的な質問で、大変申し訳ありません。
 補助事業の告示について、掲示板告示を3月2日に予定しています。これから申請作業等が始まるところですが、補助金の交付申請または、交付決定について、

 @ 告示が始まったら、直ぐに申請書を受け付けて、決定するのか?
 A 告示期間が終了後に申請書を受け付け、決定するのか?

 どちらの対応となるのか、ご教示願います。
  

Re: 補助金の交付決定日について

ムギ No.13024

さくら様
 
 当該補助事業の告示が発動する日(施行日)からだと思います。

 例えば、3月2日の公示日において、その告示に「公示の日から施行する。」
とあれば、同日から効力が発生するものと思います。
 具体的な日をもって施行日とすれば、当該日から告示が発動(施行)され
る日だと思います。

 施行日以後が申請等の運用の始まりだと思います。
 
当市は,広域合併しエリアが広く,支所まで数10kのところもあります。郵送申請においては本人確認書類のコピーが必要と理解していますが,簡易書留で郵送した場合,世帯主または家族が受領すると思われます。口座が世帯主名義である場合に限り,本人確認書類を省略することはできないでしょうか。近くにコンビニもなくコピーを付けることが高齢者にとっては相当負担になると思われます。かといって窓口に申請書を持参することができるかといえば、それもできない世帯は相当いると思います。
 門様
 当方も当初同じように考えて行おうとしましたが、口座に係る確認をする必要があり口座の写しをとるのであれば本人確認も写しで行うことで対応しようと思っています。
 国の通知の方も本人確認の方法と書類を重要視しているみたいですし。
 でも、これでは郵送ではなく高齢者の多くは、役場に来ることになると考え1箇月は支所ごとに窓口でも受付することで考えています。
 口座が間違っていたら電話で確かめたいのですがそれも難しいですので・・・。
 

Re: 定額給付金郵送申請時の本人確認書類の省略について

片田舎の財政担当 No.12787

今日付けでQ&Aその4の中に申請書の様式が示されていましたね。

本人確認書類の省略をした場合、実際の事務上どうやって本人確認をしたかどうかの判断が付きかねる部分が生じませんかね?
確かに簡易書留は本人に届きますが、紛失する場合も考えられますし。

郵便事業会社さんが国民健康保険証の発送時期にこれ以上の簡易書留は無理ですとおっしゃってましたが、その辺はクリアになってるんでしょうか?

うちでは各自治区の集会所に出向いて受付を実施する予定です。
面倒くさいですが、給付するなら全員に行き渡って欲しいですしね。
 門様
 申請書(請求書)には押印をさせることが必要と思われますが、これも本人確認の一端を担うと思いますがいかがでしょうか。
 
私も同じ意見です。簡易書留で申請書を送った場合は、明らかに当該世帯に届きます。
さらに、署名押印がしてあれば、本人が承諾したものとみなせると思います。
残りの問題は、預金通帳等のコピーをどうするかです。
当方では普通郵便で送付する予定ですが本人確認の方法については
悩んでいます。当初は簡易書留を考えていたのですが、昼間留守の
世帯では申請書を受取りにくいのではないかと考え直しました。

選挙の際の入場券についても普通郵便で郵送しており、しかも投票所
で本人確認をしていないことを考えると、個人的には普通郵便で送付
した申請書に押印して提出されれば本人確認は必要無いことにしてし
まいたいと考えています。

問題は、国が要綱の中で「公的身分証明書等により、十分な本人確認
を行った上で」としていることです。これをどう考えるかによって
対応が違ってくると思います。

申請書に、性別の記載欄は必要なのでしょうか?

個人情報保護の観点から、必要がなければ記載欄は設けないことも考えたいのですが。

例えば、運転免許証に性別は記載されていないのですが・・・。



各自治区の集会所に出向いて受付を実施する予定です。とありますが、各自治区の集会所に出向いて受付を実施することは、国が認めているのでしょうか。また、本人確認について、預貯金通帳のコピーする方法、本人確認についてはどのように考えているのでしょうか。コピー機を各集会所に持ち込むのでしょうか。大変なコピー機の数になってくると思いますが、どのように考えているのでしょうか。よろしくご教授お願いします。
  田舎もの2様
 当町は、デジカメ、ビデオ、スキャナー、携帯電話等で対応することも考えています。
 この中でビデオが音声も入るから良いかもしれませんね。いずれにしてもパソコンで、すぐ読み込み印刷等することが肝要ですね。
我が町でも移動受付窓口につきましては、本人からの同意をもらった上でデジカメによる撮影記録とした
↑中途半端での書き込みすみません。パス打ち込む前に誤って掲載してしまいました。

我が町でもデジカメを考えています。
ただ、水道料金の引き落とし等の口座指定の方について通帳コピーが不要であれば、身分証明証のコピーも不要としたいところですね。
そうすればこのような山間部への移動窓口も不要になると思われますし・・

Re: 定額給付金郵送申請時の本人確認書類の省略について

北島康介のつぶやき No.12858

みなさん、デジカメで対応のようですね。はまなすさんの言われる様に水道料金の引き落とし等の口座指定の方については通帳のコピーを不要にしたいですね。集会所など決められた場所に通帳を持参してくる際にあってはならないことだけど、紛失や盗難の可能性もないとは言えないし。世帯主の本人確認のために、世帯主の通帳であるかどうかの確認のために、本当にデジカメでとる必要があるのでしょうか。飯舘村のように村職員が夜間や日曜日など住民が集まりやすい日時に村内20カ所の集会所まで出向き、行政区長や民生委員立ち会いの下、現金を手渡す。体が不自由で集会所に来られない人には、村職員が訪問して支給することを検討する。などの方針で言っているようですが。国の方針だから仕方がないと思うかもしれませんが、現実問題としては世帯主本人に給付金が渡ればよいということなのでしょ。開き直れば、本人の写真をとって、通帳口座のコピーも取得して、その一連の書類は膨大になりますよね。区あたりでは大きな金庫を何台も購入して、後々の会計検査等に備えろといっているのでしょうかね。すべて個人情報の取得ですよね。プライバシーの保護がしきりに言われている中で、あえて、そこまでしなくてはいけないのでしょうかね。しきりに定額給付金による詐欺に注意とマスコミや広報などでうたわれていますが、個人情報の取得により悪用されたら大変なことになりますよね。公金詐欺とか。マスコミの付け込みどころですよね。
 あえていうのは、国の監査等で、世帯主本人の確認と世帯主口座の確認をどうして行ったかと聞かれれば、これまで書いているように行ったと言えますが、何年か後に世帯主本人と世帯主に振り込まれた通帳の内容まで厳密に言えば調べられるのでしょうかね。ちょっと行き過ぎのような感じが。スムーズに世帯主本人に渡る手段が一番良いと思われますが。言い過ぎになるかもしれませんが、市町村事務にしてしまって、国は市町村事務が適正に行われたかどうかの監査なんてたまったものではありませんよね。
本町では(原則として)
●本人確認書類
●口座番号等が確認できる通帳等の写し
共に申請書に添えて出していただくよう求めるつもりです。

