過去ログ [ 165 ] HTML版

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法律、政令等の略称について

ルパン No.18568

皆さんにお聞きしたいと思います。

よく条文の中で、法律等を引用する場合、

法律の場合・・・以下「法」という。

としますが、政令、省令の場合はどのような略称とするのでしょうか。

政令の場合・・・以下「令」という。なのか、以下「政令」という。

省令の場合・・・以下「省令」という。なのか、以下「規則」という。

初歩的な質問ですが、教えていただきたいと思います。

Re: 法律、政令等の略称について

OKJ No.18583

ケースにもよるとおもいますが、当自治体では以下のように表現することが多いです。
法律なら「以下「法」という。」
政令ならたいてい○○法施行令でしょうから、「以下「施行令」という。」
省令なら○○法施行規則でしょうから、「以下「施行規則」という。」

Re: 法律、政令等の略称について

さすらい人 No.18589

うちは、法律はOKJ様と同じですが、
原則、
政令は「政令」
省令は「省令」です。

政令が「令」では、政令と省令の区別がつきませんので不適切なのではないでしょうか。
また、政令を「政令」と云って、省令を「規則」と云うのもちぐはぐな気がしますね。

あくまでも略称規定における裁量の範囲なのですが…。

昇給について

Z No.18505

今年より人事担当になりました。
昇給についてご教示ください。

55歳を超えるものと、超えないものでは昇給の号給数が違います。
そこで、定期昇給により55歳を超えない職員が、55歳を超える職員を追い抜くことが生じる場合、何か調整は必要でしょうか?

よろしくお願いします。

Re: 昇給について

町職員その他 No.18542

調整は不要です。
今までもそうでした。

(貴市町村で条例で何らかの規定していて従前から調整されていたなら、話は別です。そちらの「従前」に従って下さい。)

Re: 昇給について

どさんこ No.18578

昇級時(現在は1月1日でしょうね)の年齢で差が出る場合を想定して、退職と同様、55歳を年度で押さえている市町村が多数あります。
調整をするか、そのように規則等を直すか、と思います。

Re: 昇給について

Z No.18587

町職員その他さん、どさんこさんありがとうございました。

控除の変更にて

心配性職員 No.18575

10年度税制改正大綱が閣議決定されたようなので、これで扶養控除と特定扶養控除の減額が決定されたことと思われます。
これに伴う増税については、子どもがいる世帯に子ども手当ての支給・高校授業料の無償化で相殺、子どもがいない世帯については増税ということはいろいろと報道がなされているようです。
ですので、この点についてはさほど役所が広報をする必要が無いかと思われます。

 ただ、この控除が変更になることで、いままで住民税が非課税世帯だったところが、均等割り課税や所得割課税になることがあったり、所得金額が増えることによって、保育料・公営住宅使用料・介護保険料・国民健康保険料が増えることがありえるのではないでしょうか?

 これについては広報をする必要があるのではないかと危惧しているところです。
 まだ1年以上先の話ではあるのですけど、皆さんの考えをお聞きしたいと思い書き込みをさせていただきました。

Re: 控除の変更にて

ぺんのすけ No.18579

国民健康保険については同じ大綱で所要の措置を講ずるとされていませんでしたでしょうか。

Re: 控除の変更にて

No.18584

>一年以上先

いつ広報するか、というのは、思考実験としては面白いです。条例が通ってから「こうなりました」というのは広報なのかどうか? 「このままだと値上がりしますよ」と今広報してもよいものかどうか?

大綱がでたからといって、地方税法が改正されたわけでなし、ましてや税条例を改正しなければならないわけでもありますまい、と言ってみるテスト。
名古屋市の例もあるので、「うちは扶養控除を従来のまま行う(とか、少しは残す)」というところはでてこないかな、とひそかに期待。

保育料等との連動は、自治体の裁量でしょう。個別の住民にとって、子ども手当てをもらう人も、それ以外の所得そのものは減るわけですから、保育料等の表を書きかえるべきと私は思います。また、子ども手当の増額分を、自治体がとっちゃったら何のため、ということにもなってしまいますし。

国民健康保険税と租税条約

ほっぽ No.18520

いつもこちらを拝見させていただいて
業務の参考にしています。
疑問点がありますので、質問させてください。

海外から日本に入国され
中には租税条約に該当する国から
入国される方がいらっしゃいます。

例えば中国からの入国で
租税20条や21条で住民税が課税されない方は
国民健康保険税ではどのような影響を受けるのでしょうか?

住民税は課税しないとありますが
国民健康保険税についての記述はありません。
ただ、所得割を計算する場合は
住民税に連動して所得割を含めず
均等割平等割だけで賦課すべきなのでしょうか?

年末になり
皆様お忙しい中ではございますが
ご教示いただきますようよろしくお願いします。

Re: 国民健康保険税と租税条約

蒸され人 No.18534

はじめまして。
私は住民税の賦課担当者ですので、国保税の賦課について詳しいことは分かりませんが、参考までに。
私の団体では、住民税とは連動せず、通常どおりの課税をしています。
国保税については租税条約の適用は受けない(国保税の性質上、医療給付に充てるための目的税だからとか。)と聞いております。

Re: 国民健康保険税と租税条約

ほっぽ No.18555

蒸され人 さん
ありがとうございます。

住民税とは連動されず課税されているんですね。
私の団体も同様の理由により課税しています。

ただ、ネットで調べたり、先月東京で住民税の
外国人課税についての研修では「住民税に連動する」
という内容があり、どの扱いが正しいのか悩んでいます。
国保税の所得割の計算は色々な方法がありますが
団体によって所得割が課税されるされないの
差がつくのはおかしいと思います。
う〜〜〜〜ん、よくわかりません・・・
社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、◆国民健康保険条例◆介護保険条例◆後期高齢者医療に関する条例
等の改正って必要だったのでしょうか?
てっきり、社会保険以外は関係ないと思っていたのですが。
 「社会保険と同様の軽減措置を設けよう」と思われるのであれば,改正が必要でしょうし,別に今まで同様で良いと思われるのであれば,改正の必要は無いでしょう。

 ちなみに,国民健康保険税や介護保険料,後期高齢者医療の保険料などは,以前から同様の軽減措置を定めている自治体が多いと思いますので,貴団体の条例で延滞金軽減の規定が既にあるのであれば,特に改正の必要は無いでしょう。

 なお,特例措置の対象期間について,国の改正では納期限から3か月間とされていますが,条例で同様の措置を既にとっている自治体では納期限から1か月間としているところが多いようです。
 今回の国の改正に倣って対象期間を延長した自治体は,当方の近隣では居ませんでしたので,当方でも特に改正は行いませんでした。
すばやく、ご丁寧な回答をいただき大変ありがとうございました。当方でも軽減措置は定めています。近隣でも改正がなかったようです。

地方税の差押え処分について

ピーチ姫 No.18457

地方税の差押え処分に関する質問です。

滞納者Aの預金口座を発見し、差押えをするための通知を8月1日に発送した。翌日に銀行に通知が到着し、預金を差し押さえた。滞納者Aは8月1日(若しくは8月2日)に滞納していた税金を納税通知書で支払った。

このような事例で、8月1日(若しくは8月2日)に行った差押え処分は違法でしょうか?

実務上は、滞納者Aが税金払ったかどうかは即時にはシステム上は分からず、支払をした数日後に銀行等からの情報がシステム上に反映されるため、差押えの通知を発送する時点では最近数日に滞納が消滅したかどうかを判断することはできません。したがって、実務上は、上記のような事例があったとしても使用がないのですが、法的には大丈夫なのかな?と。
実務提要等を見たのですが、このような事例についてはふれられておらず、みなさまのお知恵をお貸しください。

Re: 地方税の差押え処分について

さすらい人 No.18459

刑法の虚偽公文書作成及び同行使の罪により無期又は3年以上の懲役の刑に処せられます…というのは全くの冗談ですw(すみません)

督促等の実務でも起こりうる“単なる事務上の行き違い”なのですから、違法性が問われることはないと思います。
ただし、差押えを受けた方は当然に気分を害されることになりますので、その後の対応として、@速やかな差押えの解除、A事情を説明した上で深謝 などが必要でしょうね。

万が一、事務手続き上の過失として訴訟となったとしても、実務の流れとして防ぎようがないことを立証できれば、相手方の主張が認められるようなことはないでしょう。
そういった場合も想定して、
「○年○月○日現在の収納状況に基づき通知をしております。万が一、行き違いの場合はご容赦ください。」といった常套句を通知文に記載していませんか?
常套句の“ご容赦ください”は形式的なものですが、前段が重要になります。

Re: 地方税の差押え処分について

どげんかせにゃいかん No.18462

前提事実の整理として、確か債権差押の効力発生日は、第三債務者への差押通知の到達ですので、差押がなされた日は8月2日となります。また、差押は行ったが換価処分(取立)は行っていないようですので、当然差押は、取消的解除を行ったとします。本件差押処分が法的には大丈夫かということは、違法かということでしょうが、相手方が8月1日に納付していれば(金融機関の領収日で確認)、違法と評価されるでしょうが、それでも何も問題はないと思います。処分の取消しは求められないですので、相手方がとるべき手段としては、損害賠償請求しか考えられず、その際、損害の発生の立証の困難で、仮に立証できたとしても相手方の過失(納期限を相当経過していること)が大きいからです。私が徴税担当課に在職していた際には、市の窓口(支所を含む)、指定金融機関等に問い合わせて、納付していないことを可能な限り調査して(限界はありますが)、滞納処分を行っていました。この程度の事を行っていれば貴市の過失は認められないでしょう。

Re: 地方税の差押え処分について

さすらい人 No.18474

補足させていただきますね。

意思表示の到達主義は、当該文書が相手方の支配下に入った時点でその意思表示の効果が発生するというものです。ですから必ずしも8月2日というわけではありません。
(どげんかせにゃいかん様のご意見は通常その日ということでしょうね。)

いずれにせよ、差押えの効力発生が滞納の事実消滅後となりますので、差押えそのものは“瑕疵ある行為”に該当します。
しかし、“差押えが適法な手続きで行われているが、やむを得ず生じた結果と認定”されれば結果的に無過失ということで違法性が問われることはないと思いますよ。

ただし、滞納の事実確認を行った後、通常合理的と考えられる範囲の期間(:確認後速やかに程度)内に手続きをされていれば…ですが。

Re: 地方税の差押え処分について

ピーチ姫 No.18528

さすらい人さま、どげんかせにゃいかんさま

お忙しいところご教示いただきありがとうございました。
実は本市においての実例は以下のようなものです。
「差押通知が銀行に到着した日と滞納者が納付した日が同じであった。記録により、差押通知が銀行に到着したのは、銀行の営業時間前であったため、時間的には差押通知が先であることは明らかである。」
滞納者は完納したのに、差押えは納得できないとおっしゃっています(もちろん、お金は返しているのですが、気持ちが収まらないようです。)。この場合「時間的には本市のほうが早いから、差押処分に違法はない。」といった抗弁となるのでしょうか?
法的に納得してもらう説明をしたいと思っているのですが。。。

