過去ログ [ 356 ] HTML版

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re:40048

〉水質以外についても条例で基準を定めたり、法律の規定の適用を条例において
〉除外するという規定を設けるなどということができるのでしょうか。

下水道法第12条の2第4項
 前項の条例は、公共下水道からの放流水又は流域下水道からの放流水の水質を第八条の技術上の基準に適合させるために必要な最小限度のものであり、かつ、公共下水道を使用する者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

上記規定により、排除量が一定の量未満のものについては適用除外とすることが必要かと思います。
この規定は下水道法第12条の11にも準用されています。
既に過去ログに回ってましたね。

門外漢ですが、1項の条例については政令で結構詳細に規定されています(適用除外規定もたくさんありますね)が、ざっと見回したところ排除量に着目した適用除外規定は見当たりませんね。
逆に、一定以上の排除量の事業所に対しては、基準を厳しくできるような規定もありましたので、「排除量が一定の量未満のものについては適用除外とする」よう条例で規定できるかどうかは疑問です。
審査さん、ありがとうございます。

法文上はそのような気もするのですが、WEB上で調べると項目によっては一定の排除量以上に適用させている自治体もあります。


洋々亭フォラム閲覧者の中に下水道法に詳しい方、おられないでしょうか。

(質問再掲)
わたしのところの、特定事業場に対する下水道法第12条の2第3項に基づき条例で定める規制基準(水素イオン濃度、浮遊物質量等)の規定には、排除量に応じた適用除外の規定が見当たりません。標準下水道条例にも見当たりません。

一方、上記規定に該当しない場合に適用される下水道法第12条の11に基づき定める私のところの条例の基準においては、項目により1日平均50立方メートル未満適用除外等の規定があります。

前者についても同程度の適用除外があってしかるべきと思うのですが、特定事業場たる者は1リットルたりとも基準に適合しない下水は流してはいけないものなのでしょうか。

災害関連の時間外手当について

K No.40089

教えてください。
給与条例による時間外手当の規定は、他の団体とほぼ変わりありません。
災害に関する警戒・対策に伴い勤務した場合の時間外手当相当を1回の勤務に対して定額で支給すると内規で規定されました。(長時間でも定額です。)
給与条例には、手当の定額支給なるものの記載はありません。
そもそも内規で規定するような内容とは思えないので、条例改正が必要と思われますがいかがなものでしょう?

Re: 災害関連の時間外手当について

おまっと No.40090

新しい手当を創設した?
あるいは、時間外勤務手当の運用上の内規を定めた?

Re: 災害関連の時間外手当について

K No.40093

新しい手当を創設したわけではなく、運用上の内規を定めたことになります。

Re: 災害関連の時間外手当について

おまっと No.40097

北海道町村会ほーむ支援室の法務相談事例集 「時間外勤務手当の算出基礎について」
http://houmu.h-chosonkai.gr.jp/jireisyuu/kaitou82.htm
は参考になるでしょうか。
(長時間でも定額というのが、労働基準法違反になるかも。)

Re: 災害関連の時間外手当について

ダジャレイ夫人 No.40099

 給与条例に手当の定額支給という規定がないとのことですので、実質的には時間外勤務手当には当たらず、災害出動に伴う手当を新たに創設したことになるのではないかと思います。ですから、条例改正が必要となるのではないでしょうか?

Re: 災害関連の時間外手当について

松菊 No.40101

条例では、「時間に応じて支給」となっているのでしょうから、スレ主さんのおっしゃるとおり、内規で定額支給とすることはできません。
また、条例で定額支給ができるよう規定したとしても、その額が、労基法で定める額を下回れば、労基法違反です。

「災害に関する警戒・対策」の中身がわかりませんが、唯一可能性があるとすれば、業務内容が緊急電話の受理等で、労働密度が著しく少ないと認められれば、時間外勤務手当でなく宿日直手当で定額というのもありますが、労基署の許可が必要ですし、そんな内容ではないですよね。

年金事務所への年金支給額照会について

新米 No.40022

新米の徴税吏員です。ご教授願います。

先日、市税滞納者の年金支給額等の照会を年金事務所にした際、根拠法令を「地方税法第20条の11」として行ったのですが、その年金事務所では「この根拠法令では回答できない」旨の返答がありました。

同じ県内の別の年金事務所では「地方税法第20条の11」を根拠法令とすれば、支給額、支払金融機関等を回答してくれました。

なにぶん新米なものですから、年金事務所への照会について、参考書籍を探しているのですが、これといった答えを見つけ出せていません。皆さまにおいては、年金支給額の照会の際、どの根拠法令を用いているのかご教授いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

回答してもらえなかった年金事務所には、根拠法令を「国税徴収法第146条の2」にして再度照会しようと思っています。
国税徴収法第141条と地方税法第333条のセットが只今お勧め中です。
平米様

ぎりぎり第3号に該当する可能性はあるけれども、私が思うに、この規定は差押できる第三債務者であることを前提にした質問検査権であるため、差押できない年金については国税徴収法141条の対象ということは難しいでしょう。そうすると、当然地方税法333条は適用できません。
※ 「大丈夫です」という解説をお聞きできれば、本当は大変ありがたいです。

確かに、以前は滞納に係る調査についても地方税法20条の11を使っていましたが、数年前に国税徴収法146条の2ができたので、こちらを使うところも多いです(こちらの方が、根拠法が「徴収法」なのでもっともらしいです。但し、内容はどちらも全く同じ)。

で、地方税法第20条の11(国税徴収法146条の2も)は、「官公署等への協力要請」をしてもよい、という規定ですから相手方を拘束しません。したがって、この条文だけでは相手方の守秘義務を解除せず、回答を強制することができません。

法の趣旨や他の年金事務所(固有名詞を出すと藪蛇かも)で回答してくれたことなどを説明し、理解を得られるよう説得されることをお勧めします。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

アルス No.40034

審査様

>差押できない年金について

とありますが、その根拠はなんでしょうか?


民事執行法による債権執行であれば、そのとおりかと思いますが。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

おまっと No.40037

国税徴収法第77条(社会保険制度に基づく給付の差押禁止)参照。

あと、結局は預貯金調査をすることになるんですから、始めから、主な金融機関の預貯金調査をするのが、実践的なんじゃないかと思ってしまいました。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

アルス No.40040

>国税徴収法第77条(社会保険制度に基づく給付の差押禁止)

差押禁止財産の範囲かと。

ちなみに
国民年金法
(受給権の保護)
第二十四条  給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
みなさまご丁寧な回答ありがとうございました。

今後の参考にさせていただきます。
審査様

大丈夫です。どまんなか一号です。
それに調査をしないと差押できるかどうか判断できませんので、できる前提ではないです。
する前提ではあるとは思いますが。

146条は国税側の条文ですね。地方税法20条の11に対応する国税側の法律がなかったため作られたはずです。


おまっと様、アルス様

77条については、給与の差押と同じで体面維持費などを残す規定であるので、これも調査してみないとわかりません。
そして、差押可能ならば、むしろ逆で他の調査をしなくてもいい場合もあります。


新米様

あとは余談になりますが、一部の年金事務所がなぜ「協力要請」応じてくれないかというと、逆の場合回答しない場合があるからです。

税>料>その他。という優劣関係がはっきりしているので、税から料の照会は回答しないとダメなのに、料から税だと回答してない場合が結構あります。
なぜそういう思考になるのか謎なのですが、昔は特によくあったみたいです。
新米様の自治体も年金事務所からの照会に回答してないかもしれませんね。もちろん、周辺団体や過去の行為などの影響かもしれませんが。
よって協力してくれないところには協力しないという事務所も発生してしまいます。
ただこちらが税であれば141条で照会すれば相手は回答せざるえません。
平米様

>大丈夫です。どまんなか一号です。

とのことですが、社会保険事務所に調査するのですよね。一号は「滞納者」のことですが、社会保険事務所が滞納者なのですか?
審査様

【基本通達141-2】
法第141条第2号の「滞納者の財産を占有する第三者」とは、正当な権原の有無にかかわらず、滞納者の財産を自己の占有に移し、事実上支配している第三者をいう。

すみません。ずっと1号だと思ってましたが、2号ですね。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

税外担当 No.40079

3号の滞納者に対し債務がある者ではないのですか。
税外担当様

2号3号どちらでもいけると思われます。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

元下水担当 No.40083

二  滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者
三  滞納者に対し債権若しくは債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者


占有する財産てたとえば何でしょうか?