当初に1回だけ通知を出して、それで案内が終わるとは思ってませんし、
その後、1ヶ月〜2ヶ月程度は、そのまま待ってみようかな…と。
それ以外の特例や、窓口申請、現地に出向いて…等は、
特異なケースとして、事務を開始してから考えても遅くないと思っています。

大至急出しなさい!!だと厳しいかもしれませんが、
期間的に余裕を持てば(1、2ヶ月郵便申請期間をつくれば)、
コピーを取っていただける機会もあるかもしれませんし。

それで全体の何%が減るか(逆に何%残るか)で
問題毎にすべきかどうか検討してもいいのかな…と。

ただ、↑で原則として…と付したのは、

国の趣旨は(県の説明会でも)
支払い間違いを防止するため(正しく支払うため)に
書類を求める…と私は当初から聞いているつもりです。
それがないと交付決定してはならない…とするかどうかも
市区町村次第なのでは?と思ったりします。

「本人確認書類」は
成り済まし等で詐取しようとする人への支払いや
職員が誤って2重に支払いをしないための防止(アリバイ)。

「通帳写し等」は
振込誤りを防止するため(件数をゼロにするため)の対策

…かと思います。

極論ですが、本人確認書類なしで払っても、
間違いがあった場合「どうして本人確認をしなかった」等
追及されても理由がたつかどうか…という問題ですから、
逆に間違いがあるような確認手続きでは本人確認をした…
…とは言えないと言われるかもしれません。

通帳等のうつしも、水道料金等の口座を指定する等、
同等の確からしさが得られれば省いて事務に差し支えなければ
問題ないのでは?

…と感じています。

「間違えずに全ての申請・受給者に給付対象者分の全額を支払う」

…その確からしさを得られる方法であれば
誰にも文句は言われないのでは?と思います。

ただ、こちらが送った申請書類を受け取ったという事実と
提出された申請書が本人が出したものかどうか…については
視点が異なると思います。

申請書を他人が偽装できないような複写防止の用紙をつかって
その用紙を持っていること自体が本人の証…というような
原本性(オリジナリティ)を申請書に備えない限り
申請行為が本人が行ったとは言えないのでは?と感じますので
生意気なようですが、書留等で郵便を発送すれば
本人確認が行えるというのは論点に相違あり…かと。

もちろん、世帯数の少ない町の田舎者のたわごとですが。

Re: 定額給付金郵送申請時の本人確認書類の省略について

片田舎の財政担当 No.12874

田舎もの2様

私に対する質問としてお答えすると、自治事務である以上、国が認めているかどうかは必要ないと思います。
各自治会の集会所には事前にコピー機を所有しているかどうかを確認しましたが、すべて所有されているとのことでしたので、会場借上料とコピー機の借上料を含めた予算を積算しております。

Re: 定額給付金郵送申請時の本人確認書類の省略について

片田舎の財政担当 No.12877

ちょっと論点がずれてきているようですので修正を。

本人確認の件についてなんですが、申請書に世帯情報を全て印刷する予定なんでしょうか?
仮に、白紙の状態(様式のみ)で送付するのであれば本人が受け取ったといってもその時点での給付金の請求権は生じませんよね?
自治体に申請した段階で請求権が生じる訳ですから、その段階で本人確認をしないのはどうかと。法律上押印よりも自署が優先されるわけですから、押印で本人確認と言い切るのは危険だと思います。

また、世帯情報を印字していたとして、仮定の話ですが、申請者が申請書を紛失してしまってそれを自治体に連絡する前に拾った人が世帯情報をみて世帯主の名前を自署して提出される恐れがありますよね。しかも窓口支給を希望された場合は全くこちらがわからない状態で支払ってしまうことも考えられます。
これはレアケースですし、支給決定通知を本人に送ればこういうことはないとは思いますが。

簡便な方法を取ったことで、後々住民監査請求等々の面倒な事務が増えないようにするためにも本人確認は必要かと個人的には思います。

乱文ですが平にご容赦を。
国等の話として、郵便申請及び窓口申請の両方とも、本人確認書類と金融機関のコピー
が必要とのことでした。家の近くにコピーがない場合は?との問いに対し、役場に行けば
コピーしてくれるでしょう。そして、コピー機のリース料は、経費として認めているのだから、
とのことでした。どっちにしても、本人確認書類等のコピーが必要であるので、普通郵便
で出しても何ら問題は生じないですね。
新年度は、全国の役場に多くの人が来庁するでしょう。 
定額給付金の支給における本人の確認の程度について弁護士からの意見です。
参考までに
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/58709773.html
 いくら自治事務といっても国の伝家の宝刀「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の第3条第2項に関係者の責務として次のように謳われています。
 補助事業者等及び間接補助事業者等は、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的又は間接補助納金等の交付若しくは融通の目的に従つて誠実に補助事業等又は間接補助事業等を行うように努めなければならない。
 結局、国の指示する範囲や確認の方法の中で、最大限役場の職員は、努力しなければならないのかと思います。くやしいけれど

 私どもが属する都道府県の担当者より、『総務省より、本人確認書類及び通帳のコピーは必須(ただし、通帳のコピーは、指定口座を税や水道料金の引落口座にする場合は必要なし)との回答』があったとの連絡がありました。

 コピー必須となると、私どもの団体では、コピーをする場所が全くない地域もあり、その場所などで市民からの問い合わせが続出することが予想され、郵送方式原則に考えていた方針の見直しを迫られそうです。各地域の公民館などで出張窓口を設け、その窓口でコピーすることも考えなければならないですね…

Re: 定額給付金郵送申請時の本人確認書類の省略について

片田舎の財政担当 No.12943

ロートル様

確かに適正化法は当然持ち出してくるでしょう。ですが、うちの地域住民に確実に行き渡るよう便宜を図ることが何が駄目なんでしょうかってことですよ。
全国民に行き渡らせることが今回の定額給付金の目的ですから、誠実に履行するために出先での受付をやるわけですから。

出先機関での受付が駄目だというQ&Aが出ていない以上は、やっても構わないと思いますけどね。
市役所や出張所などで、本人確認書類のコピーをとる場合には、コピー代は申請者からいただくべきなのでしょうか。
 私どもの団体でも、コピー代の件が問題となりましたが、住民への便宜全般に費用を徴収するということとなると、今回の定額給付金事業においては、申請書を役所に返信する費用についても負担していただかなくてはならないのではないかと…
 国も申請書を返信する際の郵送料を補助対象としているのであれば、コピー代についても無料で問題ないのではないかという結論になりました。

 『郵送で送られている方についてはコピー費用を負担していただき、窓口に申請したいただいた方にはコピー費用を負担させないのは、均衡がとれないのでは』との指摘も受けましたが、そもそも窓口申請の方は郵送費用がかからないのであるから、不均衡とまで言えないのではないかと考えています。
>そもそも窓口申請の方は郵送費用がかからないのであるから、不均衡とまで言えないのではないか
「「相談」に来られてコピーをとったが家族と相談すると言って持ち帰る」とかのパターンが想定されて悩ましいところですが、その辺は検討されました?
> 猫様

 >「「相談」に来られてコピーをとったが家族と相談すると言って持ち帰る」とかのパ ターンが想定されて悩ましいところですが、その辺は検討されました?