Re: 地方税の差押え処分について

どげんかせにゃいかん No.18530

実例からいえば、差押え後に納付したことになりますので、差押え時には滞納税が存在しており、何ら滞納処分に違法性はないと思います。その時間の先後関係を証明できる書面を銀行から取得し、相手方に説明すれば事足りる(相手方が納得するかどうかは関係ない)と思います。ちなみに、私が徴税担当課にいたとき(15年ほど前)は、県外の金融機関でないかぎり、差押通知書を持って銀行に行って差押えを行い、差押調書?に銀行から通知書受領日時の確認印をもらっていましたので、それで証明していました。ところで、確認したいのですが、お金を返したということは、差押え→納付→換価処分(取立て)又は差押え→換価処分→納付のいずれでしょうか。仮に、納付後に換価処分をしていれば、また別の説明(やむをえない事情)がいるでしょう。

Re: 地方税の差押え処分について

さすらい人 No.18543

私もどげんかせにゃいかん様のご意見どおりの考え方で良いと思います。

先後の関係においても“滞納の事実に基づき適法に行われた差押え処分”であることが明白であり、全く違法性はありません。

思うに、少しでも税以外の差押えの手続きを知ってみえる方の場合には特に、裁判所からの通知や申立ての機会もなくいきなり強制執行となる税の差押え手続きは、いささか乱暴に映るのでしょうね。
本来、滞納者から猶予の申出があって然るべきものなのですが…、行政として過度の負担にならない範囲で事前通知などの配慮をすべきなのではないかと個人的には思っています。

(全くの蛇足ですみませんが…、
 どげんかせにゃいかん様、適度の改行をしていただけると、大変ありがたいです。)

私債権と公債権を一括しての民事訴訟

某水道局職員 No.18502

私債権である水道料金と公債権である下水道使用料を一括し民事訴訟することは可能なのでしょうか。

Re: 私債権と公債権を一括しての民事訴訟

どげんかせにゃいかん No.18508

ここで想定している民事訴訟とは、請求訴訟(給付訴訟)だと思いますが、そもそも給付訴訟の目的は確定判決(債務名義)を得て強制執行することです。そうすると、下水道使用料については、市税の滞納処分の例により自力執行が可能ですので、民事訴訟の手続を利用する意味がありません(かえって、訴訟費用等無駄な経費を支出することになります。)。水道料金と一括して、給付訴訟を提起した場合、下水道使用料について、本案前の判断として、訴訟要件である訴えの利益について判断されるのが原則です。訴えの利益の判断については、原則として他の手続(滞納処分:給付判決の目的)があれば、訴えの利益が認められず、下水道使用料の支払請求部分のみ却下判決が出される可能性があります。訴訟要件は裁判所の職権調査事項ではありますが、裁判所によっては、被告から抗弁がなされないかぎり、調査しないで本案審理に入る可能性はあり、そうすると弁論主義により、下水道使用料についても給付判決が出される可能性はあります。しかし、最初に述べたとおり、給付判決を経ないでも強制執行が可能なので、このような無駄な手続をする必要はありません。長くなりましたが、民事訴訟を提起することは可能ですが、判断は裁判所次第というのが現実だと思います。
 昭和38年(オ)第797号農業共済掛金等請求事件についての最高裁大法廷昭和41年2月23日の判決が参考になるかと思います。

Re: 私債権と公債権を一括しての民事訴訟

市太郎 No.18517

 某水道局職員さんの「水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分」に関する最後の質問ですが、スレッドが長くなりすぎ、管理人さんや他の方の迷惑になりますので、この場を借りて回答します。

>いずれにしても督促後の2日目以降の督促では時効は中断しないと理解してよろしいのでしょうか。 
質問の「2日目」の意味がよくわかりませんが、再督促(催告)をした後、6ヶ月以内に訴訟や差押をすれば民法153条の準用により時効が中断するという意味で、その後の催告には、法的効果はありません。
       納入通知→納期限→自治令171条の督促→再督促(催告)

>ところで下水道使用料について督促後に民法153条を準用し承認により時効は中断できるのかあわせて,ご教示くださいませ。
民法153条を単純に読むと、訴訟等の手続ではなく、「承認」では、時効は中断しないと思われますが、大阪高裁判平成18年5月30日判例タイムズ1229号264頁によれば、催告後6ヶ月以内の承認で、時効が中断することになります。
(追記)
 時効の援用を要しない公債権である下水道使用料にそこまで認められるかは、かなり微妙な問題であり、単に私債権の判例を根拠とした自分の推測に過ぎず、確定しているものではないうえ、正直なところ、あまり自信もないことを申し添えます。

Re: 私債権と公債権を一括しての民事訴訟

某水道局職員 No.18535

 ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

>質問の「2日目」の意味がよくわかりませんが、再督促(催告)をした後、6ヶ月以内に訴訟や差押をすれば民法153条の準用により時効が中断するという意味で、その後の催告には、法的効果はありません。
 
 2日目は2回目の誤字です。重ねてお詫びします。

こんにちは。
No.18368 で投稿したものですが、時間が経って返信出来なくなってしまいましたので、申し訳ございませんが、再度新規で投稿させていただきました。
http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/tomita/yyregi-html.cgi?mode=past&pastlog=164&subno=18368

むかし法規様、宙太様、ご助言ありがとうございます。
いただいたご助言を受け、下記のように整理してみました。

自治体と財団の契約を考えると、将来債権(留学生からの返還)が発生する可能
性がある契約を結び、債権が発生した場合は、財団は県への債務を負こととなり
ます。(留学生の返還金分を自治体へ渡す)

@22年度中(H22.4.1〜H23.3.31)の契約期間で契約を締結し、その後、契約期
間を超えて債務が発生した場合には、県へ返還させる契約(特約?)を結んでおく。

A履行期間終了までの契約期間で契約を締結する。

Bそもそも、留学生からの返還金は自治体の債権となるため、助成金支出につい
ては委託に含めず、自治体からの直接補助とする。

以上3パターンの方法があり、@とAの場合は債務負担行為の設定が必要となる可
能性が高いため、事務手続の簡素化と債権債務の関係を単純化するためにも、B
の直接補助の方法をとった方がよいのかなあ、という気がしております。

@〜Bの場合どちらも自治体へ返還があった場合は、雑入において収納すると同時
に、歳出予算においては流用または補正において償還金を計上し、県へは返還す
る。という流れになるのでしょうか。

上記の考え方になにか間違いがあれば、ご教示いただければ幸いです。
なお、当該事業は県から当自治体への補助で、実施方法(委託か直接執行か)は
特に縛りはありません。

契約・返還について整理されましたね。

まだ、公金としての支出の取扱いの課題があります。
地方自治法施行令の「支出事務の委託」に該当するかどうか?
該当しないと委託できません。(地方自治法)

自治体が補助要綱を定め、財団が補助事業の主体となり補助金申請を行い、自治体が補助金交付もあるのかな?

県の補助金ということなので、問題点を整理し県に相談してはいかがでしょうか。
主に2点が問題となるようです。

第1に、委託契約の処理費用支払いの自治法上の「支出事務の委託」該当性。

上記の宙太さんは、「支出事務の委託」と評価しているようですが、私見では、委託している事務は制度を運営管理する「奨学資金交付事業」という事務であり、自治法の規制する単純な「支出事務の委託」には当たらないのではないか。
他者に対する何らかの支出を伴う事務の委託が全て「支出事務の委託」とはいえないでしょう。あるいは、間接補助事業は、「支出事務の委託」?

第2に、単年度契約の意味。

先のレスの繰り返しになりますが、負担付き贈与契約の性格を有する補助事業を“単年度契約”で実施することが通常ですが、一定の事由に該当した場合は、年度を超えて返還するということが、当たり前のこととして行われています。
ご提示の奨学資金のケースも、一定の事由に該当した場合は、年度を超えて返還するということで、同じことのように思われます。
したがって、私見では、現行の補助事業の内容がそもそも不適当であると評価するのであれば格別、ご提示のケースを、単年度契約として整理してもおかしくないと。

結局、新スレの整理では、@でよろしいのではないかと考えます。その場合の「県へ返還させる契約(特約?)」とは、補助事業の返還条項と同じことのように思えますが、補助事業の場合に複数年の債務負担行為はことさら意識せず、当然のごとく単年度契約としているのでは?

他の皆さんの見解も、広くお聞きしたいテーマですね。
なお、私見の前提として、自治体の契約の自由を広く認める方向で、(もちろん無理のない範囲で、)自治法を解釈していきたいという姿勢があります。

(追記)スレ主さまのケースのお金の流れなのですが、単純に、

・交付時
  県→市町村→財団→留学生
・返還時
  留学生→財団→市町村→県

と理解していたところ、返還時に、「財団→県」という流れがあるということですね。

なお、返還金の会計処理ですが、補助金の返還と同じ処理になるのでは? 経験がなくて具体的な処理は不知なのですが。 
むかし法規さまの2点の問題について

1点目について
過去ログNo.17832がありました。
国の補助金はどうなっているのか会計法、予決令を調べてみましたが、地方自治法、令とは違っていて、支出の事務についての委託の規定はありませんでした。
なお、国の事務を地方自治体が代わって行う委任事務の場合には、示達された予算の執行は支出管として自治体の職員が委嘱(?)されて支出しています。
国の補助金として団体(次世代自動車振興センター)が補助金を交付しているエコカー補助金について調べてみました。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/ouboyouryou.pdf
国の補助金要綱が見つけられませんが、センターに補助金を交付し、センターはそれを原資として新車購入者の申請に基づきセンターから補助金を交付しているようです。
調達結果の公表も確認しましたが、経済産業省からの業務委託ではないようです。

2点目について
補助事業であれば負担付き贈与契約としての整理でよろしいかと思います。
業務委託ということであれば、就業義務が果たされたかどうか確認する業務も委託に含まれますので、単年度契約の期間では、業務が完了しないものと思慮します。
補助事業を契約的構成で説明するときは、負担付贈与契約に当てはめることが多いようです。契約は、その定める債権債務の内容が明確であれば、ネーミングはどうでもいいわけですが、民法の任意規定である典型契約(有名契約とも)を使用するのも自然かもしれません。
その場合、負担付贈与契約の、“負担”の履行に重点を置き、“贈与”はそのための経費であるととらえると、それは準委任契約と名付けるのが適当となってくるところです。
実際、補助事業の内容は千差万別であり、典型的な負担付贈与契約的なものもあれば、典型的な準委任契約的なものもあるというのが適切な認識ではないでしょうか。
そのようなことを考えるよすがともなるスレのテーマではありました。
(“補助事業比較”で考えてきたけれど、なんのことはない、“補助事業そのもの”であったのかもと)

