過去ログ [ 143 ] HTML版

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 自治法第231条の3・1項で公債権を自治令171条では私債権を定義されているが具体的な例示がない。また裁判所の判例で「民法・借地借家法など民間ルールがある場合は自治体の債権であっても私債権である」との判断が示される傾向にある。自治体の担当者にとって、正に晴天の霹靂ではないだろうか。

 地方税や個別法で地方税や国税徴収法の例によると規定されている公債権は時効の援用を要しないが、前述以外の公債権や私債権は時効の援用又は権利の放棄が必要になる。
 従来はどこの自治体も漠然と自治体の債権は公金であるから公債権であるとの認識で、債権管理を行っていたのが実態でないだろうか。住民が自治体へ対し、税や使用料の不納欠損について、損害賠償を求める訴訟も起こされている。

 当町でも前述の視点で債権管理を再考することになった。債権の区分・時効期間により債権管理の方法が異なると思われるが、情報が無く苦慮している。
 現行の取り扱い・判例・総務省の見解があいまって自治体ごとに見解が異なる債権もあると思われるが、現時点での債権の区分(特にグレーゾーン)の具体的例示についてご教示願いたい。合わせて取り組みついてもお聞きしたい。
 
本市ではとりあえず、具体的な判断が示されたもの
水道料、病院の診療料金等はその判断に従ったものとしています。
それ以外のものは従前どおりです。
大まかに言って,次のような手順で各債権の根拠,回収の流れを確認されてはどうでしょうか。
表にまとめると整理できると考えます。

@地方自治法上の債権として
ア 滞納処分規定を有するか,どうか。(地方自治法附則も含めて)
イ 不服申し立てが認められるかどうか。
A各債権の個別の法律根拠
ア 債権の成立は個別の法律によるものか,どうか。
イ 契約に類する行為により成立する債権か,どうか。
B判例の動向
 考え方として水道,病院,住宅の判例は重要です。
C行政実例
 財務提要,市町村事務要覧(自治法,税関係)
D地方自治法逐条解説
 特に加除式に詳細のものがあります。

行政実例を最後に持ってきたのは,より新しい行政実例が正しいもの(判例により改められたものもある。)であるとの考えです。
後は個別に時効期間,時効援用,時効中断,督促・延滞金などの問題を詰めていけば大体の回収の流れも掴むことはできると思います。

地方自治法施行令171条から171条の7までも合せてご確認ください。
 元監査さん・あおさんアドバイスありがとうございます。
 水道・病院・住宅は要注意ですね、当町では私法上の債権の放棄に関する条例・規則がないため、合わせて整備が必要だと思っています。
 従来、当町では水道・病院・住宅を公債権として債権管理・不納欠損を行ってきましたが、今後は私債権としての管理が必要だと思っています。
 
 数年ぶりに債権管理に関係する部署に戻ってきたんですが、多くの債権が公債権から私債権へと解釈が変わり、保育料も私債権だという判例が出て、他にも波及しそうですね。 今浦島のような感がします。

 現時点では各自治体で解釈が微妙に異なり、判例が出そろい総務省の判断が固まるまでは確定した情報が得られない状況が続きそうですね。
 今後もアドバイスをお願いします。
  
swan様
 議論が終結した模様のところ恐縮ですが,上記のレスにある保育料の判例というのを概要でも構いませんので教えていただければありがたいのですが。
 よろしくお願いいたします。
 第一法規から出版されています『自治体法務NAVI』VOL.20〜VOL.25、VOL.28〜VOL.29に連載されていました「自治体の有する債権の管理」は、自治体の有する多種多様な債権がその特性等を踏まえて分類されて紹介されており、参考になるのではないかと思います。
 
恐縮ですが,保育料に関する判例は知らないのですが,そもそも,保育所保育料は滞納処分規定があるから問題ないのですが,幼稚園保育料となると行政実例では公の施設の使用料として公債権,地方自治法上の債権とされている記述がありますが,民法173条3号の「学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育,衣食又は寄宿の代価について有する債権」ともいえなくはないと考えます。
地方自治法上の債権に位置付ければ不納欠損は楽ですが,判例がない以上,行政実例のとおりにされている自治体が多いと思います。
あお様
 ありがとうございます。
 当方,用語の使い方として,滞納処分の可否で「公債権・私債権」,231条の3の1の適用の有無で「公法上債権・私法上の債権」とする使い方になじんでいるもので,保育料=私債権との判決に反応してしまいました。
 それはそうと,幼稚園の保育料の位置づけの判決がでているのであれば,それはそれで知りたいとは思いますが・・・
たっく様

幼稚園の保育料の位置付けの判決は知りません。住宅の判決のように傍論部分でも出ていたらご紹介しますが。公債権,私債権といっても判例の流れは具体的な法律の適用で判断しているようです。便宜上,このような公債権,私債権という語句を使う方が説明しやすいと思います。
また,参考までですが,条例に公債権,私債権を位置付けることについては,次の論文で論じられているので紹介します。
「これらの最高裁判例(最判昭59.12.13公営住宅判決,最決平15.10.10水道料金など)とも併せみると,最高裁は,公法上の債権と私法上の債権とに分類しているのではなく,個々の場面ごとに,私法が適用されるのかどうかを判断しているようにも考えられ,そうするとある場面において私法が適用されるのかどうかについて,地方公共団体があらかじめ規則や要綱で定めておくことはほとんど不可能であり,かえって,本来回収すべき債権を民法の短期消滅時効期間の経過をもって放棄してしまう事態が生じることが懸念される。」(弁護士,羽根一成 『自治体法務研究』判例に学ぶ地方自治の知識,ぎょうせい,2009年春, 114頁〜116頁,)
フォーラム参加者 各位

 会議から戻りフォーラムを開き、書き込みがいっぱい入っていてびっくりしました。 
 お騒がせしました。
 勇み足でした。
 何かで見たと思ったのですが・・・・
 色んなHPや書き込みを見て混乱しました。

 「CREATIVE 房総 第76号 特集 債権管理の基礎知識中P8で・・・・学童保育の保育料、公立幼稚園の保育料、・・・・などは、従来、公債権として扱われてきたが、判例の傾向からすると、私債権ということになる可能性が少なくない。」という記述を拡大解釈してしまいました。

 訂正しお詫びします。今後発言に気をつけます。

期限間近です!!おしえてください。

関根です No.16186

例規審査を担当している者です。
未熟なもので!!次の3点について教えてください。


各号列記中のひとつ号にただし書を加える場合。

(その1)改め文はこれでいいのですか?
×第○号に次のただし書を加える。
×××ただし、・・・・・


(その2)加える号が名詞で終わっているため、句点(丸)がない場合、
どうすればいいのでしょうか??

(旧)第○号 65歳以上の者
(新)第○号 65歳以上の者。ただし・・・

というような改正をしたい場合。(その1)の改め文でよいのでしょうか??
「者」の次の丸の取り扱いがわかりません。
自動で入るものと考えてよいのでしょうか。


(その3)そもそも、号(名詞で終わる場合)に、ただし書は入れるべき
ではないのでしょうか??
法律で検索をしたところ、数少ないですが、いくつか例はあったのですが。
参考までに、私は、次の用に使用するケースを想定しています。

第5条 次の各号に該当するものに、補助金を交付する。
(1) 障害者
(2) 65歳以上の者。ただし、第2条に該当する者は除く。
(3) 

Re: 期限間近です!!おしえてください。

市という村の法担 No.16189

想定のケースは,ただし書ではなく,括弧書がいいと思います。例えば,次のようにします。
(2)65歳以上の者(・・・を除く。)
なお,一般的に「・・・は除く」ではなく,「・・・を除く」とします。

Re: 期限間近です!!おしえてください。

くまさん No.16193

(その1)については「法制執務詳解(ぎょうせい)」によれば

×第○号に次のただし書を加える。
××ただし、・・・・・

となっております。

(その2)については、括弧書がすっきりして解りやすいと思いますが、第5条条文にただし書きを加える方法や、第2項で例外規定を明記する方法、第2号を文章でまとめる方法など手法としてはありそうです。


Re: 期限間近です!!おしえてください。

市という村の法担 No.16196

くまさん様(No.16193)

> ×第○号に次のただし書を加える。
> ××ただし、・・・・・
というのは,「法制執務詳解」のどの版(新版or三訂版or改訂版)の何ページに載っているのでしょうか。小生には,見つけられません。

Re: 期限間近です!!おしえてください。

よこやりイカ No.16201

市という村の法担様

横入りですが、株式会社ぎょうせい「法制執務詳解」三訂版372ページです。

Re: 期限間近です!!おしえてください。

市という村の法担 No.16212

よこやりイカ様(No.16201)

ありがとうございます。
しかし,よく見てください。「ただし書を設ける場合」についての記述はありますが,その記述は,条又は項にただし書を設ける場合についてのみであり,号にただし書を設ける場合についての記述はありません。
第一法規(株) 条例・規則作成の手引 第18版 P102 じゃだめですか?