 すみません。その点は検討しておりません。確かにおっしゃるとおりですね。
 ただ、基本的に今回の事業では極力申請者に費用負担をさせないことが望ましいのではないかと考えています。なぜなら、費用負担させることによって、そのことが振り込め詐欺などの温床となるのではと考えるからです。【費用負担しなければ、定額給付金が給付されないとイメージされる意味で…】

 いろいろ悩ましい問題がありますね。今後もこのフォーラムを頼りにしていますので、よろしくお願いします。
皆様お疲れ様です。 考えれば考えるほど穴に落ちてゆくような気がしています。いろいろご教授いただければ幸いです。
本日の定額給付金に係る衛星放送における総務省の説明では、口座のコピーは、銀行協会からの要請によるものであり、郵送でも窓口申請でも、必要になってくるというものです。
申請者が書いた口座情報に間違いがあった場合、給付金は、組戻されてしまい、その数が膨大になることが予想されるので、通帳等の写しを求めるとのことでした。
もはや、例外は認められないようです。
各地区の集会施設で申請を受けるのであれば、コピーができるインクジェットプリンター
をリースするなどして、すべての施設において、コピーができる体制をとればよいと思います。この分は、国が経費としてみてくれるはずです。(目安額上限の範囲内で)

指定管理における利用料金制度について

男塾 No.13020

どなたか教えていただけませんか?

質問「条例おいて、市が利用する場合無料と利用料金を定めていいのか?」

 本市では、指定管理制度を導入し、既にいくつかの施設で管理運営が始ま
っております。
 今回は市が利用する場合の施設利用料の考え方について悩んでおります。
具体的には、指定管理者が定める利用料は、市が条例で規定する範囲内とあ
りますが、そもそも条例で「市が利用する場合は無料」と規定した場合、指
定管理者の裁量の権限が失われてしまい、利用料金制をとる意義がどこにあ
るのかと感じてしまいます。

使用料の場合は「市が利用する場合無料」と規定していますが、これも本来
は行政が行政目的で公の施設を使用するのに減免はおかしいと感じています。

よろしくお願いします。

 本市では3月議会にでオンライン化条例を提案する予定ですが、その議案の附則で、行政手続条例の一部改正をします。その改正は準則どおりですが(行手法8条と35条部分)改正理由がはっきりわかりません。他の箇所にも「書類」の規定があるのに改正はしません。どなたか理由を教えてください。よろしくお願いします。
いろいろと調べましたが、どうしてもわからないのでご教示願います。税務当局においてマイナスが発生した所得がある場合、介護保険料の算定ではゼロと見做すとありますが、その根拠はどこにあるのでしょうか?よろしくお願いします。
介護保険料は、本人や世帯の市町村民税課税状況、公的年金等収入額、合計所得金額
などのデ−タを基準に算定するはずなので、ゼロとみなすこということは初めて聞く
のですが?
「合計所得金額が0を下回る場合は0とする」規定は、介護保険法施行令第22条の2第7項に規定しています。これは、高額介護サービス費、負担限度額、保険料の算定にも適用されます。
(要)介護者さんへ
 自分が投稿したわけではないのですが勉強になりました。 
(要)介護者さん、初投稿者さんもご返答いただきありがとうございました。
高額介護サービス費、負担限度額に関する条項は、基本的に保険料算定に関する条項と異なるものと思い込んでおりました。大変勉強になりました。
過去ログ 12884のスレッドに続いてです。
12884ではさっそく御回答をいただき,ありがとうございました。

本件は重度障害者が債務者であるので、対象者によっては生活困窮のために返納できない事例も存在する点が、障害福祉行政における返還金徴収の難しい面です。少額ずつの分納を認めて返還を求めていくなどの方法も検討していきます。

12884でいただいた御回答の中で、「督促せずに時効を迎えた場合は、まず、「怠る事実」として監査の指摘を受けるでしょう」と御教授いただきましたが、最初の督促については既に行なっている場合は、2回目以降の督促(催告)を1年度について行なわなかった年度があったとしても、その後に毎年度の催告を再開した場合、「怠る事実」とまでは指摘されないと考えても良いでしょうか。例えば、消滅時効までの5年間において、3年度目においては催告をしなかったが、それ以外の年度では催告を毎年度行なっていたような場合です(当然、消滅時効までに毎年度漏れなく行なうことが望ましいとは思いますが)。また、最初の督促を行なっていない場合でも、5年後に消滅時効が成立するまでに早急に督促を行なった場合は、こちらも「怠る事実」とまでは見なされないと考えられますでしょうか。
督促,催告は定型的に行うべきであることは行政として当然の責務です。
ここで注意していただきたいのは,督促と催告の法的効果の違いです。
督促は督促のみで時効中断しますが,催告は6月以内に法的措置を取らなければ中断しません。
また,督促は1回限り時効の中断が認められています。
では,債権の時効間際に督促をして時効中断が認められるかというと,通常,「督促は納期限後15日以内に発しなければならない」とされていても,これは訓示規定と解されており,時効は中断します。
ただし,判例はありませんが,時効間際に督促を発すると時効期間がほぼ倍近くのびることになり,権利濫用との謗りを受けるやもしれません。
いずれにせよ,督促は規定どおり,また,発していなければ後の回収手続も考えて早めに出しておかれる方がよろしいかと思います。
督促を早めに出されるのであれば「怠る事実」と評価されることもないでしょう。
督促を出していなければ,いつまでに出すかは程度というしかありません。
御回答ありがとうございます。
督促及び催告を行なっていない債権については早急に行ない,むやみに消滅時効を成立させてしまうことのないように対処したいと思います。
大変参考になりました。ありがとうございました。
督促や催告の性格については,あおさんのおっしゃるとおりだと思います。
自治法等の規定により督促行為については義務づけられておりますので,この点がなければ滞納整理業務を怠ったとの誹りをうけることになるのはもちろんなのですが,では督促行為を行ったことによって即滞納整理業務を怠っていないということになるものではありません。
基本的な債権管理の流れでいうと,@滞納が発生したら速やかに督促を行う,A督促後納付されない場合は,公債権にあっては滞納処分,私債権にあっては強制執行等の手続きをとる,といった事が義務づけられており,こうした滞納整理業務を行っていた場合には怠る事実に該当しないと考えられるということになるものと思います。
こうしたことを考えると,恐らくどこの自治体においても,自治法なり税法なりに規定される「しなければならない」業務を完全に行っている自治体はないものと思われます。(人的な問題等でそんなことはできるわけもありませんが・・・)
 また,てあてさんの質問では生活困窮等で支払の困難な者に対して少額分納を認めることとの記載がありますが,これについては,生活困窮で支払えないことが明らかなものに対しては,税法であれ自治法であれ救済措置が規定されており,そのものの生活状況,収入等々を調査のうえ,必要な措置をとることが法的には求められております。
 極端な話,どう考えても払える見込みのない者に履行不能な分納措置をとるということは,単に滞納事案の増大を招くだけであり,自治体にとっても滞納者にとっても全くよい面がないことと思います。(片や滞納が増大し,片や支払えない謝金が増大する・・・)
 てあてさんの事例については,督促等を行ってこなかった事例がありその点について責任を追及されることを恐れての質問と思いますが,それらについて早急に督促を行うのはもちろんですが,一度自治法なり各種解説等を読んでみて基本的な債権管理の流れをつかんで,抱えている滞納者の状況の調査,分類を行い,現状の事務執行体制の中でどういった対応が可能か検討していくことが必要ではないかと思います。