さて、宙太さんの2点目。
単年度契約は、単年度予算主義という制度に折り合いをつけるための業界独特の概念。
結局、その契約に基づく通常の支出がその年度に行われるものぐらいの意味しかないように思えます。法令・契約いずれが根拠であれ、その契約に起因する非常の支出(収入)を別年度の予算としても、単年度予算主義と折り合いはつくのではないでしょうか。スレのテーマの奨学金の返還もそのようなものであろうと考えます。
また、そう考えない立場をとっても、次年度以降の支出済みの奨学金の管理は、毎年度別途の単年度契約を締結すればいいだけでしょう。システムの開発後、毎年単年度契約を継続してその管理委託を行うという手法はよく見られるところです。
前にも述べていますが、すべての業務が完了するまでの契約期間で複数年の契約とし、奨学金の支出は当該年度の年度割支出とすれば、後年度の支出を伴わない(債務負担行為の必要がない)契約の締結ができないかとの論理思考です。

自分も以前なら、単年度予算主義の独特の概念で単年度契約していましたが、本来の契約形態とするため債務負担行為の設定や長期継続契約の条例制定により、相手の準備期間(業務の習熟期間を含む)、複数年の業務期間を考慮した契約へと移行していますので、どうしてもあるべき姿の契約形態を考えてしまいます。

むかし法規さま
宙太さま

丁寧なご回答ありがとうございます。
高度な議論ですんなりついて行けていない部分がありますが、大変勉強になっております。感謝します。

私の理解力が低く、お二人のご意見を再度整理させていただきますと、
(市町村から県への返還は、通常の補助金返還と同様かと思いますので、ここでは省かせていただきます。)

【パターン1】
@22年度中(H22.4.1〜H23.3.31)の契約期間で契約を締結し、契約期間を超えて奨学金の返還があった場合は、財団から市町村へ返還させる契約を結んでおく。

Aこの場合、返還金が発生した年度の契約がなくても、H22年度の契約に基づき、財団から市町村へ返還金額を支払うことができる。
(もしくは・・・)
A’奨学金事業終了後は、奨学金管理について別途単年度ごとの契約が必要となる。

【パターン2】
@H22年度奨学金を支給した留学生の、就業義務履行期間終了までの複数年度の契約を締結しておく。

A奨学金の返還があった場合は、契約に基づき、財団から市町村へ返還金額を支払うことになる。
 市町村としては、奨学金事業終了後は財団に対する支出がないため債務負担行為の設定は不要と考える。

といった感じでしょうか。

ご意見をいただいたおかげで、私が大事な点を見落としていたことがわかりました。財団の奨学金事業終了後(5年間予定)も、「就業義務が果たされたどうか確認する業務」があるという点です。

事業終了後は市町村として予算計上できないため、その業務は財団へ委託ではなく、市町村が自ら実施しなければなりません。
財団としてはこの業務にかかる支出がないとしても、市町村としては就業義務管理について少なくとも人件費分は支払う必要がありますよね。

そういったことを考えると、そもそもは市町村が留学生へ奨学金を支出するという業務を財団に委託しているわけですので、市町村から財団へ委託という形をとることが可能であるとしても、財団という第三者が挟まると法律関係が若干複雑になるため、委託ではなく直接市町村が実施したほうが事務手続の面でも適当かという気もしてきました。
どうしても腑に落ちないため、投稿させていただきます。
本市では、この秋、国道沿いに道の駅がオープンしたところです。道の駅は次のような構成になっています。
@地域振興施設(産直、食堂)  ・・・本市が建設
A情報提供施設、トイレ、駐車場 ・・・国土交通省が建設
腑に落ちないことは、国土交通省が建設したA施設の維持管理について市と国土交通省との間で覚書を締結しました。
締結内容は、除草、トイレの紙交換や清掃などの日常的な維持管理については市で、大規模修繕等は国土交通省という役割分担になっており、市が実施する維持管理費は市が負担するという仕組みになっています。
他の団体もそのように役割分担されているとのことですが、国施設の維持管理を市で負担することは、地方財政法第12条に抵触するのではないかと考えるところですが、何かヒントがあれば教えてください。
外形上,国の負担すべき費用を自治体が負担しているからといって,直ちに地方財政法違反に当たるとは限りません。地方財政法の立法趣旨である地方財政の健全性を阻害するものであるかどうかが問題となります。

例えば,国か勝手に施設を作って,維持管理費の負担を無理矢理押し付けてきたのであれば,地方財政法違反にも問われるかもしれませんが,ご提示のようなケースでは別に問題ないと思います。
覚書を交わすということは,自治体の団体意思に基づいて施設の維持管理費の負担を決定するということであり,国が費用負担を強要しているわけではありません。
覚書を締結せざるを得ないような強制を国が行っているのであれば別ですが。

運用について

無知なクリオネ No.18464

みなさん いつも有難うございます。
さて 今回は単純なようですが、疑問があって困ってます。
1.通常委託契約の場合には、新年度開始の4月1日ですよね! でも相手方の準備の都合から 「早く決めてもらわないと、当日からの運営は無理」と言われるのが受注業者だと思います  が、こういう場合、契約日と委託期間、つまり新年度予算が通過した場合には3月中でも契約 は可能なのでしょうか?契約日は3月中、委託期間は4月1日から
2.新年度から長期継続契約を目的に事前にプロポーザル方式で業者選定を行おうと思うのです が、予算は3月定例でないと決まりませんが、プロポーザルには時間が相当必要ですし、それ を待つと業者選定や指名ができません。しかも、1で述べたように、準備期間もありますの  で、どのようにしたらいいのか迷ってます。
 予算確定前の業者選考やその後のプロポーザル方式への先行指名を行うことはは議会軽視とな るのでしょうか?債務負担はどのようになるのでしょうか?
 

Re: 運用について

酔客 No.18469

団体によって対応・考え方に差異があると思われますが、無知なクリオネ様の団体が新設団体で前例が無ければ別ですが、年度契約では当然に出てくる問題ですので、上司、先輩、担当課にお尋ねになるのが近道だと思います。

その前提で簡単に…

1について
3月中にどうしても契約を締結する必要があるのでしょうか。
3月中には準備行為として業者選定等を実施して、4月1日契約・履行とすればよいと思います。
予算が問題なら、予算不成立時には契約締結しない旨を条件として業者選定すれば問題はないでしょう。
※うちはこれでやってますが、もし仮に予算不成立となった場合に業者の準備行為に対しての損害賠償を本当にしなくてよいのかいつも疑問に思ってます。

2について
議会軽視の問題は当然ついてまわる問題でしょうね。
それでも、準備行為をするために議会日程を前倒ししてまで対応すべき問題とは議会も含めて誰も考えないでしょう。
新年度予算を議会へ提案する前の業者選考等は準備行為であってもやりすぎのような気もしますが、提案後であれば時間的にもやむを得ない対応ではないでしょうか。

なお、予算がないのに債務負担はできないですよね。タブン

Re: 運用について

しゅりまい No.18481

1については、過去ログに沢山あります。業者の準備期間、予算の有無、それ以前に予算の単年度主義の原則で前年度に次年度の契約を締結する事は不可です。(債務負担行為をしない限り)
契約はおろか、入札や入札の公告も予算執行と見なされるために駄目だとされているようです。(ただし、随意契約の見積徴収はOKだそうです。)

2については、長期継続契約として条例で定めてあれば、予算議決前でも、債務負担行為がなくても執行が可能です。長期継続契約自体、債務負担行為の例外なのですから。ただし、予算議決前に契約をすることになる場合は、契約書において「歳入歳出予算の当該金額が削除された場合には・・・・」として解除権の行使と違約金の支払について定めています。

Re: 運用について

入札太郎 No.18491

いつも勉強させていただいております。

1について
プロポーザル方式は随意契約にあたると思います。しゅりまいさんがおっしゃるとおり、新年度予算を3月中に入札することはできませんが、見積を徴することはできるとされています。見積は、業者による契約の申し込みだから3月でもOKということです。
プロポーザルを執行したことはないのですが、見積価格と提案内容に基づく随契であるとすれば3月に執行しておき、4月1日に契約できる可能性もあるのでは?

2について
既に契約している業務を新年度から長期継続契約にする場合なのであれば、新年度になって入札・契約の期間を確保するため、前年の契約者と、4月又は5月位まで随契で延長しておき、その間に入札・契約行い、例えば5月中に契約して6月から履行期間が開始する方法をとっている例もあるようです。この方法なら、契約後履行開始までの間に準備期間を確保できます。もちろん委託料は6月から発生する内容で契約します。

Re: 運用について

むかし法規 No.18519

うちの団体では、“予算が議決されて執行可能となった4月1日から入札の効力が生じる”との条件で前年度末に入札を実施しており、それが現実的かつ合理的であるとの思い込みが強いので、問題意識すら感じなかったというのが正直なところです。
格別、議会軽視という声があがったこともないようですよ。契約締結直前で、“寸止め”しているイメージでしょうか。
“万一”、その入札に係る予算が否決された場合には、事前の予告があっても、予算の可決・契約の合理的期待を保護すべきかどうかの社会通念に基づく判断になるのでしょうね。こちらとしては、当然、事前に明文で予告している以上、予算が否決されて契約に至らなかったとしても自治体側に賠償責任はないと主張するでしょう(個人的にも支持)。

ちなみに、入札・開札(予定)日が新年度予算議決(予定)日以降になっているところに律儀さを感じます。

Re: 運用について

どげんかせにゃいかん No.18523

しゅりまいさんへ。2のところで、長期継続契約であれば予算議決前でも債務負担行為がなくても執行が可能という理由として、長期継続契約は債務負担行為の例外としておりますが、・・・。私は、長期継続契約は債務負担行為の例外ではないと理解しております。長期継続契約は、債務負担行為によらないでも翌年度以降の債務を負担できるという意味での例外ではないと考えています。債務負担行為は、文字通り、翌年度以降にわたって債務を負担する場合に予算で定めておくべきことで、長期継続契約は、条例等で定められた契約についてのみ翌年度以降にわたって契約はするものの、当該年度のみの債務を負担し、翌年度以降の債務は負担しません。よって、長期継続契約の締結を行う場合は、当該年度の予算は成立しておかなければならないと考えております。設問の解決のためには、長期継続契約では不可能だと考えています。4月1日の契約締結に向けての様々な行為については、内部的には準備手続であり予算執行手続ではないとして整理し、業者との関係では、様々な手続を行う際に、予算の成立を条件に手続の効力が発生し、また、効力が発生しない場合は、債権債務は発生しないことを確認するしかないと思います。ただし、業者の準備行為に一定の費用を要するものは、そもそも債務負担行為を設定しておくべきだと考えます。