Re: 期限間近です!!おしえてください。

勉強中 No.16218

ワークブック法制執務(旧)p420ではいかがでしょうか?

Re: 期限間近です!!おしえてください。

新人法務 No.16225

質問の場合、法令でも、@「第5条第2号中「者」を「者。」に改め、同号に次のただし書を加える。」としたものと、A「第5条第2号中「者」の次に「。ただし、……。」を加える。」としたものがあるようです。
@による場合に、加えるただし書を何字目から書くかですが、質問に書いてある配字(4字目から)でいいと思います。
法制執務詳解では、項にただし書や後段を加える場合の解説として、「「次の……を加える」として次の行から加えられるものを書く場合の配字は、加えられるものの本来の配字に合わせて書くわけであるが、ただし書や後段を設ける場合には、折り返しとの関係で(折り返しが2字目になるから)、初字を3字目とする」とあります。そうすると、号にただし書を加える場合には、号の文章は折り返しが3字目になりますから、加えるただし書の文章は、初字が4字目になると思います。
なお、質問のケースの場合は、個人的には私も、括弧書きにした方がいいと思います。

Re: 期限間近です!!おしえてください。

くまさん No.16227

市という村の法担様

横やりイカ様ご指摘部分を見ての投稿でしたが、確かに号については標記されておりませんね。申し訳なかったですm(_ _"m)
(改正文の体裁なので、条、項に準ずることになるとは思いますが・・・)

Re: 期限間近です!!おしえてください。

法務メイド過疎区 No.16228

条例・規則作成の手引 地方自治法規実務研究会編集(第一法規)の
P102から103にかけて、号にただし書を加える方法についての説明がありました。
以下その概略です。

『号等にただし書を加える場合での号の規定が名詞で終わっているものについては、名詞の次に「。」を打ってただし書を加えなければならない。
例えば、「(7)農業振興課の各係の分掌事務」にただし書を加える場合において、「第何条第7号に次のただし書を加える。」とすると「分掌事務」の後に「。」が出てこないのでこの改正方法を用いることはできない。この場合は、次のようにして改正する。


第何条第7号中「分掌事務」を「分掌事務。ただし、・・・・・」に改める。』

だそうです。

追記
こんな超(?)例外的ルールがあると知らない、されど法文法に詳しい方から見たら
とんでもなくお粗末な改正規定のように見られてしまうような気がしないでもありません。
面と向かって指摘してくれればいいけれど「こいつ・・アホや(笑)」みたいな負の
心証を抱え込まれるような気がしなくもないですが、考えすぎですね。うん。

ちなみに僭越ですが私も()書の規定の方が馴染みます。

Re: 期限間近です!!おしえてください。

市という村の法担 No.16230

くまさん様

> 改正文の体裁なので、条、項に準ずることになるとは思いますが・・・

基本的には,そのとおりです。基本的には,準ずることになります。しかし,号の場合には,次のことに注意しなければなりません。
1 読点(。)のない号の場合には,「第○号に次のただし書を加える。」が使えないこと。
 このことについては,法務メイド過疎区様(No.16228)の書き込みのとおりです。
2 配字に気をつけること。
 このことについては,新人法務様(No.16225)の書き込みのとおりであり,

×第○条第○号に次のただし書を加える。
××ただし、・・・・・

ではなく,

×第○条第○号に次のただし書を加える。
×××ただし、・・・・・

とします。

減給処分の遡及について

迷える子羊 No.16177

ある職員が月の途中で無断欠勤したため、懲戒処分として減給したいと考えています。
この場合、当該月の初日に遡及して欠勤前の出勤日分の労働に対する給料月額を懲戒処分の発令日より遡及して減給をすることは可能でしようか。インターネット等で調べても遡及可能、遡及不可能の両方の意見があり、どちらが正しいかのか良くわからないのですが、ご教示ください。

Re: 減給処分の遡及について

TKO No.16188

不利益不遡及の原則ですから、翌月からの適用ではないでしょうか。

Re: 減給処分の遡及について

蕎麦 No.16213

この場合の減給とは「欠勤した日に対する給料の減額」なんでしょうか、それとも「欠勤に対する給料月額自体の減給」なんでしょうか。
前者であれば、翌月給与での調整等の事務処理になると思いますが、後者であれば遡及はできないような気がします。
そもそも「欠勤」という懲戒されるような行為をする以前に遡って給料を減給しようとする意図がよくわからないのですが…。

出産育児一時金関係

国保保険 No.16137

いつもお世話になります。なんども載せて申し訳ございません。
大変初歩的な質問で恐縮なんですが、今年10月より出産育児一時金の4万円引き上げと直接払制度になることから、全国一律で事務手数料として210円が必要となりますが、新たに予算科目を創設する予定なんです。この場合、歳入となる財源には何を充てるのでしょうか?
出産育児一時金においても、従来の歳入となる財源は保険税1/3、一般会計繰入金2/3だと思うのですが、引き上げ分は国庫3/6、繰入れ分2/6、保険税1/6となっています。
38万円(従来分)と4万円(引き上げ)は別々に試算して予算化するのでしょうか?
最後に恥ずかしいのですが、保険税の財源の充て方はどのようにするのですか?医療分、介護分、後期支援分と3つに分かれてますが、どのように振り分けるか教えていただけますでしょうか?根本的にわかっていません。どなたか詳しい方どうぞよろしくお願いします。

Re: 出産育児一時金関係

政管国保 No.16185

 そうですね・・、私も今、実務担当として悩んでいる最中です。
 とりあえず、私の考えでは、そこまで厳密にこだわらないようにしようと思っています。
 布いて言えば、事務手数料に関しては厳密に考えると、事務費相当分となり一般会計負担と考えられると思います。
 増額分の財源についても、従来分とは財源内訳が違うので、別立てで試算する必要があるとおもいます。(近々示される国の補助要綱にもよりますが・・。)
 保険税の財源の充て方ですが、後期支援分→後期支援金、介護分→介護納付金に充当するべきものですので、初めから除外し医療分で賄うこととなると思います。
教えてください。
10区画の土地を企業に入札により売払います。
面積はすべて同じですが、場所によって価格は若干の違いがあります。

10区画に10社の応募があった場合で、それぞれが別の区画を希望していれば
すべての区画が埋まることとなります。

しかしながら応募が特定の区画に集中した場合には
売れ残る区画が出てしまいます。
一つの区画に応募が集中したとしたら、決定するのは1区画にとどまり、
のこり9区画は売れ残ることとなります。

これを避けるために策を考えています。
募集の際に第1希望、第2希望、第3希望の区画を示してもらい、
入札を実施すれば売れ残りが避けられるのではないかと考えております。

まず第1希望の札を開き、売れ残りがあるようならば次に第2希望の札を開く。
更に第3希望・・・というようにしていけば売れ残りの可能性は少なくなるのではないかと考えています。

しかしこの手法は、現行法上、可能なのでしょうか。
詳しい方の御意見を頂戴したく、書き込みいたしました。

よろしくお願いいたします。
たとえば、

甲 第1希望 A区画 第2希望 B区画 第3希望 C区画
乙 第1希望 B区画 第2希望 C区画 第3希望 A区画
丙 第1希望 C区画 第2希望 A区画 第3希望 B区画

だった場合、“競争”はありますか? 入札なのでしょうか、随契なのでしょうか?