以前私も、官公署は141条3号の「滞納者に対し債権若しくは債務があ(る)と認めるに足りる相当の理由がある者」には該当しないのかという質問をしたことがありますが、
141条は債務者、第三者に対する調査規定であって、官公署はこれに該当しない、とのことであまり議論が発展しなかったことがあります。
国税徴収法基本通達141-2では、正当な権原の有無にかかわらず、滞納者の財産を自己の占有に移し、事実上支配している第三者をいう。

とあります。
なので、滞納者年金の支給管理的(事実上支配)なものも入るのではないでしょうか。
もちろん滞納者と年金事務所が債権債務の関係にあるとみることもできそうですが。

このあたりの論争を回避するために国税徴収法146条もできたのかもしれませんね。
お題は地方税法20条の11では回答しない場合なので、ふりだしに戻った感じですが。

感覚的には141条なら2号かな。
実務的には(回答くれないところには)全部書いておく。ですかね。

Re: 年金事務所への年金支給額照会について

税外担当 No.40100

 収束後にすみません。

元下水担当 さま

[40083]
>以前私も、官公署は141条3号の「滞納者に対し債権若しくは債務があ(る)と認めるに足りる相当の理由がある者」には該当しないのかという質問をしたことがありますが、
141条は債務者、第三者に対する調査規定であって、官公署はこれに該当しない、とのことであまり議論が発展しなかったことがあります。

 過去ログ[26391]ですね。
http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/tomita/yyregi-html.cgi?mode=past&pastlog=236&subno=26391

 [26393]で下記の意見があったということですね。
>141条はどちらかと言えば債務者、第三者に対する調査規定であって、146の2は官公署に対する照会規定ですから性質が違うと思います。

 しかし、「国税徴収法精解」(H21改訂版、P875)を読むと、確かに自治体は141条3号の対象者として想定していませんが、「D預金、年金、保険等について滞納者に対し支払債務を負うと認められる者」を想定しています。

 したがって、日本年金機構に対しては、141条が使えると思います。

 現実的には、逆に同機構から自治体への照会に対して自治体が回答を拒否することが多いので、仇を取られてるという構図があるようですので、うちの自治体では機構さんからの照会には真摯に対応する方針ですと表明すれば話が進むのではないでしょうか。
現在、悩みがありまして、
皆様のご意見を賜れればと思い投稿させていただきます。

当方では、地方自治法第252条の2の規定に基づく法定協議会を設置し
共同運用に向けた事務調整を進めているところなのですが、
その中で、協議会において服務に関する約束事を作成する必要があるとの判断から、
事務処理の様式の統一のため、職員の服務に関する規程の作成を検討しています。

協議会内の服務に関する規定のある規程では、
・職員の勤務割振りは、協議会のセンター長が定める。
・職員の休日及び休暇、服務並びに福利厚生については、
 当該職員が所属する関係団体の条例、規則その他の規程を適用する。
と規程されています。

このような状況において、
事務処理の様式統一のための職員の服務に関する規程はあっても良いと考える私と
「服務は、条例、規則その他の規程を適用する。」とある限り
協議会における服務様式は、必要ないとする者との考えの狭間で苦しんでおります。

法定協議会の内情に関して、お詳しい方からの状況等をご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
お悩みなのは、出身団体ごとにちがう服務規程の統一のあり方、ということでしょうね。
何が違うのか、そのことで協議会の事務執行にどのような齟齬が出ているのか? てなことを一つ一つつぶしていくしかないと思います。

もっとも、たとえば、勤務時間条例で、A市は昼休み45分B市は60分の昼休み問題、17時15分以降15分間の超過勤務の問題などで、感情的な齟齬がでることはおおいに予想されますが、協議会の事務そのものに決定的な齟齬がでるとは思えませんけど。また、統一したとして、本庁側との齟齬をどう埋めるのか、も問題になってきますね。
G様

ご教示ありがとうございます。
今、頭の中では、
運用開始当初は、各構成団体から様式を持ち寄り、
運営が軌道に乗った段階で必要となる共通様式を
協議会において定めればよいのではと思います。

事前に服務規程などで様式を定めてしまうと、
その後、1部の構成団体の都合による改正が
柔軟にできないと思われるので、摺り合わせは
運用開始後でも良いのではと思います。

あと、追加でお考えをご教示いただきたいのですが、
協議会の責任者に、服務に関する専決権限を委譲することについて、
現時点では問題ないかなと考えるのですが、G様はいかがでしょうか。

具体的には、休暇の承認、時間外勤務命令、休日勤務命令などに関して
協議会の責任者が専決できることを規定すれば、
協議会に事務従事させた職員への服務に関する承認、命令については
協議会で処理できるものと考えますがいかがでしょうか。

現在、協議会内において先行して作成されている規程で
「職員の休日及び休暇、服務並びに福利厚生については、
当該職員が所属する関係団体の条例、規則その他の規定を適用する。」
と規定されているので、
協議会の服務に関する承認、命令について、
関係団体の条例、規則その他の規程が関わってきてしまう状況にあります。

効率的に協議会の事務を進めるため
協議会の責任者に専決権限を委譲することに問題があるか。を確認したいので
よろしくお願いいたします。



制度は具体からはじまるので、せっかく統一した服務規定をきれいにつくったとしても、持ち寄ったものでの運用と大差なければ、労多くしての感がいなめません。


法定協議会の実務について疎いのですが、
うちの過去の例では、それぞれ事務局長、次長として、課長級職員をだして、服務はそれぞれの課長級職員の決裁だったように記憶しています。少なくても、他自治体の職員の指揮命令系統にはいるためには、権限委譲ではなく、いわゆる「派遣」が必要だろうと思います。
G様

ご回答ありがとうございます。
服務規程の要否については、頭の整理がつきました。

ただ、規程の制定と平行して考えなければならない、服務に関する執行として
地方自治法第252条の2の法人格を持たない法定協議会において、
これから共同運用が開始される協議会の規程を作成するに当たり
関係地方公共団体の長から協議会の責任者に
職員の休暇、時間外勤務命令、休日勤務命令、時間外命令、
旅行命令、週休日の振替、代休日の指定などを専決させる事については
地方自治法第252条の5抜粋「関係普通地方公共団体の長が管理したものとして効力を有する。」ことから、協議会の内規として、事務従事させる職員の上記について、
「承認」、「命令」を協議会の責任者に決裁させることは、
可能なのではと考えるのですが、
これは、私の限られた視点からの思いなのかもしれません。

休暇の取得一つにとっても、関係地方公共団体の長の承認を得ないと休めなかったり、
協議会では認められない、休暇の取得を関係地方公共団体の長が承認指定しまうことなどの弊害を回避し、協議会の事務を効率的に進めるためには、
協議会の責任者が決裁できるように、決裁に関する規定を何かしらに規定すれば
できるように思うのですが、客観的な意見をいただけると幸いです。

下手な表現でご面倒をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

話は労働条件ですから、長の部下たる職員であれば委任可能です。でも、長の部下ではない、他自治体出身の協議会責任者に委任することはできません。どうしてもそうしたい場合は、派遣にしてしまうしかないものと思います。

というのが前回書き込みの主意です。あと、協議会の責任者さんを当方の職員になってもらうこともできるかもしれません。ちなみに、協議会の責任者さんって会長さんでしょうね。

そこで確認です。くもりぞらさんがこだわってみえる案件は、可能性や脳内事件ではなく、
>>協議会では認められない、休暇の取得を関係地方公共団体の長が承認指定しまうことなどの弊害
が、現に起きているのでしたら、それはそれで問題です。それは合意です。


なお、うちのまちの事例での協議会事務局規定では、こんな規定でした。
(職員の服務)
第○条 事務局の職員の服務及び勤務条件については、それぞれの市の事務従事の例によるものとする。ただし、勤務時間の割振り並びに休憩時間及び休息時間については■市の例によるものとする。

G様 

たびたびのご回答ありがとうございます。
確かに、長の部下ではない他自治体出身の協議会責任者に
委任することは、地公法第6条第2項の規定からも、できないと思います。
とはいいながらも、G様がご提示くださったように
事務局規定では、類似した規定が多く見受けられます。

確かにこだわっているのは、
>勤務時間の割振り並びに休憩時間及び休息時間については■市の例によるものとする。
この内容に、職員の勤務割振り及び休憩・休息時間の割振りによって、
表裏に発生する週休日、割振りに考慮される年次有給休暇や特別休暇の承認、週休日の振替日の指定、代休日の指定、また、勤務時間外の勤務命令、休日の勤務命令を
>■市の例によるものとする。規定から
■市の例により、協議会の長が承認、命令を行えると読めるのか。
別途規定として明記する必要があるのか。なのです。

規定の主語が明らかに規定されていない点も混乱の原因なのですが、
一般的には、主語が明らかに規定されていない場合、
例規制定権者が、その主語になると思われますが、
そうすると、「上記のこだわりが、読み込めるのか。」ということが
ネックになってくると思われます。

とても悩ましく解釈に迷う、このような案件なのですが
きれいな線引きができればと思います。
繰り返しで、大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

◆いろいろ考えましたが、
やはり、身分を協議会に移す派遣によらないと承認・命令はできなく、
協議会では、勤務の割振り等の最低限を規定しているように感じます。
この考えによると協議会の統一の承認・命令様式は作れないことになりますが、
協議会として、統一のチェック用の確認様式はあっても良いと思います。
ただ、運用開始時点では、構成自治体から様式を持ち寄ってもらい
運営が軌道に乗った段階で構成自治体の公約数となる確認様式を作ることが
望ましいのかなとの考えのまとまりになりました。

文書として、書いてみて、意見をいただき、また考えることにより
ようやくひとつのまとまりが見えたように思います。
Gさん、ありがとうございました。






いえいえどうしまして。

協議会経験者に話を聞いたところ、ちょっとびっくりされていました。
主意は、お題とは事情が異なりそうですが、1年程度の短期間で仕事をしあげなければならない状況下で、文書の書式がどうの指揮命令がどうのって、考えているひまなかった。問題が起きたらおきたで、事務局長・次長の意思統一がひんぱんに行われた(けっこう、両方の自治体で作法が違っていたため)。数人の職員集団なので、協議会の仕事の進行状況や職員の個人の日程も共有してたし、お互いにカバーもしてた。これを可能にしたのが、お弁当会(週1日は、昼を弁当持参にして、みんなして会食する。子どもの運動会の日程だけじゃなく、趣味や家族関係なんかもそれなりに共有してたらしい)。

このような環境って、日常の仕事関係でもうらやましく感じますね。
以上、雑談でした。
G様

ありがとうございます。
G様のお知り合いの経験者はおそらく
合併協議会なのではと感じました。
当方の検討している協議会は、
少なくとも10年単位で継続性のある組織でありまして、
また、構成自治体が20団体もあるため、
一筋縄ではいかない大所帯なのです。
摺り合せが上手くいかなく頓挫することもしばしばです。

