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予算及び条例の制定改廃の報告について

IS No.25749

お尋ねします。

地方自治法第219条第2項の規定で、

○市長は、予算を定める議決があり、その送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、直ちに県知事に報告しなければならない

旨が定められております。

ここで疑問なのですが、市長が179条第1項の専決処分をして、議会の承認を受けたケースでは、県知事への報告義務があるのでしょうか?

同じことが第252条の17の11の条例の制定改廃の報告についてもいえるのですが、こちらはいかがでしょうか?(180条の専決処分をして報告のみだった場合など。)

よろしくお願いします。

Re: 予算及び条例の制定改廃の報告について

K66 No.25750

予算・条例ともに義務があると考えます。
それと、知事への報告は、議会承認前に済ませるものと考えます。

まず、分かりやすそうな条例について。
当該規定には議会うんぬんが明記されていません。
なので、素直に考えると、専決処分により条例が制定され、公布によって効力が発生した後、粛々と報告する義務があるものと思います。

で、予算ですが、そもそもの立法趣旨には「予算成立時には知事に報告せよ」ということがあると思われます。
予算は議会の議決事項ですので、一般的な予算成立過程に鑑みて当該規定がされているのだと思います。
そう考えると、専決処分によって予算が成立したとして、知事への報告義務がないとまではいえないと思います。

ただ、当団体では近年、条例・予算ともに専決処分がない(過去分を検証する手間を惜しんでます。)ので、実際に専決処分した団体さんの実務をお聞きしたいですね。

Re: 予算及び条例の制定改廃の報告について

市太郎 No.25762

以前、私も全く同じ問題で悩んだことがありましたが、下記の実例で解決しました。
行政実例があまり好きではない方もいらっしゃるようですが、このような法令解釈に迷いがあるときは、非常に参考になります。
(問) 長の専決処分により予算が定められた場合、かかる知事への報告及び住民への公表は要しないものか?
(答) 自治法第179条第1項でいう長の専決処分により予算が定められた場合であっても、その処分は本来、議会の議決を経て行われたものと同様に適法かつ有効であることはもちろんであります。
 したがって、自治法第219条第2項でいう知事への報告及び住民への公表は、根拠法令の条項につき、特に示しておりませんが、当然のことながら要すると解されます。

Re: 予算及び条例の制定改廃の報告について

K66 No.25765

市太郎 様

行政実例があったのですね。勉強になりました。
スレ主ではないですが、コメを付けた者として感謝します。
お二人ともありがとうございました。
大変勉強になりました。

Re: 予算及び条例の制定改廃の報告について

コスモス No.25769


補正予算に関しては、財務実務提要(ぎょうせい)第1巻2124ページに掲載されています。
スッキリしました!
みなさま本当にありがとうございました。

旅費支給について

OKJ No.25643

いつも拝見しております。
長期間研修を受講させる際に、その講義日程が、月、水、金といった、とびとびの日程の場合の旅費の支給は、どのように対応すればよいでしょうか。
ちなみに、研修先が当町と離れており、宿泊せざるを得ない状況であり、単純に講義のある日のみ日額旅費を支給するというわけにはいかないのではと考えております。
レアケースだとは思いますが、ご教示願います。

Re: 旅費支給について

No.25644

旅費の支払い方というより、旅行命令の出し方だと思うのですが。
月から金までの4泊5日の旅行命令ならそのように、月曜泊まって火曜朝には帰ってきて庁舎で仕事をせよ、というのなら、そのようになるのではないでしょうか。

Re: 旅費支給について

温度上昇中 No.25649

全ては、旅費支給条例等の規定によると思いますが、一般的なものとしては、長期研修であるとのことですので、スパンとしてこの旅行が長期、又は指定の研修等に該当するため、日額旅費の支給対象になるのであれば、期間中日額旅費が支給されることになるものでしょうが、この間に普通旅費が発生すれば、いずれか多いほうが支給されることにもなるので、いずれにせよ旅行命令しだいかなと。

Re: 旅費支給について

OKJ No.25693

みなさんありがとうございます。
支給方法というより命令の仕方というご指摘ごもっともです。
地理的条件で、一旦帰ってまた講義に向かうということは、不可能な
ものですから、命令の出し方としては、たとえ、講義日程がとびとびだろうが、
1ヶ月間滞在せよという命令を出すしかないということになるのでしょうか。
つまり、講義が無い日であっても、講義のために滞在しているのだから、
日額旅費を支給するのは当然ということでしょうか。

Re: 旅費支給について

H(半角) No.25709

>日額旅費を支給するのは当然ということでしょうか。

参考までにウチでは1〜3ヶ月の研修はよくあります。土日に帰る交通費よりは日当の方がはるかに経済的なのでそうします。(3ヶ月の場合は1度帰省日を入れますが)
ただ7日を超える長期研修においては滞在8日目から7割支給の計算になるように、内規があります。

とびとびってずいぶん変則ですね。
平日の場合は、滞在していても何らかの仕事か研修かをしていないといけないような・・・旅費よりそこが気になる。
8時間自習ですか?それとも有給休暇を取らせるんですかね。

Re: 旅費支給について

かるび No.25711

「まあ、折角だから、授業の無い日は観光地でも見て研修してこい!」くらいの事はダメでしょうか。(まあ。当然職務ですけどね。)

・・・だめですかね。感情的に・・・

Re: 旅費支給について

G No.25716

>かるびさま
そうなると、事前に研修先から観光地までの旅行命令がなければなりませんね。

とびとびは気になりますが、「あいた」日は自習という勤務で何の問題もないと思います。オン○○○○から、違法な公金支出とでも指摘されるんでしょうかねえ。

Re: 旅費支給について

かるび No.25719

私の場合、研修先に先進地的な視察先(観光地も含めて。)があることが前提になっているわけですが。

自習としてホテル等に缶詰で勉強させるのも当然アリなんでしょう。
自習として視察に職員が行くような場合、事前に旅行命令を出しておいて、現地の交通費をだしても別段いいと思います。実際のものを見るというのも職員のためになることですし。

実際のものを見るという点では、普段の視察研修とそれほど差があるわけでもありませんし。

旅費の支給というOKJ様の趣旨から外れました。すいません。効果的な研修の在り方くらいでご容赦ください。

Re: 旅費支給について

OKJ No.25740

みなさんありがとうございます。

当町の技師の研修なのですが、講義日程がとびとびになるのは、町が設定したわけではなくて、講義を開講する主催者側の設定なものですからどうしようもないのですが、要するに、講義の無い日は、果たして用務もないのに、その日の旅費等を支給することはあり得るのかということでした。
皆さんのおっしゃるように、自習とか視察ということまで、頭が回ってませんでした。

Re: 旅費支給について

No.25760

>>果たして用務もないのに

旅行命令が出ている以上、りっぱな用務です。誤解なされないように。本人の問題ではありません。

Re: 旅費支給について

ごっち No.25763

旅費支給の前に、旅行命令の妥当性が問われる感じでしょうか。
自習とか視察部分に命令者はどんな期待をし、出張者はどんな復命をするのか楽しみです。

公民館の書類・掲示物等の取り扱いについて

快感公民館 No.25725

 いつもお世話になっております。

 当自治体では、ファイリングシステムを導入しており、出先機関もファイル基準表に基づき、書類等の管理及び情報請求に耐えうるシステムであることになっております。

 報告では、当公民館も瑕疵なくファイリングしておることになっておりますが、実際のところはそうではありません。改善しようと思い、長部局の担当課へも助言を求めましたが、基本類型以外のものは現場判断とのことで、対応に苦慮しております。主に二点ほどです。

その1 チラシ・ポスター等のたぐいの取り扱い

 現況 公民館のファイルにチラシ・ポスター等のファイルはありますが、空です。県の依頼でも依頼文は別のファイル(県通知とか)に保存しています。

依頼されたA5〜ふすま大までのチラシ・ポスター等は、公民館に到達すれば、ほぼ機械的に掲示したり配布したりしています。そのため、公民館のうち壁が告知だらけです。

 キャンペーン・イベント開催日や納期がすぎれば日々の見回りで、最大ひと月ほどではがして廃棄しており、よその大きな自治体のポスターのように「X月X日まで掲示 管財課」などのはんこはなく、押していません。

 量的には、ひと月で箱一個くらいです。長部局では、軽微なものは保存しないとのことですが、生涯学習の場ではファイリングされるべきものに変わるのか考えあぐねています。私の部署の文書主任は、会議には出ていますが、判断の資料もなく全く理解していないあて職のような感じです。つまり、もうすぐ退職の館長方は瑕疵なく手続きをやっていることにしたいようですが、その上は、そうは問屋がおろさない感じです。とはいっても、長部局が調査に来るわけではありません。内々で、文書主任でなく、私たちが指導されるような感じです。