(追記)たとえば、甲乙丙三者に、“より上位の希望の区画を落札すること”という解除条件付きでA、B及びCの区画の全てに入札させ、“第1希望が複数あった区画においては、第1希望の入札のみを有効な入札として、最初に落札者を決定する”+“…”+“…”とかの条件をつけることも考えられますが、複雑怪奇になるような気がしました。
回答ありがとうございます。

例示のケースでは
甲→A区画、乙→B区画、丙→C区画に決定するというイメージです。

下記のケースを想定した場合、
甲 第1希望 A区画 第2希望 B区画 第3希望 C区画
乙 第1希望 A区画 第2希望 C区画 第3希望 B区画
丙 第1希望 C区画 第2希望 A区画 第3希望 B区画

A区画は甲と乙の競争で価格の高いほう。(仮にAが落札したとします。)
C区画は丙が無競争で落札。(乙と丙を比較し、優先順位が高いほうを優先)
B区画は乙が第3希望として落札ということになります。

私も自分で書いていて、相当複雑な気がしてきましたが、
売残り区画を少なくするという点からは有効であると考えています。

法的に許されるのであれば、検討の余地があるのかなと思っています。
皆さんの御意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
ご提示のケース、私の感覚では、C区画については“価格の競争”が存在しないことから入札とは言えず、違法ですね。
すいません,よくわからないのですが,10区画売り出し10の業者が集まるとして,入札というのは10区画を同時に入札させるものなのでしょうか。
普通に考えて,入札は区画毎に行うものなのかと思っていたのですが・・・
10区画同時に入札するのであれば,仮に数区画まとめて欲しい業者がいた場合でも,落とせないことになってしまいますよね。

また,第2希望以下の希望がある業者がいるとしても,別にいっぺんに入札する必要もない気がするのですが・・・
例えば第1希望しか掛けないとして,1回目の入札で希望が被って3区画しか売れなかったとしても,残った区画が欲しい業者がいるのであれば,同日にやるか日を改めるかは別にしても,再度余った区画の入札をすればいいだけの話ではないでしょうか。
皆様、御回答ありがとうございます。

むかし法規様
結果として「競争」していないので、違法と思われるということですね。

たっく様
入札については、募集する区画すべてを同時にやってます。
区画ごとに入札を行うと、各区画への入札企業数が分かってしまうため、
競争にならなくなってしまうというのが理由のようです。
また複数区画への応募は認めていません。

そこで改めてお伺いしたいのですが、
区画ごとに入札をするということにした場合、
例えば、応募が何件かある区画を先に入札し、
続いて他の区画を入札するという方法は可能なのでしょうか。
(例えば複数の希望があったA区画を10時から、希望がなかったB区画は11時から等・・・)

また、同日の再入札は法的に問題がないのですか。

これらに問題がないのであれば、
こちらのほうが分かりやすそうなので、よさそうだと考えています。

よろしくお願いします。
当初スレ主さまがお考えになったような方法で、“入札”と称して、民間業者が契約の相手方を決定しても、何も問題はないと思います。
また、ご提示のような特殊な売買に際して、そのような方法が、地方自治法の規定の解釈として、“入札”と言いうる余地がないかは議論があっていいと思います。地方自治法が入札を基本とした立法趣旨(参加機会の公平と妥当な価格の形成?)から、“入札”を目的的に解釈していくことになるのでしょうか。
財務規則等で、入札に付す場合、事前に周知(公告など)しておかなければならない事項が定まっているはずです。
これに、通常は入札の日時があると思います。ですから、原則として、日時を事後に定めるのは難しいでしょうね。

以前、希望型指名競争入札というものがありましたが、事例のような場合は、競争が働かないでしょうね。

当方では、区画割して販売する場合などは、価格の競争をせずに、抽選で指定価格での売却という形をとることがあります。入札に付するのに適さない物件ということで、随意契約となります。適正な価格での販売をすることが、公共的な意味合い(近隣との整合性や、良好な宅地の提供など)として価値があるという場合に限りますが。
区画ごとの入札でよろしいのではないでしょうか?

区画ごとの競争性の確保という点では、入札書の様式中に辞退の項目を設け、希望しない区画は、入札書で辞退してもらい、希望者は入札金額を記入することで、希望業者数を判別不能とすることが可能ではないでしょうか?(1者だけの希望でも本気モードになるのでは?)

複数区画への応募が認められないのは、ちょっと不思議ですが、落札した業者のみ退席とし、入札を行うことができるような気がします。
元管財担当です。
ウチでは、住宅地の一般競争入札(最低売却価格は公開。)で一般競争入札を行いました。仮に10区画を入札に付す場合には、全てを区画ごとに1回で入札します。(開札は順次行います。)当然角地等は、人気が集中しますが、売れ残りの物件も発生しました。
そこで、売れ残り物件については、入札事務が一段落した時点で、地方自治法施行令第167条の2第1項第8号の規定により、先着順で募集を行い、随意契約により全ての土地の処分を完了しました。先着順で募集した場合、同日に応募があったものは同着として、抽選により契約者を決定しました(契約価格は最低売却価格となります)。

スレ主さんの考え方とは異なりますが、実例としてご参考になれば

いつも勉強させていただいております。

全てを売りつくすために、落札できなかった方が他の区画の入札に参加していただけるようにしたい気持ちは分かりますが、多数の応募の区画から入札することにすると、開始時刻の事前周知が不徹底で、時刻に間に合う、間に合わないことのトラブルが起きそうです。

既に話題にされているように、入札では、開始時刻と会場を予め示して行うことになるので、区画ごとの入札開始時刻は予め決めておくことになると思います。一区画しか入札しない人を待たせておくわけにはいきません。

 私は、直ちに違法という感じはしません。
 要は、アイデアの問題ではないでしょうか。

 例えば、次のような取り扱いはどうでしょうか。


@入札条件として入札者に第3希望(第5希望でもいいけど)まで入札できるこ
 とを認めておく
A落札者の決定は、入札者の希望順位とは関係なく、最高価格を提示したものを
 落札予定者とする。
B同一の者が、複数の区画の落札予定者となった場合に限り、希望順位の下位の
 区画の入札辞退を認める(入札条件にそのことを明記しておく必要あり。当然
 に、入札保証金等の取り扱いも)。
CBの作業の結果を経て、全ての区画の(正式な)落札者を決定する。

 これで、元監査さまの要望を叶え、むかし法規さまのご指摘(競争していない
ので無効)をクリアできないでしょうか。

 無謀な提案でしょうか。
皆さん、御回答ありがとうございました。

入札方法は今現在検討中でして、
このようにたくさんの御意見を聞くことができ、
選択肢が増えたように思います。

その場で不落随契や、辞退札の入札など、
思いつかなかった方法を知ることができ、
参考になりました。

なお、複数区画の入札を認めないということについては、
どうも複数区画を入札した場合で、
片方が落とせなかった場合の整理が上手くできなかったことによるようです。
私としては、そのような場合辞退できることをあらかじめ公告しておけば
問題ないと思ったのですが・・・。

国保税年金特徴の還付充当について

大赤字 No.16172

初めて投稿させて頂きます。

私はとある町の国保(資格及び給付)担当の者ですが、国保の年金特徴で、
当初、4、6、8月までそれぞれ2万円徴収することになっていた世帯が5月の生保世帯認定(6月末頃届出。免除申請有)で計算上年税額1万円に変更となりました。

通常であれば6、8月(異動報告が間に合わなかった)徴収分全部と4月の残分(過誤納分)を還付するのですが、この世帯は国保の滞納がワンサカとあり、赤字である当保険者としては、できるだけ還付充当したいと思っております。

ところが(税の担当でないのでよくわからないのですが)、すでに(6月に)「処分停止」を行ってしまったから還付するしかないのでは、とのことです。

そこで、
1.処分停止したあとでは還付充当できないのか
2.仮に還付充当できたとしても(または処分停止しなかった場合)その額は単純に5万円となるのか(6月の届出なので4月分は2万円の調定額のままで収入し、残りの4万円を充当すべきか)
3.8月分はさすがに返すべきか

以上、3点を踏まえ皆様に伺いたいのです。またその根拠はどのようなものでしょうか?

浅はかな質問ですが、ご教示を願います。
 本市において、浴場、プール及び食堂部門を管理している施設があります。
 この中で、指定管理者制度としての法律の趣旨からみると、「管理に係る業務を一括してさらに第三者へ委託(いわゆるまる投げ)をすることはできない。」との見解がありますが、上記施設の場合で、「食堂管理部門を全て委託」することは可能なのでしょうか?もちろん、全てまる投げやまかっせきりでは問題があると思いますが、『指定管理者制度における一部委託の考え方』として可能であるのかについて御教示いただければ助かります。よろしくお願いします。

Re: 指定管理者制度における第三者への一部委託について

えんどう たかし No.16146

 まだレスが無いようですので、民間人(公立ホール委託の労働者)ですが、若干検討させていただきたいと思います。

 >浴場、プール及び食堂部門<・・ということですので、地方自治法244条2の3により、指定管理者制度(もちろん設置条例の明示と議会による指定の議決が要件)を採用することは可能だと思います。また、その中で、個々の具体的業務については、再委託が可能であるとされているようです(総行行第37号H15,7,17「自治行政局長通知」)。

 さて、ここの具体的業務とは如何なるかについてですが、上記通知の例示として@清掃A警備が上げられており、指定管理者の主たる事業についての例示が無いことからすると、主要な部分については再委託が出来ないと解せます。
 
 これをご提示の例(3部門)に当てはめると(なお、現に指定管理者でやっている場合と仮定して)・・・>浴場、プール及び食堂部門<という、部門ごとの指定管理者として議会の議決があったもの(つまり、3部門について指定管理者が直接行う旨の議決である)と解せるのではないでしょうか。そして、上記通知の言う個々の具体的業務は、その3部門各々における具体的業務であると。
 また、元々当該3部門については、直接住民サービスに資するための施設であった場合、そのような施設の設置目的からして、例えばショッピングセンターのように建物の管理におけるテナント募集とは異なるのではないかと考えます。