みんなが理解できて、
効率的に服務に関する事務が行えるようにするため、
いつのタイミングで、どこに着地するかを検討するに、
判断要素の抽出が難しいです。

時間も限られているので、急ぎながら着実に
また、迷った際は、フォーラムの皆様のご意見がいただければと思います。
ありがとうございました。

教育委員の任期満了について

教育室長 No.40054

いつも拝見させていただいております
教育委員の辞職については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第十条「委員は、当該地方公共団体の長及び教育委員会の同意を得て、辞職することができる。」とあります。これは任期途中での辞職のことを指していると理解しています。ところが任期満了の場合は、何か手続きが必要なのでしょうか?退任・継続どちらにしても、任期満了までには、本人の意思確認を行う必要があると思いますが、その意思確認はどのような方法でされていますか?みなさんのお知恵を拝借いたしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

Re: 教育委員の任期満了について

G No.40055

議会の同意をえて任命される人事に、本人の、退任の意思も継続の意思もないと思いますが。

いわゆる根回しのことでしたら、それこそ千差万別、ケースバイケース、当該自治体の風習でしょうね。首長サイドの意向が強い地域もあるでしょうし、学校側の意向が強い地域もあるやに聞いています。誰が本人に話をするかについても、教育長のところもあるでしょうし、副市長や秘書課長なんてこともあるのかな。

Re: 教育委員の任期満了について

ダジャレイ夫人 No.40071

 通常は、お互いあうんの呼吸で任期満了が近づいて来たら、それとなく継続の意思があるかどうかを確認するでしょう。

 委員の側が何も言わなければ、そのまま継続して任命してよろしいですかと念を押す。年齢とか、病気とか、家庭環境の変化とか、色々な事情を持ち出してきて辞めたいという意思表示をしてきたら、次の候補を探して内諾を得ておく。

 大体こんなところじゃないでしょうか?
 当市で、下水道の使用料について、瑕疵ある徴収が発見されました。
そこで瑕疵ある徴収をした使用料で、消滅時効が到来し、返還できなくなったものについて要綱を作成し、補助金として返還しようと考えております。
本掲示板や、他市の事例を元に、要綱案を作成し、現在調整中なのですが、一点疑問点があり、そのことについて質問させていただきたく投稿します。

 要綱中「地方自治法第236条の規定により債務が消滅し還付することができないもの」を「還付不能金」とし、当該還付不能金を返還の対象としております(返還の期間は対象者に対してお知らせをした前10年間)。
 仮に10年間瑕疵ある徴収をしていた場合、直近5年については、還付金、その前の5年については、還付不能金としてそれぞれ返還することになると思います。
 ここで質問なのですが、直近5年分については、地方税法の例により事務を行うことになるため、一連の作業が終了すれば、市の債務が消滅すると思うのですが、仮に還付不能金の返還対象者が、お知らせをうけてから5年後に市に請求してきた場合、5年前に請求してくれば還付金として返還できた部分が還付不能金にシフトし、還付不能金として返還できるのか、又は、この5年分については、時効ではなく、地方税法の例による作業により消滅したものなので、還付不能金にシフトしないのか、どのように考えればよいのでしょうか。

 私としては、要綱の制定目的が、行政への信頼回復にあるので、還付不能金として返還したいと考えているのですが、解釈上難しいでしょうか。

 まとまりの無い質問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。
法律に返せないとあるものを、要綱で返す?
かなり無理ありませんか?
訴えられたら、さらなる賠償が・・・泥沼ですよ?

私見ではありますが、瑕疵に対する補てんは、行政の裁量でするべきではないです。
瑕疵は司法が判断すべきであり、法そのものは立法が制定すべきものかと思います。
行政は法律の範囲内でできることを最大限するにとどまるべきです。
今回の場合は、法の範囲内の還付を速やかにし、不服を申し立てる場所も教示すべきでしょう。
いずれにしても、先方から請求を受けた時点で、
法的に返還債務がなければ、法的には返還(おっしゃるところの「還付金として返還」?)できないわけで、
そうではなくて、金員を交付するには、
お題の整理であれば、「還付不能金として返還」という呼称の、補助金として、
交付するしかないだろう、と感じました。
私が思うに、法律上還付請求の時効が到来してしまっていても、国賠の対象になるようなものについては、訴訟を待たず、要綱で補助金として支出するのが、早期に行政への信頼回復を図るためには適当だろう、という趣旨ではないかと思います。

>仮に還付不能金の返還対象者が、お知らせをうけてから5年後に市に請求してきた場合

というのは、還付可能期間中に瑕疵が発見され、対象者にお知らせも行った上で、それを承知のうえで請求しなかった対象者が、その後5年たって還付請求したら、ということですよね。

還付可能期間中に返還請求する機会を十分に与えて(広報に一回載せただけとか一遍の通知を普通郵便で郵送しただけ、というのではなく)という前提ですが、これを、あえて補助金でもって還付しなければならないものと考えるのは、私には無理ですが・・・。
一方、5年ギリギリで発見されたため、還付請求の周知期間が足りない等のときには別の判断もあるでしょう。

勿論これらは、各自治体の見識によって判断すべきものですが、その要綱をつくる際には解釈によって判断が分かれたりしないようにすべきなのは、まあ、釈迦に説法でしたか。
>直近5年分については、地方税法の例により事務を行うことになるため、一連の作業が終了すれば、市の債務が消滅する

>この5年分については、時効ではなく、地方税法の例による作業により消滅した

 意味が分かりません。
 なぜ消滅するのでしょうか。
私的には、全体的なニュアンスから、ざっくりと、弁済により、還付金返還債務が消滅する(あるいは、そのはずであった)と、スレ主さんの真意を、読み取ったところでありますが…
そのへん、どうなんでしょうかね。
審査様
地方自治法236条3項において、消滅時効の中断、停止は、適用すべき法律の規定がない場合(下水道法に特別な規定がないとして)には、民法の規定を準用するとされており、民法147条の規定は準用が排除されていません。
 御承知のとおり、民法147条3号には、時効の中断として「承認」が規定されていますが、還付対象者に還付金について通知することを仮定した場合、この通知は、承認に当たると考えられます。
 したがって、当該通知が還付対象者に到達した日の翌日が新たな消滅時効の起算日となるのではないでしょうか?
 したがって、新たな消滅時効については、市側のミスによるものではないので、あえて要綱により救済する必要はないし、救済できないと思いますが・・・。
補助金でも寄附でもいいのですが、じっさいにお金を返すなら、「公益」性の説明が必要ですね。「行政への信頼回復」って、公益でしょうか。

下水道料に限らず、時効が完成した債務の返還も求められた場合、それにこたえ続けるのが行政への信頼回復、だとはとうてい思えません。

※「ももりこぶた」に、にんまり。
代理人なかい 様

私は、ご質問の趣旨から「下水道では、対象者が請求しなければ還付しないシステムなのか」と早合点していたため、あのような話をしてしまいましたが、誤解のようでしたね。
なお、お説のことは「承認」というより「支出(還付)決定」というべきでしょう。「お知らせ」程度では法的な意味があるものとも思われませんし。

税の場合には、誤課税なら一方的に取り消しますが、課税後に一定の要件を満たすと減額できるものもあり、こちらから減額申請のお知らせを送ることがあります(減額申請書の提出がなければ減額できない)。
なので、てっきり、下水道はそんな形で還付申請してもらうのかな?と考えてしまっていました。

なお、自動車税は年度途中で廃車すると月割課税となるため、ほぼ全て還付となります。この場合にはこちらから「還付手続したので、この通知を持って取引銀行か指定金融機関に行けば○○円もらえますよ」という通知を送っています。
 審査様や貧書生様のおっしゃるとおり、国賠の対象として、不法行為責任を問われる前に、地方自治法第232条の2の規定に基づき補助金として返還しようと考えております。
 G様にご指摘いただいた公益性についてですが、「市の信頼回復」もですが、市民への不当利得の返還の意味も含んでおります。公平な賦課ができていなかったためそれを返還し市の信頼回復及び公平性の確保を図ることを目的規定としておいております。

 当市としても、知れたる方々には、広報、個別通知等でお詫びと還付不能金の請求につてのお知らせをしようと考えております。
 しかしながら、通知を受け取ってから請求してくるまでに時間差があると、納期限から5年という消滅時効は自動的にすすんでいき、結果的に返還できない部分が出てきてしまい、公平性の観点から問題となるのではないかと考えました。

 要綱の解釈ですが、次のようなイメ−ジで考えておりました。

 仮に平成20年に瑕疵ある徴収に気付き更正をかけたと考えると
1 平成10年から平成15年まで 還付不能金(要綱を根拠に補助金として支出) 平成16年から平成20年まで 還付金(地方税法の例により返還)

2 請求が1年遅れる(平成21年に請求)
  ア 平成10年から平成15年まで 還付不能金(要綱を根拠に補助金として支出) 平成17年から平成20年まで 還付金(地方税法の例により返還) なお、平成16年については、公示送達、供託等を行っており、消滅時効により消えたわけではないので返還できない。
 となるのか
  イ 平成10年から平成16年まで 還付不能金(要綱を根拠に補助金として支出) 平成17年から平成20年まで 還付金(地方税法の例により返還)
 
 ア、イのどちらの取扱いをすべきか(今回の要綱では、返還の対象として第236条の規定により債務が消滅し還付することができないものを「還付不能金」と定義しているので、アの平成16年分については、今回の要綱の定義では返還できないのではないか。)悩んでおりました。

 代理人なかい様の指摘を勘案すると
3 公債権は5年で自動的に消滅するが、市の通知を承認と考えると承認時から10年の時効期間がスタ−トする、と考えると、
  平成10年から平成15年まで 還付不能金(要綱を根拠に補助金として支出) 平成17年から平成20年まで 還付金(地方税法の例により返還、10年間で消滅時効にかかる。) 

※ G様 やるきボタンをPUSHして頑張ります。

 

 
 