たっくさんのおっしゃること全く同感です。
基本的な債権管理の流れを理解していないことから生じる誤解と思います。
例えば,地方自治法施行令171条から171条の7までの条文もご覧いただき,ご自身の自治体の条例,規則(財務会計規則も含めて)をご確認いただきたいと思います。
ただ気になるのは、手続の一過程でしかない督促or催告懈怠は「怠る事実」と評価され、本質的な強制徴収の懈怠が「怠る事実」と評価されることはないだろうという自分自身も含めた一般的(?)認識ですね。期待可能性の問題なのでしょうか。
玄冬様
12968のレスをみて考えてみたのですが,督促には以下のような効能があるところであります。
1 時効の中断効(全債権) 自治法236
2 延滞金,督促手数料の徴収が可能となる(市税等を強制執行可能な公債権を除いた公法上の債権) 自治法231の3第1項
3 滞納処分が可能となる(公債権) 地方税法等
4 強制執行が可能となる(公債権以外の債権) 自治法施行令171条の2

言ってみれば,督促をしない限り,滞納整理業務についてはほとんどなにもできないこととなります。

反面,督促だけしてれば良いと言うことではないですが,かといって全ての滞納者に対して,滞納処分や強制執行等を行うことは人的にも不可能と言うのが現実で・・・

まあ,手が回らなくて滞納処分ができないということに比べて,督促を行わないということは,延滞金もとれなければ,滞納処分も法的手続きもできなくなるということで,滞納整理全般を行わないと自治体が宣言しているようなもので,より罪が重いという気がしてきました・・・
あお 様
玄冬 様
たっく 様

多くの御回答をいただきました。ありがとうございました。

督促及び催告については,これらの責任について懸念しておりました。12988で御教授いただいたように,督促及び催告については,その有無が全ての滞納整理業務の前提になっており,この処理をしていないのでは,行政の責任を果たしていないとして追及されかねないと思いました。御回答を参考にさせていただき,怠る義務として追及されないよう適切な処理を図りたいと思います。
しかし,督促の次の段階の手続については,このような業務を完全に行なっている自治体はないと12961でたっく様に御指摘いただいたように,債務者の経済状態等,個別の実態に応じた滞納整理業務については,まだまだ改善の余地がある自治体も多いのでしょうね。
参考にさせていただき,これらの重要性についての認識を新たにしたいと思います。

分納については,とにかく時効の延長を図るだけの目的で少額による分納を進めていくというのでは,本末転倒だと思います。責任を免れるだけが目的では,本来の返還金債務の問題解決になりませんので。私も,あくまでより確実な徴収を図るために行なうものだと理解しています。

債権管理の流れについては,今回の御指摘を機に,関連法規等を再度確認して正確な理解をするよう努めておきたいと思います。何度も丁寧に御教授くださいまして,ありがとうございました。

企業管理規程の委任について

まこと No.12954

日々勉強させていただいております。

早速質問です。

公営企業の企業管理規程なんですが、
企業管理規程の条文の中に「管理者が別に定める」といった表現を使った規定があります。
その際に別に定める規定は、管理規程が良いのか要綱(発令形式は告示)が良いのか、どちらが良いのでしょうか?

具体的にみれば、別に定める規定は10条程度あります。
なぜ別に定めるかといえば、あまりに事細かに大元の管理規程に書いてしまうと、全体が肥大化してしまうからなんです。敢えて、別に定めるとしているのです。

いろんな公営企業の例規集などをみても対応は様々です。
参考資料なども含めて、アドバイス頂けたらと思います。
よろしくお願いします。

Re: 企業管理規程の委任について

さろもん No.12994

論理的には「別に定める」とするからには、管理者の権限
をもって定めるものについて形式を問わず包含している表
現となるのではないでしょうか。

ただ、1つの管理規程で定められるものを2つの管理規程
に分けて定めることは、特段の理由がなければわかりづら
くなるものでしょうから、管理規程以外の形式によって定
めるのが通常の考え方になるように思います。

ちなみに、私は先輩から企業管理規程で定められるものは
すべて盛り込むべき(なのに条例の真似をして別に定める
を多用しすぎっ!)…と教わり(愚痴られ?)ました。(笑)

公共ますの設置について

山城守 No.12913

 下水道事業の公共ますの設置について伺います。
 当自治体では、公共ますの設置において、第1段階として、受益者に対し、設置するかしないかの同意書の提出を求めています。(同意書については、条例、規則などで定めたものでなく任意)
 次に同意していただけた方に対して、さらに公共ますの設置の申請書を提出していただいてはじめて公共ますを設置し、受益者負担金を賦課しています。

 第1段階において、不同意の方に対しては公共ますを設置せず、受益者負担金も賦課していません。

 ここで質問ですが、
@下水道区域内において、下水道の受益をうけることができるのにもかかわらず、公共ますの設置に同意しないからといって、自治体が公共ますを設置しないことは合法か?
またその際に、受益者負担金を賦課しないのは合法か?

A公共ますの設置に不同意の方に対して、法律を縦に本人の許可(本人の設置申請がないまま)を得ないで公共ますをすることは可能か?