 もう一つは、個別法による規制です。
 即ち、3部門の内の「食堂部門」についてみると、飲食業については食品衛生法に基づく食品衛生責任者(施行については都道府県条例に委任)を置かなければならず、指定管理者が事業者である場合には当該指定管理者が食品衛生責任者を置かなければならないと考えられます。
 なお、一部(県レベルの行政解釈によれば)食品衛生責任者の委託は可能、あるいは食品衛生責任者が親事業者で調理員や店員が委託の労働者ということも可能である(鴻巣市指定管理者「花久の里」の食品衛生責任者不在についての埼玉県鴻巣保健所回答)という見解もあるようですが、しかし、食品衛生責任者は調理員その他の従業員の作業手順・方法・従業員の健康状態を指揮監督することが要件(厚生労働省見解)であるため、この法令に基づく義務を別法人の労働者に行うと、労働者派遣法による適正な手続きを経ていない場合には、労働者派遣法24条違反ないし、職業安定法44条違反になる(もし適正な労働者派遣であっても人事権・人員配置・健康管理の権限が親事業者たる派遣先ではなく、雇用責任のある派遣元になるので、実質的に派遣労働者は直接食品を扱う業務には従事できない)と考えられますので、この埼玉県の回答は「労働関係法」・「請負と派遣」の区分を考慮しておらず失答だと思います。
 
 指定管理者が直接事業を行う場合には問題ないでしょうが、調理部門など一部再委託の場合には上記整理が必要である。また、食堂部門(施設全体としては一部であっても主要部分であるにつき)を一括して再委託するのは指定管理者制度の趣旨、議会議決(現に指定管理者を採用している場合)の合意内容に反する。・・というのが私の考えです。

 なお、一部の公立劇場における指定管理者では、舞台管理・操作業務を再委託し、同時に自主事業企画を再委託し、同時に受付業務を再委託し、・・・全てを別の事業者に再委託している“ブローカー的指定管理者”(←ちょっと言いすぎでしょうか?)もあるようです。私は、これは法の趣旨を逸脱していると思っております。
 
 もし、ご案内の例示(3部門)のうち食堂部門について再委託が可能と解するとすると、他の2部門についても各々別途再委託することが可能と解する余地があることになり、そうするとこの“ブローカー”事例と同様になるのではないでしょうか。

 但し、前段後部で申し上げた通り、「汎用の建物の管理」ということで指定管理者を採用し、当該指定管理者の「利用行為」ないし「認められた収益事業」として、賃貸させるような制度設計(施設の設置条例に明示)をしていた場合には可能と解す余地はあろうかと思います。

 異論・反論(施設の一部だから個別具体的業務だと解する説など)はあるだろうと思います。そのようなご意見も踏まえながらご検討ください。
指定管理者登場前の“管理の現状”は、

 自治体が食堂を直営
 行政財産の目的外使用許可を受けて業者さんが食堂を経営
 自治体が業者さんに食堂業務を委託

のいずれなのでしょうか?

繰越明許と明許繰越の用語の使い方について

田舎の新米 No.16112

地方自治法213条に繰越明許費がありますが、このフォーラムでも明許繰越という表現がされていたり、繰越明許とつかわれています。使い方の違いを教えて下さい。頭が混乱中です。
当たり前すぎて、求めている回答ではないと思いますが、こちらではダメですか?

繰越明許費と明許繰越の違いについて
http://gikai.city.saku.nagano.jp/discuss/cgi-bin/WWWframeHatugen.exe?A=frameHatugen&USR=webusr&PWD=&XM=000000000000000&L=1&S=15&Y=%95%BD%90%AC17%94N&B=-1&T=-1&T0=-1&O=-1&P1=&P2=&P3=&P=0&K=22&N=129&H=303609&W1=&W2=&W3=&W4=&DU=0
継続費を設定している場合の繰越は、逓次繰越
繰越明許費を設定している場合の繰越は、明許繰越

繰越明許費=繰越明許(「費」を省略しているだけ)

と勝手に解釈していますがどうでしょうか。

正式には、
予算の種類としては、自治法どおり「繰越明許費」であり、
制度の名称としては、費をとって単に「繰越明許」と言うものと思っています。

「明許繰越」の方は、逓次繰越や事故繰越の語順にあわせた俗称かと思います。
強いて言うなら、
逓次での繰り越し、明許での繰り越し、事故での繰り越し、といったニュアンスかなあ、と。

私もそんな程度の認識です。(真説があるなら私も知りたいです。)

Re: 繰越明許と明許繰越の用語の使い方について

田舎の新米 No.16169

ありがとうございました。自治用語って難しいです。

住民税年金特徴について

税の若葉マーク No.16157

住民税の特別徴収において、

 年税額12,000円 普徴1,2期 各3,000円、年金特徴10月〜2月 各2,000円の方が、8月中旬の税額変更により年税額0円となった場合、現制度では10月分の特別徴収を停止することができないと思われますが、この場合、8月中旬に年税額が0円になることを納税者に通知しておきながら、制度上仕方ないとはいえ10月分の特別徴収がされてしまうことについて、私なりに探してみましたが、これを許容できる法的な根拠見つかりません。
 どなたかご教授いただけたら幸いです。 よろしくお願いします。
 

Re: 住民税年金特徴について

クルクル曹長 No.16166

特徴義務者(年金保険者)側の問題ですね。
>許容できる法的な根拠
ありません。
地方税法では特徴義務があるかないかだけを定めており、義務のないものが納入されれば過誤納とするだけです。
これは給与特徴や普通徴収でも起こりえるものです。
(9月20日に税額更正で同月25日の給与特徴を止めろといっても無理でしょう。)

とはいえ、年金保険者の処理が遅いために一旦特徴されてしまう方はお気の毒です。
eLTAXとか国税連携とか言う前に改善すべき部分であると思うのは・・・独り言です

Re: 住民税年金特徴について

税の若葉マーク No.16168

クルクル曹長 様
回答、ありがとうございました。
確かに給与特徴でもあることですね。
ただ、年金特徴の場合は、税変から停止までが最長3ヶ月あまり掛かり、「0円の通知をしておきながら・・・」とお叱りを受けた場合は、「制度上・・・」などと言い訳にならない言い訳をしなくてはならないですね。
来年4月以降の仮徴収時にも同様なことが予想されますが、先が思いやられます。

お尋ねします。
正規の職員の勤務時間変更に伴い(8時間勤務から7時間45分に変更)臨時職員等の契約書の一部変更が必要となりました。
変更となる内容は、勤務時間等が関係しますが、次の契約内容を契約書作成によらず通知文書等で簡単に変更できる方法はありませんか。

第5条 賃金は、○○円とする。
2「1日の勤務時間を超えて8時間に達するまでの時間外勤務を命じた場合は、1時間につき、日額賃金の額を1日の勤務時間数で除した額(以下「1時間単価」という。)を8時間を超える部分にかかる割増賃金を支給する。」

 8時間を7時間45分に変更
第5条2項は、超過勤務手当の規定と思われますが、そもそもの疑問点があります。

@1日の勤務時間規定の変更は、発生しないのか?
A「1日の勤務時間を超えて8時間に達するまで」とは、単位は1日なのか月の累計なのか不明?
B「1時間単価を8時間を超える部分に係る割増賃金を支給する」???
 …Aの「8時間に達するまで」と「8時間を超える部分」が矛盾していないか?
 …「1時間単価」=「割増賃金」としているのか?

本題とは、関係のないところで申し訳ありませんが、変更ポイントを把握するため必要かと思います。
スレ主さんの確認されたい点は、


臨時職員の勤務時間を「8時間」から「7時間45分」に変更したい。
その場合、一人ひとりの契約書を1枚ずつ変更する方法ではなくて、
通知文書等で一括変更できるか?