その2 ファイル基準表上ないことになっている文書の取り扱い

 現況 各公民館の倉庫等に用事で踏み入れると、保存年限を過ぎた文書箱や分類されていない前世紀からの文書等が、目に付くことがあります。色々なスペースに隠れているのですが、内容も不明で結構な量になると思います。これらは、発見し次第、分別して廃棄した方がいいのか悩んでおります。
 皆様、お世話になります。
 以下の事例は、かなり多いと思いますので質問させていただきます。

 地方自治法244条の2によれば、公の施設は、先の改正により、直営か、もしくは指定管理者が管理することとなっております。

 ところが、自治体直営の公民館(社会教育施設)や、一部の自治体直営の市民会館(文化会館)などでは、夜間(17時から22時までの利用)や、休日における施設管理・利用者への対応など、時間帯や日にちを限ったうえで、このような業務の一部もしくは相当な業務をシルバーや民間のビル管理業者に委託(具体的業務についても小分けして別途委託や再委託)しているところが散見されます。

 因みに総務省などの見解によれば、個々の具体的業務を委託することは差し支えないが、施設管理自体を委託することは出来ないとのことです(法改正による指定管理者制度に関する通知が出ていることはご承知の通りです。・・・まぁ〜、総務省の見解が正しいとばかりは限りませんが・・・)。
 勿論この場合でも、施設の補修やその他支出負担を伴う管理(改良行為や予算の執行自体)は委託されてはいないようですが、清掃や警備といった個々の具体的業務以外にも、防火防災上の管理・受付業務・施設の施錠(鍵の管理)・備品の貸し出し・その他苦情の処理や施設使用の制限(警告や利用中止を求める行為)など、およそ施設管理と言える行為を(場合によっては使用許可証作成も・・)、夜間や休日に限っては民間委託で行なっているようです(法改正以前の管理委託に類似しているのではないかと・・)。自治体の考える施設管理とは予算の執行だけなのでしょうか?たぶん違うでしょう。

 因みに、私の住む自治体の公民館も、すべてが夜間と休日には委託されています(許可証の取り扱いは“不適切であった”として現在は行なってはいませんが)。

 例え一時期(日にちや時間帯を限っての管理委託でも)自治法244条の2に照らして不適法なのではないかと思いますが如何でしょうか?
 特に、民間人による使用許可証の作成や、これに使用する公印の使用も、無権限の公印使用や公文書作成にあたる行為だとも思いますが如何でしょうか?
 それとも、自治体直営施設でも指定管理者ではない民間への“時限管理委託”が適法だと解せる法源が他にあるのでしょうか?
単なる所感になりますが、
法令の内容が広く遵守されていないときの対応は、
コンプライアン意識の徹底に努めるモーメントと、
法令の内容の合理性を再検討して、必要があればその見直しに向かうモーメントがあると思います。

で、後者、
自治法の公の施設の制度設計は、
常識的に考えて私法上の賃貸借・使用貸借と異なることのない関係を、営業許可などと同様のおおげさな行政処分と整理している(らしい)おかしさと、
常識的に考えて不動産の管理委託に毛の生えた程度であることも多い関係に、指定管理者なる奇妙な制度を持ち出してくるおかしさがあると感じています。

もっとも、よりおかしいのは、長年、そのようなおかしさを感じているに違いない自治体が、その制度改善に向けて、積極的に意思表明しようとせず、何かといえば、積極的に技術的助言を求めている姿でしょうか。地方六団体(事務局さん)は、何やってるんでしょうね。
>よりおかしいのは、長年、そのようなおかしさを感じているに違いない自治体が、その制度改善に向けて、積極的に意思表明しようとせず、何かといえば、積極的に技術的助言を求めている姿でしょうか。地方六団体(事務局さん)は、何やってるんでしょうね。

 むかし法規さま、コメントありがとうございます。
 問題の所在はおおせの通り。

 自治体に「不適法だからいけませんよ!」というと、自治体担当者は「制度が悪いし、これくらいは大体みんなやってます!」・・という返答(事実あった)。

 私としては“悪法も法”と言う感覚なので、制度が悪いなら正々堂々と国と戦うべし。などと思ったりしています。
 “触らぬ神にたたり無し”で、黙って不適法なこと(だとすれば)をやっちゃうのは良くないのではないかと。出口論として違法性が阻却される可能性?については別問題だろうと。

 公論よ起これっ!
どちらの方向でただすか、ということでは、2つのベクトルがあります。

1)民間でもできるじゃん(事故ないでしょ)といって、許可や公金取扱いを認める
2)やはり「公権力行使」なんだから、一般職で行うべし

私自身の持論は(2)なのですが(えんどうたかしさまも同類だと考えております)、このベクトルの方向は少数派のようですから。。
 Gさま、コメントありがとうございます。

 この問題、行政財産の目的外使用の問題と根っこが同じだと思うんです。

 むかし法規様とはほんの少し感覚が違うのかもしれませんが、公の施設にはそもそも所有権という考えがない(在るとしても、それは国民共有の財産)。
 これを運用する権限(ないし権原)は、国民から法律により受権されているだけで、おまけに、設置条例などによって、給付の目的が限られたり、減免措置(というえこひいき?)もあるわけです。当該財産は「平等利用」や「住民福祉に資する」という限定つきなので、その管理の適正が図られなければならない(←という建前)。

 しかし、貸借契約と類似する面も看過できない。

 私としては、結局、使用関係については権力関係(一般権力関係)とならざるを得ないのだろうと。これは公立学校の受益者(児童・生徒・学生)と同質だとも言えようかと。

 上記に限らず、給付行政一般について・・・

 @平等則(勿論形式的ではなく実質的平等論)や設置目的により許可された「利益」だと見るべきか?・・権力性是定説≒国家による自由であるべきなのか?

 Aそれとも一旦条件整備がされた後は、利害関係人の調整を行なえばよいだけで、申請に基づく確認行為や申し込みに対する許諾(合意)によって発生した占有権と見るべきか?・・権力性否定説≒本来、国家からの自由であるべきなのか?
 
 如何でしょうか。
少しというより、だいぶ感覚が違うような気がします(笑)

このようなテーマのやりとりは、この掲示板の性格にふさわしくないような気もしますが、たまには変化をつけるということで…

憲法原理はさておき、行政に実定法を離れた何らかの原理、たとえば「権力関係」なる概念をア・プリオリに措定し、実定法の解釈の指針とするようなパラダイムは、現憲法の成立とともに、消え行くはずだったように思えます。
言葉を変えれば、憲法学と個別の実定法の解釈学があれば必要十分で、行政法学というジャンルは、行政学に吸収されて、発展的に消滅するのが自然だったと。
ところがさにあらず、消えるどころか、近時は自治体行政法学なる新たなサブジャンルを発見して、しぶとく延命しているような印象さえ受けます。
行政法学者さんとしては、経済合理的な行動ではありますが。
もっとも、地方自治法の設計者の、当時の頭の中を探るには、なお有益なパラダイムだとは思います。
>因みに総務省などの見解によれば、個々の具体的業務を委託することは差し支えないが、施設管理自体を委託することは出来ないとのことです

 解釈が、微妙に間違っていませんか?

 平成15年7月17日付け総行行第87号自治行政局長通知(抜粋)
  第2 3(2)
    前段略・・・今回の制度の趣旨にかんがみれば、管理に係る業務を一括し
   てさらに第三者へ委託することはできないものであること。

 とあります。極端に解釈すると「丸投げでなければOK」と読めるのですが。
 私は、適切か不適切かを別にすれば、指定管理者制度で再委託できない部分は、使用許可処分にかかる部分だけだと思っています。

 えんどう様ご指摘のケースも、「適切ではないかもしれないが、(少なくとも直ちには)違法ではない!」といったところでしょうか(公印の使用の部分は大いに疑問ですが・・・)。

 施設の使用許可が行政処分であるために、これを民間人に実施させるためには、指定管理者という特別の地位を付与する必要があった。その為、単なる委託契約では実施できなかった。と考えています。

 施設により様々なのですが、一律に「施設の使用許可が行政処分」というところは大いに疑問は感じております。
 総行行第87号自治行政局長通知
 第2の3の(2)
 『清掃、警備といった個々の具体的業務を指定管理者から第三者へ委託することは差
し支えないが、法律の規定に基づいて指定管理者を指定することとした今回の制度の
趣旨にかんがみれば、管理に係る業務を一括してさらに第三者へ委託することはでき
ないものであること。』

 この文面の解釈は、前段が「個々の具体的業務を指定管理者から第三者へ委託することは差し支えない」
 後段が「管理に係る業務を一括してさらに第三者へ委託することはできない」と両極を言っているに過ぎないわけです。

 前段が許され後段が許されない根拠として中段「〜法律の規定に基づいて指定管理者を指定することとした今回の制度の趣旨にかんがみれば〜」が問題となるわけで、これは法律による留保がありますよ!・・・と言っているわけです(総務省はですが・・)。

 で、この留保の中身は何かというと、文理上は「管理にかかる事項」だと言えます。
 『管理にかかる事項を一括して第三者へ委託することは出来ない』と言っているわけです。では、一括してではなく、小分けして第三者へ委託するのなら良いか?という問題です。
 通知にはこれ以上は書いていませんね。そこで立法意思が重要になってくると考えられます。

 指定管理者であるので管理行為を、行政処分(しかも議会議決を要する)として委任(委譲)しているわけです。被処分者はこれをさらに委任できるのでしょうか?。無理でしょう。理由は、議会の議決に第三者への委任が含まれていないからです。
 かくして指定管理者への管理の委任という行政処分は、被処分者限りで履行しなければならない義務が生じたのだと思います。

 そうすると、指定管理者の法解釈が援用できる部分は、管理行為と使用許可(後述しますが)という部分。つまり直営の施設に当てはめると、これを第三者に代行させることの当否は如何でしょうか?