Re: 運用について

宙太 No.18524

うちでは、長期継続契約条例の対象となる翌年度当初から業務が開始される契約は、年度開始前でも契約を締結しています。

以前、うちでは、債務負担行為の設定により年度開始前の契約締結を行っていましたが、地方自治法の改正により、長期継続契約の条例を制定しました。
自治法の改正趣旨が、商慣習上にあわせるものとしてとらえましたので、4月1日に業務を開始するには、相手方は当然に準備が必要であるので、その期間を契約日以降に確保するのが商慣習上の実態であるということから、年度開始前の契約締結を行っています。
契約の締結時期については、
@当初予算成立後
A当初予算提案後
B当初予算内示後
C長期継続契約予定議会報告後(債務負担行為から移行したため契約事務開始以前に報告します。)
当然@から順に予算不成立のリスクが高くなりますので、業務の準備期間により契約締結時期を調整しています。

なお、予算不成立による解除条項と解除による損害賠償請求の条項を追加して、相手業者が不安を抱かないようにしています。(損害賠償については、契約を解除することで発生するので、契約履行による債務負担ではないと整理)

※ 債務負担行為に勝るものはないと思っていますが…

資金前渡した現金の口座振込みについて

出納室のシロウト No.18500

 口座振替払とは、公金取扱銀行と為替取引のある金融機関に貯金口座を設けている債権者から口座振替の申出があった場合に、公金取扱銀行に通知して債権者の貯金口座に振り替えて支払うこととなっていますが、資金前渡で支出した現金を資金前渡吏員が債権者の口座に振込む場合はこの口座振替にあたるのでしょうか。
 たとえば現金で渡すため、資金前渡で現金を用意していたが、債権者が口座に振り込んでほいいっとの申し出があり、資金前渡者名で債権者の口座に振り込む場合です。



資金前渡は、現金で支出するものに認められた制度です。
支払いが終了した場合には、支払いを証明する書類を添付して精算を行うものです。
このことは、ご存じと思いますが…

その支払い時に、口座振込の要望があったとのことですから、要望に応えるとした場合、その精算方法(書類)、振込手数料、振込に至った経緯の記録を考えることが必要と思います。

1 精算方法
 イ 口座振込時の金融機関からの控えで可とする。
 ロ 相手方が振込を確認後に領収書を発行してもらう。
2 振込手数料
 支払額の中から手数料を引く
3 経緯の記録
 現金支払いから口座振込に変更していますので、相手方からの明確なる書類(口座振込依頼、口座名義・番号含む)が必要と思います。   
おはようござます

資金前渡職員は
支出事務を委託された「ミニ市長」+「ミニ会計管理者」
両方の権利を有する職員と 私は考えています

スレ主様の前段にある「口座振替払」とは
市長が支出命令して 会計管理者が(指定金融機関を通じて)口座へ支払う
ことですよね?

そうだとすれば
資金前渡職員が支出命令して 資金前渡職員が口座へ支払い
その後、市長へ精算報告を提出
市長は、精算報告を受けて、
資金前渡精算書を作成し、会計管理者へ精算命令を行う
という流れ でいかがでしょうか

なお 余談ですが
当市では、指定金融機関との協議により
資金前渡職員による口座振替払でも、最初の一度に限り
振込手数料は免除されています
口座名義の相違等により 組戻し⇒再振込のときには
組戻手数料や振込手数料がかかります
法的にどうかわからないけど、うちだと一旦資金前渡を支払0円で精算してから、口座振込みの命令書を新たに切り直しますね。
口座に入れるなら、そもそも資金前渡する必要が無かったという判断になると思います。
うちは簡単な内容の資金前渡しかないので参考にならないかもしれないですけど・・・どうしても資金前渡職員が振り込まないといけないんですか?

Re: 資金前渡した現金の口座振込みについて

かいり No.18518

資金前渡とは、地方自治法施行令161条に記載されている経費について、職員に現金支払いさせる支出の例外であると考えられます。
現金支払いせずに、口座振替で支払いをするのであれば、請求書を徴収し支出命令で支出する方法が良いと思いますよ。
会計事務については、住民の疑念を招くと大変な事になると思いますので、厳格に適用したほうがよろしいかと思います。

Re:もうだめぽ・・・

ほうけい亮太 No.18507


tp://li.naraduke.net/baev8a-/
最近朝、昼、晩、と働きづめだお(ノ_・、)
女の子がここ最近増え始めてきたからもう大変なんだじょ;;
先週は73万だったのにここ一週間だけで128万!!!!
友達誘ってやってもこれ以上は息子が持たないお。。。
 どなたかご教示ください。

 各自治会においては、集会所を持ち、自治会活動の拠点としています。
 当市では、現在広域で稼動している施設(廃棄物処理施設)を、ある自治会内に設置しているわけですが、その自治会とは「施設を○年までに撤去させる」との協定を結んでおりましたが、結局その施設を他の土地に移転させることをせず、引き続き稼動させるため、再度延長の協定を結んでいるところです。
 その際、地元の環境整備という形で、集会所の改修や、備品の整備をしております(備品はテントや放送用具などです)。備品は市から自治会へ「貸与」する。つまり賃貸借契約により自治会へ貸し出している形をとっております。
 今般、自治会から相談があったのは、「行事の時などに使用するため、借りている備品を一般の自治会員その他の団体等に貸し出したい。またその貸出しについては、自治会は料金(使用料)を徴収したいが、問題はないか」との内容でした。

 今回、みなさまにご教示願いたいのは、自治会へ貸している備品等を自治会が貸し出して、使用料を徴収してよいか、ということなのです。
 市から貸与を受けた備品は自治会が自由にしてよい、との考えがある一方、基本的に市の持ち物であるからその備品で収益を得てはいけない、という反対の意見もあります。
 なお、賃貸借の契約には、使用に関してこれといった事項は記載していません。




賃貸借契約ということは自治会より対価を徴収しているのでしょうか。

地自法第237条第2項より財産は議決または条例により貸出基準を定めなければ、適正な対価なくして貸し付けてはならない、とされています。当社では地自法第238条の5の普通財産については国有財産法を意識したかのような作りの譲渡、無償貸し付けに関する条例により、運用していますが、普通財産を対価を徴収して貸し付ける場合には民法的な考えで不動産に関しては所定の算式より計算した対価、その他動産等についてはワンオフの対価算出により行政契約を行っています。

普通財産の貸付を無償で行える場合を、国有財産法に準拠したような形とした条例であれば、第22条の2より営利を求める場合には貸付できない、に矛盾するため無償貸出をしている団体が改めて有償貸出で転貸をすることはできない、という結論になります。(実費負担程度でしたら営利に該当するかどうかの議論はさておいて)

対価をとっている場合は、原契約で転貸を否定していなければ、民法612条、613条あたりの規定により転貸は賃貸人の裁量で可も不可もすることできると考えます。

ただし、原契約の賃料と比べ、不当に高い賃料での転貸は行政の平等原則上疑問がありますし、転貸が条件的かつ安価な賃料であるというと、「あの地区ばっかり」の声もでるでしょうし、無条件かつ安価であれば「民業圧迫だ」というリース会社などの声があがるやもしれません。
あとは壊れた際の責任の所在(修理費用等々)の権利義務の関係もはっきりさせておくべきでしょう。

まぁ、個人的には子供のころ又貸しされたゲームソフトが返ってこなかった等の悲しい印象が強いので、転貸という言葉には拒否感がありますが(笑)
(あれは民法的に解釈すると、使用貸借で無断転貸は第594条3項違反で契約解除理由になりえるんだよなぁ、などとすっかりひねくれた大人になったことを実感しつつ)
昨年12月の労働基準法の改正により新設された時間単位年休制度への対応について、ご意見、皆様の団体での対応をお聞かせ願えればと考え、投稿させてもらいました。

今回の改正により非現業職以外(単純労務職や企業職)については、時間単位年休の上限が5日以内と限定されました。
時間単位年休については、改正前の労基法が1日単位での年休取得としていたところ、多くの団体で「労働者有利」として付与日数の範囲内での時間単位年休取得を認めていたと考えます。

そこで時間単位年休について、現在考え得る対応としては、下記のとおりですが、ご意見、皆様の団体の状況等をご教示ください。
@労基法どおり、非現業は現行どおり、それ以外は5日以内に限定
A職場バランスを考えて、非現業も含めて5日以内に限定
B半日休暇の活用
C労基法を無視

労基法上の労働者の利益と実際の労働者の利益がこうも異なるものかと感心しております。
来年度に向けた対応について、どうしてよいか迷走しております。

何でも結構です、ご意見をお願いします。
今回の労基法改正の評価については、次の記事が興味深いと思います。紹介されている書籍はまだ読んでいませんが。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/2009227-70e2.html

なお、現在の“労基法無視”の“論理”はこれですね。

http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/kyuuka/K01.html
「年休の単位となる「労働日」とは、原則として午前0時から午後12時までの暦日をいいます(2暦日にまたがる交替制勤務については例外があります。昭63.3.14基発150号)。また、年休は1日単位で与えなければならず、労働者が1日分の年休を請求した場合に使用者が半日だけ年休を与えたとしても、年休を半日分消化したことにはなりません。
ただし、労働者が半日の年休を請求した場合、使用者は労基法上請求に応じる義務はないものの、任意にこれに応じるのはさしつかえないとされています(前掲基発150号)。また、分割した年休の請求を認める就業規則上の規定や契約内容となった慣行がある場合には、使用者はこれに従い請求に応じる義務があるといえます(半日年休につき、東京地判平7.6.19 高宮学園事件 労判678号18頁)。」

Re: 労働基準法改正による時間単位年休への対応について

さすらいの給与担当 No.18436

労基法の改正に伴い、地方公務員法も一部改正されています。
地公法第58条で他の法律の適用除外等が規定されていますが、同条第4項で労基法中の読み替えについて規定しています。
この読み替え規定の一部改正により、地方公務員にとっては、
年次有給休暇の時間単位の取得を新たに規定した労基法第39条第4項を「使用者は、前3項の規定にかかわらず、特に必要と認められるときは、時間を単位として有給休暇を与えることができる。」と読むことになります。

なので、上の@〜Cのいずれにも当てはまりませんが、職種を区別することなく、現状のまま時間単位の年次休暇を与えても良いと考えます。
(むしろ、今まで整理されていなかった地方公務員の時間単位の年休が労基法上整理された、と見ることができるかもしれませんね。)
むかし法規様
さすらいの給与担当様