ということですよね?
契約内容の変更は、契約によるべきです。

契約は、双方の合意によって成立している訳ですから、一方からの通知文書等では、臨時職員の方の意思確認が取れないと思います。

仮に口頭で「いいですよ」と言ったとしても、自治体としては、文書で明確にしておく必要があると思います。

一部事務組合の規約の変更に係る議案について

タツノリ No.16141

いつも参考にさせて頂いております。
さて、大変困っております。
自治体の合併に伴い、当該自治体を構成自治体とする組合規約の変更について自治法286条の規定に基づく協議がありそれぞれから規約改正文例の通知がありました。
しかしながら、どの改め文も法制執務をちょっとかじっている人間にとりましてはフラストレーションの溜まる痛々しいものであり、これらの文例をそのまま議会に提案すべきなのか苦渋の選択を迫られているところなのです。

そこで皆様に以下のどの選択をするべきかご教示願います。
@大したことのないプライドは捨て、ハチャメチャな改め文のまま提案する。(楽だけど・・・そんな自分は認めたくない。心が苦しい・・)
A独自に全ての組合の改め文を審査・精査して、提案する。(私はAを選択したい)
B改め文を精査して、その審査後のものを各組合に送付・協議し、再度統一的な改め文例として他の自治体にも通知してもらう。(自分的には意味があるが、議案準備完了自治体の職員に多大な迷惑をかけてしまうのは・・・イヤ)

どうぞ、ご教示ください。お願い致します。
ご苦労様です。

個人的には、Bがいいと思います。
時間に限りがあると思われますので、一組の構成市町村の法規担当と連携し、ただちに意見を集約して、規約改正案を手直しするべきだと思います。

ここに書き込みしているということは、構成市町村の各議会に提案する議案作成には、わずかですが、時間的余裕があると思われますので、何とかなるのでは?
タツノリ様が規約案に問題ありと思うのであれば、他の市町村の法規担当も同様な疑義を抱いていると思います。

当市の合併の際にも、一組の規約改正は、関係市町村とぎりぎりまで調整をしていました。

Re: 一部事務組合の規約の変更に係る議案について

さすらい人 No.16153

私も全く同じ経験をしたことがありますが、気を使わなければいけないので大変ですよね。

基本的にはDON様と同じくBなのですが、状況次第でAかと思います。
私のときは、時間的な余裕が無かったので、あらかじめ許可を受ける県の了解を得て、当市のみ文例によらない改正文を認めていただきました。

ご健闘を祈ります^^

民法第491条の解釈について

すいすい No.16105

当課では業者との間で、損害賠償金を10年間の分割で毎月末日までに支払わせるような和解条項を締結していたのですが、遂に支払が遅延して、期限の利益を喪失してしまい、未払の損害賠償金及び期限の利益を喪失した翌日から支払日までの年5分の遅延損害金を直ちに一括で支払わなければならなくなりました。
業者はとても支払えないというので、本来なら強制執行をすべきですが、めぼしい資産もないため、地方自治法施行令第171条の2第1項のその他特別の事業があると認める場合を適用して、これからも少しずつ支払わせようと考えています。
このとき、業者がいくらかでも支払った場合、民法第491条の規定に基づき、支払額のすべてを損害賠償金に充当するのでしょうか、それとも、当課でルールを決めて、一部を遅延損害金にも充当できるのでしょうか。
ご教示よろしくお願いします。

Re: 民法第491条の解釈について

DON No.16111

感覚的にですが…。

相手方が無資力であれば、当該和解契約に基づく損害賠償及び遅延損害金を、満額回収することは不可能ではないでしょうか。

ただし、相手方に少しずつでも弁済してもらえる見込みがあるのであれば、支払能力を勘案して、新たな和解契約を締結した方がよいと思います。
この場合、議会の議決がネックになりそうですが。

Re: 民法第491条の解釈について

むかし法規 No.16139

当事者の合意があれば格別、自治体側の一方的な意思だけで民法491条の充当の順番を変えることはできなかったと思いますが。

ところで、前提がちょっと疑問。
“期限の利益の喪失約款”、通常は、債権者の請求なしに、遅滞の事実により、当然に期限の利益を喪失する旨の約款の有効性ということで問題になってきました。規定ぶりにはこだわらず、債権者の意思で喪失させることもさせないこともできるというのが一般的な考え方ではないでしょうか。
スレ主さまの今回のケース、自治体が、自ら期限の利益を喪失させて、(失礼ながら)墓穴を掘っているように感じてしまいました。

Re: 民法第491条の解釈について

DON No.16151

むかし法規様

舌足らずでした。
民491条の弁済の充当の順番は、当事者の合意があれば、これを変更できます。

住民票の目的外使用

水道局職員 No.16095

当市では水道料金と下水道使用料を一体として請求しています。料金未納で転出した使用者の転出先把握のため、下水道使用料徴収のため地方自治法を根拠法令として住民票を公用請求しております。水道料金徴収のために住民票を公用請求できる根拠法令はないと考えます。
ところで下水道使用料徴収のために公用請求した住民票をもとに、あわせて水道料金を請求することは目的外使用に該当するので違法でないかと考えます。たとえ下水道使用料と水道料金は一体として請求していても、公用請求した住民票をもとには下水道使用料しか請求できないと考えます。
みなさんのご意見をご教示お願い申し上げます。

Re: 住民票の目的外使用

あお No.16102

長くなりますが,水道料金は私債権,下水道使用料は滞納処分ができる債権として間が増すと,
平成19年3月27日付け総務省自治税務局企画課長通知では,滞納処分規定を有する債権同士は,相互に情報共有が認められるとしています。
この通知の考え方を超える範囲である情報共有を全く法的根拠の違う私債権にまで認めるのであれば根拠が必要です。
同通知では,地方団体内における各種公金の徴収の連携強化のところで,「地方団体の歳入を確実に確保する観点からも,地方団体内部では専門的な徴収ノウハウを有する税務担当部局の活用を図ることは有用と考えられるので,それぞれの債権に関する個人情報保護に十分かつ慎重な配慮を行いつつ,各地方団体の実状等に応じ,検討していただきたい。なお,国民健康保険料については,地方税の滞納処分の例により処分することができる(国民健康保険法79条の2及び地方自治法231条の3B)ことから,国税徴収法141条の規定が適用され,滞納者等に対し財産に関する必要な質問及び検査への応答義務が課されている。このため,当該情報は滞納者との関係においては秘密ではないと考えられ,地方税法22条に定める守秘義務に関し,地方税と国民健康保険料を一元的に徴収するため,滞納者の財産情報を利用することについては差し支えない。保育所保育料など,地方税の滞納処分の例によると規定されているものについても同様と考えられるので,参考としていただきたい。」とされています。
つまり,総務省通知では,滞納処分規定を有する債権は,共通して国税徴収法141条の質問・検査権を与えられたものであるという理由から一元的な徴収を行う場合は個人情報の共有ができるということになり,説得力を持つと考えています。
滞納前に水道料金と下水道使用料を一括徴収している自治体は多いと思いますが,滞納になった時点で,各債権ごとの対応は別にしなければなりません。
もっとも,住民票の請求は,住民基本台帳法12条の2第1項により,「法令で定める事務の遂行のために必要である場合には,市町村長に対し,交付を請求することができ」ますから水道料金の徴収として請求はできます。
基本的には水道料金と下水道使用料は法的根拠が全く違いますから,別扱いする方が無難と考えています。

Re: 住民票の目的外使用

水道局職員 No.16147

ご教示真にありがとうございます。
すみません。それでは住民基本台法を根拠法令として下水道使用料滞納者の住民票も公用請求できるのでしょうか。

Re: 住民票の目的外使用

あお No.16148

問題となるのは,下水道使用料における情報をそのまま水道料金滞納に流すことが問題であり,両債権ともに住民票は公用請求可能と考えます。

農耕用作業車の公道走行に関して

軽自税担当 No.16143

いつもお世話になっております。
農耕用小型特殊自動車のナンバー交付の際によく尋ねられるのですが、農耕用作業車(トラクタ、コンバイン、田植機等)は公道を走行しても良いのでしょうか?
私は「あくまで課税上のナンバーであり、公道走行するには道路運送車両法に規定される保安基準を満たさないといけない」と答えています。
しかし、実際にはトラックに保安基準を満たさない農耕用作業車を乗せて、農作業する近辺まで移動させても、駐車場所の確保や交通安全上の問題から、トラックから目的地まで農耕作業車で公道を走行しなければいけないケースも存在します。
上記の様な場合も道路交通法違反に該当するのでしょうか?
道路運送車両法第46条の保安基準の原則には
「第40条から第42条まで、第44条及び前条の規定による保安上又は公害防止上の技術基準は・・・(中略)・・・製作者又は使用者に対し、自動車の製作又は使用について不当な制限を課することとなるものであつてはならない。」
とあるので、問題ないのでしょうか?
ご教示のほど、よろしくお願いいたします。

ごみの選別作業

111 No.16135

ごみの選別をシルバー人材センターに委託する場合、委託費で計上すべきか?役務の提供として役務費(手数料)で計上すべきか?どちらが適当でしょうか?よろしくお願いします。

Re: ごみの選別作業

元監査 No.16142

「委託する場合」であれば委託料でいいと思います。

なんて冗談はさておき、
手数料にはどのようなものが該当するかを考えればわかりやすいと思います。
例えば不動産鑑定手数料、ごみ処理手数料のように、
一定の基準に従いその支払う額が定められているものは
手数料とするのが一般的です。

であれば、ごみの選別については、
一定の基準がないと思われますので、委託料が適当と考えます。

療養休暇後の昇給について

きみちゃん No.16129

 前に、療養休暇で3ヶ月休みましたが、私の場合、定期昇給は無く、昨年と同額でした。療養を認めておいて、昇給というのは無いのが当たり前なのでしょうか?