 私見によれば、他の行政サービス「給付の決定」などの非買収性が担保されるべきだということが正しいとすると、自治法の条理上留保されていると解せるのは当然で、突き詰めれば、詰まるところ「公務の非買収性」にもとめられ、行政財産の改良行為や人事権が含まれるから。また、施設を管理するには、財産の処分(必要な予算執行)、施設管理上の法令(ビル管法や消防法・その他事業者としてのすべての法的責任)が絡んでくる。
 そうすると、個別に別法人格(別な事業主)に任せられる仕事は具体的業務にならざるを得ない。
 あと、他の行政サービスと同様に「給付の決定」も非買収性が担保されるべき(刑事罰の威嚇によること)だということ。

 結局、施設の管理事項について、そのような法規裁量と経済的裁量権を持てるのは、指定管理者ならば指定管理者限り(法人格が同一であること)、直営ならば所管する部署の構成員たる吏員限りであることにならざるを得ないだろうと。勿論、法人格を超える監督権限(施設管理を受託した私人に公務員と同程度の権限が与えられており、なお且つ当該権限の行使につき刑事罰の威嚇と国家賠償法の適用がある場合)という他の法的根拠があれば別ですが。
 
 わたぼうし 様 によれば、>一律に「施設の使用許可が行政処分」というところは大いに疑問<・・とのことですが、実は、私も未だ疑問には思っております。
 しかし、それはそれとして、使用許可が行政処分であるということに争いがないことで国会の議論が進められていたことは看過できないと思います。つまり、立法意思には、使用許可が行政処分であることが前提で制度設計されているわけです。

 参照:第156国会衆議院総務委員会第15号平成15年5月27日(火曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009415620030527015.htm 

 むかし法規さま、
 特別権力関係(←これは死語ですね)ではなく、法律の規定による「一般の権力関係」は、憲法理論としてもありえる話だと思います。
 (残念ながら)およそ権力的行政が、このような理論を採った上で成り立っているのだろうと思います。まあ、“行政法学というものを大事にしたい誰か?が、既得権のために民法のアナロジーによる解釈を意図的に避けている理論だ”という批判も可能でしょうけれど。。。行政法の教科書が全部書き換えられる時代にならないと・・・。

 《追記》

 長くなりますが問題がもう一つ。指定管理者ではない直営施設において、私人との契約により管理を委託していた(不適法な)場合において、当該私人が為した行政行為により、施設利用者が不利益を被った場合に、行政的救済は難しいことになるだろうと思います。
 高度な議論を展開されるので、フラフラの状態です。

 >明確にされていないならば、立法意思が重要

 立法意思は、公の施設におけるサービス水準の向上と経費の節減だと思うのですが・・・違いますでしょうか。

 であるならば、それぞれの地域や施設の状況に応じたやり方があっていいと思います。重箱の隅をつつくような論法に縛られて、本来追及していかなければならないサービスの向上や経費節減が達成できないようでは困ります。

 夜間と休日に限って民間委託により運営されているとのことですが、公務員が直接実施する場合と比較して何か違うのでしょうか。現に困っていることがあるのでしょうか。民間委託の方が、サービスが良かったり経費が節減できるのであれば、これを活用しないとする方が異常です。

 「法律を守らなくて良い」とか、「法律を自分勝手に解釈して良い」と言っている訳ではありません。
 「法律の範囲で、よりよい手法を活用すべき!」との意見ですので念のため。
 《追記の追記》

 連投ご容赦ください。もう少し問題の所在を・・・。

 なお、下記のような機能が、現在、真に必要か否かは棚上げしておきます。
 現行制度上、自治体吏員による管理を実施している場合の住民の利益としては、任用関係の存在により、規則等の内部規範と訓令命令により管理要員の行為を律することが出来ること。そして議会を通じて民意が反映される(少なくともそういう建前)。
 ところが、委託した私人による管理の場合、これ(内規による規律)は実現できないと思われます。
 もし、これが出来るよう委託労働者の運用をすると、少なくとも労働法的には問題があると思われます。

 >公務員が直接実施する場合と比較して何か違うのでしょうか。現に困っていることがあるのでしょうか。民間委託の方が、サービスが良かったり経費が節減できるのであれば、これを活用しないとする方が異常です<・・・とのご意見に対する私なりの意見にもなると思います。

 >施設の使用許可が行政処分であるために、これを民間人に実施させるためには、指定管理者という特別の地位を付与する必要があった。その為、単なる委託契約では実施できなかった。<
 
 ・・そうではないと思います。
 公の施設の管理を行なわせること(管理の代行)自体が行政処分にあたるのだと思います。これを裏付ける実例として「使用許可権限を持たない(自治体に留保している)指定管理者」を実施(勿論、この場合も議会の議決をへた指定の手続を)しているケースも存在していることを見過ごすべきではないと思います。レストランやレジャー施設など、もともと自由利用が原則の施設も同様ですね。

 フラフラにさせちゃってすみません・・
単純に、実定法の解釈にしても、
裁判所の関心は、行政法学ジャンル維持による行政法学者さんの生活保障ではなく、
国民の権利利益の救済にありますから、
仮に訴訟で使用許可の処分性が問題になったとすれば、
大上段に、許可→処分→権力行為→私人に委任不可
とは判断しないで、
利益衡量によっては、あっさり、(このケースにおいては)私人にも委任できる使用許可である、と判断する場合もあるだろうという、信頼感はありますね。

行政庁が、現段階で、どのようにふるまうかは、また別の話ですが。

(追記)なお、行政事件訴訟法は、行政的救済というより、(出訴期間の制限なども含めた広い意味での)排他的管轄を設けることにより、(行政庁の特定の行為について)通常の私法上の救済措置をシャットアウトすることが第一義の制度と理解すべきでしょう。いわゆる“公定力”(この概念も実は不要)の正体ですね。

そもそもお上に何も言えない→行政事件訴訟法で救ってやるよ、
というより、
そもそもお上にも何でも言える→ちょっと困るから行政事件訴訟法で少し制限させてね、
でしょう、現代行政の認識としては。
“行政救済法”というカテゴライズが、ミスリーディングしているような気も。
 行政救済法の適用については、むかし法規様のご意見のようになるケースも、利益との比較考量という点であり得るのかなと思います。ただ、その手前の異議申し立てや審査請求時点(行政による救済可能性という点)で、私人が為した行為(不作為)について、行政庁としてどのように対応するのかは興味があります。

 で、問題は、管理行為の委託について・・・

 ・実定法上、議会の議決その他手続きを経た指定管理者以外を予定していない場合でも委任(委託)出来るのか?
 ・もし出来ると解す場合、単なる趣味(そうしたいから)ではなく、理由(法源)はどこにあるのか?
 ・その場合、夜間や休日といったニーズの多い時間帯(施設にもよるが)に権限ある者が不在であってもよいか(不適切な使用・危険物の持ち込みなど、問題発生時において、許可の取り消しや使用の一部制限などが適切に出来るのか?)

 ・防火管理、消防計画の変更や特例申請など、当該時間帯に対応した関係法の手続きを失念(私の知る施設では実際にあった!)してはいないのか?(委託を交えて必要な要員に消防訓練してますか?)
 ・上記手続きが適正に行なえるためには、受託者に対して施設の防災関係の改良行為や予算権などの権限を、時限的な管理であっても与えなければ実質管理は出来ないのではないか?(結局、単に人を別法人から借りているだけで、事業者としての法的根拠の無い偽装請負じゃないのか?)
 ・上記に問題が無いとしても、そもそも休日夜間にニーズが多い場合に、公務員を置かない人事は、(公務員の趣味ではあるかもしれないが)公益に照らして不適切ではないのか?
 