私だと、
直近5年分については、先方に還付金債権があるので、速やかにその弁済の受領を求め(承認による時効中断?)、受領していだだけないときは、供託し、あるいは、供託せず、あとは、供託物払渡請求権、あるいは、還付金債権の、それぞれの時効期間の経過に委ねる。
その先の5年分については、補助金を押しつけるわけにはいかないので、補助金の請求期限を明示し、それを経過して請求していただいても、受け付けない。
と、単純に制度設計(案)を作ってしまうところですけどね(それぞれの「返還」のネーミングは、各自の趣味で)。たぶん、お答えにはなってないのでしょうけど。

※結局、最初のコメントと同じ。
>代理人なかい様の指摘を勘案すると
3 公債権は5年で自動的に消滅するが、市の通知を承認と考えると承認時から10年の時効期間がスタ−トする、と考えると、
  平成10年から平成15年まで 還付不能金(要綱を根拠に補助金として支出) 平成17年から平成20年まで 還付金(地方税法の例により返還、10年間で消滅時効にかかる。) 

 前段と後段がどうつながるのか理解できませんが、下水道使用料に係る不当利得返還請求権の時効は5年と解すべきと思います。
 公務員給与に係る不当利得返還請求権も5年と解する説が通説だと思います。
 なお、公債権では時効完成後に承認(時効利益の放棄)はできませんので、念のため。
 ちょっと気になった点がありましたので。

>市の通知を承認と考えると
 市の通知はあくまで「催告」ではないですか?「承認」は債務者の側が行う行為です。例えば、納付義務者が徴収猶予の申し入れをしたような場合です。

>承認時から10年の時効期間がスタ−トする
 下水道使用料の場合、民事上の債権とは異なり、時効完成により援用を要せず時効利益の放棄ができないので債権は絶対的に消滅し、債務者が承認しても復活することはありません(地方自治法236条2項)。
 すみません、素人が顔を突っ込んで・・・

 >私としては、要綱の制定目的が、行政への信頼回復にあるので、還付不能金として返還したいと<・・・

 そうではなく、使用料の瑕疵ある徴収ですから、瑕疵ある部分の賦課の「取消し」ではないかと。
 つまり、理由の無い賦課に基づく徴収なので不当利得。で、時効は「取消し」から10年かと。
 その法源として先ず・・・
 ●民法上の取引で生じた債権 : 10年
 ●商取引によって生じた債権 : 5年
 で、判例だと・・・
 「昭和53(オ)1129 昭和55年1月24日 最高裁第一小法廷判決 第34巻1号61頁」以下引用〜商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである〜 と。
 つまり、仮に、商行為であっても、取引の正当な対価に予定されているのではなく、法定の限度を超えて(違法な請求により)支払われた部分については10年。

 上記を援用して、行政行為としての使用料(下水道使用料の徴収が行政行為だとして・・)の賦課では、瑕疵ある部分につき法定外=「違法」だ、という解釈はできると思います。なお、下水道徴収が行政処分であるかについて過去ログだとhttp://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/tomita/yyregi-html.cgi?mode=past&pastlog=89&subno=9761〜。
 住民から見ると、下水道の使用者は、契約を締結していないのに下水道を使用し、且つ使用料を支払わなければならないことから、使用料は(税金同様)賦課徴収されるわけです。納入通知は、下水道使用料を賦課する行政処分(自治法231条による納入通知処分)ということだろうと思います。過去ログの議論のとおり、行政処分という解釈に分(妥当性)があると思います。
 なので時効スタートも、取消しという処分があってから10年かと。水道料だとまた話は別ですが。

 違うでしょうか?
>なので時効スタートも、取消しという処分があってから10年かと。水道料だとまた話は別ですが。

 時効期間については、次のような行政実例が[31581]に紹介されています。

公債権に関する不当利得返還請求権もまた公債権であり、公債権である限り地方自治法第236条第1項の規定に基づき、5年の消滅時効にかかります。
(地方財務実務提要第10章第2節P6478参照)

 時効期間及び消滅時効の起算点について北海道町村会法務相談
http://houmu.h-chosonkai.gr.jp/jireisyuu/kaitou73.htm
が次のように回答しています。

扶養手当について町が有する「不当利得返還請求権」は、公法上の債権であることから、地方自治法第236条第1項の規定により、5年間これを行わなかったことにより消滅するものと解されています(地方財務実務提要第2巻(ぎょうせい)5059p)。
 この場合、消滅時効の起算点について地方自治法には規定がありませんので、民法の一般原則が適用され(同法第236条第3項)、権利を行使することができるときから消滅時効が進行することになります(民法166条第1項)。
 具体的には、町はAに過払を開始した時点から、「不当利得返還請求権」を行使することができますので、その消滅時効は過払の扶養手当を支給した日の翌日から進行することになります(同法第140条)。
 ご返信ありがとうございます。
 そうすると、給与の支払いの場合と、瑕疵ある行政行為の場合とで不当利得の返還を求める債権に差異は無く、5年である。また、、「不当利得返還請求権」を行使することが可能な時点(お題では住民による過払いの時点)から時効カウントが進行する、とのお考えですね。うーん・・?。これだと、行政行為(処分)の公定性という点で問題があるような気がします。つまり、誰が見ても当初より無効な行為(例えば権限外の行為とか)であれば明確ですが、処分庁が行った賦課行為について取り消すべきかどうかの行政裁量と、取り消した場合の通知(告示)が、逆に無くなってしまうと・・・(つまり実際には闇に葬られるかも・・)。この辺、如何でしょうか?
 つまり、取り消しもまた行政処分であると・・・。
行政実務で、一般に通有している解釈・運用に耐えがたい国民さんが、訴訟の手段に訴えたとき、ケースによっては、裁判所が、利益衡量の結果、ストレートに、不当利得、あるいは不法行為を根拠として、国民さんを救済することもあるでしょうが、示されているところの解釈は、一般的には、司法の場でも、支持されるだろうな、と。そのへんを論じていくと、行政の制度設計の一般論にも及んでしまうので、この場ではパス。まあ、直感的にそう思う、でもいいけど。
お題が、そもそも、訴訟による住民さんの主張・立証を待たずに、実質的な不当利得の返還を意図する(「直近10年分」の「返還」)、苦渋の政策判断なわけで。

※利益衡量の結果、行政側に理があると考えると、裁判所でさえ、めんどくさいのでしょうか、「公債権」なるマジックワードを、ア・プリオリに使ったりしちゃう(こともあるようだ)。

※※「論点をクリアにして」、自ら別スレを立てられれば、そのような議論の好きな方は、集まるかも。
問題を整理してみます。
まず、下水道使用料が公法上の債権で、自治法236条1項の適用があり、消滅時効は、5年であること、したがって、使用料に係る不当利得返還請求権は、その裏返しの権利でありますので、同様に5年と解されます。
これは、過払い扶養手当返還請求権の消滅時効が、労基法による2年、民法(不当利得返還請求権)による10年ではなく、自治法による5年とされているのと同じ解釈です。
 このため、納付日から5年が経過しない使用料の過誤納金請求権については、時効により消滅していないので自治法による5年が適用され、これを徒過したものは、自治法により時効の利益が放棄できないので、本件のように補助金とするか、賠償金とするか若しくは不当利得として返還するしかないとされています。
なお、「Q&A地方公務員のための法律相談室」(ぎょうせい刊)によると、理由は不明ですが、不当利得による返還は若干問題があるとの記述があります。
次に、民法147条第3号の承認については、@時効の利益を受ける当事者が、時効によって権利を失う者に対して、その権利の存在することを知っている旨を表示することA承認の法律上の性質は、いわゆる観念の通知であり、時効を中断しようとする効果意思は必要ではない。承認には特別な方式はなく、その権利の存在を認識して、その認識を表示したと認めることのできる行為は、全て承認となると解されています。
これにより、本件の個別通知は、時効の中断事由である承認に該当するのではと考えた次第です。
最後に、還付不能金について行政が積極的に過納状態を解消し、行政への信頼を回復することについては、公益性は十分認められると思います。
そうそう、思い出した、ここ。ちょっとお借りします。
一般には、不当利得債権、法律の規定によって発生する債権ということで、過払いの原因となった債権が、短期消滅時効債権、あるいは商事債権でも、時効10年だったような。
結論は、OKだと感じますが、「裏返し」という比喩ではなく、うまく説明している言葉を知っている方がいらっしゃれば、この機会に、ご教示ください。行政事務の効率化という、大上段の制度趣旨だけで説明するのが、どうも心許なくて。

>したがって、使用料に係る不当利得返還請求権は、その裏返しの権利でありますので、同様に5年と解されます。

※なお、民間の会社の給料過払いの返還請求権の時効は、2年ではなく、10年でしたね。
ご設問と同様なものでは、固定資産税関係で同様の補助金交付をしている自治体は結構あると思います。
税の場合、地方税法に課税制限期間の規定があり、固定資産税では5年以上遡って減額決定をすることができませんが、5年以内のものは、課税庁が一方的に減額決定します。
また、還付請求というのは過誤納となって初めてできるのですから、請求者の還付請求権は減額決定してから時効が進行することになり、減額通知(還付請求のしょうよう)から5年で時効となります。
一方、補助金というのは、その性格上こちらから一方的に補助金を押し付けるというのは無理なので、対象者が申請しない限り交付決定できません。

これらを総合すると、10年度以降誤請求を行っていたことを20年度に発見したときは、税ならば
(1)16〜20年度は課税庁が減額決定し、ここから還付請求の時効が進行します。5年後の25年度に還付請求に係る時効となります。
(2)10〜15年度は減額決定できず、補助金交付申請のしょうようを行います。補助金に補助申請期限を設けることは可能で、この期限は要綱の趣旨からも社会通念上も不当なものでなければ、任意です。

そこで疑問なのは、
下水道の場合は、誤請求があったことを知っても、対象者からの請求がない限り更正しないのでしょうか。
長くなって大変申し訳ありませんが、参考までに補足します。