Re: 療養休暇後の昇給について

むかし法規 No.16131

一般的な考え方としては、たとえば次のQ&Aが参考になるでしょうか。

→ http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/kyuuka/K04.html

Re: 療養休暇後の昇給について

DON No.16134

昇給に関する基準については、各団体において、規則で定められているはずです。
その運用については各団体によって異なっているので、一般論として昇給の有無を論ずることはできません。

無償貸付財産の修繕義務

隣のロトト No.16099

本市では、以前、小学校の理科室として使用していた建物の用途を廃止し、地元町内会に倉庫として無償貸付をしております。(この小学校は別の場所に建て替えをしました。)
この度、この町内会から雨漏りがしているので、屋根の修繕をお願いしたい旨の依頼がありました。このような場合、修繕の額にもよるものと思われますが、費用負担についてどのように対応したらよいのか悩んでおります。(修繕の見積もり依頼はしておりません。)
そもそも、貸付がなければ、少々の雨漏りでも修繕しないのが通例であります。地元町内会に倉庫として貸付けていることで、雨漏り修繕の必要性が生じているものです。
他の自治体でこのような事案の場合、どのような対応をされておられるのか、ご教示をお願いしたいと思います。
なお、本市の場合には、他の事例を含めて無償貸付の場合、通常の維持管理については、借受者が負担をすることとし、大規模な修繕についてのみ除外(市が処理)することとしておりますが、費用の額など具体的な取扱いについては、明確な基準がないものであります。(ちなみに、本ケースについては、貸付契約を取り交わしておらず、何らかの基準を盛り込んだ契約締結が必要となります。)

Re: 無償貸付財産の修繕義務

むかし法規 No.16125

法的義務ということであれば、契約に明示の定めがない以上、使用貸借についての民法595条1項の規定が補充的に適用され、(通常の)修繕義務はないと思います。

Re: 無償貸付財産の修繕義務

No.16126

隣のロトト 様

むかし法規様の言われるとおりかと思います。
民民契約のようなケースでは、耐用年数が延びるか否かで区分すると思いますが…参考となりますでしょうか。

出産育児一時金関係

国保保険 No.16124

いつもお世話になります。
大変初歩的な質問で恐縮なんですが、今年10月より出産育児一時金の4万円引き上げと直接払制度になることから、全国一律で事務手数料として210円が必要となりますが、新たに予算科目を創設する予定なんです。この場合、歳入となる財源には何を充てるのでしょうか?
出産育児一時金においても、従来の歳入となる財源は保険税1/3、一般会計繰入金2/3だと思うのですが、引き上げ分は国庫3/6、繰入れ分2/6、保険税1/6となっています。
38万円(従来分)と4万円(引き上げ)は別々に試算して予算化するのでしょうか?
最後に恥ずかしいのですが、保険税の財源の充て方はどのようにするのですか?医療分、介護分、後期支援分と3つに分かれてますが、どのように振り分けるか教えていただけますでしょうか?根本的にわかっていません。よろしくお願いします。

市民との約束について

No.16029

 市民が何度も面談にこられ、録音することを承諾されたうえおこなった録音テープを複製してほしいと要求があり、約束はしたが上司が承諾されず結局、録音テープは渡せないかわりに、記録したメモを渡すことになりましたが、市民の方はあくまでも約束した録音テープを要求されます。一旦約束した録音テープは絶対に渡す必要があるのでしょうか。

Re: 市民との約束について

たっく No.16030

 詳しい状況がわかりませんが、絶対に渡す必要があるかということであれば、契約書でもかわして罰則なりを定めていれば別なのかもしれませんが、おそらく口約束でしょうから、そんな必要はないのではないでしょうか。
 ただ、そんな約束はないととぼけるにしても、約束事態は認めつつその上で渡せないというにしても、さらにもめる事になるのでしょうが、その辺をどう判断するかではないでしょうか。
 約束自体を認めるのであれば、通常渡すべきなのでしょうが・・・
 いぜれにせよここで聞いてどうなるものでもないのではないでしょうか。

Re: 市民との約束について

市という村の法担 No.16032

「約束を守らなくていいですか。」と尋ねているのと同じです。約束をしたのであれば,渡す必要があるでしょう。行政が約束を守らないでいいはずがありません。
誠様が大変困っていらっしゃることは,想像できます。頑張ってください。

Re: 市民との約束について

雪男 No.16034

 約束とは別の観点からですが、誠様の自治体の個人情報保護条例では録音テープの取扱はどのようになっているでしょうか。
 録音テープも公文書となっており、市が作成したものであれば個人情報保護条例の対象になるので、開示請求された場合の対応はどのように?
 もっとも今回のケースは条例云々の問題ではないのでしょうが。

Re: 市民との約束について

法務メイド過疎区 No.16037

まずは信義の問題(自治体様ばかりではなく、あちら様にとってもです)であり、
最終的には情報公開請求を受けたら、どうやって対抗するかという問題になると思います(渡したくない目線のいい方ですが。)。
電磁的記録を公文書として扱うのは多分どちら様も同じでしょうが、
例えば記録の中に第三者の個人情報が入っていたとしたら、提供しないのか、
その部分をカットして提供しなくてはいけないのか。
カットする技術がない場合は提供しなくていいのか、メモ等副次的なものを作成して
開示するのか等には、各自治体様で違いがあると思います。


Re: 市民との約束について

公公 No.16038

雪男さんが言われるように、今回の場合は条例云々の問題だと思います。
誠さんの自治体の条例を今一度確認された方がいいと思います。

Re: 市民との約束について

sasaくん No.16041

録音テープを渡すことを承諾し、約束したのであれば、その時点で諾成契約が成立しています。(民法)
約束したこと自体に争いがないのであれば、当然に守られるべきです。
口約束であり、それを証明する文書がないことを理由に、約束を破るのは信義に反すると思います。

録音テープを渡すことが、個人情報保護条例等に反するというのであれば、最初の段階で拒否すべきでした。
そのことに意を払わず、安易に渡すと約束した自治体側に非があります。
約束はしたが上司が承諾しない・・・も、自治体内部の問題です。上司の判断を経ずして、録音テープを渡すと約束したことが間違いです。

自治体の個人情報保護条例より上位法である民法が優先されるので、約束は守られるべきと考えます。


Re: 市民との約束について

あお No.16043

録音を要求したのは自治体側でしょうか,それとも市民でしょうか。
また,今までの論点の一つである公文書に該当するものでしょうか。
内容は個人情報など非公開事由に該当するのでしょうか。
相手方そのものの情報であれば個人情報保護条例での開示請求も考えられるところです。
sasaくんの行政法と民法の交錯すること,約束違反(行政上の禁反言)は興味がありますし,難しい議論ですが。
まず,個人と行政とのやり取りを考えて,情報公開の土俵で一つ一つつぶして結論付けてはどうでしょうか。

Re: 市民との約束について

No.16044

>>(市民に)約束はしたが上司が承諾されず

上司が「渡してはいけない」と判断された理由を聞かれました? その理由を誠さんは納得されてますか? 最初にもどって、面談を録音すること自体とか録音テープを渡すという約束について、上司の許可をとっていなかったのではないか、とも思量しますけれど。

条例とか公文書の取扱いとかの以前の問題だと思いますけれど。


Re: 市民との約束について

あお No.16045

これ以上の議論は誠さんから事情を聞かないと何ともいえない部分がありますが,
約束を守ることは当然ですが,事が一旦,行政として受けた情報扱いになることが問題をややこしくしていると思います。
感想だけで解決には近づきませんが,事が起きた以上,やはり行政情報として扱うのが当然と考えています。

Re: 市民との約束について

えんどう たかし No.16050

 的外れかもしれませんが、録音済みテープを「情報成果物」と考えた場合、以下の権利利害があるように思われます。

 @ 録音成果物の内容を制作した者の権利(そこに記録された全ての意思表示者の権利)
 A 録音成果物の物的・技術的権利(場所や機材などの所有・占有権や、操作に投入された技術・労働力の権利)
 B 録音成果物を完成させるために編集・整理・校正が必要な場合に、その権限が誰に与えられていたのか、という問題。