 他にもありますが、とりあえず上記の問題はどうでしょうか。

 なお、シルバーについては「高齢者雇用促進法」など個別規定があるようです。この場合、手続きを経た上で労働者供給が可能だったと思います。
備忘録。

指定管理者を導入することにした地方自治法の一部改正(平成15年6月13日法律81号)における提案理由は、「地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、地方分権改革推進会議の意見にのっとり、都道府県の局部数の法定制等を廃止するとともに、公の施設の管理の委託に関する制度を見直すほか、所要の規定の整備を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」となっています。

富良野市のHP(http://www.city.furano.hokkaido.jp/Files/1/24241/attach/iken-1.pdf)では、ぎょうせい『指定管理者制度ハンドブック』からとして、以下のように帰されています。
「総合規制改革会議による2002 年7月の「中間とりまとめ」の中に例示された事務・事業の民間参入を促進するとともに、2002 年12 月12 日に答申した「規制改革の推進に関する第2次答申」のテーマとして、民間参入の拡大による官製市場の見直しが掲げられ「事務・事業について計画的、積極的に民営化、民間への譲渡、民間委託の推進」を具現化するための公共サービス分野における民間参入の具体的施策として、「公の施設」の管理が盛込まれた。
 具体的には、「地方自治の規定の趣旨について、施設の利用料金の決定と収受は民間に委託することができないというにすぎず、それ以外の管理行為については、広く民間へ委託することが可能であることを直ちに地方公共団体に周知徹底すべきであること。また、一定の条件の下での利用料金の決定等を含めた管理委託を地方公共団体の出資法人等のみならず、民間事業者に対しても行うことができるように現行制度の改正」という文言が盛込まれた。」(引用おわり)
感想になりますが…

管理者の仕事は、常に施設にいて直接管理することではなく、自分がいなくても運営がうまくいくルールを作り、そのルールが守られる仕組みを作り、仕組みがうまく機能しているかを定期的にチェックすることだと思います。
これらが担保されれば、実際の作業者は公務員でも民間人でも機械でも構わないのではないかと。
 Gさま、資料のご提示ありがとうございます。

 ご提示の「総合規制改革会議答申」については存じております。なおこれは政府提案前のもので、国会提出の実際に当時の総務省で検討された後、管理委託(民法上の)時における関連法令との整合性を考慮して、国における他の分野の所謂“指定機関”類似の構造として立案(立法趣旨として)したものだと理解しております。間違っていたらごめんなさい。

 富良野市のHPは、その後半部分が示されていないのが残念!
 他に篠原論文(月刊地方自治○年の8月号・・○の部分、忘れました)にも書かれていますが、こちらの方にはもう少し詳しく載っていました。
 しかし、ご提示のものも、後者の論文も、ビル管法・消防法・労働法(←特にこれ)といった物的・人的な事業場としての部分に関する検討や説明が為されていない、という残念な部分があります。つまり人事権や内規・訓令が委託法人にも直接及ぶことが可能なごとき解釈(曲解だと思います)に拠っているのでは、という点でです。

 要は、実定法に二つのベクトルがあって、一方の施設管理に関する法令や条例、規則で「ほったらかしにしてはだめですよ!」という明文の命令と、もう一方の労働関係法令では事業場の区分や法人区分を予めしっかりしたうえで、管理に関するルールも含め「ほったらかしにしておきなさい!」という命令が競合している世界なんだと思います。

 元帳様のご意見の一部をお借りすると、法律や条例以外の“「運営がうまくいくルール」も、役所(公務員)が作るのではなく、「委託法人の内規(法人の私的自治的行為)」”である必要があるということになると思います。まあ、役所もお願い程度は出来るでしょうけれど。否、それも究極的には経済市場がルールを決めるという世界!

 《追記》

 表題のような施設管理の委託(民間への委任)が可能だと解せるのなら、指定管理者制度(条例の改正やら、議会の手続き、その他煩雑な手続きを経てやっと実施できる)の必要性にも疑義が生じてくるのではないでしょうか。
 《追記の追記》・・連投になりますが・・

 行政側の論理から考えると、“施設の管理の代行だけれども、権限の委任ではありませんよ!、それは補助執行(ないし代理)類似の行政テクニックですよ!”、でしょうか。
 そうすると、行政機関外の者(民間人)に代行させる場合に、果たしてこのようなテクニックは使えるのか(不意打ちではないのか)?・・・という疑問があると思います。
 つまり、その(管理代行の)当否は別としても、直営施設(指定管理者制度を使わない場合)の管理を民間人に委託している場合、公務員の任用関係・公務員適用罪・個人情報保護や施設管理上の情報公開制度との関係からは、民間法人と行政機関とでは相当乖離しているように思われます。法律(や条例)は別として、任用関係に無い者には行政機関内部の規範(規則や命令など)が及ばないからです。
 もう一つは、前回小出しにしましたが、管理に必要な事務処理の手順やこれに必要な規範の創設等の指揮権を自治体に留保しているのであれば、こんどは当該民間法人としての法人格(つまり労働関係を含む事業の独立性と施設管理の結果の法的責任がどこに及ぶか?)と言うことにも問題なしとは言えないのではないかと。
 勿論、実際に管理の瑕疵や労働問題などの争いになってみなければ判りませんが、施設管理の委託(受託)事業が、可能性として「(当該受託法人は)法人格否定」=行政機関の人事代行機関であった!・・・という余地は十分にあるのではないかと思います。
 一連の議論を読んだのですが、そもそも「管理」って何でしょうか?という疑問があるのです。とりあえず以下「管理」について考えてみました。
 

1 公の施設の管理の「管理」とは「施設を住民の利用に供するために必要なすべての行為」と定義する
 清掃や警備は施設の機能や秩序を維持する行為であるのでこれを直営及び指定管理者以外が遂行することが禁じられるという解釈も取れます。「時間を過ぎたので引き上げてください」と利用者に言うことも利用者に対して、施設の使用権を制限することになりますので清掃や警備の場合と同様になります。

2 公の施設の管理の「管理」とは「施設を住民の使用に供するために必要な運営事項の決定・解釈権、許可・禁止権限及び住民の利用に供するために必要な維持・事務作業の計画監督」と定義する
 ここら辺が、今あちこちの自治体で行われている「施設管理の委託」を正当化する理屈かなと思います。「指定管理者」であれば法令でできないと解されている事項以外の「管理」はできるということです。
 個別具体的な維持・事務作業は世間一般で言う「施設管理の委託」であるが、上記の定義からは法で禁止されている「管理」の委託ではないという解釈です。

 
kayu様 ご意見ありがとうございます。

 「管理」という民法上の概念が、公の施設(=公共用公物+その機能)に限って、自治法(という特別法)により修正されているのは、kayu様のご指摘の通り(←あとで追記しました)。

 で、他人(この場、別な合法人格の者でしかも私人)に代行させる場合のロジックが2つあると考えています。

 その1は、権限を出来るだけ委託者(元の事業者)に留保しておき、その意にそってやらせる。しかし管理に関わるすべての事務を予めを想定することは不可能なので、想定外の事象には管理者の予めの意思が欠けている。そうするとやむなく元の事業者に指揮を仰いだり命令を受けることになるので、このような場合には労働法的な問題(偽装請負などの法的問題)が出てくる。
 このため、受託者の事業の独立性を持つよう受託業務をやらせるには、予め契約書(仕様書など)で明記した上で発注し、受託者の法的責任によって仕事が完成する業務にならざるを得ない。
 これが所謂「個々の具体的業務」。←要は、受託者としての「事業の独立性」の問題で、受託業務の中身が、単なる“人貸し”というのでは問題でしょう。

 その2は、想定外の問題処理までもある程度任せるような委任(権限委譲)を行なうことで、受託者に施設運用に関する法解釈や管理行為自体(財産の処分以外の改良行為等)も任せる。
 この場合、受託者の事業の独立性が高いため、労働法的な問題は委託者と受託者間では起こらない。ところが、管理権限の代行部分が大きい(委譲)であるため、制度上「指定管理者」に限られることとなる。

 ところが、本エントリで問題としたこと(私がですが・・)は、事実上、施設管理の委託を行なっているように思える事例では、権限の委譲が行われてはいないため、契約により管理委託していても、管理にかかる予算をはじめ、必要な事務処理の手順・方法・利用者への対応などすべてを自治体執行機関が定めた内規(規則等)で拘束する。若しくは前掲「その1」のような想定外の事象では、別法人労働者に対して指揮命令が行なわれる蓋然性が高い。
 さらには、(現に複数自治体であった問題)私人に公印を取扱わせて申請書の受理・使用許可の決裁・執行機関名の許可証(文書作成)・交付を行なわせていた事例(指摘するとすぐに止めて職員を充ててやらせるのがその証左かと・・)や、消防法に規定の消防計画外の管理(無届の防火管理委託など←私の知る限りでも数軒あった)をやらせているのは、問題なしとは言えないのではないかと思います。