B公共ます設置不同意で、設置しなかった者に対して、受益を得る立場にあるからといって受益者負担金を賦課することは可能か?

Re: 公共ますの設置について

水道 No.12917

@本来下水道区域内は範囲内ですが都市計画法第75条第2項により徴収の受けるものの範囲及び徴収方法は条例で定めることになっています。条例はどうなっていますか?
A法律で公共桝の根拠法はないと思います。(少なくとも下水道法等には記載無し。それに勝手に設置する必要がなぜあるのか私は理解に苦しみます)
B@同様条例での徴収を受けるものの範囲がどうなっているかによります。
どちらにしろ受益者負担金条例をご確認されたほうがよろしいかと思います。

Re: 公共ますの設置について

山城守 No.12923

さっそくの返信ありがとうございます。

@について

当自治体の条例では、

第2条
この条例において「受益者」とは、事業により築造される公共下水道の排水区域内に存する土地の所有者をいう。ただし、地上権、質権又は使用貸借もしくは賃借による権利の目的となっている土地については、それぞれの地上権者、質権者、使用借主又は賃借人をいう。

とうたっています。
ということは、地上権がらみの場合などの場合を除いて、やはり土地の所有者と地上物を有するものが同一人物である場合は、公共ます該当するということですね。


ただし別の条例では、

第4条
受益者が負担する負担金の額は、次条の規定により区域内に存在している土地に設置した公共ます1箇所につき、20万円とする。

ここでいう次条とは、
第5条
首長は、負担金を賦課しようとする区域を定めこれを公告しなければならない。

と規定しています。この第4条は、一律固定の受益者負担金の当自治体において、1筆の土地に複数の公共ますを設置する受益者に対する配慮として制定したものです。原則排水区域内の土地は受益地とみなし、公共ますはすべてに設置することが前提でしたが、今ではこの条例を解釈して、設置していないところは公共ますが0個で負担金0円、設置したところは公共ます1箇所について負担金20万円をを賦課しています。

2条で原則土地の所有者を受益者とし、さらに4条で公共ます1箇所につき20万円と規定しています。よって、公共ますがない場合は、受益者ではないとみなして、受益者負担金は賦課していないのが我が自治体の現況です。


Aについて

過去に口頭による同意のみで土地所有者の同意を文書化せずに、公共ますを設置し受益地としました。ところがその同意者が死亡し、その家族ともめている案件(同意していないので納入の義気はないと主張)がありまして、この土地について賦課できるかどうか、しいては滞納になっているので強制執行をふくめた滞納処分ができるのかお聞きした次第です。



Re: 公共ますの設置について

sasaくん No.12932


「第1段階において、不同意の方に対しては公共ますを設置せず、受益者負担金も賦課していません。」

この対応がよろしくないと思います。
公共ます設置の有無に関わらず、受益者負担金は徴収すべきが原則だと思います。

当市の場合は、公共ますの設置については、土地所有者の了承を得て設置しています。
所有者の承諾が得られない場合は、設置していません。
受益者の定義は、「公共下水道の排水区域内に存する土地の所有者」と同じですが、
受益者負担金は、土地の面積に単価を掛けたものが負担金になります。
負担金は、公共ますの設置の有無に関係ありません。
つまり、公共ます有無に関係なく、下水道に接続する、しないにかかわらず、公告し、受益者申告書を提出してもらい、地積を確定し、賦課し、徴収しています。
多くの自治体は、このやり方が多いのではないでしょうか。

中ほどの「別の条例では・・・」が気になります。○○受益者負担金条例でない条例なのでしょうか。
それは、ひょっとして、公共ますを「追加設置する場合の負担金」のことなのではないでしょうか。
たいがい、公共ますは、自治体側の負担で設置されますが、個人の希望で追加設置する場合の負担金なのではないですか。

いまいち、条例等の全体像が把握できにくい状態です。

Re: 公共ますの設置について

山城守 No.12942

sasaくん さん、回答ありがとうございます。

ここにあげている第2条、第4条、第5条ともに同じ受益者負担金条例のことで、「別の条例」とは、受益者負担金条例の中の別の項目という意味です。

近隣市町村の話を聞いてみても、土地所有者すべてに対しての受益者負担金を賦課するのが原則のようです。

都市計画法第75条では、「当該事業に要する費用の一部を当該利益を受ける者に負担させることができる。」とあり、できる規定になっており、一部の自治体では負担金を賦課していない自治体もあると聞きます。

しかし、現実問題として、高齢者のひとり世帯など事情がある世帯については、受益者負担金を賦課しても、経済的に支払えないし、今後下水道に接続する予定もない。財産を相続するものもいない。そういった事情で、滞納額が年々増えていく状況です。

そこでわが自治体の受益者負担金条例、
第4条
「受益者が負担する負担金の額は、次条の規定により区域内に存在している土地に設置した公共ます1箇所につき、20万円とする。」を踏まえ、特別な理由がある場合は、本人の同意を得たうえで、公共ますを設置せずに、受益者負担金も賦課しないとしています。

増加傾向にある滞納を減らす手段のひとつとして、負担金が滞納になるところには最初から賦課しない。個人的には滞納を体よく減らす、行政側のエゴ、怠慢とも受け取れる行為だと思います。
かといって、経済的に厳しい世帯(生活保護世帯は申請により全額減免)に下水道区域の土地所有者だからといって、受益者負担金を賦課することが合法であってもいいのだろうかと疑問視しているところです。

当然公務員ですから、条例にのっとった行政サービスするのが義務ですが、条例第4条(公共ます1箇所につき20万円)の解釈によって、公共ますを設置せず最初から賦課せずに滞納を減らすことが、条例違反、違法でないことを確認したかったので質問しました。

もしくは、滞納になるのがわかっていても、土地の所有者を受益者とみなし、受益者負担金を賦課し、滞納処分を適正に行い、それもで徴収できないのであれば滞納処分の執行停止し、不能欠損で落とす。こちらの方法のほうが、適正なのか?