給与等に係る債権のうち、職員側からの不足請求権は労基法115条により2年で消滅しますが、逆に過払い金の返還請求権は、同条に規定する「この法律に規定する賃金・・・その他の請求権」に該当しないため、労基法の適用はありません。
これは、同条の規定の適用を受ける請求権は、労働者が使用者に対して有する債権的性格を持つ金銭給付請求権と解されるためです。
また、給与等の支払い請求権は、労基法115条が適用(2年)となりますが、公法上の債権とされることから、その債権関係から付随的に発生した過払いの返還請求権も、公法上の債権と解するのが妥当ということです。ただし、労基法115条が適用とならないため、自治法により5年で消滅時効となります。
以上の見解は「地方財務実務提要3」(ぎょうせい刊)を引用及び参考としました。
基本的には、その「解釈論理」が、自治体実務の、スタンダードになっているのでしょうね。利益衡量的には、労働者側に有利な、妥当な結論を導いていると思います。
お手数おかけしました。
[39793]
>一般には、不当利得債権、法律の規定によって発生する債権ということで、過払いの原因となった債権が、短期消滅時効債権、あるいは商事債権でも、時効10年だったような。
結論は、OKだと感じますが、「裏返し」という比喩ではなく、うまく説明している言葉を知っている方がいらっしゃれば、この機会に、ご教示ください

 「裏返し」論とは、[31569]にあるような

不当利得返還請求権は、本債権の反対債権なので、本債権の性質に従います。つまり、本債権が公債権であればその不当利得返還請求権も公債権となり、本債権が私債権であればその不当利得返還請求は私債権となります。

を指すと思われますが、この論だけでは整理できません。

 えんどうさまも引用されたように昭和55年1月24日 最高裁第一小法廷判決は、商事債権であるとされる(根拠条文不明)貸金返還請求権の裏返しである不当利得返還請求権について民事債権と解し、時効期間は10年としているからです。理由は短期に決着させることが適当でないからだったと思います。

 判例は演繹法と帰納法を使い分けるので、判例・通説を単純な基準で説明することは無理だと思います。
> えんどうさまも引用されたように昭和55年1月24日 最高裁第一小法廷判決は、商事債権であるとされる(根拠条文不明)貸金返還請求権の裏返しである不当利得返還請求権について民事債権と解し、時効期間は10年としているからです。理由は短期に決着させることが適当でないからだったと思います。

>判例は演繹法と帰納法を使い分けるので、判例・通説を単純な基準で説明することは無理だと思います。

 少し理解できるようになって来ました(←というより、理解できていないことを少し理解してきました)。ありがとうございます。
こちらは収束したようですが、最後に一点。

今まで議論があったように、仮に下水道では時効は援用が必要であり、いつでも承認できるのであれば、いつでも更正し過納分を還付できてしまうので、補助金交付要綱など全く必要ないでしょう。

次に、下水道でも5年を超えて更正できないとするなら

(1)5年以内の分は更正
a 過納であれば、ここから還付金受領の時効が進行する。
  還付加算金は、税なら「納付の翌日を起算日とする」規定がある。
b 追加請求するなら、追加分請求書の期限の翌日から滞納状態となる。
  延滞金は納期の翌日から発生する。
(2)5年超の分は更正できない
a 過納であって、しかも国賠訴訟をされたら「ごめんなさい」となるような
 ケースに限り、補助金で支出する要綱を定めているところもある。
b 追加請求は、特別の事情がない限り、できない。

すると、5年以内に発見した過納は更正でき、更正してから5年以内は支出可能なので、還付請求日が瑕疵が発生してから5年経過していても何の問題もない(補助金に移行しない)が、更正後5年以上経過していれば、はねつけて構わない(国賠も、既に処分は更正され還付するよとの意思表示もしているので問題ない)ことになると思います。

なので、要綱を作るなら、対象は(2) a だけとなるはずです。
おそらく、ももりこぶたさんの自治体としては、
自治体側に瑕疵ある以上、更正後5年以上経過していても返す
という(地方自治法をこえた)決断をしているのだと思われます。

※ ももりこぶたさま
いろいろな手段とその根拠がでたわけです。
どんな困難でも、一人じゃくじけそうでも助け合えば大丈夫、でしたね。
おあとがよろしいように。
 全然ついていけませんでした。

ももりこぶたさま

 最後に教えてください。
 [39766]に書いたことですが、なぜ市の債務が消滅するのでしょうか。

 債権の消滅事由っていろいろありますが、お題で、時効でも弁済でもない消滅事由はなんでしょうか。

 審査さまの「還付請求日が瑕疵が発生してから5年経過していても何の問題もない(補助金に移行しない)」も分かりません。

 5年経過して請求されたら「返還不能金」ではないでしょうか。
>審査さまの「還付請求日が瑕疵が発生してから5年経過していても何の問題もない(補助金に移行しない)」も分かりません。

間違った処分をしてしまったら、通常、相手からの申出がなくても更正しないのですか?
取消(一部を含む)処分という新たな処分が行われると過誤納となる結果、対象者は還付請求権をもつのでは?

もし、誤課税を発見しても、対象者からの請求がない限り税額の更正はしない、という方針なら何も申しません。法律上、賦課処分ではそんな請求は不服審査以外に規定はありませんが。
その場合には、課税庁が口をつぐんでいたら5年たってしまった、ということはありえますが、それこそ国賠対象となるにふさわしいでしょう。
なお、対象者からの申出があって初めて誤課税を発見した場合も、誤課税を発見して減額決定しないと還付請求はできません。

私どもでは取消後、口座が判らなければ金融機関に対して送金し「この通知を持っていけば支払いますよ」という通知を送付してますから、ここで、いったん支出手続まで終わってしまいます。
万一、これを受け取らない場合、還付の時効がきたらそれまでよ、ということです。

P.S.普通、いわゆる取消訴訟というのは「ある処分を取り消せ」という趣旨であって、判決でこれが取り消された場合には過誤納となり、処分庁は相手方に対して還付する義務が生じるので還付する、という形式でしょう。
審査様
ここ、教えてください。
>口座が判らなければ金融機関に対して送金し「この通知を持っていけば支払いますよ」という通知を送付してますから、ここで、いったん支出手続まで終わってしまいます

自治法232条の5の第1項クリアしてます? 隔地払を援用されているんでしょうか?
時効前に、相手不明や先方からの「請求書」がない場合で、どうしても返さなければならない場合は、「弁済供託」になるんではないかと。
>自治法232条の5の第1項クリアしてます? 隔地払を援用されているんでしょうか?

そうです。大量の還付がある自動車税位しか実際には使いませんが。
通常は、口座振込依頼をしてもらって、口座振込にて支払います。
また、支払案内書が返戻されれば調査しますし、一定期間内に受け取りがない場合にも繰り返し通知したりします。

なお、
>相手不明や先方からの「請求書」がない場合で、どうしても返さなければならない場合は、「弁済供託」になるんではないかと。

ですが、当方では供託で済ませてはいません(担当ではないので「多分」と付けさせて下さい)。なお、一度通知が届いていれば、そこで相手方はいつでも受領できる状態になるため、その後実際に受領した日付までの加算金の計算はしてません。

弁済供託により加算金の支払いを免れる、というのは良い考え方でしょう。しかも、供託した旨を通知した後は、ひたすら時効を待ち、時効がきたら取り戻すだけですし。
 皆様の書き込みで勉強させていただく前に、返答が遅れてしまいましたので、まず税外担当様のご指摘について答えておきます。

税外担当様
 「一連の作業が終了すれば」の部分ですが、私の表現が間違っておりました。
 直近5年についても、最終的には地方自治法第236条の規定により5年の時効により消滅することになるとは思うのですが、直近5年分については、地方税法の例により手続を踏んでおり、また、瑕疵ある徴収に気が付いた時点では、消滅時効にかかっていなかったため、仮に相手が請求がないまま5年が経過した場合、この部分のお金(以下「※」という。)を、還付不能金として返却するのはいかがなものかと思い今回の質問をし、手続が異なるということから、 「一連の作業が終了すれば・・・」のように記述いたしました。
 申し訳ございませんでした。

追伸
 いろいろと勉強しようとあがいておりますが、いつも皆様の書き込みには圧倒されてばかりです。
 ふがいない質問に答えていただきありがとうございます。
 私も、しっぽをまいて逃げ出さず頑張ります!!

職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ローゼン No.39958

受け付けたご意見・ご要望に対し担当部署から文書で申出をしてきた方に返した事案がありました。
この回答の中で一部虚偽の記載があり、文書の訂正を求められました。ところが、この件で申出をしてきた方と担当部署職員との間のやり取りが若干こじれてしまい、この申出者は担当部署職員を民事訴訟法に基づいて訴えてきました。訴えの内容は文書の訂正と文書作成費1000円。やり取りの中で職員がわざと文書を偽造して回答を作成したと思い込んでしまったようです。

許可書のような文書ではないですが、一応市で作成した文書ですし、公文書といえると思います。国家賠償法1条の対象は純粋経済的手続き以外は「公権力の行使」ととらえていると聞きました。するとご意見に対する回答も「公権力の行使」にあたるのではないかと。
国家賠償法上は、組織として一連の手続きの中で行ったことならば、職員個人を訴えることはできないと、最高裁の判例でも確立していると思います。
これは民事訴訟でも同じことが言えるのでしょうか。

申出してきた方になんらかの損害を与えているというのなら、民事訴訟法ではなく国家賠償法に基づいて訴えるべきとか、組織として対応したのだから職員個人を訴えるのは被告として適格でないとか言えると思うのですが、文書偽造を理由とした、文書訂正を求める民事訴訟。被告は(そしきではなく)市長と担当職員のそれぞれ個人である2名。

こんな訴えが可能なのか、反論するとすればどう反論するのが適切なのかアドバイスを頂けませんでしょうか。

裁判などに不慣れで、バタバタと調べているところです。
よろしくお願いします。
民事訴訟法より行政不服審査法が特別法として優先?