 勿論、ここで制度が悪いと考える(という趣味の問題)のであれば、自治法を改正するしかないと思います。それはそれで一つの考え方なので結構ですが・・。

 しかし、私としては、その前にこのような事例は自治体が不正(少なくとも適正手続きを欠く)なのではないか、と。
 なお、管理委託類似事例にかぎって、上記問題(私人による公印使用や消防への無届)とセットになって(すべてではないですが)発生しているのは、やはり因果関係が強いのではないかと思ったりしています。

 《追記》

 洋々亭様から本スレッドについて下記助言があったので、一旦終結したく思います。
 率直なご意見・ご助言等に御礼申し上げます。
本スレッドが全体の3分の1を超えました。
議論を続けたい場合は、別スレッドを立ててお願いします。

私債権管理条例

企画担当者 No.25659

お世話になります。
宜しくお願いします。

本市におきましても、私債権の管理が問題となっておりまして
この度、私債権管理条例の制定を予定しています。
そこで、質問なのですが全国的にどれくらいの自治体で本条例が
制定されているのでしょうか?
ネット等で検索してみましたが、ヒットがありませんでしたので
質問させて頂きました。

どうぞ宜しくお願いします。

Re: 私債権管理条例

ごうじ No.25660

いくつかあげれば

浜松市債権管理条例
明石市私債権の管理に関する条例
岡崎市の債権の管理に関する条例
秋田市債権管理条例
足立区の債権の管理等に関する条例
宮崎市債権管理条例
多治見市債権管理条例
福知山市債権管理条例
町田市私債権管理条例
横須賀市債権管理条例
函館市債権の管理に関する条例
横浜市の私債権の管理に関する条例
秦野市債権の管理等に関する条例
西宮市債権の管理に関する条例
豊島区の債権の管理に関する条例
中野区の債権の管理に関する条例

などなど多数です。
例規を電子化していない自治体もあるので、おそらく全国でいくつの自治体が債権管理条例を定めているのかを、大まかな数であっても、把握するのはかなり困難ではないでしょうか。

Re: 私債権管理条例

ぷよぷよ No.25733

 私債権管理条例の制度設計については、kei-zuさんが本スレッドを引用して記述されました。
 私としても目から鱗が落ちる思いでしたのでご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20101014

立替払について

まこと No.25686

いつも勉強させてもらっています。

ひとつ質問ですが、
「立替払」が地方自治法において禁止されているという表記をたまに見かけるのですが、その根拠になる条文を探し当てることができません。

地方自治法のどの条文をもとに「立替払」ができないか教えていただけたらありがたいです。
よろしくお願いします。

Re: 立替払について

市という村の法担 No.25688

第232条の5第2項です。
2 普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によつてこれをすることができる。
と定められており、定められている方法以外は、できないという解釈になります。

Re: 立替払について

G No.25689

こんな時間なのに、先をこされた。。。

もっとも、「緊急を要する場合又は旅行先において事務処理上やむを得ない小額の経費については、当該職員が一時立替えて支払うことができる」という会計規則をおもちの自治体があるようですが。

Re: 立替払について

まこと No.25691

早速の書き込みありがとうございます。

地方自治法の条文について、教えていただいた条文の逐条解説を明日でも職場で読んでみたいと思います。

Re: 立替払について

市太郎 No.25698

終了したようですが参考までに。

立替払は、現行法上認められていませんから、立替払の制度を財務規則に規定することもできません。

詳細は、地方自治法質疑応答集(第一法規刊)第2巻P2302をごらんください。
おそらく、地方財務提要(ぎょうせい刊)にも出ていると思います

Re: 立替払について

むかし法規 No.25699

自らの債務の立替払いは、できっこないような気がするので、
あるとすれば、冗談みたいな禁止原則(自分の金で勝手に払っちゃダメだよ!)
のように思えたのですが(“原則”と名付けるほどのものなのか…)。
第三者弁済となれば、法律の規定に従った法的効果が認められるだけだし、
第三者弁済とならなければ、弁済ではないので、“立替払い”にはなりっこないし。

(私が)根本的に誤解している?

(追記)“原則”とまでは、どなたも書いてなかったですね。

Re: 立替払について

元帳 No.25701

ここでいう「立替払」は、とりあえず担当者がポケットマネーで払っておき、後で自治体から担当者にお金を払うという場合ではないかと。


旅費は立替払いですよね。

Re: 立替払について

むかし法規 No.25703

自治体の債務は発生していないけれど、必要があって、自治体に有益な費用を、とりあえず私費で支出しておく、
というケースを想定すると、
むしろ、事務管理費用の償還のイメージになりますかね。

かつて、そのような処理が乱脈に行われていたということなのでしょうか。

Re: 立替払について

コテハンつけるほどでもない通りすがり No.25706

支出負担行為と支出命令がなければ支出できません。
(地方自治法第232条の3及び第232条の4)

立替払には支出負担行為も支出命令もありません。
立替払をすると、立替払した人が支出負担行為も支出命令も支出も全部一人でやってしまったことになります。
支出は、会計管理者が行うのですが、立替払をすると会計管理者までやってしまっててることになります。

それから旅費は、旅行命令があるから立替払ではありません。

Re: 立替払について

むかし法規 No.25708

最初の問いに戻って、スレ主さん(のお読みになった文献)が、
どのような文脈で、どのような意味で“立替払い”という言葉をつかっているかは不明ですが、
職員が私費で支払った金員相当額を、後に自治体からもらう、という現象であれば、
第三者弁済、事務管理、場合によっては不当利得に基づき、自治体に対する請求権が発生していれば、自治体は法的に支払う義務があるし、
そのような請求権が発生していなければ、自治体は法的に支払う義務はないし、任意に払ってもいけないのは、あまりにも当然でしょう。

仮に、みだりに私費で支払うことははよろしくない、という意味で、“立替払いの禁止”と言うのであれば、常識的に当たり前で、あえて根拠条文を求める必要もないような気もしますが(まぎらわしい言い方ではある)。

Re: 立替払について

コテハンつけるほどでもない通りすがり No.25713

例えば研修参加のため出張して、そこで「いい本を売っていた」ので買ってきたとします。その代金を後から市に償還せよというのを立替払とします。

この「いい本を売っていたので買ってきた」者は、出張先で支出負担行為から支出命令、支払まで全部やってしまったことになります。
もちろん、そのような権限は持っていません。

ところで、その出張の際にはその者が運賃を自分で支払い、出張から帰ってから運賃がその者に支払われます。
これが立替払のように見えますが、旅費は立替払ではありません。
旅行命令がなければ出張できませんし、予算がなければ旅行命令ができないからです。

Re: 立替払について

G No.25717

>例えば研修参加のため出張して、そこで「いい本を売っていた」ので買ってきたとします。その代金を後から市に償還せよというのを立替払とします。

この場合、本を買う前に電話等で上司と相談し、決裁をうけたうえで、購入した場合を「立替」というとすると、これはありだと思います。地方自治法を突破する会計規則で認められているかぎり。

もっとも、私が上司だとすると決裁しませんが。

Re: 立替払について

むかし法規 No.25720

別の相殺のスレもそうですが、
自治体の現場も、法令で別に定めていない限り、一般私法が支配することになっていますから、
まず実体法上の現象(債権債務の発生・変動・消滅)の常識的な認識があり、
次いで、それを会計上適切に反映させる順序になります。
契約など通常のパターンに基づかない、イレギュラーな債権債務の発生・変動・消滅(不法行為、事務管理、不当利得など“事件”、あるいは相殺、(相手からの)免除などのケース)の場合は、いろいろと工夫して(あるいは直感的に適当に)会計処理しているのではないでしょうか。

図書の購入については、民法上の事務管理の要件が、通説判例の基準により常識的に判定され、事務管理が成立していれば、自治体がいやといっても、(購入代金ではなく)事務管理費用を償還する法的義務はあるのでしょうね。

(追記)なお、事前に図書の購入について電話で“決裁”を受けて、自治体がその代価を負担することとなる場合は、
自治体が購入契約をしていれば職員による第三者弁済に基づく求償、
自治が購入契約をしていなければ職員が自治体との間で準委任契約が締結され、その事務として図書を購入し、後日、事務処理費用として請求している、
という整理が素直でしょうか。

常識的な法論理で、きちんと住民さんに説明できるのであれば、格別“立替払い”を敵視する必要もないように思えます。

Re: 立替払について

市太郎 No.25721

旅行後に支払われたとしても、その旅費が立替払ではない理由は、もともと支払いを受ける正当債権者が職員だからではないでしょうか?