いずれにせよ、条例違反、違法であれば、是正いたします。

Re: 公共ますの設置について

sasaくん No.12967

「別の条例」とは、「別の条項」トいうことですね。了解しました。

「・・・・・・高齢者のひとり世帯など事情がある世帯については、受益者負担金を賦課しても、経済的に支払えないし、今後下水道に接続する予定もない。財産を相続するものもいない。」は、現実的にはそうでしょうが、まず、受益者全員に賦課した後で、減免申請などを提出してもらい、その個々の事情を考慮して、軽減、免除するというのが筋だと思います。そういう手順を踏まないで、滞納するかも知れないという見込みだけで、初めから賦課をしないというのであれば、問題ありでないでしょうか。

「・・・・・・増加傾向にある滞納を減らす手段のひとつとして、負担金が滞納になるところには最初から賦課しない。」も、上と同じで問題がありそうです。また、滞納になりそうという客観的情報はどのように収集するのでしょうか。

「・・・・・・下水道区域の土地所有者だからといって、受益者負担金を賦課することが合法であってもいいのだろうか」ですが、公務員として、合法、適法な仕事をしなければならない訳ですから、当然そのようにすべきと考えます。

公告をしてから5年を過ぎると受益者負担金は賦課できないはずです。
たとえば、5年間公共ますを設置せず、6年目に公共ますを設置したいと申請が出た場合は、結局、受益者負担金は賦課できず、徴収もしないのでしょうか。公共ますを設置して、負担金20万円を納付した人と公平でしょうか。

下水道があるか否かで土地の資産価値は上がるのが普通です。滞納するかも知れないというだけで、賦課しないのであれば、負担金を納付した人や下水道のない土地所有者と比べて公平を欠くことにならないでしょうか。

現在は、高齢者で資力がないとしても、亡くなられ、その土地を相続した人が負担金支払い資力のある場合は、どうなるのでしょうか。5年過ぎれば、負担金は賦課できないので、結局、徴収しないことになるのでしようか。不公平感は残らないでしょうか。

「公共ますを設置せず最初から賦課せずに滞納を減らすことが、条例違反、違法か。」ですが、条例第4条は「・・・区域内に存在している土地に設置した公共ます1箇所につき、20万円とする。」という規定であり、都市計画法も「負担させないこともできる」と解釈すれば、条例違反、法令違反とまでは言えないと思います。ただ、引っかかるのは、住民に対して公平かという点です。

税であれば、「税額0円=非課税の決定」も「賦課」という意味に含まれるように聞いています。
だとすれば、「公共ますが未設置なので、受益者負担金が0円」という内容の賦課もありかなと思います。実効性があるかどうかは別にしても、これでも賦課していることになりそうです。(これも多くの問題を含んでいますが・・・)

「滞納になるのがわかっていても、土地の所有者を受益者とみなし、受益者負担金を賦課し、滞納処分を適正に行い、それもで徴収できないのであれば滞納処分の執行停止し、不能欠損で落とす。」
この方法が多くの自治体で適正で妥当なやり方だとして行われていると思います。

下水道法では、供用開始区域であれば3年以内にトイレを下水道に繋がなければならないと、半ば強制的に定められています。
こうしないと普及率や水洗化率などが向上せず、下水道の本来の目的である「・・・・・・公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資する・・・」がなかなか達成されないからという意図だと思います。

半ば強制的が良いかどうかは、法律の制定段階で議論すべきであり、法律が制定施行された以上は、自治体職員は従うしかないのではないでしょうか。

Re: 公共ますの設置について

山城守 No.12974

sasaくん さん

親身にしかも的確にアドバイスいだたきありがとうございます。

疑問に思いながらも、このやり方でいいのだろうか、sasaくん さんのいうように他の健全に納入していただいている受益者の方にたいし、公平性が保てているだろうか?と自問していました。

我が自治体のやり方は、手っ取り早く滞納を減らすための安易な方法なのかもしれません。

それとは、別に
「下水道法では、供用開始区域であれば3年以内にトイレを下水道に繋がなければならないと、半ば強制的に定められています。
こうしないと普及率や水洗化率などが向上せず、下水道の本来の目的である「・・・・・・公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資する・・・」がなかなか達成されないからという意図だと思います。」

その下水道法も、接続の義務化をうたっていながら罰則規定がないために形骸化しています。水洗化工事への助成金交付などで促進を図っていますが、受益者負担金を支払えない世帯に宅内の水洗化工事などできるでしょうか?

いろいろな矛盾をはらんでいるのを承知でも、我々は粛々と法にのっとって仕事をしていく他にないのでしょうね。

そこを市民につかれると、法律だからとしか、説明できないときに心が痛みます。

たいへん助かりましたありがとうございました。

互選と選挙の違いはなんですか

残業くん No.12950

互選と選挙の違いを端的に言うとなんですかね。
イメージ的には選挙は、立候補者がいて投票という手続きを経て人選することで、
互選は、ある組織等の中で、誰もが選任される可能性がある中で推薦や話し合いにより人選するやり方のような気がするのですが・・・
いずれにしても、明確な定義が書いてある法令や図書が見当たりませんので、どなたかご存じの方がいらっしゃれば教えて頂きたいと存じます。どうぞよろしくお願いします。

Re: 互選と選挙の違いはなんですか

ダジャレイ夫人 No.12959

 「新自治用語辞典(ぎょうせい)」p297によると、「互選」とは、「選挙をする場合において、その選挙についての選挙権者と被選挙権者の範囲が一致する場合の選挙を指していう。主として合議体においてその委員長等を選出する場合の方法として用いられる(国会法45条3項等)。なお、法律等において「互選」の語が用いられていない場合においても、合議体である行政委員会等が委員長等を選挙する場合には、その選挙は、互選を意味するものと解される(自治法187条1項等)。」とあります。
過去ログ 12644のスレッドに続いてですが、ゆうちょ銀行への振込に当たっては、本来、指定代理金融機関の指定すべきでしょうが、実際には指定せず、給与方式をとられる所が多いのではないでしょうか。
その給与方式ですが、ゆうちょの場合、振込依頼データをFDなどで渡し、あわせてその資金を小切手又は振込で渡していると思います。
この場合、「指定金融機関を通じて(自治法施行令第168条第2項)、指定金融機関、指定代理金融機関その他普通地方公共団体の長が定める金融機関(通常は指定金融機関と為替取引のある金融機関)の預金口座に振り替えることができる(同第165条の2)」という原則に合致していません。(指定金融機関は直接個々の振込処理に関与していない。また、昨年までほとんどの銀行等とゆうちょは為替取引がなかった。)
ただし、給与の場合は、資金前途され、そこで一旦支出処理が終わるので、その後のゆうちょの個々の口座への振込〜というより預入〜は問題にならないのではと認識しています。
今回、給付金のゆうちょへの振込を給与方式で行って良いとする根拠はなんでしょう?
給与同様、資金前途とするのでしょうか?