ご返信ありがとうございます。

ちょっとよくわかりません(泣)
地公法第58条には確かに読み替え規定があります。
しかし、第57条の特例で「単純な労務に雇用される者その他」については別に法律で定めるとされています。
別の法律として、地方公営企業法で企業職、地方公営企業等の労働関係に関する法律附則5項で「特別の法律が制定施行されるまでの間は、この法律(第十七条を除く。)及び地方公営企業法第三十七条から第三十九条までの規定を準用する」とされ単純労務職が定められており、地公法の職員から除外されていると考えますが…

そのため、地公法の職員としての一般職は読み替え規定が適用され、
適用除外された企業職等は、労基法がそのまま適用となると考えますが、いかがでしょうか。

Re: 労働基準法改正による時間単位年休への対応について

さすらいの給与担当 No.18470

酔客さま

まずは当方の不見識をお詫びしたいと思います。
仰るとおり、単純労務職員に関しては地公法第58条は適用されないのですね。
不勉強から的外れなレスをしてしまいました。大変失礼しました。

スレッドの原点に戻り、再度コメントさせていただきます。

当方の自治体は、過去ログのNo.6565に対するNo.6569のレスで整理されています考え方が今後も生きていると考え、Cの取扱いをすることになると思います。
準則が示されない限り、Cの自治体が多くなるような気が・・・
酔客さま

労働基準法は労働条件の最低基準を定めた法律です。
http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/k-aramasi.htm
労働基準法に定める基準に満たない労働条件は無効であり、無効となった部分は、同法に定める基準が適用されます。

今回改正の時間単位年休は、限定の方向ではなく緩和の方向にベクトルが向いているものです。(時間単位年休は、取れない→労使協定により5日の範囲内まで取れる。)

従って、最低基準より有利な条件として20日すべてを時間単位年休を可能としていた自治体の就業規則を制限するものではありません。

※ 話を単純にするため、労基法についてのみ記載しました。このことを考慮して地公法 等との関係を整理してみてください。



宙太さまの言われるように、時間単位の休暇は5日に限る、というのが労働基準法が定める最低基準であり、5日を超えて与える分には問題ないということであれば、地方公務員法で地方公務員については、日数を制限せずに時間単位の休暇を取得できるとわざわざ読み替える理由がないように思います。そんな規定がなくても増やす分には問題ないわけですから。

公務員の一般の感覚は別として、やはり労働基準法上休暇は日単位で与えるものであり、5日を超えて時間単位の休暇を認めることは労働の強化につながるというのが労基法上の考え方なのではないでしょうか。

今回の改正は、時間単位の休暇を認めていなかったのを認めることとなったというよりも、今まで規定(想定)していなかった時間単位の休暇を条件付きで認めるということではないでしょうか。

ただし、公務員の場合は、実態として時間単位の休暇が労働強化にならない形で定着しているので、労基法の適用を除外していると考えたほうがすっきりすると思うのですが。

したがって、労基法が適用される職員については、やはり5日を超えて時間単位の休暇を与えることはできないように思います。

酔客さまの対応でいくと、@かA、それとBを組み合わせるしかないように思います。
>さすらいの給与担当 様
当方も同じく、最近ようやく理解できたところです(汗)(技能労務職の取組方針の総務省資料)
なお、準則の件は期待できないと思います。

単純労務職と企業職の勤務条件は条例規定されていないケースも多く、総務省からも準則は示されていないのでは…と考えます。
具体的には、給与等の取扱いは総務省公営企業課から「給与の種類、基準〜に関する条例(案)」が示されていますが、勤務条件は多分なかったと思います。
そのため、今回の対応も表面化しにくく、ご相談させていただきました。

>宙太 様
「最低基準より有利な条件として」についてですが、どうも労基法は時期変更権等濫用のの視点で労働者の利益を害するものとしているようです。

労働者:明日、年休1日お願いします。
使用者:なんで?
労働者:明日の夕方、町内会の集まりがあるので。
使用者:じゃ、2時間休でもいいじゃん。明日は忙しんじゃ!
※わかりやすかったのでG様風に…

このような労働者不利な状況になることを想定しているようです。

1日単位の休暇は勤務時間である8時間(7時間45分)の休暇ではなく、24時間の休暇とされています。
また、年次有給休暇の制度の目的であるリフレッシュについても、1日しっかり休むことで得られる効果と考えているようです。
なお、時間休なら、その時間以外の時間外勤務命令に従う義務がありますので、確かに考えようによっては「労働者不利」になると考えることにも理解できます。

>電人M 様
今まで時間単位年休は違法だったけど、今回限定的に、「労働者の利益を害しない範囲」で認めることにしたようですね。
対応としては、やっぱり「@かA、それとBを組み合わせ」しかないんでしょうかね。

※長レス・自己レス失礼しました。
>酔客さま

贅言になります。
過去の類似テーマのスレでも感じたのですが、労働者の利益を保護するために日数を限った規定が、公務員の業界では、労働者の利益を制限するものとしてしか感じられない(自分自身そう)という、興味深いケースデータになってますね、結果的に。

“公務員の常識は世間の非常識”などの俗諺を振り回す方々が喜びそうだなあ…
民間労働者の方の感想があるとおもしろかったかもしれませんね。もっとも、大企業、中主企業、派遣労働者とかでまるで異なるようにも思えます。

(追記)なお、酔客さまの“仮定問答”のケースについては、認めない方向での通達が出されていますね。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1j.pdf
「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」(平成21年5月29日基発第0529001号)第4の4
「時間単位年休についても、法第39条第5項の規定により、使用者の時季変更権の対象となるものであるが、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による取得を請求した場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められないものであること。」

ところで、時間単位年休取得5日上限の意義ですが。
労使ともに便利なので、無制限に時間単位取得を認めると歯止めがなくなり、労働者が完全休養しない(丸々一日休まない)結果健康を害し、労働力を損なうことを、国家の労働力維持政策の視点から憂慮したからなのか…なんて思えてきました。
酔客さま

自分は次のように考えています。
労働者:明日、銀行に寄ってから出社したいので1時間休みが欲しい。
    でも有給は1日単位でしか取れない。これを20回繰り返すと有給がなくなる。
    何かいい方法があればいいのに…
また、このような恐れもあります。20日間全部を時間休暇可能とすると160日1時間ずつ早く帰れる。    

自治体の就業規則で「1日または1時間単位」と決められていると思いますが、違法な規則は定められないでしょう。
おそらく、国から就業規則のひな型が示され各自治体がならって制定したものと思われます。
今回、改めて地方自治法に明文化したものと思います。

基金条例について

財政無知 No.18496

こんには
まだ、国から確定情報が来ていないので、説明があやふやかもしれませんが、
お分かりになる方がいらっしゃれば教えていただければと存じます。

現在、○○基金条例という条例があるのですが、この基金に係る交付金について
現政権の方針で、一旦3月末で精算し、新年度改めて交付するというような話が
あります。
現在のところ、新年度の交付金の名前、目的が現在あるものと全く同じかどうか
は不明ですが、趣旨等はほぼ同じということです。

現在の○○基金条例には、精算に関する規定や失効(附則)に関する規定は
ありません。

この場合、たとえ、同じ名前、同じ目的であっても、基金条例自体は、
制定廃止を行うべきなのか、今の基金条例のままで、精算、交付金の受け入れ
が可能なのかご教示ください。

賃貸する土地の家屋の撤去について

sasuke No.18452

 駐車場用地として土地を賃貸しようと考えています。ただし、その土地には家屋がありその撤去が必要です。
 舗装工事といっしょに撤去工事も行おうと考えています。(当然、家屋の持ち主の了承のうえです。)
 この件について、この方法で問題がないか、ご質問します。
たしか、建築廃材は産業廃棄物にあたるので、産廃処理業の許可を受けている業者に、その処理をさせなければならないはずです。
sasuke様

不明な点が多いので、回答しづらく思います。
次の点についてはどのようになっていますか。

@賃貸しようとしているのは誰か。(私人?sasuke様の自治体?)
A土地及び家屋立地に関する現在の権利関係は。
B工事の時期は。(家屋補償の前か後か)
C賃貸の形態は。(駐車場事業か、従たる施設としての駐車場設置か)

おそらく、問題ないケースだとは思います…

Re: 賃貸する土地の家屋の撤去について

sasuke No.18466

L様


すみません。したったらずの質問で、、、。

@自治体が賃貸しようと考えています。
A現在、土地、家屋ともに法人の所有です。(撤去時には、建物は、抹消登記してもらいます。)
B工事の時期は、賃貸契約後と考えています。貸主への家屋補償は、支払わず、工事の一環として取り壊そうと考えています。
C従たる施設としての駐車場です。

よろしくお願いします。

Re: 賃貸する土地の家屋の撤去について

sasuke No.18468

DON様

確かに産廃業者に工事を頼まなければなりませんね。
ありがとうございます。
どうも文面からすると自治体が賃貸するのではなく賃借するように読めますが、その前提でよいでしょうか。想定したのとまるで逆の話になっていますので。
土地に関する賃貸借契約と舗装・撤去工事に関する同意があるのであれば特に問題ないと思います。通り過ぎた検討だとは思いますが、まだであれば次の点などにも注意してください。

・駐車場設備の権利帰属に関する事項
  結果的に、私人の財産価値を直接増加させる工事に公費を投じていないか。
・契約終了時の現状復帰に関する事項
  予算化できる確約もないうえに、トラブル多発。
・工事費、維持費、現状復帰費を見込んだトータルコスト
  取得した方がいい場合も。なぜ賃貸なのか。本当に必要なのか。

Re: 賃貸する土地の家屋の撤去について

sasuke No.18494

L様

ありがとうございます。自治体が借り受けるケースです。


>駐車場設備の権利帰属に関する事項
>  結果的に、私人の財産価値を直接増加させる工事に公費を投じていないか。

たしかにですね。


>・契約終了時の現状復帰に関する事項
>  予算化できる確約もないうえに、トラブル多発。

これもたしかにですね

>・工事費、維持費、現状復帰費を見込んだトータルコスト
>  取得した方がいい場合も。なぜ賃貸なのか。本当に必要なのか

そうなんです。売ってもらったほうがベストなんですが、、。どうしても必要な土地で借りることを検討しているのです。

ゆうちょ銀行収納の済通処理について

ゴリラ No.18472

初めて投稿します。マナーに反していたらすみません。
現在私が勤める地公体では、ゆうちょ銀行とは収納委託をしております。
その際、○公の済通を指定金融機関に郵送してもらい、税目ごとに集計してもらって、
交換所で資金を交換決済してもらっています。指定金に手数料は支払っていません。
このたび指定金融機関から、収納代理でもないゆうちょ銀行からの済通の郵送をやめてもらいたい、地公体で郵送を受け取って持ち込んでもらいたいという旨申し出がありました。
しかし、今後ゆうちょ銀行との収納委託契約の拡大または収納代理指定を行いたい当地公体としては、今後のことも考えると事務処理の煩雑化を避けたいところです。
皆様のところは済通など、どうされているか、指定金から何か要望はないかなどお聞かせ願えたらと思います。
もう「地公体」とあっても驚かなくなりました。