旅費は、旅費支給条例により、一定の支給額が定められて、旅行する職員に支給することになっていますから、支給前に運賃を支払っても、立替払とはならないと考えます。

なお、旅費は一般的には旅行前に資金前渡又は概算払いで支給され、緊急で出張するようなやむを得ない場合に限って、確定精算払されるものです。

だから、出張先で上司の了解を得たとしても職員が立替払をすることは許されず、請求書をもらってきて対応すべきであると思います。

例えば旅行先で車がパンクしたとしても修理費を立替払することは、行政実例では認められていません。

(追記)
現行法で、立替払が許されていないのは、職員の不正防止等のいくつかの理由があります。
手元に文献がないので、詳しく書き込めませんが、私の上記書き込みの文献を読んでいただければ理解してもらえると思うのですが・・・。

Re: 立替払について

むかし法規 No.25722

スレのテーマは、現行法の“常識的な文理解釈”として、立替払いが禁止されているかを問題としているようなのですが、
自らの債務を、自らが支払うことを前提とする(まあ、当たり前ですが)「資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法」と、“立替払い”とは、全く次元が異なり、現行法の解釈としては、禁止されていないというか、民法の事務管理などの特則を定めているとまでは、ちょっと思えないと。

“お前たちは、放っておくとすぐデタラメやるから、余計なことを考えないで、言うとおりにしろ!”式の、(常識的な法的論理抜きの?)行政実例あるいは技術的助言は、なじみではありますけど(もちろん、助言の前提となっている認識は、経験的に正しい)。

なお、みだりに“立替払い”をするべきではない、という姿勢は、法的論理とは別に、同意します(たぶん、誰でも)。

Re: 立替払について

むかし法規 No.25728

連投になりますが、ここの書き込み、(自分の団体で使えるかもしれない)思考の覚書として利用してますので、一応の結論です。

1 結果的に、無理なく、民法上の事務管理と構成できる現象としての立替払いと、あらかじめ制度として用意する立替払いの区別が必要。
2 後者は好ましくない。事務管理の成否は、具体的なケースにおいて、事後的に、個別に判断されるところ、制度として立替払いを用意してしまうと、とても事務管理といえないようなケースも安易に立替払いしてしまい、ルーズな会計処理につながるから。
3 一方、前者、これは自治体の規程への位置づけの有無に関らず、客観的な要件充足により、事務管理が成立するときには、自治体は法的に費用償還に応じる義務がある。
4 したがって、制度論としては、立替払いそのものを規程に盛り込むのは適切ではなく、事務管理の法的意味と一般的な要件について、事例を交えながら、十分職員に周知し、現場で職員が主体的に判断できるような体制を確立することが有益。

以上、現実性には乏しい(に違いない)頭の体操として。
 いつもここではお世話になっています。
 地方税法の「法定納期限」については、地方税法11条の4に規定されています。
 そこで、法人事業税と法人県民税の法定納期限について、監査・連結の理由で確定申告の申告納付期限が延長された場合に、合わせて延長となるのかどうかで、以下の解釈で正しいかご意見いただければ助かります。

※法人事業税については、以下で正しいのではないかと考えています。
※法人県民税(法人市民税も同じと思いますが)については、以下の解釈だと法人事業税と取扱いが異なってしまうので、正しいかどうか疑問が生じているところです。

【法人事業税の法定納期限】
 法72条の25等により、事業年度終了から2ヶ月後が法定納期限とされる。また、法72条の25 2項〜5項等により申告納付期限が延長されるが、同法施行令3条の2 3項により、法定納期限に当たらないとされるため、法定納期限は上述の2ヶ月後のままである。

【法人県民税の法定納期限】
 法53条1項により、法人税の確定申告提出期限まで申告納付することとされ、その日が法定納期限とされる(通常は事業年度終了から2ヶ月後)。よって、あくまで法人税準拠であり、法人税で監査・連結により提出期限が延長された場合、法人県民税の法定納期限も延長される。上記の法人事業税のような政令による例外規定はない。
 (法人の道府県民税に係る納期限の延長の場合の延滞金)
第六十五条  法人税法第七十四条第一項の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人で同法第七十五条の二第一項の規定の適用を受けているものは、当該申告書に係る法人税額の課税標準の算定期間でその適用に係るものの所得に対する法人税額を課税標準として算定した法人税割額及びこれと併せて納付すべき均等割額を納付する場合には、当該税額に、当該法人税額の課税標準の算定期間の末日の翌日以後二月を経過した日から同項 の規定により延長された当該申告書の提出期限までの期間の日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。

結局延滞金がかかりますが…
 『東京税務レポート』2009年秋季号99頁の「滞納整理Q&Aシリーズ(第21回)」の中で、法人住民税、法人事業税の法定納期限について、次のように記載されています。

 延長法人について、法人住民税は法人税と同じ(地方税法第53条等)で延長後の納期限**、法人事業税は延長前の納期限(事業年度終了日から2月* 地方税法施行令第3条の2)になります。

いち職員さんと一致しているようです。
お二方、返信ありがとうございます。

>ぺんのすけさん
延滞金の取り扱いはそのようですね。この質問の趣旨は、例えば「更正の請求は法定納期限から1年以内なら可」という規定がありますが、請求がギリギリにでてきて延長期間の差で法人事業税は不可能、法人県民税が可能などというケースがでてくるのか、という疑問からです。
実際そういう事例がでてきているところです。

>wakaさん
了解しました。月曜日に確認してみます。

単価契約物品の支払いについて

koutin No.25630

今年度から公営企業部局(病院)で働いております。
これまで役所で働いていた時、単価契約をしている物品の支払いは、月末締めで翌月に請求がされ、その時点で負担行為兼支出命令で処理をしていました。
ところが、病院は公営企業会計であるため、現金主義ではなく発生主義であるから負担行為は該当月に遡ってとるよう担当者から言われました。
一般会計と公営企業会計の仕組みが違うことは何となくわかるのですが、担当者の言われていることが理解できるに至っておらず、不安に思うところがありますので、このような処理の仕方で問題がないか教えてください。

Re: 単価契約物品の支払いについて

ksimo No.25631

このフォーラムの検索で「支出負担行為兼支出命令」として検索をしてみて下さい。
過去にものすごい日付などの議論をしていますよ。

ちなみに単価契約の取り扱いがどうかは調べていませんが、一般会計・公営企業会計に
関わらず通常「支出負担行為日」とした場合、「該当月に遡ってとるよう」が正しいと思い
ますけど。

Re: 単価契約物品の支払いについて

かるび No.25632

ところで、公営企業会計に負担行為ってあるんですか。

(追記)
調べてみると結構ありました(よく考えれば当然ですか。担当者が勝手に発注するなんて自治体ではありえませんよね)。
しかしながら。一般会計と公営企業会計で差があるようには思えません。

Re: 単価契約物品の支払いについて

かるび No.25636

(追記で記載するにはちょっと趣旨が違うので改めて。)
発生主義における発生についてですが、物品の購入であれば、業者が物品を納入する義務又は自治体が対価を支払う義務のどちらかが履行されたときが発生となります。
月締めの場合には、おそらく物品の納入が事前にあるかと思いますので、担当者のいう負担行為というのは物品が納入されたときに起票する振替伝票のことを指すのではないかと思います(振替伝票に負担行為を表示する方法を採用している?)。

一般会計では、契約というのは会計事務にとって大きな出来事なのでしょうが、公営企業会計にとってはそれほど大きなことではありません(会計事実としてですが。)。

ただ、物品を仕入を決定する権限を担当職員が持たない以上、負担行為(=契約と認識しております。)というのは納入日以前にあるべきでしょう、というのが私の考えるところです。

Re: 単価契約物品の支払いについて

No.25646

9月1日から30日までの1ヶ月分を、10月5日に請求書がきたとして10月5日付で起票するのではなく、9月30日付けで起票する、ということのように思いました。

日付の遡りに「不安」を抱かれているのであれば、とっておいてある毎回の納品書から、9月30日に自分で計算すればよいと思います。

Re: 単価契約物品の支払いについて

宙太 No.25648

Gさまのコメントのとおりだと思います。(もしかすると納品日ごとかも…)
9月の納品事実について起票し、9月末時点では未払金として処理を行うのでは?