また、その資金前途ですが、こちらも過去ログ 12743にあるのですが、給付金を現金払する場合、資金の準備等の都合上、資金前途しないと困難だと思いますが、一般的に負担金、補助及び交付金を資金前途できる経費として規則等に定めている所は少ないのではないでしょうか。一回限りの給付金のために規則改正するのは無駄な手間です。
みなさんどう思われますか。
公務員の給与振込みは通達だったか通知だったかで例外が認められ
ているのだったと思うので、今回も例外として認められる見込みだと
いうことではないでしょうか。

規則に規定が無いのなら無駄な手間でも、現金給付をする以上は規則
は改正せざるを得ないと思います。
当方の財務規則には資金前渡のできる項目の最後に「その他」という
のがあるのでそれで対応できそうです。杜撰な規則ですが今回は助かり
ました。
>青空 様

情報ありがとうございました。
公務員の給与振込みに関する通達・通知は把握していませんでした。
今回も通達・通知なら早く出して欲しいですね。
規則のくだりは半分愚痴でした。スミマセン。

あと、振込手数料の問題があります。指定金融機関とゆうちょと同じ金額が望ましいと思いますが、どちらが先に決まるのか。ゆうちょは全国一律になるのでしょうから、そっちに合わせざるを得ないのかなという気もします。
国の予算で振込手数料159億円の計上ですから、300円/件をマックスに攻防でしょうか。
余談ですが、公金の振込手数料は無料の自治体も多数ありますから、給付金の振り込み手数料が波及しないよう願うところです。

それから、これも以前のスレで言及されていますが、
1 基準日以降の世帯主死亡で、口座凍結されている。
2 基準日以降の世帯主死亡で、現金受取を希望していた。
このいずれかで、一人世帯であった場合(新たな世帯主がいない場合)の取扱は、統一的に示して欲しいです。
相続関係の手続きを型どおりやると大変です。それに6ヶ月時間切れになると、申請がない時間切れ案件とは明らかに違うので。

督促手数料・延滞金の法定納付期限について

ケイケイ No.12823

 いつも大変参考にさせていただいております。

 今年度から、税の担当になり、年度の途中から徴収関係の担当になりました。そしたら、当町では今までまったく徴収に力を入れておらず、19年度から差押などを行ない始めたような現状で、徴収関係に詳しい者がおりません。
 そして、初めて裁判所に交付要求をすることになり、法定納期限は第1期の納期限でいいということは調べてわかったので記載したのですが、督促手数料と、延滞金のみ支払われていない税目の法定納期限については調べてもわかりません。
 そこで、督促手数料と、延滞金のみの法定期限はいつになるのでしょうか?
 今は部署が違い確認はできませんが・・・
 もし自分がするんだったら本税の無い部分の督促手数料と延滞金はそもそも無かったものとしてもいいかなと思いますが、それは望む回答ではないのでしょう。
 それで、ご質問では、「督促手数料と、延滞金のみの法定期限はいつになるのでしょうか?」ですが、「督促手数料と延滞金自体には納期限は無い」と思います。ちょっと、この辺は自信が無いのですが、交付要求で必要とする法定納期限は無いと思います。
 では、本税が無くなったら延滞金も無くなるかといったら、未納は未納ですので、交付要求に記載してもいいのではないでしょうか。(確か交付要求の様式があったと思います)本税・督促手数料・延滞金・法定納期限を記載する表で、たまたま本税が納付されて滞納額が0円であったと考えれば問題ないと思います。つまり『本税の法定納期限を記載する』ことでよいと思います。
 しかも配当順位や額は裁判所で考えますし。

 「自分だったらこうします」的回答で申し訳ありません。
督促手数料、延滞金、各種加算金及び滞納処分費については徴収の起因となった地方税の納期限が法定納期限です。(地方税法第11条の4他)
細かいようですが、交付要求の場合は、「法定納期限」でなく、「法定納期限等」です。
>みなさま
 ご回答ありがとうございました。
 何せ初めてのことだったので、戸惑ってしまいまして。
 これで交付要求ができそうです。ありがとうございました。
 図書館での迷惑行為に対して、新たに罰則規定のある迷惑防止条例を制定したいのですが、2点教えていただけませんか。
@現在、当自治体には「図書館の設置及び管理に関する条例」があり、その中で、他人に迷惑を及ぼす行為をし、またはおそれのある者に対しては、教育委員会は入館を拒否し、又は退館を命ずることができる旨、規定されています。そのような状況下で、上記条例のほかに「迷惑行為防止条例」を新たに制定し、迷惑行為に対して指導や勧告をいれ、命令に従わないときには過料等の罰則を適用することができるでしょうか。
A「図書館の設置及び管理に関する条例」で入館拒否・退館命令・利用不許可にできる場合として「他人に迷惑を及ぼす行為をし、またはおそれのある者」「風紀を害し秩序を乱す者」を挙げていますが、その行為の具体的内容を新たに制定する迷惑行為防止条例で規定することはできるのでしょうか。
 もし、お分かりになる方がいらっしゃれば、是非教えていただけないでしょうか。
 図書館には特別な公共性(図書館宣言など世界共通の)があると考えられますが、しかし、迷惑行為は困ったものですね。

 条例による罰則規定は一般に可能と解されてはおりますが、自由利用の原則もありますし、あまり利用者が萎縮するような条例は“モロ刃の刃(やいば)”にもなりかねませんからね。
 例えば、迷惑行為に対しては、軽犯罪法第1条各号(例えば「13号」など)による威嚇がされている(もっとも、「第4条この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。」と規定されていることから、罪の適用については慎重に)わけですが、それでも足りないような状況なのでしょうか?
@
図書館での迷惑行為を規制するだけのために「迷惑行為防止条例」なるものを新たに作るのは適当ではないでしょう。
図書館だけでなく公共施設全般における迷惑行為を規制するなど,広く一般的に規制をかけるならともかく,図書館に限った話なら,既存の図書館の設置管理条例の中で迷惑行為の防止に関する規定を入れるのが適当だと思います。

罰則の設定についてですが,先にえんどうさんがご指摘されたように,迷惑行為に関しては軽犯罪法違反などに問える場合もあります。
既存の法令や運用で対処することができないのであれば検討すべき問題だと思いますが,その場合,過料を課することが本当に迷惑行為の規制に繋がるのかどうかを検討することが重要です。
罰則というのは,罰を与えるためではなく規定を遵守させるために設けるものであることを念頭に,実効性があると考えれば規定する場合もあると思います。
また,図書館だけにことさら罰則を付ける必要性,他の公共施設とのバランスについても整理しておく必要があると思います。

ちなみに,罰則の規定について,刑事罰を設定する場合は事前に検察との協議が必要です。過料は行政罰なので検察との事前協議は本来必要ありませんが,過料だけの場合でも相談に応じてくれると思います。罰則のプロですから,色々アドバイス頂けると思いますよ。

A
通常,条例の規定を受けてその具体的内容を示す場合,条例の施行規則で規定するべきだと思います。
Aの論点について、昔読んだ行政法のテキストの記憶で書いているのですが…(現在の考え方はどうなっているのかどなたか教えてください)。

現図書館条例で入館拒否とか退舘命令とか規定していても、それに従わない者に対して何ができるか? あるいは、そのような規定がなかったとしたら何も言えないのか? が出発点ではないでしょうか。