過去ログで、>残業人さんの500番で、「地方財務事務提要」には、「条例の制定の対象となる事務の範囲は地公体の処理する全ての事務に及ぶが、地公体の事務であっても長その他の執行機関の専属的権限とされている事項についても定めることはできない」(3巻P.6865)そうですので、会計課の人らはそう言ってるのでしょう。

お題は、
指定金:ゆうちょ銀行から送ってもらった○公の納入済通知書を、なんでうちが、手数料をもらわずに、仕訳したりしなあかんねん。自治体さんにやってもらいまひょ。
自治体:そんなこと言われたかて、うちかて人手あらへんし、事務煩雑化は避けたいねん。手数料払うなんて考えてもしまへん。ひきつづき、指定金はん、よろしうお願いしまっさ。
ゆうちょ:(無言)

という構図なんですね。


Re: ゆうちょ銀行収納の済通処理について

ゴリラ No.18492

お返事ありがとうございます。
構図としては確かにそうなります。
ゆうちょ銀行との委託契約は現在各課で行っているので、済通の持込も各課でということになります。となると、今後収納率の向上を目指すためにゆうちょ銀行との収納委託契約を広げるということになると、複数の課からの持ち込みということになり、事務が煩雑化します。
本当は収納代理に指定したいのですが、やはり指定金が了承してくれませんので。でもどうやら指定金の理論としては、収納代理なら済通の持込はOKだが、受託者では根拠がないというのです。(これについても収納委託をしたときに三者契約でもすればよかったのでしょうけど・・)
他の自治体さんはどうされてるのかと思いまして。指定金から申し入れされてないでしょうか。もしくは自治体が持ち込んでいるのでしょうか。

住民票の前住所の記載内容について

雪だるま No.18460

 住民票の「前住所」について質問です。
 当町に住民登録されている方の住民票について、請求者の方から記載内容に疑問があるとのことで、質問を受けました。

 請求者の話を聞いたところ、前住所の欄が現住所の方書なしの内容になっており、それについて住んでいる場所は変わらないのだから、前住所とは意味が違うのではないかとのお話でした。

 調べたところ、方書が登録されていなかったために職権で方書を追加した経緯があり、当町の住民記録システムの仕様で、方書追加前の表示が前住所として登録されているようです。


そこで、この「前住所」について、方書追加前のものを「前住所」として捉えられるものでしょうか?

どうかご教示願います。

Re: 住民票の前住所の記載内容について

トリタロウ No.18484

 おそらく履歴として管理されるシステムなら、前住所にはならなかったのではないでしょうか。「当町での前住所欄は、今の表示になる直前の表示をしています。」という説明ならば、納得してもらえそう・・・ですか?

Re: 住民票の前住所の記載内容について

元祖用地太郎 No.18490

いつも勉強させていただいております。

住民票の前住所欄は、自動車登録(廃止)や不動産登記の手続き上、以前の住所から現住所への変更過程を証明するものとして、大事な欄です。

住民基本台帳法は不勉強ですが、方書とは住所の一部なのでしょうか。私は、通知等の宛名に表示することで、郵便物が確実に届くように記載しているもので、住所とは別項目かと思っていました。

様々な手続き上、前住所欄から現住所に移転していることを証明されていると思って住民票を見ると考えられるので、システムの都合でそのように表示されるのは、住民票を証明として扱う者からすれば困ります。

当市では、その昔、紙の住民票だった頃、場所が変わらずに地番の錯誤があったときは、見え消しで地番を修正し、届出の経過を備考欄のようなところに記載していたと思います。移転の事実がないので、次の欄に新住所を書くことはしていませんでした。区画整理の換地処分も場所が変わっていない場合は、見えけしだったと思います。
もし、何度も転居している方で、方書を追加したことで、以前の転居の履歴が消えてしまうとしたら、住民票としての証明事項が無駄に減ってしまいとても残念です。

水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

某水道局職員 No.18339

 当市では水道料金・下水道使用料について納期限を10日経過後未納であれば督促状を発送しています。
 ところでこの督促状発送は下水道使用料については地方自治法により時効が中断されますが,水道料金については民法147条の請求にも該当せず153条の催告に該当し6ヶ月以内に裁判上の請求等を行わねば時効が中断しないと解しております。そしてこの催告により時効が中断できるのは1度だけという見解があります。ですから督促状発送後6カ月経過後に再び請求して裁判上の請求をしても時効は中断されないと解しております。ですから督促状を発送しその後催告だけ行った場合,下水道使用料については督促状を発送した時点での時効の中断,水道料金については当初の納入期限から時効は中断されていないと解しております。 
 そこでこのように時効が完成した水道料金・下水道使用料を滞納明細に含め停水処分を執行した時に,時効の援用が不要である下水道使用料を含めたことや,水道料金については時効の援用を相手方が申し出た場合は,この停水処分に瑕疵があることになるのでしょうかご教示下さい。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

どげんかせにゃいかん No.18341

まず、水道料金について督促をした場合は、督促により時効が中断されると考えています(地方自治法236条4項、同施行令171条)。債権の管理については、同一帳票に記載されていても、記載上、納入の通知や督促はそれぞれ独立した処分となっているはずです。また、給水停止処分については、水道料金未納の事実によりなされるもので、仮に水道料金債権が時効援用により消滅したとしても、何ら影響は受けないと考えます。
裁判上の請求は何回でもできるはずで、複数回の請求を行った場合、時効完成前で、時効完成日に最も近い請求が有効となります。(「中断できるのは1度だけ」というのとは、少し意味合いが異なります。)

>>そこでこのように時効が完成した水道料金・下水道使用料を滞納明細に含め停水処分を執行した時に,時効の援用が不要である下水道使用料を含めたことや,水道料金については時効の援用を相手方が申し出た場合は,この停水処分に瑕疵があることになるのでしょうかご教示下さい。

通常、停水処分は時効完成前に、納付を促すために行うと思いますが、時効完成した後に、停水処分を行うとは、どういう意図なのでしょうか。(ペナルテタィ?)

水道料金は2年、下水道使用料は5年で時効処理(不納欠損)されていると思いますが、2年経過した後に、水道料金と下水道使用料の滞納明細を記載して、停水処分するということなのでしょうか。

水道料金の時効完成前で、停水処分の根拠が水道料金の滞納であり、下水道使用料滞納の記載は、単なる納付状況お知らせというのであれば、法的には問題ないと思います。ただし、下水道使用料の滞納も停水根拠とすれば、問題はありそうです。

水道料金の時効援用後に、水道料金の滞納を理由とした停水処分には問題がありそうです。
この場合、停水解除はいつ行うのでしょうか。時効完成・援用しているのですから、その後、滞納水道料金の納付はないはずです。永久に停水したままとなるのでしょうか。
@水道料金の督促による時効中断
 確かに、行政実例や「逐条地方自治法」(学陽書房刊)には、公債権、私債権に関係なく、地方公共団体が行う督促には、時効中断の効力があるとされています。しかし、これに関しては訴訟上、いまだ判断されたものはなく、私債権まで督促による時効中断を認めることは私法上の理論と矛盾し、私法体系を無視しているという意見もあることは事実ですので、注意が必要です。したがって、実務上、督促を出すことには、もちろん問題はありませんが、時効中断が認められない可能性があることも考慮に入れて、時効が完成しないよう早めに対応すべきであると考えます。ちなみに「催告により時効が中断できるのは1度だけ」という考えも、行政実例等では、そのように書かれていますが、最判昭43.6.27では、再度の催告も民法153条の準用により時効中断の効力を認めています。
A下水道使用料
 時効が完成した下水道使用料まで滞納明細に含めたのは、問題があると思われます。
 公債権は、時効の援用を必要とせず、その利益を放棄することもできないとされている以上、時効完成により、徴収不能となったことが明らかになった債権については、早急に、その管理対象から外すべきであると考えます。
B水道料金
私債権であるため、相手から時効の援用がされるまでは、催告して弁済を促すことは可能とは考えますが、給水の停止まで行うのは、明らかにやり過ぎと考えます。なぜ、時効期間が到来する前に停水処分を行わなかったのでしょうか?こうした時効が完成していることが明らかである場合は、相手に時効が完成していることを告知する義務はないものの、相手の意向を確認することが先決であり、場合によっては、告知した方が好ましいケースもあると「自治体のための債権管理マニュアル」(ぎょうせい刊)には、書かれています。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

どげんかせにゃいかん No.18362

下水道使用料は時効の援用を要しないことから、時効期間の完成をまって当然に債権が消滅することから、請求を行うことはできないことは、皆さんの意見として一致していると思います。ただ、水道料金については、裁判上、相手方が時効を援用しない限りは、債権は消滅しません。よって、水道料金を徴収する手法として、停水処分をすることによって、相手方が一部納付や分割納付の約束をすることもあり、そのことによって、時効が中断されます。このように、法律上、消滅していない水道料金を請求すること、停水処分を行うことは何ら違法ではないと考えます。あと、督促により水道料金の時効が中断するかどうかは意見がそれぞれあるようですが、「裁判上の請求は何回でもできる」との意見は、どういう意味でしょうか。催告後6ヶ月以内の裁判上の請求により時効を中断した後に、同一債権について、再度、裁判上の請求はできるのでしょうか。既に債務名義を得た債権について、訴えの利益はあるのでしょうか。あとは、差押え等他の手続きにより時効中断するしかないのではないでしょうか。ご意見をお聞かせください。
地方自治法236条4項の部分を除きほぼ市太郎さんと同旨ですが,念のため次のとおり整理します。

1 下水道使用料については,地方自治法附則6条3号,同法231条の3第3項により滞納処分ができるので,いわゆる強制徴収公債権と解されています。この場合,督促により,当然時効は中断します(同法236条4項)。時効期間は5年です(同法236条1項)。
  某水道局職員さんの場合,「納期限を10日経過後未納であれば督促状を発送している」ということですので,督促後5年で時効期間が経過することとなります。
  ただ,時効は納期限ごとに完成しますので,滞納している全体ではなく,督促後5年を経過したものから,確定的に時効消滅することとなります(同法236条2項)。
  