Re: 単価契約物品の支払いについて

横槍 No.25676

発生主義を厳密に適用するとすれば、納品(検査確認)時点で費用認識。
未払金相手に振替伝票でしょうね。
発生主義だから前月末までに遡ってというのは理由としては不足している
かなと思います。
実際には、そこまで煩雑な経理を求めることは、効率性の面からどうかと
思いますので、重要性の原則を適用して月末時点に検収したものとみなす
とかやっているのだと思いますが・・・。

Re: 単価契約物品の支払いについて

田舎者 No.25704

会計規定によると思われますが、年間単価契約の負担行為は、予定数量分の負担行為を契約日以前の日付で起票し、月締め等で部分払いという形で支出する方法が良いのでは?
なお、予定数量(負担行為額)を超えて発注する場合には、当然、負担行為変更が必要となります。

Re: 単価契約物品の支払いについて

K66 No.25707

当初の問題が何だったのか良く分からなくなってきたような…。
ただ、田舎者様がおっしゃる

>予定数量分の負担行為を契約日以前の日付で起票し
というのは不適切ではないかと。
契約日=負担行為起票日なら分かりますが、契約より前に負担行為というのはあり得ないと思います。

>月締め等で部分払いという形で支出
というのも結局、負担行為兼支出命令と同じ意味合いですよね。
単価契約って、そもそもまとめて支払う前提の契約内容でしょうから、後で負担行為変更するぐらいなら、毎回、負担行為兼支出命令で処理する方が理にかなっているのではないでしょうか。

Re: 単価契約物品の支払いについて

G No.25718

支出負担行為という事実についてまぎれがないようですが、「伺い」からはじまる決裁のながれについては、それぞれの自治体によっていろいろあることを、この掲示板で学びました。それはそれで一貫していれば、ほかのまちのことですので、あまり気にしないことにしました。
だれにいうこともない感想です。
初めて投稿いたします。

私は某市の入札担当課職員です。本市では担当課の依頼により、先日、建設コンサルタント業務に係る共同企業体取扱要綱を制定し、小学校建設事業に係る基本設計業務委託を建築コンサル業者同士の共同企業体(以下「JV」)に発注することを考えています。

担当課では、この基本設計業務委託を請け負ったJVと、実施設計業務委託を随意契約したいと考えております。

しかし、JVの定義として、その工事又は業務のために結成され、完成(完了)をもって解散するため、解散したJVと随意契約はできないこいう解釈になるのでは?と思い、他自治体に伺ったところ、基本設計と実施設計を分けて発注するのではなく、一括して発注しているとのことで、こういったケースにはならないとのことでした。

そもそも一括発注が望ましいということだとすれば、それまでですが、現段階において、担当課の方では、計画の変更は難しく、もし、意向に沿った手段をとるとすれば、実施設計のために再度JVを結成してもらい、審査会等での資格審査を経て、承認された場合は随意契約、といったことが可能でしょうか?それとも、改めて実施設計業務委託の入札をするべきなのでしょうか?いずれ、監理委託にも繋がる話だと思っております。

このような事例、アドバイス等ありましたら是非ともお願いいたします。





事例は承知していませんが・・・。

制定した要綱は、この小学校建設のためだけの要綱ですか?
それとも、今後の建設コンサルにも使える要綱ですか?

いずれにしても、まだ公告などをしていない前提ですが、要綱を改正し、基本設計
と実施設計は同一のJVが行うことができる旨、規定し直せば良いのではない
でしょうか。
さらに、基本設計を請け負ったJVはどこまでの業務まで拘束されるのか(監理委託
なんかもご心配なようなので)を明記し、解散時期を設定する。
一見脱法行為のようですが、この内容を要綱に規定しておけば、一括発注じゃなくても、
適宜随契で発注できるのではないかと。

そもそも、現実的に実施設計は基本設計を請け負ったところしかできないんでしょう
から(本当のところは分かりませんが)、随契自体は可能だと思います。
問題は、JVが解散して存在していないってことなので、この点について、存続期限
を延長してあげれば良いのかと思います。

以上、あくまで私見ですのでトンチンカンだったらすみません。
K66 様

制定した要綱は、今後の建設コンサルにも使える要綱にしております。

いただいたご意見を参考に検討してみたいと思います。

ご回答誠にありがとうございました。
12条からなる条例の第3条と第4条の間に、7条を加える改正文を作成しています。
また、改正前の第7条については、項をふたつ加える改正もあります。
この場合、後ろから改正することとなりますので・・・

=======================================
 第12条を第19条とし、第8条から第11条までを7条ずつ繰り下げる。
 第7条を同条第1項とし、同条に次の2項を加える。
2・・・・
3・・・
 第7条を第14条とし、第4条から第6条までを7条ずつ繰り下げ、第3条の次に次の7条を加える。
第4条・・・(以下略)
=======================================
という形になるかと思います。

しかし、「前のほうから改正する」を厳密に考えると、改正前の条例には第12条までしか存在しないわけですから、その場合は・・・
=======================================
 第7条を同条第1項とし、同条に次の2項を加える。
2・・・・
3・・・
 第7条を第14条とし、第6条を第13条とする。
 第12条を第19条とし、第8条から第11条までを7条ずつ繰り下げる。
 第5条を第12条とし、第4条を第11条とし、第3条の次に次の7条を加える。
第4条・・・(以下略)
=======================================
となります。

今回の例は、繰下げ以外の改正が1箇所しかないのでまだいいですが、字句の改正等が複数ある場合は、改正の順序が非常にややこしくなってしまいます。

この場合、どのような改正手法をとるべきでしょうか?ご教授願います。
枝番号方式は採らないわけですね。

それだと、単純に前者の方式だと思います。
空所を作るということで、「前のほうから改正する」の例外ですよね。
繰り下げる条に改正があるので、一気に繰り下げないで、途中に条の改正を行い、
その後にまた必要数を繰り下げると。

スレ主様、何やらお詳しい感じがしますので、単純に考えた私としては逆に不安に
なってしまいますが…。

Re: 【条の繰下げ】について、ちょっと迷ってます。

市という村の法担 No.25687

大原則は「前の方から順を追って」です。また、繰り下げの原則は「末尾の条・項・号から順を追って」です。よって、基本的には、前者のようにします。
そして、前者の改正規定中「第7条を同条第1項とし、同条に次の2項を加える。」を「第7条に次の2項を加え、同条を第14条とする。」とし、「第7条を第14条とし、」を削ればOKです。

なお、「7条を加える改正文を作成」ではなく「7条を加える改正規定を作成」が一般的です。改正文は、「○○条例(平成○年○○県条例第○号)の一部を次のように改正する。」というような柱書きを指します。
K66さま。
レスありがとうございます。

その「空所」をどのレベルまで作ればいいのかに迷ってしまいまして。
私も単純で分かりやすいほうでいいんだろう=前者と思っていた・・・思いたかったので(苦笑)

全然詳しくないです・・・昔ちょっとかじったくらいなので(〃゚д゚;A
>市という村の法担さま。

詳細なご回答ありがとうございます。

厚かましくも、ひとつ確認したいのですが。
上記例の第7条のように、項分けされていない条に新たに項を加える場合、「第〇条を同条第1項とし・・・」という表記をする必要はないのでしょうか?

改正文と改正規定・・・おっしゃるとおりですね。助かります。

Re: 【条の繰下げ】について、ちょっと迷ってます。

市という村の法担 No.25695

はい。必要ありません。例えば,石毛正純著「新版法制執務詳解」(ぎょうせい)の324ページに次のようにあります。
項のない条に新たな第2項を追加する場合(「第○条を何条第1項とし,同条に次の1項を加える」というようにする必要はない。


なお,1項から成る附則に新たな項を追加する場合には,「附則を附則第1項とし,附則に次の○項を加える。」とします。これは,「附則を附則第1項とし」という表現により,項番号が付け加えられる扱いのようです。(同357ページ)
>市という村の法担さま

重ね重ねありがとうございます。
紹介いただいた書籍を確認いたしました。助かります。
税務関係に詳しい方、ぜひ教えてください。

破産法43条に、「破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分は、することができない。」という規定があるのですが、これを準用する条文は、国税徴収法、地方税法ともにないようです。

つまり、地方税なら滞納処分はできるのではないか?と考えているのですが、地方税の滞納処分は国税徴収法の例によって行っているため、滞納処分できないのかもしれない、とも思っております。

何かご存知のかたが見えましたら、よろしくお願いします。
通り過ぎの者ですが。。
残念ながらできないと考えます。
租税債権の一部は財団債権に該当しますが、財団債権であっても現行法では強制執行が認められていません(破産法42条1項)。
破産法43条は、2項で滞納処分の続行を例外的に認めたところに特徴があります(42条2項を参照)。
(ただし、この続行を例外的に認めていることについては、立法論として妥当なものか疑問が出されているところですが。)
上記の理は、地方税についても当てはまります。
ありがとうございます!

やはりできないと考えるのが妥当ですよね…。
早速のご回答、ありがとうございました!
形式的には、破産法25条1項になってくるのでしょうか。

 (包括的禁止命令)
第二十五条  裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。

勤務時間(執務時間)について

新任法規担当 No.25664

当市は、「勤務時間、休暇等に関する条例施行規則」において、勤務時間を午前8時30分から午後5時15分までと定めています。

各自治体の条例等を調べておりましたところ、自治体によって「勤務時間の割り振りは…」や「執務時間は…」というように定められているようです。

「勤務時間」、「執務時間」どちらが正しいのでしょうか?
何かしらの明確な使い分けあるのでしょうか?