さらに行政不服審査法よりその担当部署の個別法の方が優先?

と言った感じでしょうか。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

えんどう たかし No.39960

>回答の中で一部虚偽の記載があり、文書の訂正を求められました<

 ご案内の内容だけだと詳しく判らないので、あくまで可能性ですけど(回答ではなく、気になった点ですが)・・・
 民事訴訟より先に、無形偽造である虚偽公文書作成罪の可能性を考えるべきではないでしょうか。
 つまり、訂正を求められているのにこじれたからという理由で訂正すべきを担当職員が訂正しなかったわけですよね(←この理解でよろしいですか?)。
 それだと、作成時点では無形偽造の故意はなかった(例えば、うっかりしただけで故意がなかった可能性があった…)のに、訂正すべきを訂正しなかったという不真性不作為が事後的に生じ、当該不作為の時点で無形偽造の故意(訂正すべきを知りながら訂正しなかったという故意)があって、虚偽公文書作成・同行使罪の構成要件に該当してしまったというケースでしょうか。

 とりあえず、相手方が行おうとしている手続きとは別に、告発や通報など刑事的手続きも必要かもしれませんね。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ローゼン No.39961

行政不服審査法のことも考えたのですが、行政不服審査法としても、行政が組織として行ったことは個人を被告として訴えることができないということですよね。
(判例とかは国家賠償法のものしか未だ見つけれていないもので)

また、ご意見に対する回答なので、一般的な行政サービスの一環として行っていることで、個別法というのはないと思ってるんです。(請願のようなもの?)

でも、民事訴訟法に基づく訴えがでてきてしまってるんですよね。おそらく申出をした人(訴えてきた人)に言っても、補正とかはしなさそうな雰囲気とのこと。
そのため、民事訴訟法の枠内ではどう考えればよいかと頭を悩ましているところです。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ローゼン No.39963

>回答の中で一部虚偽の記載があり、文書の訂正を求められました<

あ〜、ごめんなさい。
文章が不適切でした<m(__)m>

文書自体に問題はなく、一部虚偽があるとして、文書の訂正を求められている事案です。
一部虚偽があるというのは、申出をしてきた人の思い込みです。

この点はこの点で反論しなければならいのですが、そもそも、組織ではなく、文書を作成した一個人を訴えることができるか、というのがそもそもの質問です。

申し訳ありません。
よろしくお願いします。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

えんどう たかし No.39967

>文書自体に問題はなく、一部虚偽があるとして、文書の訂正を求められている事案です。
>一部虚偽があるというのは、申出をしてきた人の思い込みです。

 そうでしたか。ならば、疎明責任は相手が負っているので、先ず相手方が刑事告発(危険犯でも当事者は被害者として告訴できるのでしょうか?)するかどうかを待つより他無いのではないかと。告発されれば検察官から職員個人が呼び出されることはあると思います(責任個別化の原則)。刑事事件は、原則として行為者個人の刑事責任の追及ですので。
 況してや、虚偽文書作成が事実であったとしても、危険犯なので、民事訴訟や国賠とはあまり関係ないように思います。尤も、仮に相手方に実害があったにせよ、刑事責任(若しくは不起訴でも犯罪事実として認定=起訴猶予等の微罪処分とされればですけど)と損害賠償はリンクするでしょうから、現時点での深読みは不用ではと思います。やましいところがなければ・・。
訴状に記載された「請求の趣旨」を、いくらか加工して、差し支えない範囲で提示していただけると、より意味ある議論ができると思いますが。
請求の趣旨が、損害賠償請求に加えて、
「○○は、△△文書を訂正せよ。
との判決を求める。」
なんですか。
変な感じはしますが、裁判所がそのまま受理してしまったら、しょうがない。謝罪広告の掲載を求めるなどの、作為請求自体は、よくありますよね。
反論としては、たとえば、当該文書の作成名義人は自治体(首長)なので、○○は被告適格を欠く、とか、当該文書の内容は真実であるとか。

※あ、虚偽だったんですね。あっさり、訂正文書を訴訟外でお渡しして、その旨を口頭弁論で主張・立証すれば、訴えの利益がなくなって、却下とか。

※※なお、当該文書の作成名義人が、肩書き付きであっても、職員個人であった場合には、けっこう微妙でしょうね。

※※※要は、被告適格も、訴訟手続の中で、当事者の主張・立証を経て、判断されていくしかないのかな、と。裁判所が被告適格なし、と判断すれば、却下判決。
あと、抽象的・一般的に、
甲(自治体)が先に交付した書面の内容を訂正した書面の交付を、乙(職員)に対して命ずる判決
を求めているとすれば、単純に、乙は甲でないので、そのような法的義務は存しない、という反論でも、いいような気もします。そのへんは、「請求の原因」を読まないと、判断は難しいですね。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

税外担当 No.39975

>民事訴訟法に基づいて訴えてきました

 「民事訴訟法に基づいて」とは何を指すのでしょうか。
 原告が訴状に条文を掲げているのでしょうか。

 「国家賠償法に基づく損害賠償請求は民事訴訟の手続きによる」とされるのですから、国家賠償法に基づく請求であっても、民事訴訟法が適用されるのは当然ではないでしょうか。

 民事訴訟法は手続法であり、実体的な権利関係の根拠は書かれていません。

 お題は、「民事訴訟で訴える」ですよね。

 いずれにせよ適用条文は裁判所が決めることなので、当事者の主張にこだわらなくてよいと思います。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

代理人なかい No.39976

>被告は(そしきではなく)市長と担当職員のそれぞれ個人である2名。(民事訴訟)

上記が事実であれば、それぞれ個人として対応すべきであって、組織として訴訟対応することには疑問がありますが・・・。それとも組織として訴訟に補助参加する予定でもあるのでしょうか?
(追記)
いずれにせよ、貧書生様のご指摘のとおり、訴状の具体的な内容がわからないので、何とも言えませんが、回答文書の内容が自分の思いこみにより、間違っていると考えて、それを確認するような訴えは、法令の適用によって紛争が解決される問題ではないし、具体的な権利・法律関係の存否に関する紛争でもないため、訴えの利益があるとは思えず、却下を求めるだけの話だと思いますよ。答弁書の提出と出頭は、不可欠ですが、それも職員個人の手間と休暇で行わなければならないのは言うまでもありません。

※回答文書により、具体的な権利が生じるものではないと仮定します。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ダジャレイ夫人 No.39977

 民事訴訟を提起するためには、原告が被告から民事実体法(民法など)上の具体的な権利を侵害された事実、すなわち訴えの利益が必要です。内容が虚偽の文書を交付されたからといって、原告の民事実体法のどの権利がどのように侵害されたのかが分かりません。原告は、訴状の請求原因の中でこの辺りをどう主張しているのでしょうか?
スレ主さんとしても、あまり具体的な情報の提供はできないでしょうから、勝手に想像すると、住民さんの真意は、
自己が認識する事実の内容に訂正した書面の交付を得たい、という思いがあり、かつ、その書面の作成権限の所在に疑義があるので、
およそ、行政庁の職員が、職務上作成し、住民に交付した書面に事実と異なる記載があるときは、「条理上」、訂正の上、再交付する、法的義務があるから(とお考えになり)、作成権限があると推定しうる、市長、課長、担当者の三人をまとめて被告にして、訴えた、というあたりなんでしょうかね。「○○市 ○○課 担当○○」とかの名義の書面は、ありそう。

※訴訟を、苦情処理の延長と割り切れば、ずばり、「当初の事実認識に誤りがあったか」という争点に、ていねいにつきあって、主張立証するのも、サービスでしょうか。共同被告の市長さんが、専ら対応すればいいわけだし。

※※たとえば、損害賠償請求抜きで、謝罪だけを求める民事訴訟はあると思いますが、通常は、請求の趣旨で、間接強制も求める?
「被告は、原告に対し、謝罪するまでは1日当たり○○円を支払え」

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

中務少輔 No.39981

職員個人が訴えられた場合の当該職員の弁護士費用は、当該職員個人の負担となります。
なお、大阪府のように支援制度があれば公費負担も可能です。
http://www.pref.osaka.jp/houbun/soshosien/index.html
>>また、ご意見に対する回答なので、一般的な行政サービスの一環として行っていることで、個別法というのはないと思ってるんです。(請願のようなもの?)

法のない行政サービスって、思いつかないです。
例えばどういうものがあるのでしょうか?

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ローゼン No.39991

皆さんありがとうございます。
皆さんの返信にある疑問に答えつつ、一度事実関係を整理すると以下のとおりとなります。

(1)住民の方からご意見を頂戴し、担当部署から文書で回答をした。(※ホームページや郵便などで頂戴するご意見)
(2)文書の内容について申出をしてきた方と担当部署職員が直接話をした。
(3)この話の中で申出をしてきた方は回答文書の内容に一部虚偽があると思った。(※実際はそのような虚偽はない)
(4)申出者は担当部署職員と市長を相手取り、文書の訂正と自分の文書作成費1000円を求める訴えをした。
(5)申出者は、訴状でも、国賠法、行訴法、行服法などとは言わず、民事訴訟法に基づいて、職員と市長を訴えると主張。自治体ではなく、担当した職員と市の代表者としての市長の個人2名を訴えるというもの。

相手が上記のような主張をしている以上、民事訴訟法の枠内で考えないとしょうがないかなと考えている次第です。
ただし、国賠法の過去の最高裁判例にもあるとおり、職務行為を行った公務員個人を訴えることはできないと主張して、棄却判決を求めるということはできるのではないかと思っているところです。
文書の訂正の請求は、損害の賠償の請求ではないと思いますけどね。民法上の物権的請求権などに基づく、損害賠償請求ではないところの、民事訴訟は、いくらでもありますよ。
なお、私だったら、自治体(代表者市長)に対して、文書訂正の、民事訴訟を提起するところですが、お題の職員さん、話がこじれて恨みを買ったトバッチリでの、共同被告かな、という印象を受けました。同僚として、十分にフォローしてあげてください、勤務時間外で。

※なお、ストレートに、職員個人への訴えを、国賠法の規定を理由に、却下した判決って、ありましたっけ? かねてから、違和感を覚える、ものの本にいうところの、「判例・通説」なんですが。

>国賠法の過去の最高裁判例にもあるとおり、

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

税外担当 No.39999

貧書生さま
>ストレートに、職員個人への訴えを、国賠法の規定を理由に、却下した判決って、ありましたっけ? 