昔の行政法は、私物の管理とは異なる公物管理権なる変な概念を持ちだしてきて、法律の規定なしで特別の権限があるかのように説明していたように思います。で、そこから何ら実質的なものが出てこない。

現図書館条例の規定は、私人宅であってもその所有権or管理権に基づき当然できることを気休めに規定しているだけのような気がします(前例に従って。うちの団体の公の施設の条例も同様です)。また、公物であっても住居侵入罪or不退去罪の例外ではないでしょう。

仮にそうだとすると、過料という罰則を科すことを前提とする制度設計は、別次元の新たな政策判断になるのかなと考えてしまいました。
 玄冬様

 そういえば、少しずれます(しかし関連はあると思います)が、“公物警察権”云々・・なる用語が地方自治法改正の際の指定管理者制度を議論する段階でされたいたのを思い出しました。

 第156国会 総務委員会 第15号(平成15年5月27日)議事録  

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009415620030527015.htm
 後半(議事録の2/3過ぎあたり)「春名委員」に対する「畠中政府参考人」の回答の部分です。

 
えんどうたかしさま

興味深い情報ありがとうございました。
指定管理者には委託できない“公物警察権”なるものについて共通認識があるような議論でおもしろいです(指定管理者管理公の施設では騒ぎ放題?!)。
法律の明文の規定なしで、公物というだけで認められる特別の権力作用ということなのでしょうね。 仮にそのようなものがあるのであれば、このスレの問題そのものが生じないような気がします。
みなさん大人のようで、突っ込まないんで、あえて。
>困っています さまのところで議論されている、新たな「迷惑行為」によるのではないでしょうか。

まあ思い当たるのは、いわゆるホームレス等の方で異様な臭気を発している方とか、開館時から閉館時まで閲覧席を睡眠等で占有しているような利用でしょうか。

ことは「公の施設」ですので、合理的理由のない権利制限はしない方向で考えるべきかと思います。たとえば後者(占有)を、利用は一時間以内にすると排除できるとして、排除した後に空席だったらとしたら。。。
においについては、どこかで突破してくれないかなあと。。

「指導や勧告」のつぎは、過料ではなく、退去命令とか使用の不許可で対応するのが筋かと思います。過料をいただいたとしても出て行ってもらわないといけませんから。
各市町村で独自に定めている寝たきり高齢者に対する紙おむつ等の助成についてです。
要綱中では、助成の対象者(条件)について、実際におむつを使うこととなる高齢者本人について書かれているにもかかわらず、申請書様式を見ると申請者はその家族が申請することもできるような様式になっているものが多くの自治体で見られます。

おむつを使う本人以外も申請できるとするなら、助成の対象者(条件)の規定にも本人を扶養する世帯員等を入れなければならないのではないか?と悩んでおります。
要綱全体を通してみるとすべて申請、決定通知、助成を行なうのは本人に対して、と読めるのに、申請書様式では申請者の欄に支給対象者との続柄を記入する欄があるので、本人以外の申請もありうると解釈しました。対象者以外の者が申請するのはありなのでしょうか?あるいは高齢者・障害者関係の法律で、支給対象者以外の者が申請できる旨定めているようなものがあり、福祉の現場では一般常識的にOKなものなのでしょうか。
福祉のことがまったく分からないのでご教示ください。
(様式には委任状を定めているものもないようで、代理申請などの規定も各市町村の要綱中にはほとんど見つけられませんでした。)
私は実務は行っていませんが
他の市長村の要綱では給付対象者を居宅において生活をしているものとする。となっているところもあります。
実際、本人でしか駄目ということになれば寝たきり本人の方がどのように申請するのか、もし、認知症であればどのように申請するのか疑問が残ります。要綱の改正をされた方がいいのではないかなと思います。
要綱に申請対象者を明記することが必要であり,申請書に続柄を記載するのはあくまでも二次的と考えます。

本市の例で恐縮ですが,
難病患者等日常生活用具給付事業運営要綱では次のような規定を設けています。
(給付の申請等)
第○条 用具の給付を受けようとする者(以下「申請者」という。)は,難病患者等日常生活用具給付申請書(様式第○号)に医師の診断書(様式第○号)及び所得税額証明書その他必要書類を添えて市長に提出するものとする。この場合において,申請者は,原則として難病患者等又はその者の属する世帯の生計中心者とする。
水道様
ありがとうございます。
対象者に同居世帯員も入れるということですよね。それも方法のひとつと考えています。

あお様
ありがとうございます。
貴市の要綱例の場合、疑問なのですが、対象者が規定されているので、その権利自体は対象者にあると思うのですが、申請は対象者でない別人が行ってもいい旨条文に任意で規定していいものなのでしょうか。本人の権利について、別人が行為を行うことで、最終的にまた本人に効果が及ぶ?それともその効果は別人のものになってしまうのでしょうか。民法の任意代理に当たるのでしょうか?代理であればそれを第三者に示すため書面(委任状)が必要と考えます。その場合は効果は本人にもどる?的外れな質問かもしれません、また重ねて質問で申し訳ありません。
私法の一般原則からのアプローチということであれば、代理よりも第三者のためにする契約(民法537条)のほうが当てはめやすいかもしれませんね。

原則 高齢者本人と自治体間の負担付贈与契約
例外 高齢者家族と自治体間の、高齢者本人を受益者とする(第三者のためにする)負担付贈与契約

ただ、その場合であっても、第三者の権利の発生は受益の意思表示(民法537条2項)が前提となります。
ご提示のケースのように本人の意思表示が困難で、成年後見でもないという場合(と勝手に認定してしまいましたが)は、補助or助成を契約と構成する考え方は破綻します。一方的に権利を設定するという行政処分的構成であれば、(合理的な範囲で)いかようにも制度設計できることになるでしょうから、説明しやすいのかなと思いました(補助or助成の根拠が法令(少なくとも規則?)にあることが前提になりますが)。
玄冬様

ありがとうございます。大変参考になりました。
よく考えて、当市の申請の対象者の要綱の規定を修正したいと思います。

皆さん本当に詳しくてすぐに回答をいただけて感激です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
回答が遅れて申し訳ありません。
本市の要綱では趣旨は難病患者の日常生活への支援ですから,本人のみならず,世帯主に支援しても差し支えないと考えています。
ただし,要綱に明確に支援する対象を規定することが必要です。
要綱に規定しておけば,あえて第三者のためにする意思表示まで必要なものかどうかです。
初心者さんの所属する自治体では,本人のみならず,家族への支援を行う補助は他にもあるのではないでしょうか。
一度他の同様の補助要綱も調べられたら良いかと思います。
追記で恐縮です。
当然のことですが,本市の例では申請書には難病者本人,世帯,家族を記載する欄を設け,支給の重複はないようにしています。(件数的に少なければ,添付書類も含めて重複かどうかすぐに分かりますが。)