ご存知の方いらっしゃいましたら宜しくお願い致します。

Re: 勤務時間(執務時間)について

坦々麺 No.25667

古い話ですみません。平成元年に土曜閉庁方式導入にあたり、次のような問答がありますので、御紹介します。

『Q:地方公共団体の執務時間とは何か。(以下略)
A:執務時間とは、組織体としての地方公共団体が全体として執務態勢にある時間をいうものである。これは地方公共団体の休日の場合と同様に全体としての地方公共団体に関するものであり、地方公共団体を構成する個々の機関に関するものではない。(略)

国の行政機関の執務時間については、官庁執務時間並休暇ニ関スル件により定められており、国の行政機関の休日と異なり法律事項とされていない。したがって、地方公共団体の執務時間についても条例事項ではないと解され、地方公共団体の長に地方公共団体を統括する権限があること、組織等に関する総合調整権があること等から、(略)規則で定めることが適当である。』

また、学○書房刊「地方公務員勤務時間等質疑応答集第三次改訂版」の88頁では、「地方公共団体が住民サービスのために毎日何時から何時まで窓口を開くかという執務時間については、規則で定めるよう指導されています(昭63・12・31自治行第98号)」との記述がございます。

ちなみに、小生の所属する団体では、「職員の」勤務時間関係の規定においては「勤務時間の割振り・・・」とし、「執務時間」の語句を用いているのは「(自治体名)の執務時間を定める規則」のみです。ご参考まで。

Re: 勤務時間(執務時間)について

市という村の法担 No.25673

「勤務時間」は、個々の職員が勤務する時間のことです。民間でいう労働時間ですね。
「執務時間」は、役所全体が執務を行う時間のことです。民間でいう営業時間ですね。
したがって、どちらが正しいということはありません。別々の意味なので、混同せず、区別をして、それぞれを使い分ける必要があります。

なお、
>勤務時間を午前8時30分から午後5時15分までと定めています
これは、ちょっとおかしいです。もし仮に、午前8時30分から午後5時15分までが勤務時間であるとすると、8時間45分勤務になってしまいます。勤務時間は、例えば、午前8時30分から正午まで及び午後1時から午後5時15分までではないでしょうか。

余談ですが、銀行の営業時間は、例えば、午前9時から午後3時までです。そして、銀行員の勤務時間(休憩時間を含む。)は、例えば、午前8時45分から午後5時までです。このように、営業開始までの準備及び営業を終了してからの事務処理を考慮すると、執務時間(営業時間)は、勤務時間(労働時間)よりも短いのが理想です。
以前、執務時間規則について調べたことがありますが、「執務時間」を定めていない役所も以外と多いようでした。自分たちのこと(勤務時間)については、きちんと定めているのに、住民へのサービス時間(執務時間)を定めていないというのは、住民の方をきちんと向いていないような気がして、自治体職員としては、さみしい限りです。

Re: 勤務時間(執務時間)について

No.25679

執務時間の定めがないということは、24時間365日オープン(消防はもとより、戸籍関係はそうですよね)ということではないでしょうか。
10月14日締め切りの書類は、本日の24時までに提出すればよいし、10月15日に支給される子ども手当は、15日の0時に支給する。
後者が暗黙のうちに、15日の銀行営業開始時点で通帳に入金していればよい(じっさいには、窓口のシャッターが開く前の8時45分には着金しています)ということになっていますが、前者は、これまでは17時までというのが常識でしたが、一部の自治体で18時とか19時とか、住民記録部署や税窓口をあけている例があって、なやましくなってきていますね。

Re: 勤務時間(執務時間)について

市という村の法担 No.25685

>Gさま
さすがに、休日を定める条例(休日に関する条例)がありますので、365日オープンではありませんが、休日でない日は、24時間オープンと解釈できますね。規定がないのであれば、住民にとって有利に解釈すべきですしね。

執務時間規則のない団体は、今すぐにでも、制定をする必要があるかもしれませんね。

市営住宅退去時の原状回復期間の家賃について

マッシュ No.25665

いつも当フォーラムで勉強させていただいております。

さて、当市では、市営住宅を退去するときに退去者に原状回復義務を定めています。
その際に、退去者が退去後に、部屋の修繕等により原状回復に要した期間の家賃を、「退去者が起因して発生した修繕であるから、修繕等に要する期間も退去者がその部屋を占有している」という理由で、その期間の家賃を日割りで退去者に負担してもらっていますが、退去者からクレームがつきました。

時系列で整理しますと・・・

@退去(家具等を新居へ引っ越し)
A部屋の修繕等原状回復
B入居者が、Aの期間の家賃を日割りで支払い

となります。


さて、退去者が原状回復するに際し、修繕等の業者を自身で手配できないため、当市で手配してあげるという親心からこのような事務手続きを行っていましたが、この場合において、上記Bの家賃を請求することは、そもそも許されるのでしょうか?
許されるとしたら、その根拠をお教えくださいませ。

なお、実際は、@の時点で原状回復に要する見積金額及びその期間の家賃を現金で支払ってもらい、鍵の引き渡しも受けています。(すなわち、転居後に原状回復に要した費用や家賃を取っぱぐれないようにすることが、本音です。)

また、条例上では、市営住宅の明け渡しを、「明け渡そうとするときの5日前までに市長に届け出る」ことになっています。

この場合、市営住宅の明け渡しは、Aの修繕等の原状回復期間が終えるまでと解することは難しいように思われるのですが、どなたかご教示くださいますと幸いです。

>マッシュさまのご意見としては、ご自分の市で行ってきたことではあるがどうもおかしい、とお考えなのですね。

私もそう思いますし、>マッシュさまが、そうお考えになるのであるば、すみやかに改正起案をされることを期待します。

Re: 市営住宅退去時の原状回復期間の家賃について

むかし法規 No.25670

常識的にみて、占有してませんよ。

>退去者が起因して発生した修繕であるから、修繕等に要する期間も退去者がその部屋を占有している

あっさり、原状回復あるいはきちんと修繕の上返還するという債務の不履行(あるいは行政処分の附款違反でもいいですけど)として、債務不履行(不完全履行)(あるいは、債務不履行もどき)に基づく損害賠償として請求すればいいでしょう。
損害の範囲には、得べかりし利益、このケースですと、債務不履行がなかったらすぐに別の人に貸して得ることができた賃料相当額を含めても、あながち乱暴ともいえないと思います。
もちろん、損害の範囲は、通常生ずべき損害であり、争いになれば、最終的には裁判所の総合判断になります。

(追記)結局、賠償額の予定の一種ということで、その額は、上記の視点から、自ずと合理的な範囲に限定されるという解釈が素直でしょうか。
裁判になると、原状回復の内容まで突っ込まれそうですね。

自然消耗の判断が出てその原状回復工事自体が違法にされる
という可能性もあってヤブヘビです。

合併後の議員定数の条例改正について

クウォンツ No.25671

市町村合併で議員任期期間に限り人数が数人増員となった場合、常任委員会の定数を一人づつ増やすため委員会条例を改正する予定ですが、@条例の一部改正によるかまたは、委員会条例の特例に関する条例の制定によるべきか教えてください。Aいずれかで改正する場合いずれの場合も委員の定数の変更は委員会の同一性が失われるのでしょうか?B同一性が失われる場合、必要な経過措置について教えてください。B合併日が平成23年7月1日の予定の場合、施行期日はいつができとうでしょうか?理由できれば根拠もあわせて御教示ください。

費用弁償の相殺

minami No.25633

委員会の委員への費用弁償の支払いを月末締めの翌月払いで行っていますが、過去に支払った旅費が過払いだったことが判明しました。その場合、過払い相当額をこれから支払予定の費用弁償と相殺することは可能でしょうか?ご教示お願いします。

Re: 費用弁償の相殺

ぺんのすけ No.25635

過去に、が現年なら歳出の戻入をすれば済みますよね。なんで相殺しようとするのでしょうか。

Re: 費用弁償の相殺

温度上昇中 No.25639

費用弁償の支払方法に相殺という支払方法があるのでしょうか?
 ないとすれば、戻入、又は返納の手続きとなりますね。 

Re: 費用弁償の相殺

むかし法規 No.25641

一般社会では、相殺は合理的な決裁手段として広く行われていますので、
特に禁止する法令の規定がない限り、
この業界でも、必要に応じて活用すればいいと思いますよ。
そもそも、先方が相殺の意思表示をすれば、相殺適状の債権は、対等額で消滅するだけでしょう。

Re: 費用弁償の相殺

H(半角) No.25668

うちでは支出命令書と戻入通知書をそれぞれきちんと作成してから
同時処理します。

相手側からみれば相殺ですが、役所側から見れば支払と戻入です。


Re: 費用弁償の相殺

水筒部 No.25669

当方もH(半角)さまと同じですね。

こちらの財務規則には相殺処理の定めがありますが
戻入、支出の両方の伝票処理を行い、
相手方には「これこれで相殺しますよ」と通知を出した上で同時処理です。
計算上差し引きした額だけを戻入したり支出するわけではないです。

特に支出>戻入のときに、
相手方にわざわざ納通持って銀行に行ってもらう手間を省く意図だと思います。
事務処理側にとってはむしろ事務が増えるかたちです。