 東京地裁は次のように言っています。

「ところで,公権力の行使に当たる国の公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には,国が,国家賠償法1条1項により,その被害者に対して賠償の責に任ずるものであり,公務員個人はその責を負わないものと解するのが相当である(最高裁昭和30年4月19日第三小法廷判決・民集9巻5号534頁,最高裁昭和53年10月20日第二小法廷判決・民集32巻7号1367頁等参照)。」
http://ip-hanrei.sblo.jp/article/40427730.html

 しかし、次のような見解もあります。

「近時の裁判例でも公務員の個人責任を肯定したものがあり(東京地裁平成6年9月6日判例時報1504号40頁)、公務員の個人責任を否定する立場は判例上確定的なものではない。」
http://www1.odn.ne.jp/hyakuman-chbaich/yasukuni-siryou/genkoku-jyunbi-syomen-03.html

 私も公務員個人に被告適格なしという説は疑問に思います。
 会社員は社用であっても個人責任を問われることを考慮して仕事しなければならないが、公務員は公務なら、懲戒処分は気にするが、個人責任を問われることを気にせずに、仕事ができるとしなければならない理由が見つからないからです。

>私だったら、自治体(代表者市長)に対して、文書訂正の、民事訴訟を提起するところですが

 根拠条文はあるのでしょうか。

スレ主さま
>民事訴訟法に基づいて、職員と市長を訴えると主張

 訴状に「民事訴訟法」とは書いてあるが、条文は記載されていないということですね。
 そして、請求の根拠となる実体法は書かれていないということですね。

>相手が上記のような主張をしている以上、民事訴訟法の枠内で考えないとしょうがないかなと考えている次第です。

 どうしてそうなっちゃうのでしょうか。
 相手が民事訴訟法という手続法(しかも条文不明)しか言っていないのでは、考えようもないと思います。

 問題は、相手の請求に法的な根拠があるかどうかだと思います。
 私は、「文書の訂正」にどのような法的根拠があるのか分かりません。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ダジャレイ夫人 No.40000

>(5)申出者は、訴状でも、国賠法、行訴法、行服法などとは言わず、民事訴訟法に基づいて、職員と市長を訴えると主張。自治体ではなく、担当した職員と市の代表者としての市長の個人2名を訴えるというもの。

 ここが分かりません。民事訴訟では訴状において審判の対象たる訴訟物を特定する必要があります。訴訟物とは、原告により裁判所に対してなされる権利・法律関係の存否の主張です。すなわち、原告が自己の法律上の権利を侵害されたとか、法律関係の存否を求めることが要求されます。

 例えば、内容に誤りのある文書を配布されたために名誉を侵害されたとなれば、具体的な法律上の権利を侵害されたことになりますから「不法行為に基づく損害賠償請求権」というように訴訟物が特定されます。

 訴訟物が明確にされていないと、裁判所は何について判断すればよいのかわからず、被告も何について反論すればよいのかわからないので、裁判において訴訟物の特定は非常に重要です。

 ということで被告としては、「訴訟物が特定されていないので訴えは不適法として却下を求める。」と答弁することになるでしょうか。もちろん、裁判所が訴えを適法と認めた場合に備えて、請求に理由なしとして棄却を求めることも併せて答弁しておく必要はありますが。
税外担当さま

いつもながら、具体的な資料の提示、感謝です。データベースとしても有益なスレになるかと。
外形理論と結びつくと、「公務・公用車で、限りなく重過失に近い軽過失」でどのような交通事故を起こしても、その職員は賠償責任なしという話になってしまいますね。国家賠償法の本旨は被害者の救済であり、また、民事訴訟の制裁的機能(「こいつに賠償させたい」)を忘れた、ものの本の、「判例・通説」だと感じています。

>>私だったら、自治体(代表者市長)に対して、文書訂正の、民事訴訟を提起するところですが

>根拠条文はあるのでしょうか。

前のほうのコメントで例示しましたが、「条理に基づく法的責任」。
さすがに、それだけだと、淋しいので、現代行政国家における、人権実質化のための、国務請求権の意味合いの変容などの憲法論を展開するでしょうけど。初審レベルだと、偶然、ツボにはまる裁判官さんに当たって、案外、通ったりして…

その関心から、お題の、(仮想ケースの)訴状の請求の原因は、見てみたいところです。

※要は、お題の仮想ケース、訴えの提起ベースでは、それほど突飛とも感じないということ。

※※念のため、「訴訟物」は、旧訴訟物理論だと「憲法上認められる国務請求権としての訂正請求権」、新訴訟物理論だと「訂正を受ける権利・地位」とか。
なお、「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」なる訴訟物の、「所有権に基づく返還請求権」は、実定法には明記されてませんね。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

税外担当 No.40005

>※※念のため、「訴訟物」は、旧訴訟物理論だと「憲法上認められる国務請求権としての訂正請求権」、新訴訟物理論だと「訂正を受ける権利・地位」とか。

 「国務請求権は憲法の規定を具体化する法律をもって初めて実現可能なもの」(Wiki)らしいので、生で主張するのは難しいようです。

>なお、「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」なる訴訟物の、「所有権に基づく返還請求権」は、実定法には明記されてませんね。

 もちろん実定法の根拠を持たない請求権もあります。
 人格権に基づく差止請求権も認められているようです。

 私が言いたいのは、根拠条文もなく、確立した判例・通説による裏付けもないような請求権を裁判所が認容する可能性は、ほぼないと考えてよいのではないかということです。

 間違いと思われる事実が記載された文書を受け取ったことが人格権の侵害に当たります?
原告勝訴判決取得可能性ということであれば、被告側がよほど稚拙な訴訟遂行でもしない限り、難しいとは思いますが、お題、ちゃっかりと「自分の文書作成費1000円を求め」たりもしていて苦笑、あなどれない、余裕ある、法的センスを感じます。訴状では、緻密な法論理が展開されているかな、と。
また、これから出してくれ、というのではなくて、行政庁が一度出したものに「間違い」があるので訂正してくれ、という請求なので、その書面の性格と、その「間違い」の内容によっては、裁判所の利益衡量が、いずれに傾くか、予断を許さない(「一度出しちゃったものには、責任もてよ、行政なんだから。先行行為に基づく作為義務ってあるでしょ」)。

※一般論としての議論なので、「間違い」の有無については、先入観なしでコメントしてます。スレ主さまには、ご寛恕を乞う、このコメントでお終いにしますから。
>でも、民事訴訟法に基づく訴えがでてきてしまってるんですよね。

なぜできているんでしょうか?
基本的には行政事件訴訟法・行政不服審査法の話なのかと思っておりました。

行政事件訴訟法
(被告適格等)
第十一条  処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。
一  処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
二  裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体

さらに
行政事件訴訟法
(処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
第八条  処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。

なので、個別法の規定がまず精査されるべきです。

・よくわからないのですが、交通事故等を想定されているのでしょうか?
 国家賠償法に限定される場合?

・それとも個別法に不服申し立ての規定のない場合を想定されているのでしょうか?

・それとも法にない私信を公務中に発信している場合を想定されているのでしょうか?
 ゆるキャラブログ的な話なのでしょうか?

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

中務少輔 No.40036

立米様
スレ主様の事例は、「住民が、自分が提出した意見書に対する行政の回答に一部虚偽があると思い、行政に対して当該回答の訂正と文書作成費相当額の損害賠償を求める訴訟を提起した」ということのようなので、行政事件訴訟法第2条に規定する「行政事件訴訟」(抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟)には該当せず、通常の民事訴訟になると思います。
したがって、その手続は民事訴訟法に定めるところによると思います(民事訴訟法は手続法で、請求の根拠法ではないと思います。当該住民の請求の根拠法については、訴状に記載がないので不明ということだと思います。)。
「住民が、自分が提出した意見書に対する行政の回答に一部虚偽があると思い、行政に対して当該回答の訂正と文書作成費相当額の損害賠償を求める訴訟」を、市長個人と担当者個人に対して提起した、ということで宜しいでしょうか。

役所が役所として回答した文書は公文書になりますが、「機関としてではない」市長個人や担当者個人に公文書を訂正する権利はありませんから、対応としては「権限のないことを求めるものである」として却下を求めることになるのではないでしょうか。
ま、文書作成費用については、いかなるものかわかりませんが。

通常、公務員個人を訴えるときには、「違法な対応により損害を受けたので賠償を求める」か「名誉を毀損されたので慰謝料を求める」形しか考えにくいです。
でなければ、住民訴訟で「個人の違法な行為により市に○○の損害を与えたので、市に対し賠償せよ」とするか。
個人に対し、公文書の訂正を求めても意味があるのでしょうか。

余談ですが、市長への手紙に対する回答というのは通常処分性がないと思われますから、行政に対する取消訴訟というのもなじまないとは思います。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

代理人なかい No.40044

ダジャレイ夫人さま

通常は、訴訟物が特定されていない場合、訴状を提出する段階で補正が求められ、これに応じないと被告に送達される前に却下となると記憶していますので、おそらく何らかの形で訴訟物は特定されていると思われます。

裁判所の受付は内容に関係なく形式的に審査するだけですから、うちでもすぐに却下になるような何が言いたいのか理解できない支離滅裂な訴状が、まれに届くことがあります。
今までは幸いなことに個人ではなく市が被告だったため、指定代理人のみですぐに解決しましたが、個人であれば加入している賠償保険で対応するか、本人訴訟をするか、弁護士に依頼するか、いずれにせよあくまで個人責任が原則です。
訴訟担当でもあまり深入りして介入すると、職務専念義務違反、また非弁行為となるおそれもありますので・・・。

Re: 職員個人を民事訴訟で訴えることは可能?