2 水道料金については,
「自治体のための債権管理マニュアル」(ぎょうせい)269ページにあるとおり,東京高裁平成13年5月22日判決についての上告が最高裁において不受理とされたことから,水道料金はいわゆる私債権であると解されています。また,その後の行政実例(平成16年11月18日付)においても「消滅時効期間は,民法173条所定の2年間と解すべき」とされたことから,現在は全国的にそのような取扱いがなされているものと考えられます。
  そして,私債権が時効消滅する要件としては,確かに債務者による時効の援用が必要とされています。
  この時効の援用に関しては,民民のように,時効期間が経過していることを黙って請求して,相手方が時効の援用を行わない限り支払を受ける,という考え方もあります。
  しかし,地方自治法236条2項が公債権について時効の援用を不要とした趣旨が,「普通地方公共団体の債権債務の関係をいつまでも不確定にするため,時効の利益を確定的に教授すべき事とされた」とされていること(「逐条地方自治法」(学陽書房)),及び「督促後相当の期間を経過しても,なお,履行がないときは強制執行等の措置をとるべきである」という行政実例(昭和44年2月6日付)からしますと,むしろ自治体としては,請求上の過誤により時効期間が経過した債権については,債務者が所在不明であるなどの特段の事情がない限り,債務者に対して時効の援用を促すべきでないかと考えます。

  なお,督促(地方自治法236条4項,同施行令171条)の効果については,わたくしは市太郎さんのご見解とは異なり,私債権にも適用があるものと考えています。なぜなら,236条4項があえて「民法153条(前項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず」として,私債権を対象に含める規定となっているからです。

  以上を前提とすると,督促後(市太郎さんの見解では期限後。以下同じ)2年で時効期間が経過することとなり,その間の再度の督促については,民法上の催告としての効果しか有しないこととなります。すなわち,催告後6か月以内に裁判上の請求等を行った場合に限り,時効中断の効力が生じることとなり,他方,時効中断の手続を行わない場合,督促後
2年を経過した債権から順次時効が完成して,援用による消滅がなされうる状態になります。

  現実問題として「過去の水道料金を支払っていないが最近はきちんと支払っている利用者」は少ないとは思いますので,時効期間完成前の水道料金の未納を理由として停水処分を行うことになるのでしょうね。

3  「裁判上の請求」とは,主に民事訴訟の提起がこれに当たり,通常は当該訴訟手続で解決されますので「何回でもできる」という考え方はなじみにくいと思います(例外的に確定判決を得て債務名義を有している債権が時効にかかりそうになったときがありますが,水道料金に関しては,想定しにくいように思います)。
  某水道局職員さんにおかれましては民法上の催告と評価される2回目の督促から6か月以内に民事訴訟を提起することをお勧めします。


  

反論はあまりしたくないのですが、停水措置という強硬手段により相手に債務の承認をさせて時効を中断することは、少なくとも公的機関が行うべきことではありません。
同時履行の抗弁権として、給水の停止が認められていますので、やはり正当な権利を有するときに行使すべきであり、時効が完成していることを承知のうえで行うことは、違法とまでは言わないまでも不適切だと思います。

ひよこさん、おおむねご賛同いただきありがとうございます。
自分も私債権の督促に時効中断の効力がないと考えているわけでありませんので、念のため補足させてもらいます。むしろ、引用した最高裁判例から考えると、時効中断の効力があると考えた方が自然ですが、批判的な意見があることを踏まえ、行政実例を鵜呑みにせずに対応する必要があると考えた次第です
「裁判上の請求は何回でもできる」は、「1度しか請求できない」という規定が見当たらないこと、
ネット情報を見る限り、複数回の請求が行われていること、
そして、その有効性は「時効完成前で時効完成日に最も近い請求が有効となる」と裁判所が判断されている事例があるからです。

また、裁判上の請求は、債権者に正当な権利があるかを判断せずに、債務者に請求しますので、債権者の正当性を判断する債務名義の取得とは別なものです。

複数回の裁判上の請求は、時効完成を引き延ばすという観点からすると、最適ではありません。時効完成直前の請求が一番効率的だと思います。
しかし、「法的にできない」ことはないと思います。事例がありますので・・・。
裁判上の請求を複数回行うことは、手続き上も非効率的であり、ひよこ様の言われるとおり、水道料では「なじみにくい」はその通りだと思いますが、法的に否定された行為ではないと考えます。

>>「水道料金については時効の援用を相手方が申し出た場合は,この停水処分に瑕疵があることになるのでしょうか」

時効援用後と書かれていますので、このあとの停水処分には問題ありと思います。
援用前であれば、どげんかせにゃいかん様の言われるように、停止処分は可能だと思いますが、その場合でも、「援用」で一瞬のうちに時効になってしまう危うさを持っていますから、停水処分の時期としては、ベターで無いと思います。そういう意味で「問題ありそう」と書いたものです。
やはり、時効完成前に停水すべきと思います。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

某水道局職員 No.18402

皆さまご教示いただきながら提起者の返答遅れて申し訳ありません。

>通常、停水処分は時効完成前に、納付を促すために行うと思いますが、時効完成した後 に、停水処分を行うとは、どういう意図なのでしょうか。(ペナルテタィ?)

 水道料金は2年、下水道使用料は5年で時効処理(不納欠損)されていると思いますが、2 年経過した後に、水道料金と下水道使用料の滞納明細を記載して、停水処分するという ことなのでしょうか。

記載方法がまずくて済みません。水道料金は時効の援用がなく不能欠損ぜす,下水道使用料は5年の時効が経過したのに不能欠損せず放置して現年度の水道料金に係る停水処分の滞納明細に記載した言うことです。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

某水道局職員 No.18404

>某水道局職員さんにおかれましては民法上の催告と評価される2回目の督促から6か  月以内に民事訴訟を提起することをお勧めします

 ひよこさま ご教示いだだきながら真に申し訳ありませんが

 北海道町村会法務支援室の法務相談事例集から

督促後の滞納に伴う催告による時効の中断について

(質問)
 公営住宅使用料の債権保全について、納入の通知をし、納期限まで納入がない場合には督促状を送付し、かつ、督促した納期限までに納入がない場合は催告書を送付している。 この場合の催告書は、時効の中断の効力を有するのか御教示願いたい。

(回答)
1 地方自治法
 (1) 納入の通知及び督促
   地方自治法(以下「自治法」という。)第231条で歳入徴収の方法及び地方自治法施行令(以下「自治令」という。)第154条で歳入の調定及び納入の通知について、自治法第231条の3で督促、滞納処分等及び自治令第171条で督促についてそれぞれ規定しています。
   この督促については、「自治法第231条の3第1項に規定する歳入に係る債権(分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入)を除き、普通地方公共団体の長は、債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定して、これを督促しなければならない(自治令第171条)。自治法第231条の3第1項に規定する歳入に係るについても、同条同項により、督促をしなければならない」(新版逐条地方自治法<第5次改訂版>931p)と解しています。
   これは、「納入義務者が納期限までに納入していないときの手続については、自治法第231条の3及び自治令第171条に規定するところですが、督促以後の手続との関連で、公法上の債権と私法上の債権とで根拠規定を分けたものであると解されています」(地方財務実務提要(ぎょうせい)2925p参照)と解しています。
 (2) 金銭債権の消滅時効の中断
   普通地方公共団体を一方の当事者とする金銭債権に係る消滅時効の中断、停止等については、「適用すべき法律がないときは、民法の規定が準用される(自治法第236条第3項)。『時効の中断、停止その他の事項』とは、時効の中断、停止のほか、時効の遡及適用、時効の起算点等の事項を指し、『(前項に規定する事項を除く。)』とは、時効の援用及び利益の放棄に関し、民法の特例が定められているので(自治法第236条第2項)、当該事項に係る民法の規定を準用しないこととしたものである。
   消滅時効の中断、停止等に関し『適用すべき法律』とは、私法上の権利の消滅時効に関する民法(第144条、第147条から第161条)の規定が主なもの」(上記逐条884〜885p)と解しています。
   また、納入の通知及び督促は、民法第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する(自治法第236条第4項)とされていることから、「絶対的な効力を認められ、普通地方公共団体の有するすべての債権について適用される。納入の通知又は督促をして時効を中断した後、さらに民法の適用又は準用により催告して時効を中断することができるかということについては、催告よりも強い時効中断の効力が法定されている以上、できないものと解する。また、督促をした後、再び督促をしても、再び時効を中断することはできないと解する(大判大8.6.30参照)」(上記逐条867〜868p)と解しています。
2 事案の検討
  納入の通知及び督促は、上記1の(2)から、最初のものに限り時効の中断の効力を有するものとされ、納入の通知又は督促をして時効を中断した後、さらに民法の適用又は準用により催告を行った場合については、上記1の(2)から、納入の通知又は督促は、催告よりも強い時効中断の効力が法定されている以上、催告で時効の中断はできず、再督促によっても時効の中断はできないものと考えられます。

つまり地方自治法の督促により時効を中断すれば,民法の適用又は準用により催告を行っても催告で時効の中断は出来ないと言う見解がありますが...








>>・・・水道料金は時効の援用がなく不能欠損ぜす,下水道使用料は5年の時効が経過したのに不能欠損せず放置して現年度の水道料金に係る停水処分の滞納明細に記載した言うことです。

ポイントは、何を根拠として停水処分を行うかでしょう。

水道料金は、時効後でも援用前なら債権が残っていますから、停水処分の根拠として有用だと思います。

下水道使用料は、時効完成と同時に債権が消滅していること、また、下水道使用料と水道料金は債務の種類が異なるので、停水処分の根拠とするには適当でないと思います。

※不納欠損の処理については、今回は触れないでおきます。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

どげんかせにゃいかん No.18423

不納欠損処理の対象は、法律上消滅した債権であり、相手方が時効を援用していないにもかかわらず、時効消滅したとして不納欠損処理することはできません。停水処分を行う根拠は、水道料金の未納であることは当然です(条例で規定?)。法律上、水道料金債権が消滅したのであれば、未納という根拠はなくなりますが、ただ、時効期間が経過しただけで、相手方が援用もせず、また、他の理由により法律上消滅していない水道料金であれば、その水道料金未納を根拠に停水処分することは問題ないと考えます。あとは、長期間放置していた(消滅していない)水道料金について停水処分することが妥当かどうかは様々な事情があるでしょうから、行政判断が働くものだと思います。ここでは、停水処分が法的に可能かどうかを議論すべきだと思います。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

むかし法規 No.18427

水道法15条3項の「料金を支払わないとき」「その理由が継続する間」に係る、支払い債務に時効期間経過後援用前の債務を含むかという問題であれば、含まないと解釈するのが自然のような気がします。
直感的なものですが、あえて理由を挙げるとすれば、一般に法令で債務に言及している際に、それに強制執行できない債務(いわゆる自然債務?)を含むと解釈すると、奇妙なことになる場合が多いと思われるということでしょうか。もっとも、強制執行に対する異議として、その段階で時効を援用することもあるのでしょうね。