 行政機関が作成したものであれば、Aについては、おそらく行政機関にあると思います。その限りでは、いわゆる行政情報なのだろうと思います。

 しかし、その中身については、情報成果物である以上は、その他の権利・利害関係人が存在していると考えられ、@については、話し合いの録音などの場合には、そこに録音されているやり取りについては意思表示者が複数存在しており、やり取りである以上は“録音内容の内、部分的な発言がその者だけの権利で、その集積に過ぎないもの”とは言えない、共同の成果物でしょう。

 そうだとすると、その情報成果物の害関係人には、発言その他の意思表示行為の校正権を主張しうる余地があると考えます(Bの権限の問題)。
 但し、この考えに立てば、同様に他の権利・利害関係人(この場合行政機関の意思)を無視できないことから、録音媒体を複製して分布(利害関係人等に配布)するには、当該利害関係人以外の利害関係人の合意が必要ではないかと考えます。また、これは、後で複製(ダビング等)をする場合でなくても(録音しながらもう一つの媒体にパラレルで録音しこれを市民が持ち帰る場合でも)同様ではないかと思います。
 結局、このような情報成果物は、行政機関・市民、双方に共同・不可分の権利があると考えられるので、私人同士の場合と同様に、それぞれが勝手に編集や校正を行ったり、不特定の者に分布(配布)することは出来ないのだろうと思います(例えば、音楽のリハーサルの録音を、バンドの一部のメンバーが他のメンバーの意に反して完成されたものとして分布するような場合と同じ)。
 しかし、自分の発言を確かめたり、その上で、自分の発言部分ついては、編集権者に対して校正や訂正・削除を求めることは可能と解されるので、それを行う目的(必要な範囲で)で複製(ダビング)を求めうると解する余地があるのではないかと考えます。

 上記整理は冒頭申し上げた通り、市民と行政機関の双方が、録音テープという情報成果物の共同制作者である場合ですが・・・。

 Aが行政機関の提供によるのだから、行政機関だけの情報であるとは言えないだろうと思います。無編集・無校正《=証拠の意味》で記録録音することを合意した場合も同様だと考えます。


 《追記》

 記録録音を「証拠」の意味で残すことが結構行われているようですが、録音媒体を残すことは、一時の『事象』を『対象化』することだと考えられます。
 このような一時的な発言の“対象化”は、双方の発言趣旨の適否よりも、ややもすると発言方法の適否が後に問題となり得、それが双方にとってリスクを伴うものであることも、もっと認識されるべきではないかと考えているところです。

Re: 市民との約束について

法務メイド過疎区 No.16052

録音という作業には多分、事象を対象物化するという価値(あるいは目的)の他に
言質を取るだとか、あるいは言質を取ってるんだぞということで
お互いがはっちゃけた言動に出たりしないようにするという
形而上の駆け引きもあるような気がするです。
本題と何の関係もなくて申し訳ありませんが。

Re: 市民との約束について

No.16055

>法務メイド過疎区さま
>>はっちゃけた言動

日本語俗語辞書(http://zokugo-dict.com/26ha/hacyakeru.htm)によると、
「はっちゃけるとは日常生活の嫌なことやイライラを忘れ(忘れるために)、思う存分にはしゃぐことである。はっちゃけるは2000年辺りから若者を中心に使われたが、次第にストレスの多いサラリーマンなど社会人にも使われるようになる。同時にストレス発散のためにはしゃぐという行為以外に、単に「はりきる」といったニュアンスでも使われるようになる。また、2003年辺りから「はっちゃけ野郎・はっちゃけ日記」といった形でも使われる。」
静岡東部でも、「騒ぐ」の意味をもつ方言もあるようですが(http://www.misu.org/dialect/word.html)。

なんとなく少し意味が違うような。。。。
※ スレの流れとはぜんぜん違うレスです。すみません。

Re: 市民との約束について

雨男 No.16068

誠様
どのような経緯で約束をされたのか教えてください。

Re: 市民との約束について

むかし法規 No.16071

一般的な情報公開条例ですと、公開の対象となる公文書を“組織的に用いるもの”と定義づけているのではないでしょうか。
スレ主さまご提示の情報だけから判断すると、行政機関として録音の意思があった場合とは思えませんので、公開の対象とならない「音声による私的メモ」であると感じました。

あと、“信義上”約束は守らなければなりませんが、それを守り、あるいは守らないことによるいずれの不利益を甘受するかの判断は、日常茶飯事に、自己の責任において(子どもさんでも)行っていることではないでしょうか。

Re: 市民との約束について

法務メイド過疎区 No.16072

Gさま
ご指摘ありがとうございます。
単に「はしゃいだ」とか「理性のタガが外れた」みたいなノリで使っていました><

むかし法規さま
多くの情報公開条例は、情報公開法に準じて作られていると思いますが、
当該法における「組織的に用いるもの」の定義につきましては、
判例((平成17年度司法試験第2次試験口述試験に関する文書の開示請求)によると、
「組織の構成員全員が統一的、画一的な利用の仕方をしているか否かとは
関係がなく、組織の構成員ならば誰でも利用可能な状態にあることである。」
らしいです。
本件の場合、事後的に上司さんに報告されているところからすると、
仮に行政機関として作成の意思がなかったとしても、職員が私的に保管していたとしても、経過報告等として組織内に周知したりしていれば、アウトではないでしょうか・・

Re: 市民との約束について

むかし法規 No.16082

>法務メイド過疎区さま

その点に関心があります。
情報公開条例は、最初、対象文書を閲覧・決済後の文書として出発したかと記憶していますが、常識的に考えて、いくらなんでも狭すぎる。
で、「組織的に用いるもの」が追加されたわけですが、その外延がよくわからない。というか、現実の行政が管理する文書のあり方とのリンクが検討されていないような気がしています。

本スレのケース、契約説もあるようですが、その場合、契約の当事者は、職員個人と当該住民となります。そして、契約の対象である録音物が、職員個人の管理処分できるものでなかったら、即ち「組織的に用いるもの」であったとすれば、他人物売買類似の状況でしょう。債権契約としては有効でも、録音物管理者である自治体がその処分を承諾しない以上、債務不履行として損害賠償責任を負うことになってくると。

一方、当該録音物が、純粋に職員の個人的に作成したものと見るのも躊躇を覚えます。少なくとも、職務に関して作成したものであり、その中に個人の「秘密」が含まれていた場合、それを他者に漏らしたときには地公法上の守秘義務違反が成立するのではないでしょうか。

現行情報公開条例の“世界観”の外の世界のできごとと考えても、全く私的な事件とは割り切れない本スレのテーマは、知的刺激に満ちています。

(追記)そもそも上司が“渡すな!”と言明しているとすれば、当該録音物は(少なくとも上司の意識では)個人の管理物ではなく、自治体の管理物として認識しているわけで、となると、“組織的に用いるもの”として情報公開条例の対象となってきます。
あるいは、私的なメモであり、情報公開条例の対象でないものについても、その処分について、上司が服務上の命令を発することができるか? という問題設定もあり得ますね。

Re: 市民との約束について

元公開担当 No.16087

まず、そのテープは役所として本人の同意を得た上で録音したとのことですので、当然、公的な保管および利用が予定されているはずで、しかも上司が開示の可否について指示すべきものであるなら、職務に関して作成されたものと判断すべきでしょう。

次に、情報公開条例にあてはめて考える方も多いようですが、通常、公開基準は「請求する者が誰であっても同じ」なので個人情報は非公開になるはずで、公開請求では公開すべきものではないでしょう。

しかし、一方、個人情報保護条例も対になっているはずで、これですと「自己情報のコントロール権」という視点からみるので、役所が所持している自分との面談についてのテープ情報は個人情報であり、これの開示(決して公開ではありません)請求や、訂正または削除請求についての規定があるはずです。
そうすると、個人情報の開示請求について拒否するのは、個人情報保護条例に照らして非開示処分できるだけの根拠が求められます。
本人と役所の交わした会話については、本人に対しては守秘義務の射程外であり、どうしても開示できない理由を見つけるのは困難ではないでしょうか。
当方では、かつて、通常は開示することのない滞納整理記録について、滞納者の元妻と事務所が会話した記録部分を、その元妻から開示請求され、当該部分のみは開示したこともあります。

Re: 市民との約束について

えんどう たかし No.16098

元公開担当様の整理が妥当のように思います。

 なお、先に私が申し上げた下記部分・・
>Aが行政機関の提供によるのだから、行政機関だけの情報であるとは言えないだろうと思います。無編集・無校正《=証拠の意味》で記録録音することを合意した場合も同様だと考えます。<
・・についても、元公開担当様の整理により、「特定の個人の思想や意思の対象化された情報」が個人情報の定義中に包括されていると見ることが出来、そうだとすれば個人情報保護条例の手続きに従うか、その趣旨に則り(会話やそのメモなどの場合は、既に本人が知覚していれば手続きは不要でしょうから)本人に開示されるべきなのだろうと思います。ただ、録音媒体を複製する手続き手数料(実費相当額)などの規定がない場合には、今回の複製交付が、将来に向けての前例ともなり得るため、若干の考慮が必要なのだろうと思います。しかし、“録音媒体を複製・交付する手続きや手数料などの規定がないから交付できない”ということにはならないように思います。