ローゼン No.40062

何の訴えなのかよく分からないため、ちょっと混乱を与えてしまっているようで申し訳ありません。

ダジャレイ夫人さま
>民事訴訟では訴状において審判の対象たる訴訟物を特定する必要があります。

立米さま
>なぜできているんでしょうか?
>基本的には行政事件訴訟法・行政不服審査法の話なのかと思っておりました。

そうなんです。こちらも戸惑ってるんです。

代理人なかいさま
>通常は、訴訟物が特定されていない場合、訴状を提出する段階で補正が求められ、これに応じないと被告に送達される前に却下となると記憶していますので、おそらく何らかの形で訴訟物は特定されていると思われます。

これから弁論なので詳細は未だ不明なのですが、どうも裁判所も補正を求めたようです。
本当に民事訴訟なのか、被告は個人2名ではなく、市ではないのか。
でも、原告本人が民事訴訟で、個人2名に対し、文書の訂正を求めると言っているようなんです。

貧書生さま
>お題の職員さん、話がこじれて恨みを買ったトバッチリでの、共同被告かな、という印象を受けました

まさに、実態は貧書生さまの言われるとおりではないかと。

代理人なかいさま
>裁判所の受付は内容に関係なく形式的に審査するだけですから、うちでもすぐに却下になるような何が言いたいのか理解できない支離滅裂な訴状が、まれに届くことがあります。

今回の件も代理人なかいさまが言われているような事例。なぜ裁判所は却下してくれなかったのかと思うんですが、実際に訴状が来てしまっているし、こちらは棄却を求め、対応するするしかないとあきらめてるんですが、その理屈付けをどうすればよいか戸惑ってしまい、投稿させていただいた次第。
裁判官のツボにはまって「文書の訂正をしろ」なんて判決が出ないように、こちらも反論の理屈を気を抜かずにちゃんと考えておかないといけないと思いまして。
しかし、なぜこのような訴えが認められるのかよくわからないまま、相手の言い分と消去法で導き出したのが民事訴訟法に基づく請求だということで動いているというのが実感。
訴えがそもそも適法ではないという言い方もあるんですね。 >税外担当さまNo.40005のコメント
中務少輔様

>>行政事件訴訟法第2条に規定する「行政事件訴訟」(抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟)には該当せず、通常の民事訴訟になると思います。

個別的な内容がないので何とも言えませんが、
個人的には、「行政の回答」なら抗告訴訟、当事者訴訟に該当してそうかと思います。

管理人です。

このスレッドは全体の3分の1を越えましたので収束してください。
続けたい場合は新たにスレッドを立ててください。

漁協の出資金の差押について

カラス No.40052

いつもお世話になっております。

標記について以前に質問させていただきましたが、私の記載がまずかったため、再度質問させてください。

現在、地方税を滞納している漁業者に対し、漁業協同組合に出資している出資金の差押を執行しました。

当該出資金の換価については、国税徴収法第74条第1項にあるように可能かと考えております。

ただ、法文等を見ておりますと、換価については組合員を脱退することを前提としているような条項に読めます。

滞納税額が出資金の一部で足りる場合、例えば、出資が100口あり、そのうち60口だけを換価するような方法は可能なのでしょうか?もし可能であれば、その根拠法文などをご教授いただければ助かります。

また、今後も仕事を続けてもらうためには組合員であり続けていただく必要があり、脱退となるのは避けたいと考えております。

わかりづらい文章で申し訳ございませんが、分かる方や経験のある方、ご回答をお願いいたします。

Re: 漁協の出資金の差押について

審査 No.40053

最近読んだ「税 2012年7月号」では、かつて可分債権については差押国税、滞納処分費、交付要求を受けたもの等を超えて被差押債権を取り立てる行為は違法とする判決が多かったけれども、熊本地判S51.9.28では、滞納税額の5倍に当たる債権の全額差押及び全額取立を適法としたとあります(全額取立しなければならないということではない)。
なので、通常は、公売できない場合には1口を残して残りの持分を組合に払戻請求する(身分上の権利は差押禁止なので、1口残すことで組合員の身分上の権利は侵害しない)のですが、滞納税額等の全額を徴収できる範囲で払戻請求し、残りは完納を理由に差押解除することは、違法ではないと思います。

P.S.逆に言えば、差押債権者は、債権者代位で組合を脱退させることはできません。

Re: 漁協の出資金の差押について

カラス No.40057

審査 様

ご回答ありがとうございます。

滞納税が60万だとした場合、出資金が100万円分あり、60万のみを換価し、残り40万円分は出資金のまま残し、差押解除を行うことで出資金が40口残せるというようなことかと思います。

ただ、漁協の担当者さんが、「換価するにあたり、根拠となる条文が必要」と言っており、1口残すような換価は条文に明記されているため可能かと思うのですが、「一部」の解釈を任意の口数で行えるという根拠が明記されているようなものはないですよね・・・

変な質問で申し訳ございません。他の金融機関などは当然のように差押を執行した出資金の一部(完納となる任意の口数)で換価させてもらっているのですが、いざ「根拠条文」と言われると示すことができず困っております。

Re: 漁協の出資金の差押について

審査 No.40058

最低1口は残さなければならない(全部はダメとされている)ので、それが1口を上回ってはいけない根拠の方がないのでは?

Re: 漁協の出資金の差押について

平米 No.40063

まず

【国税徴収法】第七十三条
5  第六十五条(債権証書の取上げ)及び第六十七条(差し押えた債権の取立)の規定は、第一項に規定する財産について準用する。

【基本通達】(取立ての範囲)
67-2 債権を差し押さえたときは、差押えに係る国税の額にかかわらず、被差押債権の全額を取り立てるものとする(法第67条第1項)。

無体財産ですが、債権の取立を準用します。よって普通は全部取立が基本です。
ただ

【基本通達】(取立て)
73-59 法第73条第5項において準用する法第67条《差し押えた債権の取立》の規定により取立てができる財産は、持分会社の社員の利益配当請求権、退社に伴う持分払戻請求権及び出資の払戻請求権、株主の剰余金配当請求権及び残余財産分配請求権、ゴルフ会員権に係る預託金返還請求権並びに信託の受益権に係る受益債権等差押えの効力が及ぶ債権に限られる。

に持ち分そのものは入ってないようです。
その上で、

【基本通達】(持分の一部払戻請求)
73-12 組合員等の持分を差し押さえた場合においては、法第74条《差し押えた持分の払戻の請求》の規定により、持分の一部の払戻しを請求できるときがある。

【基本通達】(持分の一部)
74-5 法第74条第1項の「持分の一部」とは、第73条関係1の(2)から(4)までに掲げる持分については、1口の出資を除外した残りの持分をいう。

とあるので、1口残します。
1口以上が残せるとは書いてないような気もします。どうなんでしょうか?
ただ差押に関しては

【基本通達】(全額の差押え)
63-1 徴収職員は、債権を差し押さえるときは、その債権の額が徴収すべき国税の額を超える場合においても、2の場合を除き、その債権の全額を差し押さえなければならない(法第63条本文)。
(一部の差押え)
63-2 法第63条ただし書の「その全額を差し押える必要がないと認めるとき」とは、次に掲げる要件を満たすときをいうものとする。
(1) 第三債務者の資力が十分で、履行が確実と認められること。
(2) 弁済期日が明確であること。
(3) 差し押さえる債権が、国税に優先する質権等の目的となっておらず、また、その支払につき抗弁事由がないこと。

とあります。上記は債権差押についてですが、第三債務者に対するところは同じでいいのかなと思います。つまり第三債務者が応じてくれるなら一部差押でもいいのかと思います。実務上は1口ずつ譲渡されたらどうするの?という問題ありますけど。

あと払戻しの根拠法としては74条になりますよね。

【国税徴収法】
第七十四条  税務署長は、中小企業等協同組合法 に基づく企業組合、信用金庫その他の法人で組合員、会員その他の持分を有する構成員が任意に(脱退につき予告その他一定の手続を要する場合には、これをした後任意に)脱退することができるもの(合名会社、合資会社及び合同会社を除く。以下この条において「組合等」という。)の組合員、会員その他の構成員である滞納者の持分を差し押さえた場合において、当該持分につき次に掲げる理由があり、かつ、その持分以外の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときは、その組合等に対し、その持分の一部の払戻し(組合等による譲受けが認められている持分については、譲受け)を請求することができる。
一  その持分を再度換価に付してもなお買受人がないこと。
二  その持分の譲渡につき法律又は定款に制限があるため、譲渡することができないこと。

【水産業協同組合法】
第20条 出資組合の組合員は、組合の承認を得なければ、その持分を譲り渡すことができない。

国税徴収法74条1項2号の規定により払戻しの請求できそうです。

残り一口は

【基本通達】
73-13 組合員等の持分差押えの効力は、残余財産分配請求権及び持分払戻請求権(法第74条の規定による一部の払戻しのほか、法定脱退による払戻しを含む。)に及ぶから、これらの債権が確定したときは、別個に債権差押えの手続をとることなく、取立てをすることができる(59、第74条関係6の(注)参照)。

とあるから、脱退まで塩漬けなのでしょうか。
調書作成方法とかで、もっといい方法があるのでしょうかね。
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