   水道法
(給水義務)
第十五条
3 水道事業者は、当該水道により給水を受ける者が料金を支払わないとき、正当な理由なしに給水装置の検査を拒んだとき、その他正当な理由があるときは、前項本文の規定にかかわらず、その理由が継続する間、供給規程の定めるところにより、その者に対する給水を停止することができる。

(追記)あるいは、スレ主さまのご提示に下水道料金も入っていますので、水道法とは別の話なのでしょうか。
最近、必要があって調べモノをしていたら、地方税の滞納に対して(氏名公表+)公共サービスを停止できる旨を規定する条例を複数発見して、新鮮に感じたばかりです。
念のためそれらの自治体さんのHPで確認したところ、サービス停止(+氏名公表)の実績はなしということで、“抜かずの宝刀”か!?
某水道局職員さん
 ひよこさんへの質問ですが、自分にも関係しますので、代わって回答します。
この件については、過去ログでも議論されていますが、引用された法務相談集のように地方公共団体が行う督促には、民法の催告よりも強い時効中断の効力が法定されているため、一度督促した後に再び督促しても重ねて時効を中断することはできないとする見解もありますが、最裁昭43.6.27では、民法153条の準用により時効中断の効力が認められており、同判例によれば、督促を行っていた場合でも、時効完成間際に催告し、6月以内に訴訟等の手続を採れば時効は完成しないことになります。(「自治体のための債権管理マニュアル」P167より)
実は、このことは、自分が既に上で書き込んでいますので、書き方が悪かったのか、よく読んでいただけなかったのが非常に残念です・・・。
sasaくんさん
「裁判上の請求」とは、ひよこさんも指摘していますが、民法149条で明らかなとおり、「訴えの提起」を意味します。催告の勘違いではないですか?
市太郎様の言われるとおりでした。

「裁判上の請求」(民法第149条)と「裁判上の催告」()民法第153条
を混同して書いておりました。
きちんと理解していたつもりなのでしたが・・・・・・。
私の意図するところは、「裁判上の催告」でした。訂正いたします。

ひよこ様、当方の理解不足でした。申し訳ないです。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

どげんかせにゃいかん No.18453

むかし法規さん。申し訳ありませんが、もう少し噛み砕いて説明していただけないでしょうか。今回のケースは、「水道料金が未納」という正当な理由があり、当該「水道料金が未納」という正当な理由が継続している間、給水を停止するということで、まさに水道法15条3項の規定に該当するケースだと考えています。未納の水道料金が「時効期間経過後援用前」であれば、同項の「料金」に含まれないという意味ですか。その理由として、「時効にかかった債務(自然債務)は裁判手続(強制執行手続)において債務の内容を強制的に実現することはできない」という考え方を類推適用(解釈)するということですか。給水停止の意義については、水道法15条3項に「給水装置の検査を拒んだとき」も理由として挙げられています。給水停止を強制執行と同一視することには疑問があります。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

むかし法規 No.18456

>どげんかせにゃいかんさま

あ、そんなこみいった話ではないです。
民法の条文を読んだり、事例を考えたりしているときにイメージしている債権債務に、通常は、いわゆる自然債務を含めていないだろうという私の感覚。

例示はどこでもいいですが、たとえば民法499条。

 (任意代位)
第四百九十九条 債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。
2 第四百六十七条の規定は、前項の場合について準用する。

この条文の解釈で、自然債務を弁済した者も代位するのだろうか? 仮に代位するとして、その結果行使できる債権もやはり自然債務となるだろうか? などという解釈論は、『逐条民法』あたりでもやっていないと思います(手元に文献がないので推測。仮にやっていたら…“『逐条民法』ぐらいでしかやっていないと思います”と読み替え)。それは、裁判規範を念頭とした解釈論(すなわち強制執行まで想定した解釈論)としては、当然のようにも思えると。

そんな感覚で条文を読んでしまうので、“いつでも時効を援用できる債務が継続している”場合も含んでいると実定法を解釈することに、ちょっと違和感を覚えるというぐらいの話です。

なお、スレ主さまの問題提起のとらえ方ですが、時効完成前の下水道使用料債権であれば給水停止の前提となる、と読むのが素直に思えます。
仮にそうだとすると、税を延滞している場合にも給水停止できるというような条例も最近散見されることから、一定の行政目的達成のために(たとえば、過去の滞納への制裁)フレックスに給水停止が使えるという考え方であれば、解釈論のアプローチのしかたも変わってくるでしょう。

※ できるだけスレ主さまの(意識的・無意識的)条件設定をルールとして、適法性のレベルで考えるようにしています(趣味です)。

(追記)ついでに時効について贅言。
訴訟の場合の、相手方の請求に対する抗弁権として時効の援用を理解する考え方が個人的になじむので、自治法上の当然5年時効消滅債権も、一般の債権も、取引社会においては結局同じことのように感じています。訴訟で請求されたら、援用も当然消滅の主張も抗弁になってしまうと(微妙なケースでは仮定的抗弁で両方主張)。
あくまで、自治体内部の債権管理の問題になるのでしょうね。
むかし法規さん

きちんと民法を理解されているのだから、もっとわかりやすく回答した方がいいと思いますけど・・・。 民法上、消滅時効にかかった債務は、「自然債務」であり、債務者が自発的に弁済すれば受領して差し支えないが、訴えや強制執行などを求めることはできないとされています。したがって、請求までならともかく、「自然債務」で給水停止まで行うのは、債務の内容を強制的に実現するようなものだから、民法上、なじまないということでしょう。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

むかし法規 No.18465

市太郎さま

ニュアンスが全く違いますが、受け止め方はお互い様のところもありますので。
基本的に、“スレ主さま”へのプレゼンテーションです。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

むかし法規 No.18471

とは書いたものの、連投失礼。おもしろいかも。
市太郎さんのように考えると、“違和感”ではなく、“すっきり感”になるのでしょうね。

違和感を分析していくと、結局、“援用前の時効期間経過後の債権”がストレートに出てくることだと思えてきました。

“請求されて、支払う”というケースでは、そもそも時効という概念は不要で、“(訴訟上)請求を拒否するために援用する”という局面でのみ、時効は意味をもつという考え方が出発点になっています。訴訟外では、訴訟になった場合のその局面を予想して、(合理的に)行動していると。
学者によっては、訴訟外で時効を援用しても、債務は確定的には消滅していないと説明することもあったでしょうか(だいぶニュアンスは違いますが)。

スレ主さんご提示のケース、(訴訟外で)滞納者が時効を援用していようといまいと、訴訟で援用するまでは同じことではないかと思えてしまうわけです。
だとすると、(訴訟外での)援用の有無で給水停止の可否を判断するのも変な感じがするという違和感だったのでしょう。

もっとも、そうすると、(訴訟外での)援用の有無にかかわらず、給水停止できるか、できないかのどちらもありうるということになってきます。
その先が、論理より妥当性の判断をしてしまい、(訴訟外での)援用の有無にかかわらず、給水停止できない、という結論を選択したわけですね。
当初の説明とだいぶ違ってきてしまいました。反省。
当初で自然債務という用語を使ったのも不適当だったかもしれません。

あるいは、さらにわかりにくい叙述になっているとか。
某水道局職員様

レスが遅れて失礼いたしました。2度目以降の督促については市太郎様にNo.18435でお書きいただいたとおりです。市太郎様,ありがとうございました。
実務上は,
1.時効の起算点を督促の到達時(推定を含む。以下同じ)を基準とし,
2.時効完成前に行った2度目以降の督促の到達時から6か月以内に訴訟提起を行うのが通例かと存じます。
水道料金や(争いはあるものの)学校給食費などは短期消滅時効として2年で消滅時効が完成してしまいますので(年度を2度またげない),特に注意が必要です。

お示しの事例において,停水処分の滞納明細に,本来時効消滅している下水道使用料が記載されていることは不適切なのでしょうが,それを控除したとしても停水処分を行うべき未納の下水道使用料(及び時効が完成していない水道料金)があるのであれば,停水処分自体に瑕疵はないように思います。

おかげさまでだいぶ勉強になりました。ありがとうございました。
某水道局職員さん
どげんかせにゃいかんさん

申し訳ありません。質問をよく理解していませんでした。
まだ時効が完成していない水道料金(下水道使用料の未納は、停水できる根拠とはなりません)があることを前提にして、給水停止自体に違法性があるかという質問であれば、自分も問題はないと思います。大変失礼しました。
ただ、時効となっている水道料金の通知が、単なるお知らせに過ぎないと考えるなら良いのですが、それを給水停止の一つの根拠としているならば問題があるでしょう。

今回は自分も大変勉強になりました。ありがとうございました。



「時効の援用」についてですが、これは納める側の「納める権利」を保護するものであり、徴収する側の「徴収する権利」は時効成立した後は無くなる、と私は理解しています。
その様な立場から考えると、水道料金については時効成立後は請求できないと解します。
(ただ、納めたいという方のために会計上の処理として不納欠損をどうするかは、別の課題かと。)

また、給水停止は水道法を根拠とするものであり、水道料金は時効となり下水道使用料だけが未納となっている場合、給水停止を行うことは問題があると考えます。
(なお、税の未納対策のひとつとして給水停止を行うことについても、税法上の滞納処分としてはできないものと理解していましたが、実施されているところがあるのでしょうか。罰則として別に設けるのであれば可能かなとは思いますが。)

某水道局職員ご質問の件については、滞納明細の中に、時効成立前の水道料金(下水道料金ではなく)が含まれていなければ問題ありかなと思います。
逆に時効成立前の水道料金が含まれていれば、時効の援用を相手方が申し出ても明細の内容は不適切であるかもしれませんが瑕疵があるとまではいえないと思います。

Re: 水道料金・下水道使用料の徴収時効と停水処分

某水道局職員 No.18487

一太郎 さま

>最裁昭43.6.27では、民法153条の準用により時効中断の効力が認められてお り、同判例によれば、督促を行っていた場合でも、時効完成間際に催告し、6月以内に 訴訟等の手続を採れば時効は完成しないことになります。(「自治体のための債権管理 マニュアル」P167より)
 実は、このことは、自分が既に上で書き込んでいますので、書き方が悪かったのか、よ く読んでいただけなかったのが非常に残念です・・・。

 貴重なご意見ありがとうございます。よく読まなかったこと深くお詫び申し上げます。
 いずれにしても督促後の2日目以降の督促では時効は中断しないと理解してよろしいのでしょうか。 
 ところで下水道使用料について督促後に民法153条を準用し承認により時効は中断できるのかあわせて,ご教示くださいませ。