 あと、邪推ですが・・・
 例えば、当該録音媒体には行政機関の意思表示(質問等に対する回答など)も収録されており、そこに録音(対象化)された行政機関側の意思表示が正確さを欠くなどの問題があるために上司が開示を躊躇しているといったことがあるのでしょうか?・・・。

Re: 市民との約束について

むかし法規 No.16122

情報公開条例の対象となる公文書が、決裁・閲覧文書であれば、自治体の決裁規程等により、その文書を組織として作成・保管するという意思はある程度明確に推定できるでしょう。
ところが、「組織的に用いるもの」となってくると、誰の意思で組織的に用いることとしたのかあいまいです。
本スレのケース、録音することを決定したのは、担当者の判断なのか、上司の判断なのか、あるいは首長の判断なのか。
担当者あるいは上司の判断であった場合、その判断が自治体の意思であるという根拠は何か。

一方、別の視点からですが、担当者の記憶を補助するものとしてのメモとしての録音であった場合、復命なり、報告なりの形でその内容が書面としてまとめられた後では、その録音は消去しても差し支えないでしょう。なぐり書きのメモを捨てるのと同じ。

結局、事後的に裁判所が、社会通念上、開示させたほうが適当と判断するケースが、結果的に、「組織的に用いるもの」と解釈されることになってくるのでしょうね。今後の公文書法の運用とも関係してきそうであり、また、刑法の公文書偽造・虚偽公文書作成罪や公用文書毀棄罪の対象との関係とかも出てきそうで、本スレの事実認定を離れても、おもしろい問題だと思いました。

(追記)なお、情報公開条例の運用については、行政不服審査法もそうですが、法的義務の解釈判断(裁判になったら負けるだろう)と、必ずしも法的義務ではないけれど、運用として広く認めていこうという政策判断が微妙に入り組んでしまうところがありますね。私の場合、本スレのケースでは、直感的に法的義務はないだろうと感じてしまいました。

非常勤職員時間単価について

田中 No.16067

08人勧で非常勤職員に対する給与指針について行政(一)1級1号を基準とすることになっており時給換算すると782円となっていますが、時給782円の算出方法がわかりません教えていただけませんでしょうか。

Re: 非常勤職員時間単価について

さすらいの給与担当 No.16088

単価=年間給与÷年間勤務時間だと思います。
行(一)1級1号の月額が135,600円ですので、
135,600×12ヶ月÷52週×40時間(当時)=782円ですね。

Re: 非常勤職員時間単価について

田中 No.16120

ありがとうございました。
素人のような質問をさせてください。
嘱託登記をする場合、登記承諾書に押印する印鑑は、必ず印鑑登録してあるもので、印鑑証明書の添付も必要だと思います。
この際、土地の所有者が他の自治体の住民である場合、その自治体に「公用のための印鑑証明書の無料交付の依頼」をすれば(その依頼文書を本人に持たせれば)無料交付してくれるところもあるようですが、公用であっても手数料が免除にならない自治体もあるようです。
有料で印鑑証明書を取得してもらって、かかった実費(手数料)を本人に支払う場合、支出科目は役務費になるのでしょうか?それとも公有財産購入費になるのでしょうか?
いつも勉強させていただいております。

公費による支出はできないと思います。

印鑑証明書の無料交付については、たしか、旧自治省が無料交付するべきではないとの見解を示していたと思います。古い話で、記憶があいまいですが、当市の市民課で、月刊誌での質疑(市町村の事務担当の問いに、自治省の担当者が答えるもの)に載っていたのを見せてもらったことがあります。そのため、当市では、市民課が無料の取扱をやめようとして、工事担当課とトラブルになり、断念したことがあるようです。現在でも無料で交付されています。しかし、国や県の事業では、個人が有料で取りに来ていると思います。

私が扱ったケースで、近隣の市や県内の市町村で、無料交付を申請して断られたことはありません。しかし、前述の月刊誌では、個人が負担するべきものとの解釈であったと思います。ですから、公費から支出することはできないと思います。

印鑑証明書は、個人が契約で用意するべきもので、補償の対象にはならず、本来は個人が負担するべきものであると思っていますが、用地交渉での事業者と土地所有者との円滑な契約のため、無料交付に理解をしていただいている自治体に感謝です。
細かく行為に着目すると役務費になるわけですが、
土地購入にかかる一連の行為ということで、公有財産購入費という処理もできると思います(印鑑証明とか先方の経費を、契約金額にあわせて払ってしまう、と考える)。
 いつもお世話になっております。

 ごずっちょ様の質問とは直接的な回答ではないのですが、参考になればと思い書き込みをいたします。

 私は新潟県の市町村に勤務するものです。新潟県内の話をしますと、平成8年11月20日付け、地第922号で「印鑑登録証明書の交付の適正化について(通知)」が出されました。
 内容の概略は、
 印鑑登録証明書の交付については、印鑑登録を受けている者又はその代理人に対してのみ、窓口において印鑑登録証を提示した場合に限り証明書を交付することとされています。
 今般、一部の市町村で印鑑登録証の提示のない県出先機関の公用請求に対し、印鑑登録証明書を交付した事例がありました。 
 前述のとおり、印鑑登録証明書は印鑑登録証を持参したもののみに交付するものであることから、公用請求自体があり得ないことである。
 貴職におかれましては、このような申請があった場合は、請求に応ずることのないよう厳正な取扱いをするとともに、請求者に対しては適切な指導をお願いします。
 なお、「公共工事に係る所有権移転登記のため」等、私的取引でない旨を記載した公的機関の長による証明書を添付した適正な申請に係る証明手数料の取扱いについては、貴団体における同種の取扱いと均衡を失しないよう配慮をしてください。

となっておりました。

 このことから、印鑑登録証明書の公用請求(本人不在)は不可能と解しますが、本人請求で私的取引でない(公共の利益に資する)旨を記載した公的機関の長による証明書が同時に窓口に提出された場合、各市町村で制定されている手数料条例に当てはめて考えればよいのかと思います。

 当市では、手数料条例内に免除規定として、「公共のためにするもの」の場合は、手数料を徴収しないこととしているため、前述の方法で本人から請求があったときは、無料で印鑑登録証明書の交付をしているそうです。

 長文になり申し訳ございませんでした。参考になれば幸いです。
私も用地取得事務に従事しておりますが、
住民課勤務の経験がないため、印鑑登録証明書の無料取り扱いの根拠等について無知であり、O子様の投稿が大変参考になりました。

さて、もし実費を本人に支払う=自治体が負担する、という場合、やはり公有財産購入費とするのが妥当ではないかな、と感じます。

ご質問のケースとは違いますが、契約書に貼付する収入印紙の場合、自治体作成分は当然非課税として、地権者側には納税義務が発生しますが、私どもの市の場合は契約書上で印紙税は市が負担する旨を記し、印紙代は公有財産購入費で支出しています。
それと同じ考え方なのかな、と。

ただ印鑑登録証明書等の手数料を自治体で負担する場合、やはり契約書上でその旨を明記しない限り、支出の根拠があやふやになってしまうような気がします。
例:「嘱託登記に必要な添付書類の発行手数料は、乙(自治体)がこれを負担する」とか…

不明確な答えですみません。
うちでは無料交付依頼をしておりません。地権者に用意していただいております。
その分補償額を上乗せすることもしておりません。

その上で、仮に印鑑証明書の発行手数料を公費でまかなうことができるとすれば、厳密に言えば補償補填及び賠償費になるのではないかと思います。いわゆる通損補償の中に「法令上の手続に要する費用」を支出することができるとあり、この中にはたとえば転居する際に(会社・学校等への届出に)必要な最低限の住民票の発行手数料が含まれうると記述のある解説書が多いでしょう。これで見る、という考え方です。

一方、「地方財務実務提要」(いま手元になく頁数等、お示しできません。すみません。)には、需用費で書籍を購入するとき、その送料は役務費から支出すべきかという問いに対して、「厳密に言えばそうだが、一体として需用費から支出しても良い」という回答があったかと存じます。
「出版社から書籍を購入する」と「地権者から用地を購入する」の間に対応関係を見いだせば、それに付随する費用として印鑑証明書の発行手数料を公有財産購入費から支出することにも理屈はつけられるのではないでしょうか。